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2025.08.25鉄道『JR時刻表』連載「駅グルメ」Vol.03 駅弁「えびめし」

あなたにとって思い出深い一品はありますか?

毎月、駅で出逢える全国各地のグルメを紹介する連載「駅グルメ」のVol.03です。
今回のグルメは駅弁「えびめし」。

最新のエピソードは、毎月発行の『JR時刻表』で公開中!


ツルのまちから羽ばたく、心も跳ねる味わい

九州新幹線随一の車窓が楽しめるのが新水俣~出水間だ。トンネルとトンネルの間に一瞬、八代海が広がる。別名・不知火海とも呼ばれるこの海では、独特な桁打瀬漁(けたうせぶね)によってクマエビが獲られてきた。えびは焼きえびとして加工され、正月をはじめとしたハレの日の食事として重宝される。古くは島津のお殿様にも献上されたこともあるそうだ。

そんな鹿児島の食文化を感じられる駅弁が、出水駅や鹿児島中央駅でも販売している松栄軒の「えびめし」だ。1968(昭和43)年発売のロングセラーで半世紀以上にわたって愛されてきた。大きなえびが描かれた包装を開ければ、錦糸玉子・グリーンピースなどとともに彩りよく盛り付けられたえびめしが現れる。
クルンと弧を描いた4匹のえびのプリッとした食感はもちろん、上品な味わいのご飯をいただけば、炊き込まれた小えびの舌ざわりが心地いい。この主役を引き立てるのがさつま揚げや老舗のつぼ漬けなどの郷土の味だ。
出水駅では観光特産品館「飛来里」で販売され、ブースには懐かしい松栄軒の立ち売りの籠も置かれている。ツルのまちとして有名な出水から生まれる種類豊富な鹿児島の駅弁選びに迷ったら、「えびめし」を選べば、元気なえびのようにきっと心も跳ねる。


肥薩おれんじ鉄道線

九州新幹線 800系

さあ、この「えびめし」をどの列車でいただこうか。
やはり海が見える列車がいい。九州新幹線なら800系新幹線の〔つばめ〕〔さくら〕を選べば、自由席でも2列シート&2列シートのゆったりとしたシートで旅が楽しめそうだ。800系にはグリーン車の連結がないので、時刻表とにらめっこをすれば、どの列車に乗ればいいか、おのずと分かるだろう。
「えびめし」の歴史に思いを馳せるなら、いまは肥薩おれんじ鉄道となった区間を含む、昔からの鹿児島本線をトレースするのも楽しい。
車窓に広がる天草諸島や甑島(こしきしま)といった沖に浮かぶ島々を眺めながら「えびめし」を口に運べば、自然と海の恵みへの感謝の気持ちが生まれてこよう。


えびめし

発売駅:出水(いずみ)駅 ※販売駅は代表駅のみを記載しています。
ねだん:1,350円(税込)
製造元:松栄軒

次号は駅弁「竹取物語」。
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  • 『JR時刻表』2025年9月号掲載時点の内容です。
  • 取材・文・画像=望月崇史
  • イラスト=佐藤妃七子

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