あなたにとって思い出深い一品はありますか?
毎月、駅で出逢える全国各地のグルメを紹介する連載「駅グルメ」のVol.08です。
今回のグルメは駅弁「駅弁屋 幕の内弁当」。
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北の山海の恵みと、駅弁屋の実力を味わう幕の内
札幌駅から真っ白な雪の大地を駆け抜けておよそ1時間25分。トンネルとトンネルの間の車窓に石狩川が近づいてくると、函館本線の特急〔ライラック〕〔カムイ〕は、徐々にスピードを緩めて旭川駅へと入っていく。JR北海道のコーポレートカラー・ライトグリーンが目立つ6両編成・グリーン車付きの列車が特急〔ライラック〕、グレーのスマートな5両編成の列車が特急〔カムイ〕だ。
特急〔ライラック〕
特急〔カムイ〕
最近はインターネット予約でお気に入りの指定席を選んでいる利用者も多い。ぽかぽかの車内からホームに降り立つと、キーンと体の芯まで真冬の寒さが伝わる。さすが氷点下41.0度、日本の最低気温記録を持つ街だ。そのまま宗谷本線、石北本線、富良野線の列車へ乗り換えていく乗客もいれば、駅前の旭山動物園行きバスのりばの長い列に加わっていく人もいる。コンコースへ降り、改札を抜けて、温かい湯気と出汁の香りに誘われるように旭川駅立売商会の駅そばの店をのぞいてみたい。種類豊富な駅弁のなかでも「駅弁屋 幕の内弁当」は、白飯と山菜しそわかめごはんの2種類のごはんが楽しめる。地元焼き鳥店とのコラボで作りあげた道産軟骨入りつくねや、玉ねぎたっぷりのすき焼きは北の大地を、赤魚西京焼き、かに風味しゅうまいは北の海の恵みを感じさせる。彩りが華やかな海鮮駅弁に目移りしそうな心を抑えて幕の内を選べば、駅弁屋さんの実力を一層じっくりと味わうことが出来るだろう。
さあ、この駅弁、札幌までの約1時間25分でいただくのもいいが、やはり特急〔宗谷〕〔サロベツ〕で稚内、あるいは特急〔オホーツク〕などで網走を目指したい。それぞれ終着まではおよそ4時間の旅。稚内の手前で利尻富士が見えた時の感動は格別で、網走の先、釧網本線へ足を伸ばせば、春先は列車の窓から流氷を望めることも多い。列車でぬくぬく駅弁を頬張りながら、凍てつく北の大地を眺める。最高にぜいたくな時間だ。
特急〔オホーツク〕
釧路本線 北浜駅
駅弁屋 幕の内弁当
発売駅:旭川駅 ※販売駅は代表駅のみを記載しています。
ねだん:1,680円(税込)
製造元:旭川駅立売商会
次号は駅弁「ひとくちだらけ」。
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- ※『JR時刻表』2026年2月号掲載時点の内容です。
- ※取材・文・画像=望月崇史
- ※イラスト=佐藤妃七子

