トレたび JRグループ協力

2018.05.21鉄道リゾートしらかみー日本海を車窓に映して走る。車両ごとにインテリア、設備を徹底解説(THE列車)

日本海の海岸線を車窓に走る観光列車

日本海の美しい海岸線を車窓に映して走る、観光列車全車指定席の快速「リゾートしらかみ」。五能線東能代駅~深浦駅~川部駅を経由して、秋田駅から弘前駅・青森駅までを結びます。一日最大3往復運転。ハイブリッド車両の「青池」編成と「橅(ブナ)」編成、キハ48形の「くまげら」編成の3編成が使用され、それぞれ外観や内装が異なります。両端の1・4号車に前面展望が楽しめるフリースペースの展望室、2号車に個室スタイルの4人掛けのボックス席、1・3・4号車に2人掛けのリクライニングシートが設置されています。2016年7月デビューの新型「橅」編成の3号車には『五能線のもの(地産品)』を販売する「ORAHO(おらほ)」カウンターが設置されています。

秋田駅を出発した列車は東能代駅で方向転換、1号車が先頭となり日本海の海岸線に沿って走る五能線へと入ります。右手に世界自然遺産の白神山地に続く山並み、左手に青く輝く日本海の風景を見ながら走り、総合リゾート施設のあるウェスパ椿山駅、十二湖の玄関口となる十二湖駅、町内に深浦マグロステーキ丼が味わえる店がある深浦駅などに停車。この先も日本海の海岸線を眺めながら走りますが、鰺ケ沢駅を過ぎると列車は津軽平野へと進み、車窓に津軽富士の別名を持つ岩木山が見えてきます。りんご畑の中を走り抜けると川部駅で、ここからは奥羽本線を弘前駅、さらに弘前駅で折り返して青森駅まで走り抜けます。

鉄道コンシェルジュ ミスターKのとっておき情報

3タイプの車両が活躍。両端先頭に展望室を設置


観光列車リゾートしらかみ

列車は3タイプあり、「青池」編成と「橅(ブナ)」編成は、ディーゼルエンジンとリチウムイオン蓄電池を組み合わせ、駆動力に電気モーターを使用するハイブリッドシステムを採用。「くまげら」は従来からの気動車となっています。どの編成にも車窓の風景がゆったりと楽しめるリクライニングシートが配置され、両端の1・4号車には展望室が設置されています。

全編成の2号車にはボックス席を配置


観光列車リゾートしらかみ

全編成の2号車には、山側に通路、海側に家族連れやグループ旅行に最適な4人が座れるボックス席を設置していますので、日本海の美しい風景を車窓にくつろいだ旅が楽しめます。「くまげら」編成のボックス全席と「橅」編成の1・2・8・9番席は座席の背をずらしてフルフラットにできるため、足を伸ばしてゆったりとした空間で地酒や駅弁などを味わうことができます。

「橅」編成に設置された「ORAHO(おらほ)」カウンター


観光列車リゾートしらかみ

「橅」編成の3号車には、新たに「ORAHO」カウンターとシンボルツリーが設置されています。青森・秋田県の地酒や、白神山地の自然水で淹れたコーヒー、スイーツなど沿線の特産品を販売しています。「五能線のもの」を扱う“のもの”(東日本の各地の食を中心に地域の魅力を紹介する地産品ショップ)として、リゾートしらかみと首都圏の“のもの”ショップをつないでいます。

途中停車駅や車内で各種イベントを開催


観光列車リゾートしらかみ

能代駅ホームにはバスケットゴールが設置されていてフリースローゲーム体験ができます。1・2・3号の鰺ケ沢駅~五所川原駅間では津軽三味線の生演奏。3・4号の陸奥鶴田駅~川部駅間で津軽弁「語りべ」実演(土・日曜・祝日・振替休日を中心に実施)。「橅」編成で運転時の1号の五所川原駅~弘前駅間と4号の新青森駅~弘前駅間では「津軽伝統 金多豆蔵(きんたまめじょ) 人形芝居」の実演(指定日に実施)などさまざまなイベントが開催されています。

途中下車も楽しめる沿線の見どころ満載!


観光列車リゾートしらかみ

あきた白神駅前には、温泉宿「八森いさりび温泉ハタハタ館」、十二湖駅からはバスに乗って、広大なブナ自然林の中に33の湖沼が点在する「十二湖」に行くことができます。ウェスパ椿山駅前はコテージ・温泉・レストラン・体験施設がある欧風リゾート「ウェスパ椿山」があり、千畳敷駅では「日本の夕陽百選」、「日本の水浴場55選」に認定された「千畳敷(せんじょうしき)海岸」がすぐ目の前に広がり、列車が15分ほど駅に停車するため、海岸の散策を楽しめるなど、見どころが数多くあります。

五能線が2日間乗り放題!「五能線フリーパス」


観光列車リゾートしらかみ

快速「リゾートしらかみ」の運転区間となる秋田駅~東能代駅~五能線~弘前駅~青森駅間が、2日間乗り降り自由となるきっぷです。同区間の快速・普通列車の普通車自由席が乗り降り自由となるほか、指定席券を購入すれば「リゾートしらかみ」にも乗車できます。おとな3880円、こども1940円で、フリーエリア内・秋田エリア内のみどりの窓口やびゅうプラザなどで利用当日まで購入可能です。


列車情報

運転日 通年(季節・曜日により運休列車がある)
運転区間 奥羽本線・五能線 秋田駅~弘前駅・青森駅間
運転時刻 【1号】 秋田駅8:19発 → 青森駅13:29着
【3号】 秋田駅10:50発 → 弘前駅15:49着
【5号】 秋田駅13:57発 → 青森駅19:38着
【2号】 青森駅8:10発 → 秋田駅13:26着
【4号】 青森駅13:51発 → 秋田駅19:01着
【6号】 弘前駅16:06発 → 秋田駅20:42着

最新情報はこちら


著者紹介

ミスターK(結解喜幸)

1953年、東京都出身。出版社勤務を経て旅行写真作家に。鉄道や時刻表のたのしさを知り尽くした鉄道の達人。現在は地酒とつまみを追い求める「飲み鉄」にはまっている。

  • 文/ミスターK(結解喜幸)
  • 写真/伊藤一己、畑 輝久男
  • 本記事は2018年5月に公開いたしましたが、2023年2月20日にトレたび編集部により情報を更新いたしました。変更となる場合がありますので、お出かけの際には事前にご確認ください。
  • 運転日・運転区間等は変更となる場合があります。
トレたび公式SNS
  • X
  • Fasebook