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2023.03.20鉄道教えて! 駅長の仕事【JR四国に聞いてみました】

JR四国に聞いてみました!

『JR時刻表』編集部がJR各社に鉄道にまつわるさまざまな疑問をQ&A方式で聞いていく連載です。
今回は……

Q. 教えて! 駅長の仕事

駅長の仕事内容について、JR四国(松山駅・野本駅長)に聞いてみました!

A. 

駅での仕事にはきっぷなどの発売を行う出札業務、きっぷの拝見や精算を行う改札業務、列車の連結・解放作業を行う操車業務、列車の信号を制御する信号業務、担当エリア内の他の駅を管理する管理業務などがあり、担当の駅員が行っています。

駅長の仕事は、何かトラブルがあった時、または今後トラブルになりそうな事態を予見して、対応できるようにさまざまなことを総合的に考えて判断し、駅が適切に機能するように運営していくこと。また、駅員が安全に安心して明るく意欲を持って働けるようにすることも大切な仕事です。

現在、JR松山駅付近連続立体交差事業において高架化工事が進んでおり、2024年秋頃には新しい松山駅が完成予定。現在の駅舎は1953(昭和28)年に建てられた2代目にあたり、四国の県庁所在地にある4つの主要駅の中でも最も古い駅です。道後温泉や松山城など観光名所がある愛媛松山の玄関口として、高架新駅には利便性向上のほか、にぎわいや憩いの場の創出、地域の活性化など大きな期待が寄せられています。3代目新駅移転に向けて着実に準備を進め、業務を行いながらスムーズな移行を実現するのも松山駅長の大切な仕事の一つです。

一般的な駅長は、駅員として駅業務に精通した後、現場管理者として助役や本社の営業部門や列車指令など鉄道事業の要となる仕事を経験し、その後、管理総括助役等を経て駅長になるというような、鉄道事業に専念して駅長にステップアップする方が多いと思いますが、私の経歴はかなり異なります。瀬戸大橋開通時に瀬戸大橋博覧会でJR四国パビリオンの出展に携わったり、IT ベンチャーのグループ会社への出向、松山運転所での助役、社外の窓口となる愛媛企画部や研修センターでの勤務、本社の人権啓発室長などを経験。これらの経験により駅業務を俯瞰して新鮮な視点で見ることができ、今まで当たり前のように行っていた業務や接客でも違和感のあるものは改めて考え改善に努めています。


JR四国の駅長は正装に白い制服を着用。身も心も引き締まります

松山駅は、伊予灘のすばらしい景色が広がる「愛ある伊予灘線」の駅を一部管轄し、その中には“青春18きっぷ” のポスターなどで有名な下灘駅も含まれています。「愛ある伊予灘線」では、〔伊予灘ものがたり〕が運転されています。そして昨年は、松山駅主催で伊予灘の夕日と潮風を楽しみながらおいしい生ビールが味わえる「夕焼けビールトロッコ」を3年ぶりに運転。お客さまに大変喜んでいただき、松山駅の駅員も明るい気持ちになりました。

  • 『JR時刻表』2023年4月号掲載時点の内容です。
  • 写真=JR四国提供
  • 構成=時刻表編集部

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