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2022.11.21鉄道列車の定時運行を支えるシステムとは?【JR東日本に聞いてみました】

JR東日本に聞いてみました!

『JR時刻表』編集部がJR各社に鉄道にまつわるさまざまな疑問をQ&A方式で聞いていく連載です。
今回は……

Q. 列車の定時運行を支えるシステムとは?

首都圏を走る列車の運行はどのような仕組みによって支えられているのか、JR東日本に聞いてみました!

A. 

JR東日本では、列車の運転本数が非常に多い首都圏固有の状況に対応するために開発したATOS(東京圏輸送管理システム)を導入し、運行管理を行っています。これにより、輸送指令は運行状況をリアルタイムに把握し、ダイヤ乱れを早期に回復することができます。


日々、列車の運行管理や情報提供に細心の注意を払っています

指令室の様子

輸送指令の主な役割は、①「安全の確保」と②「輸送品質の維持・向上」です。
①は、何か事象が発生した際に輸送指令が関係者に対して適切な指示を行うことにより、事故への発展を防ぐことです。例えば、地震や大雨、強風など鉄道施設に損傷を与えうる災害の際、列車への徐行指示や危険な箇所の手前で列車を緊急停止させるなどの手配を行っています。
②は、お客さまに時刻表で提示したダイヤ通りに運行しているか管理することです。ダイヤ乱れが発生した際に、輸送指令はダイヤの一部を変更して正常なダイヤに戻す運転整理(列車の運休のほか、発着時刻・発着番線・列車の行き先や種別・発車順序を変更するなど)を行うことで運転可能な区間での列車の運行を続け、お客さまへの影響を最小限にとどめるとともに、早期にダイヤを正常な状態に戻すよう手配しています。

ダイヤを正常に戻す運転整理は、状況判断や乗務員・車両の手配が複雑なため、現在、運行管理システムによるコンピュータやAI 技術で自動的に実施することができません。輸送障害が発生した際には指令員が判断して乗務員や駅社員に的確に指示し、列車の遅れを予測して運転計画を変更し、運転整理を行っています。

  • 『JR時刻表』2022年12月号掲載時点の内容です。
  • 写真=JR東日本提供
  • 構成=時刻表編集部

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