トレたび JRグループ協力

2025.10.20鉄道サンダーバード―60年の歴史をもつ関西・北陸の連絡特急(THE列車)

名前を変えながら北陸路で活躍

大阪駅〜敦賀駅間の特急列車として、北陸新幹線とともに関西地方と北陸地方を結ぶ「サンダーバード」。その前身は1964年の481系誕生とともに運行を開始した大阪駅〜金沢・富山駅間の特急「雷鳥」です。1995年に現行車両の一つである681系が登場すると、当初は「スーパー雷鳥(サンダーバード)」として運転され、その後、現在の列車名に改められました。2024年の北陸新幹線敦賀開業で金沢駅〜敦賀駅間の乗り入れが廃止となりましたが、現在も最長12両の堂々とした姿で活躍を続けています。

在来線の韋駄天車両 681系・683系


左が681系(しらさぎ)/右が683系(サンダーバード) 左が681系(しらさぎ)/右が683系(サンダーバード)

681系はJR西日本で初めての特急車両として開発され、130km/h運転に対応し、北陸本線のスピードアップに大きく貢献しました。かつては越後湯沢間〜金沢駅間の特急「はくたか」としても活躍し、北越急行では在来線として運転されていました。その後2001年には、681系の増備・リニューアル車として683系が登場しました。

W7系・E7系と同じカッパーのシンボルマーク


681系・683系とも当初はグレーを基調としたエクステリアデザインでしたが、2015年の北陸新幹線金沢開業を機にリニューアル。外観はブルーのラインが入った新たなデザインに順次変更されました。ドア付近にはサンダーバードをモチーフにしたシンボルマークをデザイン。北陸新幹線のW7系・E7系にも使用されているカッパー(銅色)が取り入れられています。

グリーン車


車内は1号車がグリーン車、その他が普通車指定席。グリーン車はブラウン系の落ち着いた配色のリクライニングシートが「1-2」配列で並びます。ヘッドレストやフットレスト、コンセントを完備し、木目のアームレストには折りたたみ式のテーブルとドリンクホルダーが格納されています。グリーン車とバリアフリー対応トイレには、JR西日本の在来線で初めて温水洗浄機能付き暖房便座が採用されました。

普通車指定席


一方、普通車のシートはブルーを基調としたデザインで、配列は「2-2」。客室出入口付近の席にはコンセントが備わっています。バリアフリー対応トイレには温水洗浄機能付き暖房便座、それ以外のトイレには暖房便座が採用されました。ちなみに、3号車の一部(1〜4列の16席)は女性専用席になっています。

「サンダーバード」はこう楽しむ!

鉄道とともに発展した敦賀の街


サンダーバードが発着する敦賀は、古来から交通の要衝として発展してきた港町。明治時代にはウラジオストクへの定期航路が開設され、欧亜国際連絡列車の中継地として栄えました。街の中には、かつての建物やそれを再現したレトロなスポットが今も多く残されています。
三角屋根が特徴的な敦賀鉄道資料館は、欧亜国際連絡列車の発着駅だった敦賀港駅舎を再現して建てられたもの。館内では鉄道とともに歩んできた敦賀の歴史を伝えています。

「北陸・関西チケットレス(早特7)」でお得&スムーズに乗車

サンダーバードと北陸新幹線を乗り継いで近畿〜北陸間を移動するなら、JR西日本ネット予約(e5489)限定の「北陸・関西チケットレス(早特7)」がお得。サンダーバードの料金と北陸新幹線の運賃・料金がセットになった早期割引きっぷで、交通系ICカードを紐づけておけば、チケットレスでスムーズに乗車が可能です。敦賀駅での乗り換えも楽ちん。購入できるのは乗車7日前までなので注意しましょう。



列車情報

運転日 毎日
運転区間 大阪駅~敦賀駅間(東海道本線・湖西線・北陸本線経由)
運転時刻 【1号】大阪駅6:30発→敦賀駅7:54着
【49号】敦賀駅20:54発→大阪駅22:16着

【2号】敦賀駅7:05発→大阪駅8:34着
【50号】敦賀駅22:05発→大阪駅23:29着

著者紹介

佐藤正晃

1991(平成3)年、スーパートレイン全盛期生まれの旅行・交通ライター。青森県青森市出身。

撮影旅・乗車旅が好き。最近は吞み鉄にもハマっている。

親の転勤が多く、幼少期は盛岡市や東京都で過ごしたため、東日本エリアの鉄道には並々ならぬ思いがある。大学卒業後、旅行関連業界を経て、現在は取材のため各地を飛び回る日々。

  • 文/佐藤正晃
  • 写真/(株)交通新聞クリエイト
  • 掲載されているデータは2025年10月現在のものです。変更となる場合がありますので、お出かけの際には事前にご確認ください
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