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2023.01.30鉄道鉄道開業150年「JR東日本 懐かしの駅スタンプラリー」攻略法  ③東北・信越エリアを楽しもう!篇

  • 写真提供:新潟市新津鉄道資料館

新幹線が停まる仙台駅・長野駅・新潟駅の3駅にも懐かしの駅スタンプが登場!

2023年1月13日にスタートした鉄道開業150年「JR東日本 懐かしの駅スタンプラリー」。早くも10駅チャレンジを達成し、「50駅踏破用スタンプ帳」を入手してコンプリートを目指す人が続出しています。

今回のスタンプラリーのポイントは、首都圏だけでなく仙台駅・長野駅・新潟駅と新幹線駅にも懐かしの駅スタンプが設置されていること。

しかも、「50駅踏破」とは別扱いなので、1駅スタンプを押すごとにそこでしか手に入らない賞品をゲットするチャンスがあり、1カ所訪れるだけでも十分に楽しめます。賞品には、ライトノベル「RAIL WARS!」シリーズのイラストや今回のスタンプラリーのポスタービジュアルなどを手掛けた、バーニア600さんによる書き下ろしイラストが使われているのもポイントです。

3つの駅は、筆者ことフォトライターの栗原 景(かげり)にとっても、思い出がたくさん詰まった魅力的な駅ばかり。「50駅+α」のスタンプ完全踏破を目指しながら、各地の鉄道・観光スポットを巡る列車の旅をご案内しましょう。


  • 提供:東日本旅客鉄道株式会社

【仙台駅】懐かしの新幹線〔あおば〕のミニサボプレートをゲット

東北地方を代表するジャンクションである仙台駅。伊達政宗が治めた仙台藩の中心で、東京駅から新幹線〔はやぶさ〕で約1時間30分の位置にあります。


宇都宮駅〜盛岡駅間を320km/hで走る〔はやぶさ〕

仙台駅のスタンプ設置場所は、3階の新幹線中央口改札内。スタンプを押した「50駅踏破用スタンプ帳」(以下、スタンプ帳)を、仙台市観光情報センター隣の「NewDaysミニ 仙台10号」で500円以上のお買い物をしたうえで提示すると、踏破記念として懐かしの東北新幹線〔あおば〕の行先表示器をデザインしたオリジナルミニサボプレートがもらえます(10駅パンフレットは対象外)。


「仙台七夕まつり」をイメージした仙台駅のスタンプ。「50駅踏破用スタンプ帳」の東北・信越周遊篇の箇所に押しましょう

〔あおば〕は、1982(昭和57)年6月23日に東北新幹線が開業した際、各駅停車タイプとして登場した列車。愛称は政宗の居城だった仙台城の雅称・青葉城に由来します。1997年10月のダイヤ改正で〔やまびこ〕に統合されて引退しました。


引退から四半世紀近くが経過した懐かしの〔あおば〕ミニサボプレート


裏面は東北新幹線の初代車両である200系と「仙台七夕まつり」をイラストで表現

石ノ森キャラクターがいっぱいの「マンガッタンライナー」

せっかく仙台を訪れたのですから、周辺の鉄道旅を楽しみましょう。筆者のおすすめは、あおば通駅〜仙台駅〜石巻駅間を結ぶ仙石(せんせき)線です。私鉄の宮城電気鉄道をルーツとする路線で、2004年まで山手線と埼京線で活躍した205系電車が、改造を受けて今も使用されています。

注目は、石巻を第二の故郷とした漫画家・石ノ森章太郎の作品に登場するキャラクターをラッピングした「マンガッタンライナー」。「サイボーグ009」や「秘密戦隊ゴレンジャー」などのキャラクターが描かれた「マンガッタンライナーⅠ」(M-8編成)と、「時代劇」「コメディ」「ヒーロー」といったテーマ別のイラストを配した「マンガッタンライナーⅡ」(M-2編成)があり、毎週日曜の指定列車では、石巻駅で乗車証明書を配布しています。

2022年には、東北本線から直通する仙石東北ラインにも「仙石東北ライン マンガッタンライナー」が登場しました。石巻駅から徒歩約12分の旧北上川沿いには、石ノ森章太郎の足跡や作品を紹介する「石ノ森萬画館」もあります。


仙石線を走る「マンガッタンライナー」は、運が良ければ平日に乗車できることも。写真は「マンガッタンライナーⅡ」

2022年、仙石東北ラインに登場した第4の「マンガッタンライナー」

  • ©石森プロ ©石森プロ/街づくりまんぼう
  • 写真協力:石ノ森萬画館 撮影:武川健太

貨物駅と車両基地でレアな車両を観察

見どころは、これだけではありません。宮城野原駅は東北楽天ゴールデンイーグルスの本拠地・楽天モバイルパーク宮城の最寄り駅で、スタジアムの隣にはJR貨物の仙台貨物ターミナル駅が広がっています。

1961(昭和36)年に開業した東北有数の貨物駅で、敷地を跨線橋が横断しており、構内を見晴らすことが可能。広大な貨物駅の真ん中から、EF510形電気機関車がけん引する貨物列車や、コンテナの積み卸し作業をたっぷり見学できます。

仙台貨物ターミナル駅は2026年度までに移転することが決まっているので、今のうちにぜひ訪れたいスポットです。


楽天モバイルパーク宮城に隣接する仙台貨物ターミナル駅

コンテナや貨物列車をこれだけ間近に見られる駅は貴重です

終着・石巻駅からは、石巻線で小牛田(こごた)駅へ。小牛田駅には気動車の車両基地である小牛田運輸区があり、自由通路からは陸羽東(りくうとう)線や石巻線などで使用されている気動車などがよく見えます。

レールを運搬するキヤE195系のようなレアな車両もあり、貨物列車も頻繁に発着するので、ずっと眺めていても飽きません。運が良ければ、車両の入換作業を見ることもできますよ。

【長野駅】スキー場の玄関口の駅らしい〔シュプール信越〕のミニサボプレートをゲット!

1998年の冬季オリンピックの開催を前に、北陸新幹線(当時は長野行新幹線)が長野駅まで開業してから四半世紀あまり。東京駅から長野駅まで最速1時間19分と、今や長野県は首都圏への通勤圏です。

在来線時代には、仏閣型の駅舎で親しまれた駅で、待合室には旧駅舎を描いた銅版画と当時の駅名標が保存展示されています。

E2系をベースに最新の技術を投入した北陸・上越新幹線のE7系
(佐久平駅〜上田駅間)

長野駅の待合室には旧長野駅舎の銅版画と駅名標が飾られています

子どもの頃、毎年黒姫(現・しなの鉄道北しなの線)に帰省していた筆者にとってはひときわ思い出深い駅で、今でも長野駅を訪れるたびに、在来線と新幹線ホームにある立ち食いそばに立ち寄っています。


行列ができることもある長野駅13・14番ホームの駅そば店

地元栄村産の山菜の旨煮をのせた山菜そば

長野駅のスタンプ設置場所は、新幹線の改札内。長野駅のスタンプ台は、国鉄時代から使用されてきた「わたしの旅」スタンプの台を使用しています。


「わたしの旅」スタンプ世代にとっては懐かしい、三角屋根風のスタンプ台

改札外の「NewDays長野」で500円以上お買い物をしてスタンプ帳を提示すると、〔シュプール信越〕の方向幕をデザインしたオリジナルミニサボプレートがもらえます。

〔シュプール信越〕は、1986(昭和61)年1月に運行を開始したスキー客向けの臨時急行列車(往路は夜行・復路は昼行)で、首都圏や名古屋駅、大阪駅などから各地のスキー場最寄り駅へ運行されました。

〔シュプール信越〕は、新宿・東京・上野駅などと信越本線(現・しなの鉄道北しなの線)妙高高原駅との間を結んだ列車で、特急〔あさま〕と同じ189系や、特急〔白山〕で使用された489系といった特急型電車を使用していました。


1980〜1990年代のスキーブームを支えた臨時急行列車〔シュプール信越〕のミニサボプレート


裏面には雪煙をたてて走る189系〔シュプール信越〕とスキーヤーの姿が描かれています

おトクな情報がいっぱいのデジタル観光サービス「旅する北信濃」 

今、長野を訪れたら、ぜひスマホで利用したいサービスが「旅する北信濃」です。

2023年3月31日までJR東日本が中心となって展開している観光サービスで、長野市内はもちろん、野沢温泉村や飯山市、須坂市、白馬村など北信濃地方の最新観光情報を得られるだけでなく、スマホ上で電車や観光施設のチケットを購入したり、加盟店で利用できる電子チケット「エキトマチケット」を購入して特典を受けたりすることができます。長野市内の善光寺エリアなら、蕎麦処やおやき店など20以上の店舗で利用可能。割引やサービスなどの特典が受けられる店舗もあります。

鉄道とまち歩きを楽しむなら、おすすめは「長野・小布施(おぶせ)フリーきっぷ」(大人1,200円、子ども600円)。長野電鉄の長野駅〜小布施駅間(往復運賃大人1,360円、子ども680円)が24時間乗り放題となるフリーきっぷで、初代成田エクスプレス(253系)の特急2100系〔スノーモンキー〕や、元小田急ロマンスカー(HiSE)の特急1000系〔ゆけむり〕の自由席にも乗車できます(個室や展望席など指定席は別途特急料金が必要)。懐かしい特急電車に乗って、かつて千曲川の水運で栄えた歴史と文化のまち、小布施を訪れてはいかが。


初代成田エクスプレス253系電車がほぼそのままの姿で走る長野電鉄2100系〔スノーモンキー〕

  • 写真提供:長野電鉄

「旅する北信濃」はこちら

    ※スマートフォンからアクセスしてください。

日本三大車窓の姨捨駅でスイッチバック体験

列車に乗って、美しい景色を楽しむなら、信越・篠ノ井線の電車に30分ほど揺られて姨捨(おばすて)駅へ行ってみましょう。

ここは篠ノ井線が冠着(かむりき)山に向かって高度を上げていく急勾配区間に位置するため、本線から分岐させて平坦な場所に乗り場を設けたスイッチバック駅。長野駅方面から来た列車は、いったん引き上げ線に停まり、バックして駅に入ります。標高551mのホームからは千曲川とその流域に広がる善光寺平を一望でき、その雄大な景色は「日本三大車窓」にも数えられます。

時間が合えば、しなの鉄道屋代駅行きのコミュニティバスに乗るのもおすすめ。小さなバスで山の斜面を降りる車窓は、鉄道とはひと味違った魅力があります。


善光寺平の絶景を眺められるよう、ベンチが列車側ではなく外側を向いている姨捨駅

姨捨駅を発車した長野駅行き普通列車。姨捨駅はホームのすぐ下に本線が

【新潟駅】グリーンの車体が美しい200系カラーの新幹線が走行中!

日本海側の中心都市のひとつである新潟へは、東京駅から上越新幹線で最速1時間36分。

現在では、多くの列車が北陸新幹線と同じE7系で運行されており、長年JR東日本の新幹線で活躍してきたE2系は2023年3月頃に上越新幹線から引退する予定です。


北陸新幹線長野開業に向けてデビューしたE2系も、いよいよ上越新幹線からの引退が迫ってきました

現在は、東北・上越新幹線開業時に使用されたグリーンの200系新幹線をリバイバルした編成(J66編成)が運行されています。運行のない日や、東北新幹線で運行する日もありますが、そんなときは、大宮駅以外ノンストップの〔とき311号〕に乗車してみてはいかが。こちらも、現在はE2系で運行されています。大宮駅も通過する完全ノンストップだった時代もあり、ワクワクしたものです。

2022年6月に全線高架化を完了した新潟駅では、新幹線と在来線が同じ高さに並びます。運が良ければ、200系新幹線と、E653系〔いなほ〕が並ぶ姿を見ることができるでしょう。


高架駅化が完成した新潟駅では200系カラー新幹線〔とき〕とE653系〔いなほ〕の共演も

急行〔佐渡〕のプレートを手に鉄道のまち・新津へ

新潟駅のスタンプ設置場所は、新幹線改札内の待合室前。新幹線・在来線東改札外のCoCoLo新潟内にある「NewDays新潟東口」で500円以上お買い物をしてスタンプ帳を提示すると、急行〔佐渡〕のサボをデザインしたオリジナルミニサボプレートがもらえます。


スタンプ台には大きなポスターが掲示されているので、すぐに見つかります

急行〔佐渡〕は、1956(昭和31)年11月19日から1985(昭和60)年3月13日まで、上野駅〜新潟駅間を結んだ急行列車です。最盛期には一日8往復が設定され、そばコーナーを備えたビュッフェ車が連結されるなど、東北・上越新幹線上野開業まで、上越線の輸送を支えた名列車でした。


上野駅〜新潟駅間を約5時間かけて結んだ急行〔佐渡〕のミニサボプレート


裏面にはかつてヘッドマークをつけていた時代の165系〔佐渡〕と新潟市内の萬代橋、そして「佐渡おけさ」のイラストが描かれています

新潟まで来たらぜひ訪れたいのが、新津駅の東側にある新津鉄道資料館です。

新津は、信越本線・羽越本線・磐越西(ばんえつさい)線が乗り入れる交通の要衝で、蒸気機関車の基地があった「鉄道のまち」。新津鉄道資料館は、国鉄時代に鉄道員を養成した鉄道学園の跡地に位置し、先ほど紹介したE2系がリバイバルしている200系や2021年10月に引退したオール2階建て新幹線のE4系、特急〔いなほ〕として活躍した485系特急形電車など貴重な車両を保存・公開しています。


鉄道のまち・新津の鉄道文化を伝える新津鉄道資料館。屋外には200系新幹線をはじめ鉄道車両を展示しています


E4系2階建て新幹線に合えるのはここだけ

日本の鉄道技術や新潟・新津の人々と鉄道のかかわりについて楽しみながら学べます

  • 写真提供:新潟市新津鉄道資料館

おトクな「お先にトクだ値」と「週末パス」

これまでに紹介した3つの駅を新幹線で訪れるなら、きっぷは乗車当日(※)まで申し込みが可能で10%割引になる、インターネット予約限定の「えきねっとトクだ値」がおすすめ。13日前(※)までの予約なら、なんと30%オフの「お先にトクだ値」もあります。
※1時50分まで。発売期間最終日がシステムメンテナンス日の場合は、その前日の23時50分まで

「お先にトクだ値」なら、東京駅〜仙台駅間は通常価格が10,890円のところ、7,610円。片道3,000円以上もおトクです。東京駅〜長野駅間や東京駅〜新潟駅間はもちろん、上野駅・大宮駅からの設定もあります。

 
区間
 
 
通常価格
(新幹線eチケット)
 
えきねっとトクだ値
(10%OFF)
 
お先にトクだ値
(30%OFF)
東京駅〜仙台駅
(やまびこ)
10,890円 9,790円 7,610円
東京駅〜長野駅
(あさま)
8,140円 7,320円 5,680円
東京駅〜新潟駅
(とき)
10,560円 9,490円 7,380円

  • 子ども用、グリーン車用、グランクラス用もあります(一部設定のない区間もあります)。
  • 新幹線の「えきねっとトクだ値」は「新幹線eチケットサービス」限定の商品です。予約時に交通系ICカードを登録のうえ、登録されたICカードに予約を紐づけて利用してください。
  • 各区間、「新幹線eチケットサービス」での「乗車券+指定席特急券」のセット価格(普通車指定席/片道/おとな1人/通年同一価格)です。
  • 各商品はすべて「列車・席数・区間」が限定されています。また、一部の「お先にトクだ値」は設定期間が限定されています。
  • 通常価格は「新幹線eチケットサービス(基本)」の通常期の発売額です。

3つの駅を一気に制覇したい人には、「週末パス」がおすすめです。

フリーエリア内 のJR線と14の鉄道会社線に、土・日曜など週末の2日間乗り放題で8,880円(子ども2,600円)。新幹線や特急列車に乗る場合は別途特急料金が必要になりますが、東京都区内〜仙台市内間の片道運賃が6,050円ですから、仙台駅を往復するだけで元が取れてしまうのです。

2日間で東京都区内から仙台駅・長野駅・新潟駅の順にまわると、運賃は26,180円(特急料金別)。なんと20,000円近くもトクしてしまいます。その気になれば、1日目に首都圏50駅を踏破、2日目に仙台駅・長野駅・新潟駅をすべてまわるなんてチャレンジも。


「週末パス」は別途新幹線特急券を購入すれば乗車が可能(写真は北陸新幹線E7系)

なお、「週末パス」は利用開始前日まで購入可能です。乗車当日は購入できませんのでご注意を。


おトクなきっぷを使い、気軽な週末旅も楽しめる鉄道開業150年「JR 東日本 懐かしの駅スタンプラリー」。

2023年3月6日まで実施していますので、これから参加しても十分「完全踏破」を目指せます。ぜひ皆さんもチャレンジしてみてください。

鉄道開業150年「JR東日本 懐かしの駅スタンプラリー」開催概要


◆開催期間
2023年1月13日(金)~3月6日(月)
※賞品引換は2023年3月7日(火)まで

◆スタンプ設置箇所
首都圏全50駅の改札外(一部の駅を除く)に設置

◆賞品
【10駅達成賞】
50駅踏破用スタンプ帳、復刻時刻表風オリジナルノート

【50駅踏破賞】
50駅踏破記念メダル
さらに、専用応募サイトから応募すると、抽選で豪華賞品が合計151名様に当たる



著者紹介

栗原 景(くりはら かげり)

1971年、東京生まれ。鉄道と旅、韓国を主なテーマとするジャーナリスト。出版社勤務を経て2001年からフリー。
小学3年生の頃から各地の鉄道を一人で乗り歩き、国鉄時代を直接知る最後の世代。
東海道新幹線の車窓を中心に、新幹線の観察と研究を10年以上続けている。

主な著書に「廃線跡巡りのすすめ」、「アニメと鉄道ビジネス」(ともに交通新聞社新書)、「鉄道へぇ~事典」(交通新聞社)、「東北新幹線沿線の不思議と謎」(実業之日本社)ほか。

  • 文:栗原景
  • 写真提供:東日本旅客鉄道株式会社、石ノ森萬画館、長野電鉄、新潟市新津鉄道資料館、栗原景、交通新聞クリエイト、PIXTA、ゐわむら
  • 価格はすべて税込み表示です。

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