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2022.09.16鉄道廃線跡めぐり。いつ行くのがいいの?

テクノロジーの進歩で、廃線巡りはチャレンジしやすくなっている

以前と違い、わざわざ足を使ってたくさんの古地図店や図書館を探さなくとも、廃線跡巡りのコースをみつけるのもずいぶん容易になった。古地図や昔の地形を現在の地図や座標とあわせて表示できるアプリやインターネット上のサービスも登場しているいま、交通新聞社新書154『廃線跡巡りのすすめ』を片手に、廃線跡巡りにチャレンジしてみてはいかがだろうか。

  • トップの写真は、鳥取県にある旧国鉄倉吉線跡。幽玄な気分を味わえる

廃線跡巡りは意外にキツくない?

廃線跡巡りと聞いた時「かなりキツそうだよね」というイメージをお持ちの方もいると思う。険しい山道を延々と歩き続けたりするイメージがあるのではないだろうか。

確かに、山のなかを歩くこともあるのだが、ここでひとつ思い出してほしい。「鉄道は急な坂道が苦手」ということだ。つまり、山道ではあったとしても決して険しい道のりではなかったりするのだ。

ただ、距離が長いことは考えられるので帰り道のことは事前に調べてから行くのが鉄則だ。


つくば霞ヶ浦リンリンロード 旧筑波鉄道コース 筑波鉄道跡を利用した「つくば霞ヶ浦リンリンロード」の旧筑波鉄道コース(新土浦付近)。

勾配がきつくないので、道が舗装されていれば、自転車で巡るのもおすすめだ。

例えば、旧筑波鉄道(土浦~岩瀬間)の跡地はサイクリングロードとして整備されていて、レンタサイクルもある。勾配が少なく快適で、旧駅舎が休憩所として活用されていたりと、気軽に廃線跡をたどることができるのだ。

廃線跡巡りは特に秋~冬の時期がおすすめ!

廃線跡巡りは意外にキツくないといったが、キツい季節はある。それが夏だ。
近年の猛暑は特に危険で、長距離移動となることもあるのでもし出かけるなら暑さ対策は念入りに行いたい。

夏を避けたい理由はさらにある、例えば山間部であれば蜂やクマなど危険な生物にも気を付けなくてはいけない。そして、一番の大問題は……。とにかく下の2枚の写真を見てほしい。


冬の宮原線麻生釣駅跡 例えば大分県の宮原線麻生釣駅跡。冬にはこの通りホームと階段が姿を現すのだが……


夏の宮原線麻生釣駅跡 夏になると、すっかり雑草に覆われてしまい何もわからない

草木が繁茂すると、かすかな痕跡は容易に覆い隠されてしまうのだ。折角たどり着いたのにこれでは悲しすぎる。

そんなわけで、廃線跡巡りは秋~冬がおすすめなのだ。これからの季節、アプリやインターネット、そして『廃線跡巡りのすすめ』を相棒に、よき廃線跡巡りを。


交通新聞社新書『廃線跡巡りのすすめ』

在りし日の鉄道の姿を想像しながら歩く『廃線跡巡り』。やってみたいとは思っていても、そもそも下調べからして難しそう! たしかに昔はそうでした。それが今、劇的に始めやすくなっているのです。事前調査から実際に歩いてみるまで、数多くの廃線跡を巡った著者が豊富な実例と実体験をもとに新しい廃線跡巡りのHow Toと、廃線跡をもっと楽しむ方法を詰め込んだ実用の一冊。

発売日:2021年8月25日 
定価:990円(本体900円+税)

著書:栗原 景
1971年東京生まれ。小学生の頃からひとりで各地の鉄道を乗り歩く。旅と鉄道、韓国をテーマとするフォトライター、ジャーナリスト。旅行ガイドブックの編集を経て、2001年からフリー。主な著書に『地図で読み解くJR中央線沿線』(岡田直監修/三才ブックス)、『東海道新幹線沿線の不思議と謎』(実業之日本社)、『東海道新幹線の車窓は、こんなに面白い!』(東洋経済新報社)、『アニメと鉄道ビジネス』(交通新聞社新書)など。


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