JR東日本に聞いてみました!
『JR時刻表』編集部がJR各社に鉄道にまつわるさまざまな疑問をQ&A方式で聞いていく連載です。
今回は……
Q. 「グランクラス」について教えて!
「グランクラス」の特徴や注目ポイントについて、JR東日本に聞いてみました!
A. 居心地の良い、ゆとりある空間で特別な時間をお過ごしください
幅広い層のお客さまに利用されているグランクラス
2011(平成23)年に初めて「グランクラス」を導入したのは、東北新幹線E5系。その後、東北新幹線・北海道新幹線H5系、上越新幹線・北陸新幹線E7系・W7系にも導入し、30~50代の方を中心とした幅広い世代のお客さまにご利用いただいています。
「グランクラス」とは、フランス語で「大きな」という意味を表す「Gran」と英語の「Class」を組み合わせた造語で、高級感に加え大きな特徴であるゆとり・居住性を表現しています。ロゴはグランクラスの「G」をイメージしたデザインとしています。
上質で洗練された空間を演出
新幹線のグリーン車は利用実績が年々増加し、快適性や静粛性に対するニーズが高かったことから、その上位クラスとして「グランクラス」を導入。
初導入となったE5系では、「特別な旅のひとときをあなたに~Exclusive Dream~」をデザインコンセプトに、質感の高い素材や照明で上質・洗練された空間を創出するとともに、広いシートピッチと横3列の座席配置でゆとりある快適な座り心地を実現しました。座席はバックシェルタイプの斬新なデザインでプライベート感を演出しています。「あなただけの空間(パーソナル感)」「こだわり(お客さまの上質な時間)」「オリジナル(東北新幹線らしさ)」が導入時のサービスコンセプトです。
それぞれのデザインコンセプトに合わせた室内
E5系・H5系は、木質とメタリックな色合いを組み合わせた室内に、本革シートやウールのじゅうたんなどの上質な素材を採用した居心地の良い空間を演出。
また、E7系・W7系のテーマは「高めあう和」。伝統を感じる空間と先進の機能を持つシートがお互いを高めあうことで、居心地の良い、ゆとりある空間を演出し、日本的な事物を象徴しつつ、現代的感覚もあわせ持つカラーイメージで重厚な空間を目指しました。
「飲食・軽食あり」「飲食・軽食なし」、2つのサービス
「グランクラス」は現在、「飲料・軽食あり」「飲料・軽食なし」と2つのサービスを提供しています。2011年の導入時には全列車が「飲料・軽食あり」でしたが、2019(平成31)年からご利用いただきやすい料金の「飲料・軽食なし」のサービスを導入しました。
また、「飲料・軽食あり」の「グランクラス」では、季節ごとにコンセプトを設け、厳選した食材を使用した「リフレッシュメント(軽いお食事)」を洋食と和食からお選びいただけます。
「グランクラス」専任アテンダントの研修・心構えとは
「グランクラス」に専任で乗務を行う「グランクラスアテンダント」は、入社時にモックアップ(実車両を模した訓練設備)を備えた施設で基礎研修を受けます。配属後に机上研修やOJTを受け、入社から約2カ月かけて「グランクラスアテンダント」として必要な知識や接遇サービスを身につけます。
また、新駅の開業やオペレーション変更などの大きな節目の際には、実際の車両を使用してより実践的な訓練を行うこともあります。
日々のサービスで大切にしていることは、お客さまのアクションを先読みすること。そのために、「自分がお客さまだったら……」と常に考え、“考動”しています。お客さまそれぞれのお出かけの目的に合った快適な時間を過ごしていただけることを目標に、ご様子に配慮したコミュニケーションに努めています。
くつろぎと安らぎを感じられる車内空間で、こだわりの時間をお過ごしいただくとともに、沿線の特徴を生かしたサービスをぜひお楽しみください。
- ※『JR時刻表』2024年5月号掲載時点の内容です。
- ※画像=JR東日本提供
- ※構成=時刻表編集部