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2021.08.27鉄道「夢の国」の生みの親は、国内最速・時速160kmで走る列車を擁するあの会社?

国内最速! だけじゃない京成電鉄いろいろ

海外旅行がしづらくなった昨今ですが、成田空港へは「スカイライナー」で向かった方も多いのではないでしょうか。
上野から荒川、足立、葛飾、江戸川と抜け、千葉に入っては船橋、津田沼、佐倉を越え、道中いくつもの川をわたってたどり着く、空の玄関口。
列車内ではもう心は機上という人も多いか思いますが、それは「スカイライナー」が在来線で「国内最速」という時速160㎞ものスピードで走っていたからかもしれません。
高速道路ではとんでもない速さです。ライオンは時速80㎞で、チーターは時速120㎞で走るらしいですが、猛スピードであることに間違いありません。
このスカイライナーを走らせているのが、京成電鉄。『京成はなぜ「国内最速」になれたのか』(交通新聞社新書)では、その京成電鉄のスカイライナーのみならずいろいろななるほどを、身近な人にもそうでない人にもわかりやすく解説。読み終わったあとは、誰もが身近に感じることでしょう。
例えばどんなことが…を以下、ちょっぴりご紹介。

  • トップの写真は、在来線最速で走る3代目京成スカイライナー、AE形。写真はすべて交通新聞社新書『京成はなぜ「国内最速」になれたのか』(2021年発行)掲載より

“日本初”の「相互乗り入れ」


京成線と都営浅草線がつながり、相互乗り入れの場所となる押上駅 京成線と都営浅草線がつながり、相互乗り入れの場所となる押上駅

「やばい、遅刻だ‼ あ、乗り換え間に合うか…」というときに、乗り換え検索アプリで「乗り換え不要」という文字を見ると、移動時間が省けた気がして少しホッとしますよね。
いまや鉄道各社同士がさまざまに乗り入れて、乗り換え不要になることも多くなりました。
実は日本初の「相互乗り入れ」が行われたのが、京成電鉄と都営地下鉄1号線(現・都営浅草線)でした。
京成電鉄が「相互乗り入れ」を行ったわけは、「少しでも多くの乗客を獲得するために、都心に乗り入れたい」と願ったから。
いまでは当たり前の私鉄各社の都心への乗り入れは、京成だけでなく、多くの鉄道会社がそう願った結果でもあり、それを「相互乗り入れ」により最初に実現した会社が京成電鉄だったのです。
この相互乗り入れの工事は困難極まるもので、都営地下鉄と京成電鉄でそれぞれのレール幅(軌間)が63ミリ違うため、レール幅の修正(改軌)を行う必要がありました。
京成電鉄はなんとしても乗り入れを果たすために、わすか1カ月半という驚異的なスピードで、京成全線を改軌。まさに京成電鉄の執念が感じられます…。

「夢の国」実現のきっかけは60年前に…?


2代目「スカイライナー」のAE100形。ディズニーとは関係ないのですが… 2代目「スカイライナー」のAE100形。ディズニーとは関係ないのですが…

願いを叶えたのは、改軌までして実現した乗り入れだけではありません。
「夢の国」を実現しました。そう、日本を代表するテーマパークである「東京ディズニーリゾート」です。
その運営会社である「オリエンタルランド」を設立したのが、京成電鉄なのです。
もともとは、現在の千葉県浦安市の沖合を埋め立て、住宅地やレジャー施設を建設して運営することを目的とした会社でした。
そして1961年に、京成電鉄の川﨑千春社長(当時)がカリフォルニア州アナハイムにある本場のディズニーランドを訪問。
その世界観にすっかりほれ込み帰国後、誘致に向けて積極的に動いたことが、現在の東京ディズニーリゾートにつながっているのです。

愛され困惑される? キャラクター誕生


「京成パンダ」をデザインしたヘッドマークを取り付けて運転されている「京成パンダ号」 「京成パンダ」をデザインしたヘッドマークを取り付けて運転されている「京成パンダ号」

さて世界中から愛されるキャラクターの国の実現に関わったものの、京成電鉄には公式キャラクターがいなかったから…かどうかはわかりませんが、2007年、京成電鉄の公式キャラクター「京成パンダ」が誕生しました。
これまた世界中から愛されるパンダのイメージどおり、ぱちくりとした丸いお目目に、にっこり笑顔な、かわいらしい印象…とは真逆です。横長な目に分厚い唇が特徴的な「パンダ星の王子」。地球では動物園の飼育係として働いているそうで、京成上野駅からほど近い動物園では赤ちゃんパンダが生まれたことだし、パンダの担当かもしれません。
京成電鉄系列の広告代理店からのアイデアによって生まれた京成パンダですが、当初は不採用へ。それでもインパクトの強さが再評価され、なんと復活採用。
現在では数多くのグッズが発売されるなど、子どもから大人まで多くの人を魅了し、困惑させる(?)、愛されキャラになりました。

なぜ「国内最速」の称号を手に入れられたのか?

冒頭でも触れた、「国内最速」のスピードを誇るスカイライナー。
ではなぜスカイライナーは「国内最速」になれたのでしょうか。
『京成はなぜ「国内最速」になれたのか』では、そのタイトルどおり、ヒミツを明かしています。ぜひ本書にて!


交通新聞社新書 『京成はなぜ「国内最速」になれたのか』

すべては「人車軌道」から始まった―――金町~柴又間でスタートした京成は、都心乗り入れに苦戦するも、戦時中にはインドネシアで鉄道を建設。日本初の地下鉄との相互乗り入れでは、たった1カ月半で改軌を果たし、さらにあの“超” 有名テーマパークの運営会社を設立するなど、その活躍は多岐にわたる。知られざる、京成の真髄がここに。

著者:草町義和
1969年新潟県生まれ。鉄道趣味誌の編集やウェブサイト制作業を経て、2003年から鉄道ライターとして活動を開始。鉄道誌『鉄道ファン』(交友社)や『鉄道ジャーナル』(成美堂出版)、『鉄道ダイヤ情報』(交通新聞社)などに寄稿。主な研究分野は廃線跡や未成線跡、鉄道新線の建設や路線計画など。

発売日:2021年6月15日
定価:990円(本体900円+税)


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