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2023.07.31鉄道「くしろ湿原ノロッコ号」 -雄大な釧路湿原の中をゆっくりと走り抜ける観光列車。車窓に映る美しい大自然の風景と心地よい爽やかな風とともに(THE列車)

雄大で自然豊かな釧路湿原の中を走る観光列車

雄大で自然豊かな釧路湿原の中を走り抜ける観光列車が、釧網本線塘路(とうろ)駅と根室本線釧路駅を結ぶ「くしろ湿原ノロッコ号」です。

「くしろ湿原ノロッコ号」の車窓からしか見られない景色が魅力で、4~10月の運転期間には多くの観光客でにぎわいます。

くしろ湿原ノロッコ号の基本情報

列車はワイドな車窓を楽しめる展望車3両と普通客車1両を連結した4両編成で、牽引するディーゼル機関車を含め大自然の中を走る列車にふさわしいグリーンを基調にしたデザインとなっています。

列車名にある「ノロッコ」とはノロノロ走るトロッコ列車をイメージした造語で、その名の通り釧路湿原の中をノロノロと走ります。


釧路駅を発車した列車は釧路川を渡り、次の東釧路駅から釧網本線に入って走ります。

遠矢駅を通過して釧路湿原の中へと進むと、ログハウス風の駅舎が出迎えてくれる釧路湿原駅に到着。列車はここから釧路川の蛇行に沿うようにカーブを描きながらゆっくりと進み、車窓には雌阿寒岳(めあかんだけ)や阿寒富士などの山並みも映し出されます。
次の細岡駅を発車すると低層湿原が開け、釧路湿原に生息する動物の姿なども時折見ることができます。

さらに釧路川の流れが近づいてくると、列車からでしか見ることのできないスポットをじっくりと楽しめます。釧路湿原の大自然の美しさを堪能していると、列車はすぐに終着駅の塘路に到着です。釧路行きの列車は4号車の運転台付き展望車を先頭にして折り返していきます。

鉄道コンシェルジュ ミスターKのとっておき情報

指定席の展望車と自由席車両を連結


列車は展望車3両と普通客車1両の4両編成で、ノロッコ色のDE10形ディーゼル機関車が牽引します。塘路寄りの1号車が普通客車で自由席、2~4号車が展望車で指定席です。

自由席車両は道内の普通列車に使用されていた元50系51形客車で、4人ボックス席とロングシート席が配置されており、ひと昔前の客車列車の旅の雰囲気を味わうことができます。

家族連れ・グループ旅行にも最適なボックス席


展望車(2~4号車)には6人掛けのボックス席が用意されており、家族連れ・グループ旅行での利用にも最適です。

温かみのある木製のベンチ風座席を挟んで大型テーブルが設置され、美しい大自然の風景を楽しみながらお弁当を広げることができます。
もちろん、ひとり旅でも利用可能。ノロッコ号で同じボックス席に座った人たちと一緒に列車旅を楽しむのも良いでしょう。

カップルでの利用に最適な2人掛けのベンチ席


展望車の6人掛けボックス席の反対側には、カップルでの利用に最適な2人掛けのベンチ席が設置されています。

ベンチ席は窓側を向いていますが、反対側の景色を楽しみたい時には背もたれを動かして向きを変えることもできます。釧路湿原の主な風景は反対側の車窓のため、釧路湿原駅~塘路駅間では席を逆にすると良いでしょう。

多目的トイレや車いす対応座席を装備


展望車の3号車はバリアフリー対応車両で、車いす対応座席や車いすのままで利用できる多目的トイレが用意されています。「おむつ換えシート」も設置されており、小さなこども連れの旅でも安心です。

このほか、1号車と2号車に和式トイレ、4号車には記念撮影に最適なタンチョウとエゾシカのオブジェが設置されています。

オリジナル商品が用意された車内販売


2号車の販売カウンターでは、ノロッコ号のオリジナル商品が販売されています。

名物の「ノロッコ号プリン」「くしろ湿原ノロッコ号デザインBOXクッキー」をはじめ、釧路市特産品の「ししゃもパイ」「くじらすく」「くしろ霧サイダー」、標茶町特産の「しべちゃミルクのクラフトビール」、さらに「ノロッコ号クリアファイル」「キーホルダー」など素敵な乗車記念品が購入可能です。

なお、弁当類の車内販売はありませんので、釧路駅内の売店(改札外)でお買い求めになるのが良いでしょう。

釧路湿原駅から細岡展望台へ


カラマツで造られたログハウス風の駅舎が特徴の釧路湿原駅から徒歩約15分で行ける、釧路湿原を一望できる細岡展望台に足を運んでみてはいかがでしょうか。大自然の美しさが広がる雄大な釧路湿原や、その背後を飾る道東の山並みが目の前に迫り、息を吞むほどの絶景を堪能することができます。

美しい夕日の見える場所としても知られており、「くしろ湿原ノロッコ号」の車窓を楽しんだ後にぜひ立ち寄りたいスポットです。


列車情報

運転日 4月~10月の指定日運転
運転区間 釧網本線・根室本線 塘路駅~釧路駅間
運転時刻 【1号】塘路駅12:17発→釧路駅13:05着
【3号】塘路駅14:50発→釧路駅15:34着
【93号】塘路駅17:04発→釧路駅17:52着
【2号】釧路駅11:06発→塘路駅11:51着
【4号】釧路駅13:35発→塘路駅14:17着
【94号】釧路駅15:23発→塘路駅16:07着
備考 2023年9月20~22日は「93・94号」を「夕陽ノロッコ号」として運転。

「くしろ湿原ノロッコ号」HPはこちら


著者紹介

ミスターK(結解喜幸)

1953年、東京都出身。出版社勤務を経て旅行写真作家に。鉄道や時刻表のたのしさを知り尽くした鉄道の達人。現在は地酒とつまみを追い求める「飲み鉄」にはまっている。

  • 文/ミスターK(結解喜幸)
  • 写真/(株)交通新聞クリエイト,北海道釧路総合振興局商工労働観光課
  • 掲載されているデータは2023年7月1日現在のものです。
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