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2021.06.29鉄道脳内科医が教える! 「脳にいい電車の乗り方」

電車内は脳内科医もイチオシの“脳活性空間”

電車を利用されている皆さんは、車内でどのように過ごしていますか?
スマホばかり見ていてはもったいないです。ぜひまわりに目を向けてみましょう。
「人間観察」は脳がフル活動する行動のひとつ。
「人種のるつぼ」である電車内は、脳を活性化するチャンスにあふれている空間なのです。
『脳にいい! 通勤電車の乗り方』(交通新聞社新書)では、1万人以上の脳画像を分析してきた脳内科医が、電車内や通勤中にできる「脳にいいこと」を紹介。今回はその内容の一部を取り上げます。

  • イラスト(すべて):オギリマサホ

脳は、いくつになっても成長させることができる


左から 乳児(1歳以下)、3歳、20歳のMRI画像 左から 乳児(1歳以下)、3歳、20歳のMRI画像

仕事でもプライベートでもいきいきとした生活を送り続けるためには、健康な脳が必要です。
脳の衰えは気になるけど、鍛えるにはもう手遅れ…そう思っている人、多いのではないでしょうか。
実は脳はいくつになっても成長するようになっていて、遅いということはありません。
上のMRI画像をご覧ください。乳児にはなかった枝のようなものが年齢を重ねるごとに伸びているのがわかりますね。
これが脳の成長をあらわしています。
年齢を重ねても、脳には「潜在能力細胞」がいくつも存在していて、新しい経験や知識を得ることでそれらの細胞が刺激を受けて元気な細胞へと変化し、この「脳の枝ぶり」を成長させます。
「年だから」とあきらめてしまうと、それこそ脳の成長はストップしてしまいます。
脳はいくつになっても鍛えることができるし、できないこともできるようになります。

あの人は誰のそっくりさん?


さて早速ですが、電車内の目の前の人を観察してみましょう。
その人は誰に似ているでしょう? 似ている著名人をイメージしてみてください。
このとき、脳は高度な情報処理を行っています。
まず「観察する」という一連の流れで、脳はまんべんなく刺激を受けます。
そもそも脳には機能別に八つの「脳番地」がありますが、観察することで、視覚系・聴覚系・理解系・思考系・運動系・感情系などの脳番地が刺激されます(それぞれの機能について詳しくは本書で紹介しています)。
ここではさらに著名人をイメージすることで、観察により分析したデータを自分の脳に蓄積されたデータと結びつける作業が行われる過程で、記憶系脳番地も鍛えることができます。

次の駅で降りるのは誰だ!?


車内で簡単にできる「脳にいいこと」、その2。
座っている人のうち、誰が一番早く電車を降りるでしょう? ゲーム感覚で当ててみてください。これは普段から自然とやっている人もいるかもしれませんね。
身なりや仕草をしっかり観察することに始まり(視覚系脳番地)、早く降りる人の傾向を想起し(記憶系脳番地)、そのタイプと合致するかどうか見極め(理解系脳番地)、選択していく(思考系脳番地)ので、「高次脳機能」のトレーニングになります。
ここでポイントなのが、できれば心から「座りたい」という気持ちで「この人だ!」と思う人のそばまで移動すること。
外れたときの悔しさが大きくなるので、感情系脳番地の強化につながります(感情系を鍛えると、感情に邪魔されずに物事を考えたり記憶したりする能力を高めることができます)。

すぐできる! 脳トレいろいろ

このほかにも『脳にいい! 通勤電車の乗り方』(交通新聞社新書)では、日常的に、すぐに実践できる「脳にいいトレーニング」をいくつも収録。
通勤にかかわらず電車を利用される方にとって役立つ情報がつまっています。
最後に問題。荷物を網棚の上に置くのと、抱えて持つのとでは、どちらが脳を刺激するでしょう?
答えは本書でお確かめください。


交通新聞社新書『脳にいい! 通勤電車の乗り方』

1万人以上の脳画像を分析してきた名医が、「脳を活性化する最高の空間」としての電車の特性に注目。ビジネススキル向上や認知症予防に効果的な電車の乗り方を紹介します。本書を片手に電車ですぐに実践できる脳トレ本。

著者:加藤 俊徳
1961年、新潟県生まれ。脳内科医、医学博士。加藤プラチナクリニック院長。株式会社 脳の学校 代表。昭和大学客員教授。発達脳科学・MRI脳画像診断の専門家。胎児から超高齢者まで1万人以上を加藤式MRI脳画像診断法を用いて治療。著書にベストセラー『脳の強化書』(あさ出版)、『50歳を超えても脳が若返る生き方』(講談社)、『片づけ脳――部屋も頭もスッキリする! 』(自由国民社)など多数。

発売日:2019年10月15日
定価:880円(本体800円+税)


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