2022.09.09鉄道JR東海 リニア・鉄道館 秋のイベント 鉄道開業150年企画など 【今週の交通新聞より】
2022年9月5日~9月9日交通新聞から注目のニュースをご紹介!
交通新聞に掲載のニュースの中から、特に注目のニュースをトレたび編集室がピックアップしてご紹介します。
【今週注目のニュースはこちら】
・JR盛岡支社など 「TOHOKU EMOTION」 22年度下期運転日と旅行商品
・JR東海 リニア・鉄道館 秋のイベント 鉄道開業150年企画など
・JR四国 「藍よしのがわトロッコ」新オリジナルグッズを車内限定販売
・JR東日本 鉄道開業150年 限定企画やイベントなど リアル、バーチャルで盛り上げ
・JR北海道 快速「エアポート」収益挽回に期待、進む利便向上策
9月5日 月曜日
JR盛岡支社など 「TOHOKU EMOTION」 22年度下期運転日と旅行商品
JR東日本盛岡支社とJR東日本びゅうツーリズム&セールス(VTS)は、八戸線八戸―久慈間を走るレストラン列車「TOHOKU EMOTION(東北エモーション)」の本年度下期運転日と旅行商品の概要などを発表した。10月1日―来年3月26日の期間中、計83日間運転する。
同列車は2013年10月から、東日本大震災の復興支援と地域活性化の一環として、週末を中心に同区間を1日1往復運転。三陸の海が広がる車窓を眺めながら、東北の食材を生かしたランチコースやデザートビュッフェを楽しめる。ダイヤは往路が八戸発11時6分、久慈着13時2分、復路が久慈発14時18分、八戸着16時1分。
下期の往路ランチコースは、東京・池尻大橋のフランス料理店「Lien(リアン)」のシェフ、上原浩一氏が監修。シェフの地元青森の食材にこだわった仏料理を提供する。復路はホテルメトロポリタン盛岡のシェフパティシエ特製オリジナルデザート。
旅行商品は、3号車のオープンダイニング利用の場合、往路が大人8600円(子ども8000円)、復 路が5100円(4500円)、1号車の個 室は片道につき1室3600円を追加。申し込みは2人以上、ウェブサイト「のってたのしい列車予約サイト」へ。
9月6日 火曜日
JR東海 リニア・鉄道館 秋のイベント 鉄道開業150年企画など
JR東海の「リニア・鉄道館」(名古屋市)は、鉄道開業150年を記念した特別講演会、特別ガイドをはじめとした秋のイベントを実施する。ガイドツアーや親子向け体験イベント、写真展、コンサートなど鉄道を楽しむさまざまな企画を展開する。
特別講演会「今、振り返る鉄道開業150年」(10月15日)は、JR東海初代社長を務めた須田寬同社顧問がこれまでの鉄道の歴史を振り返り、今後に期待することなどを語る。
同館の天野満宏館長が案内するのは、特別ガイド「日本の鉄道誕生と東海道本線の高速化」(同22、23、29日)。東海道線が幹線鉄道として開業し、現在の東海道新幹線に至るまでの歴史を紹介する。参加は各回先着30人。
ガイドツアーは、展示車両などを解説する「みどころガイド」(11月27日までの土曜日・休日、10月16日を除く)、東海道新幹線「のぞみ」初代車両の特徴と活躍を紹介する「のぞみ30周年!300系車両ガイド」(今月11~25日の土曜日・休日)、駅構内や車両に使用する標記文字をテーマにした「鉄道の標記のひみつ」(10月1、2、8、10、30日)、特別公開の運転台に座れる「親子で学ぶ新幹線運転台の歴史」(11月3~27日の土曜日・休日)を開催する。
特定日に開催するワークショップでは、オリジナルの時計やバッジの製作に加え、模型製作を通じた超電導リニアの走行の仕組み、きっぷの歴史が学べる。
このほか、東海エリアで活躍した車両を紹介する「鉄道友の会名古屋支部第6回写真展『鉄道開業150年~時代を駆けぬけた車両たち~』」(今月14日~12月5日)、鉄道にちなんだ曲などを演奏する「JR東海音楽クラブコンサート」(10月16日)、「ジオラマで振り返る鉄道の歴史 国鉄時代の車両大集合!」(今月28日~11月28日)も実施する。
ミュージアムショップでは館内限定商品を取りそろえ、新型特急車両HC85系グッズや展示車両シールを販売中。デリカステーションでは、新幹線車両の形をした容器の弁当を各種ラインアップしている。同館は火曜日(祝日の場合は翌日)休館。
9月7日 水曜日
JR四国 「藍よしのがわトロッコ」新オリジナルグッズを車内限定販売
JR四国は徳島線「藍よしのがわトロッコ」の秋の運転(10日~11月27日の土曜日・休日)に合わせ、新オリジナルグッズを車内限定販売する。今月10~25日に乗車した人には「オリジナルうちわ」を進呈する。
新グッズは「Newオリジナルクリアファイル」(350円)、「オリジナルキーホルダー」(700円)、「JR四国観光列車2023年卓上カレンダー」(10月1日発売、1200円)の3種類。
駅弁は、下り便「さとめぐみの風」は「阿波尾鶏トロッコ駅弁」(1300円)、上り便「かちどきの風」は「あわ愛ぎゅうぎゅう ローストビーフ弁当」(3000円)を用意する。いずれも乗車4日前までに要予約。トロッコ駅弁は栗尾商店=フリーダイヤル(0120)384858=、ローストビーフ弁当は味匠藤本=電話0883(79)3212=へ。
ローストビーフ弁当は今年4~6月の「四国アフターデスティネーションキャンペーン」に合わせ、徳島県立つるぎ高校と味匠藤本が共同開発。当初は3~6月の期間限定だったが、好評につき秋運転でも継続販売。
沿線地域によるおもてなしは、小島―貞光間でボランティアグループ「太田女性会」がうちわや手ぬぐいを振り、貞光駅ホームでは同高校の生徒が主に下り便を対象に地元PR、特産品配布などを行う。
9月8日 木曜日
JR東日本 鉄道開業150年 限定企画やイベントなど リアル、バーチャルで盛り上げ
JR東日本の深澤祐二社長は6日の定例会見で、「鉄道開業150年」を盛り上げる限定企画やイベントなどを発表した。記念の節目を迎える10月14日の「鉄道の日」に向けて、これまでの歴史やこれからの新しい鉄道・駅・旅を感じられる多彩なコンテンツを用意した。
150にちなみ、同社管内の駅でポケモンとの写真が撮れるイベント「~駅に隠れた150匹のポケモンを探そう~」を10月ごろ開始予定。同社全線と第三セクター鉄道・民鉄7社の列車(新幹線、特急、急行、快速の普通車自由席)が3日間乗り降り自由の特別企画乗車券「鉄道開業150年記念 JR東日本パス」(利用期間10月14~27日、大人2万2150円)は、利用開始日の1カ月前から「えきねっと」限定で販売する。
寝台列車「カシオペア」や西九州新幹線などに乗車する「日本一周の旅16日間」(10月29日、11月5日出発、上野発・羽田空港着大人1室1人190万円、募集各16人)は、JR東日本びゅうツーリズム&セールスで申し込みを受け付けている。
上野駅では「停車場から文化創造Stationへ」をテーマに各種イベントを開催。精巧に再現したAR(拡張現実)鉄道車両を展示する「AR車両フォトスポット」(10月14~16、28~30日)や、駅回遊スタンプラリー「150年をめぐる旅」(同14~30日)、新潟・佐渡地域と連携した伝統芸能五感体験(同14~16日)、新潟産直市(同25~30日)を予定。
メタバース・ステーション「Virtual AKIBA World」のホーム上では10月3日~11月10日、鉄道開業時に使用された「1号機関車」を再現。客車内部は3Dギャラリー化するほか、明治時代のファッションを意識したアバターを用意する。
さいたま市の鉄道博物館で開催中の企画展「鉄道の作った日本の旅150年」では、「珠玉の秘蔵資料特別公開」コーナーで10月19日~12月19日、明治初期の信号機図面などを初めて一般公開。
「JR東日本駅弁味の陣」「みんなが贈りたい。JR東日本おみやげグランプリ」(10月1日~11月30日)は150年記念関連商品の特別賞を予定。通販ウェブサイト「JRE MALL」は今月21日からオリジナルグッズのプレゼントキャンペーンを開始。横浜、大宮、八王子、立川、上野、両国の各駅では10月1日~11月13日の期間内に順次、鉄道開業150年をテーマとした催事を開催する。
このほか、「JR東日本トレインシミュレータ」(製作・音楽館、監修・JR東日本)の早期アクセス版を今月20日から配信開始。コカ・コーラの「Coke ON」対応自販機や「JRE POINT」でもプレゼントキャンペーンを行う。
9月9日 金曜日
JR北海道 快速「エアポート」収益挽回に期待、進む利便向上策
「uシート」チケットレスサービス タレント起用しPR 「毎時5本化」など認知度向上
観光需要復調の兆しを受け、JR北海道の札幌圏輸送の柱、快速「エアポート」(新千歳空港―札幌・小樽間)のさらなる利用回復に期待がかかる。同社は、コロナ禍で高まる非接触ニーズに応えて4月に導入した指定席「uシート」のチケットレスサービスについて、タレントを起用したプロモーションで高い利便性をPR。2020年3月のダイヤ改正で実施した「毎時5本化」「特別快速」の認知度向上も図り、収益挽回へ一層拍車をかける。
回復基調続く
通勤・通学、ビジネス、観光などエアポートの需要は多岐。近年の利用状況は、年度末にコロナ禍が顕在化する19年度で1日平均4万7100人。20年度2万6200人。21年度3万400人。本年度は前年度末からの回復基調が続き、月別の6月は1日平均4万900人、7月は4万1600人と、直近2カ月が昨年12月以来の4万人超え。平年比(19年1~12月)は両月ともコロナ禍以降最高の83%まで回復している。8月は14日までで4万2900人の84%。
快適さを発信
非対面やキャッシュレス需要に応えたuシートチケットレスは、JR東日本「えきねっと」から提供する「えきねっとチケットレス座席指定券」の第1弾としてサービスを開始した。プロモーションには、メンバー全員が北海道出身のボーイズユニット「NORD(ノール)」を起用。「uシートは!スマホで、のーる。」をキャッチコピーに、リクライニングやテーブルのあるuシートの快適さを発信。駅ポスターや専用ホームページも含めた各媒体でPRに力を注ぐ。
「毎時5本化」「特別快速」については、さらなる認知度向上が利用回復には欠かせないと、利便性PRを課題として抱える。いずれも札幌圏輸送体系の大規模見直しを図った20年3月ダイヤ改正の目玉だったが、コロナ禍とタイミングがかぶったことが貴重なPRの機会を奪った。
道内外浸透を
年々増加した訪日需要に応えて、1日当たりの運転本数を従来から3割増の148本とした毎時5本化。沿線の通勤・通学利用とのすみ分けを図り、停車駅を札幌、新札幌、南千歳、新千歳空港に絞って空港アクセスに特化した特別快速(朝夕上下計4本)。訪日客受け入れ本格再開に向けた動きが出てくる中、道内外における利便性のさらなる浸透が利用回復の追い風となる。
ノールのメンバーが登場するショートムービーも公開するなど、高い閲覧数が期待できる内容に仕上がったチケットレスの専用ホームページには、「エアポートについて詳しくはこちら!」のリンクも開設。アクセス先は毎時5本や特快といった利便性を紹介するエアポート専用ページとなっていて、併せて閲覧をいざなう。
新球場後押し
今後は、国内外利用者の「回復」への期待ばかりではない。プロ野球・北海道日本ハムファイターズの新球場などで構成する「北海道ボールパークFビレッジ」が、北広島駅をアクセスとして来年3月に開業する。近隣エリアには分譲マンションの建設も予定されるが、観戦者だけでも集客規模は1試合最大3万5000人に上る。
地元から同社に期待される送客数はそのうち4割で、この新需要が同駅にも停車するエアポート、札幌圏輸送の収入挽回をさらに後押しすることになりそうだ。
交通新聞
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