JR九州に聞いてみました!
『JR時刻表』編集部がJR各社に鉄道にまつわるさまざまな疑問をQ&A方式で聞いていく連載です。
今回は……
Q. 新しい車両はどうやって作られるの?
西九州新幹線〔かもめ〕の製造工程などについて、JR九州に聞いてみました!
A.
新幹線〔かもめ〕は、山口県下松市にある日立製作所笠戸事業所で「設計→部品組立→車体組立→ぎ装(※1)作業→台車取付→検査・試験」の工程を経て完成しました。
車体はアルミニウム合金を使用したダブルスキン構造(※2)で、車両は車体部分を白、床下側面のフサギ板を赤で塗装しています。
車内には木材をふんだんに使用した座席(指定席)が配置され、温かみのある客室でゆったりとくつろぐことができます。
車両はN700Sの6両編成、全車電動車の3両1ユニット構成の2ユニット構成です。N700S “標準車両” 16両で開発された主回路機器等の小型化・軽量化によって、床下機器配置の最適化が図られています。
また、西九州新幹線では高速走行を支えるため、さまざまな技術も取り入れています。軌道は高速走行の安全性を確保しつつメンテナンスの軽減を考慮して、スラブ軌道(※3)を採用しています。
また、駅部に設ける分岐器(ポイント)は、多くの部品からなる特殊構造のため、合成まくらぎを用いた直結軌道を採用して走行安全性・省力化を実現しています。
レールは、長さ25mのレールを溶接してつないだロングレール(最長30km)にすることで騒音の原因を取り除き、高速走行の安全性を確保しています。
(※1)室内や床下に各種装備を取り付ける工程
(※2)鉄道車両の構体構造の一種
(※3)巻頭特集「西九州新幹線 大解剖!」もあわせてご覧ください。
- ※『JR時刻表』2022年9月号掲載時点の内容です。
- ※写真=JR九州提供
- ※構成=時刻表編集部