「はこビュン」について教えて!
『JR時刻表』編集部がJR各社に鉄道にまつわるさまざまな疑問をQ&A方式で聞いていく連載です。
今回は……
Q.「はこビュン」について教えて!
「はこビュン」とはどのようなサービスなのか、JR東日本に聞いてみました!
A. 鉄道のネットワークを活用した次世代配送サービスです。
列車の特性を活かした配送サービス
2021年10月より事業展開している「はこビュン」は、ジェイアール東日本物流が事業者となり、JR東日本が運転する新幹線や在来線の特急列車等を活用して、荷物をスピーディーかつ安全に輸送する次世代配送サービスです。「地方創生」「物流危機」「モーダルシフト ※」といった社会的課題への解決策を提示し、地域産業の発展に貢献できる事業として位置付けられています。
- ※トラック等の自動車で行われている貨物輸送を環境負荷の小さい鉄道や船舶の利用へと転換すること。
「はこビュン」のロゴデザイン
列車が持つ速達性や定時性、低振動性を活かして、「鮮度」が価値となる鮮魚・野菜・果物といった生鮮食品や、速達ニーズのある医療関係品、機械類・電子部品等を主に輸送しています。また、珍しいところでは、観賞用の錦鯉や引越家財を運んだ実績もあります。
「はこビュン」で輸送された観賞用の錦鯉
個人向けのサービス「はこビュン Quick」
「はこビュン」は事前契約が必要な法人専用のサービスですが、個人でも利用可能な「はこビュン Quick」というサービスも展開されています。「はこビュン Quick」は、東京~新函館北斗・新青森・盛岡・仙台・新潟・長野・金沢間の指定された列車に限り、事前契約不要で誰でも利用できるサービスです。最短で新幹線の発車30分前までに荷物を対象駅の専用カウンターに持ち込めば、発送先駅の専用カウンターで荷物を受け取ることができます。
「はこビュン Quick」のロゴデザイン
さらなるサービスの拡大へ
今年度は、これまで以上に事業を本格化しています。4月から開始している大口輸送(毎週金曜日に新青森~東京間を運転している東北新幹線臨時列車〔はやぶさ50号〕を使用)では、新幹線の1・2号車を荷物専用車両とすることで、200箱程度の荷物を輸送しています。また、専用台車を開発し、あらかじめ荷物を専用台車に積載した状態で新幹線車内に積み込むことで、座席と座席の間に多くの荷物を効率よく配置できるように工夫しています。
専用台車によって無駄なく配置された荷物
今後はE3系を活用した荷物専用新幹線(盛岡新幹線車両センター~東京新幹線車両センター間を運転)が登場する予定で、最大で1000箱程度のさらなる大口輸送が可能になります。
- ※『JR時刻表』2025年11月号掲載時点の内容です。
- ※画像=ジェイアール東日本物流提供
- ※構成=時刻表編集部