トレたび JRグループ協力

2022.03.22鉄道「森の京都QRトレイン」運行1周年、内装リニューアルして2年目へ! 【連続企画 第1弾】

“森の京都”を体現した列車、京都鉄道博物館では特別展示イベントも

山の恵みを受け、豊かな森とともに発展してきた「森の京都」。
このエリアと京都駅をつなぐ嵯峨野線(山陰本線)に登場した「森の京都QRトレイン」がこのたび運行1周年を迎えました。
この運行1周年を記念して開催された京都鉄道博物館での特別展示イベントと、内装リニューアル情報をご紹介します。

「森の京都QRトレイン」とは?


“森の京都”とは、豊かな自然に抱かれた京都府の亀岡市、南丹市、京丹波町、福知山市、綾部市、京都市右京区京北の6市町からなるエリア。2021年3月13日、この地域を走る嵯峨野線(山陰本線)の京都駅~胡麻駅間の223系1編成(4両)が、外観ラッピングと車内装飾にこだわった「森の京都QRトレイン~Quality and Relaxing Train~」として運行を開始しました。

QRは、“森の京都”の自然や食、文化が持つ「Quality(上質な)・Relaxing(くつろいだ気分にさせる)」の頭文字と、スマートフォンなどで読み取るQRコードを掛けたもの。外観デザインには“森の京都”を表現する茶、黒、金を使用し、モチーフとして地域ゆかりの花や樹木、鳥を配置。まるで伝統工芸を写し取ったような優美な車両が走る姿は、沿線ではすっかりおなじみになりました。

特別展示イベント in 京都鉄道博物館に潜入!


伝統工芸を反映した中吊りが目をひく車内

2022年3月5日・6日、「森の京都QRトレイン」運行1周年を記念した特別展示イベントが京都鉄道博物館にて開催されました。お目当ては、両日のみの展示となる「森の京都QRトレイン」の現役車両。本館2階連絡デッキから外に出ると、梅小路運転区構内に留置している4両編成の姿が。京都鉄道博物館ならではの“生きた車両展示”とあって、多くの家族連れや鉄道ファンの注目を集めていました。


特別公開された223系ラッピング車両

普段は普通(快速)電車として営業運行されているため、じっくりと見られる機会の少ない「森の京都QRトレイン」ですが、今回は車内見学もOK。中吊り広告の部分には黒谷和紙や北山杉、藍染、柿渋染など地域の工芸を用いた装飾が吊り下げられ、風合いや質感もひと味違います。また、地域の伝承や逸話が書かれた座席カバーやオリジナルのつり革など、“森の京都”ならではの仕掛けが詰まった内装を間近に見学できました。


1年間使われた特別仕様の座席カバー。実はこれが見納め

先頭車両では、小学生以下のお子様限定で実際の乗務員室から車内放送が体験できるイベントも行われており、たくさんのファミリーが順番待ちするほどの人気ぶり。時おり車内には小さな車掌さんたちのほほえましいアナウンスが流れてきます。


車掌さん気分で車内アナウンスにチャレンジ

展示車両を出ると、お隣には“森の京都”エリアで運行されている2社のラッピングバスが。さらに扇形車庫内にはもう1社のラッピングバスも入庫。共通するテーマでラッピングされた車両とバスが並ぶという大変珍しい共演で、京都鉄道博物館としても現役のバス車両の展示自体が貴重だそうです。


鉄道車両の隣には“森の京都”のラッピングバス

最後に旧二条駅舎内のミュージアムショップへ。今回の展示に合わせて「森の京都QRトレイン」のコーナーも設けられ、車体デザインのキーホルダーなどのグッズが並べられていました。特に、走行写真のクリアファイルを手に取られる方が目立ちました。

鉄道ジオラマでも「森の京都QRトレイン」運行中!


見どころ満載の京都鉄道博物館の中でも人気が高いコーナーが、本館2階の鉄道ジオラマ。日本最大級の巨大ジオラマ内を、新幹線や特急、新快速や普通電車、さらには私鉄までさまざまな地域、年代、会社の垣根を越えた鉄道模型が夢の共演を果たす15分間のショータイム(1日6回)です。その中に「森の京都QRトレイン」を発見! 茶・黒・金のシックな外観は、綺羅(きら)星のごとく人気車両が集うジオラマの中でもなかなかの存在感を放っていました。こちらの鉄道模型は、実際の「森の京都QRトレイン」が運行されている期間はレギュラー出演しているとのことですので、ぜひともご見学の際にはチェックしてみてください。

2年目も“森の京都”の魅力を発信!


運行2年目を迎え、車内を明るく模様替え

京都鉄道博物館でのイベントから1週間後の3月12日、「森の京都QRトレイン」は、ダイヤ改正に合わせて装い新たに2年目の運行を開始しました。

外観はこれまでと同じデザインですが、内装を刷新。中吊り広告部分は“森の京都”の祭りや伝統芸能をダイナミックに打ち出したビジュアルに。モチーフになっているのは「亀岡祭山鉾巡行」や「和知人形浄瑠璃」「福知山音頭」など“森の京都”の地域無形文化遺産で、QRコードを読み込めば、実際の祭りや芸能の様子や、担い手さんが由来や魅力を語る動画コンテンツにアクセスできる仕掛けです。


中吊りのテーマは地域無形文化遺産。全6種類あり

車内の印象もパッと華やかになりました。全面的にリニューアルしたのが座席カバー部分。厚めで高級感のあるヘッドカバーには「紅柿(べにがき)」「黄朽葉(きくちば)」「萌黄(もえぎ)」「翡翠(ひすい)色」「浅葱(あさぎ)色」「天(あま)色」という6つの日本の伝統色が用いられ、“森の京都”エリアにある森の木々や花、水など四季折々の豊かな色彩を表現。さわやかな色合いのグラデーションで車内を彩ります。

色とりどりのカバーにはそれぞれにアイコン化したQRコードが組み込まれているのですが、デザインのモチーフは一体何でしょうか? こちらは“森の京都”エリアを象徴する魅力として「船」「茅葺」「切り株」「鹿」「猪」「鮎」とQRコードを組み合わせたもの。この列車ならではの遊び心があふれています。


手前から萌黄→翡翠色→浅葱色→天色のヘッドカバー

「森の京都QRトレイン」にご乗車の際は、ぜひ車内にちりばめられたQRコードをお手持ちのスマートフォンで読み取って、“森の京都”の情報にアクセスしてみてください。そこには、多くの方がイメージする今までの京都とはひと味違う「もうひとつの京都」の世界が広がっています。


「船」のデザインのQRコード。亀岡市の保津川下りが有名

“森の京都”地域無形文化遺産の動画コンテンツもチェック








  • 提供:京都府
  • 文:湯浅雅晴
  • 写真:谷口哲、松本洋一、湯浅雅晴
  • QRコードは(株)デンソーウェーブの登録商標です。
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