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2024.03.08旅行進化した山形新幹線から始まる、山形を知って体感できる親子旅【モデルコース】

自然も歴史もグルメも、すべて堪能!

新しい車両「E8系」が2024年3月16日にデビューする山形新幹線。これを機に、山形らしさ満載の親子旅を計画してみるのはいかがでしょうか。

最上川を船で下ったり、旬の味覚・さくらんぼを堪能したり、伝統の紅花染に挑戦したり……。歴史や文化を頭で理解することはまだ難しくても、旅先なら子どもでも肌で感じられるのが醍醐味。山形ならではの体験ができて、子どもも大人も楽しめる、1泊2日の旅へご案内します。

山形新幹線「E8系」にまつわるスポットをはじめ、「これぞ山形」を親子で体感!

より速く、より快適に進化した「E8系」は、その内装が山形の風土をイメージしてデザインされているというのも注目ポイント。普通車の座席は紅花を、グリーン車の座席は月山を表現した色合いのモケットで、通路は最上川がモチーフの柄になっています。
「最上川ってどんな川?」という子どもの疑問に、一緒に行ってそのものを見せてあげられるなんて、なんだかわくわくしませんか? そんな、新幹線を起点に旅先の魅力を知って実感できるモデルコースです。

(1日目)山、川、そして温泉。山形の自然の恵みを五感で感じる

①車窓から「月山(がっさん)」を眺める


車窓からの月山。季節ごとに違う表情を見せる

山形へ向かう道中でも早速、その魅力に出合うことができます。それが、山形新幹線の車窓の景色。赤湯駅を発車した後には2日目に訪れる米沢盆地の市街地を一望できるほか、白竜湖やサクランボの果樹園など、山形らしい風景を車窓から眺めることができるのです。
なかでも楽しみなのは、山形駅〜村山駅間でD席側に見える月山。古来より信仰の対象となってきた出羽三山(でわさんざん)の主峰で、山形県のほぼ真ん中にあり、日本百名山のひとつでもあります。晴れた日であればその雄姿が見えるので、目を凝らしてみましょう。
「E8系」グリーン車の座席は、針葉樹林の広がる月山をイメージした緑色。今日の月山は何色に見えたかな?


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②舟唄を聴きながら最上川をゆく、「最上川芭蕉ライン舟下り」



最上川おしん弁当1800円(税込)

山形が誇る一級河川・最上川を下る「最上川芭蕉ライン舟下り」は、12kmを約1時間かけて堪能するコース。旅行新聞新社主催の「プロが選ぶ水上観光船」で全国1位に選ばれた絶景を楽しむことができます。松尾芭蕉など多くの文人に詠われた名所でもあり、舟運が発達していた時代に重要な輸送路だった歴史を知れば、その風光明媚な姿がよりいっそう印象に残ります。
穏やかな水面を眺めていると、行きの新幹線で見た通路のやさしい模様が思い浮かぶかもしれませんね。

また、景色と同じくらい楽しみなのが舟内でいただくお弁当。地元山形の食材を使い、最上地域ならではの郷土料理が詰まったぜいたくな逸品「最上川おしん弁当」など数種類から選べるので、事前に予約をして向かいましょう。


最上川芭蕉ライン舟下り

住所 山形県最上郡戸沢村大字古口86-1(本社・古口港)
問い合わせ先 0233-72-2001(4~11月は8:30~17:00、12~3月は9:00~16:30)
時間 出航時刻【4~11月】9:50発・10:50発・(11:50発・)12:50発・(13:50発・)14:50発 【12~3月】10:50発・12:50発・14:50発 *( )は土日祝のみ運航
定休日 なし
交通アクセス JR古口駅から徒歩7~8分
値段 大人(中学生以上)2800円、子ども(小学生)1400円、未就学児無料(すべて税込)
URL https://www.blf.co.jp/

③「のゝか本郷館」で琥珀色の温泉を貸切風呂で満喫


バリアフリーの貸切風呂

山形牛のすき焼き

お宿は、東根温泉の温もりのある老舗旅館へ。慣れない旅の疲れもすぐに癒えそうな、ほっとする雰囲気の客室が魅力です。
夕食の山形牛などを使用した創作懐石料理や、朝食でいただける炊き立てのつや姫など、滞在中は山形の味覚を存分に味わうことができます。

そして、楽しみはなんといっても温泉。加水はせず、源泉のみを利用しているという琥珀色のお湯は、含硫黄-ナトリウム塩化物・硫酸塩温泉。やわらかな肌あたりで、冬でも湯ざめしないほど体がぽかぽかになるそうです。
2022年にリニューアルした貸切風呂「くれない」は親子での利用にぴったり! 1組50分3300円(税込)の予約制で、親子水入らずで満喫したいときにおすすめです。


のゝか本郷館

住所 山形県東根市温泉町2-1-1
問い合わせ先 0237-42-1711
時間 チェックイン15:00 チェックアウト11:00
交通アクセス JRさくらんぼ東根駅から車で7分
値段 2名利用時大人1名・平日・2食付 17600円~(税込)
URL https://nonoka.jp/

(2日目)山形の味覚を堪能し、歴史と文化に触れる

①温室なら4月でも! 「神町りんご研究所」でさくらんぼ狩り


※イメージ

「山形といえば……」で最初に思い浮かぶ人も多いはず、言わずと知れた名産品・さくらんぼ。旬は一般的に6月ごろですが、東根市にある果樹園「神町りんご研究所」ではビニールハウス栽培もしており、温室さくらんぼは4月中旬ごろから楽しむことができます。甘みの強い佐藤錦や酸味がクセになるナポレオンのほか、高砂、紅さやか、正光錦などよりどりみどり。異なる品種を食べ比べて味の違いに注目してみると、新たな発見がありそうです。

なお、さくらんぼ狩りの開始時期などは気象条件によって変更になる場合もあるため、事前の問い合わせを忘れずに!


神町りんご研究所

住所 山形県東根市神町南1-5-8
問い合わせ先 0237-47-0003
時間 9:00~16:00
定休日 不定休(収穫時期は無休)
交通アクセス JRさくらんぼ東根駅から車で10分
値段 【温室さくらんぼ(4〜6月)】20分取り放題食べ放題:大人(中学生以上)4000円・子ども(3歳以上)2000円 【露地さくらんぼ(6〜7月)】60分取り放題食べ放題:大人(中学生以上)1600円・子ども(3歳以上)1100円 (すべて税込)
URL https://www.jinmachi-fruits.jp

②歴史の舞台であり、憩いの場でもある「米沢城址(松が岬公園)」


米沢市街のほぼ中心に位置するのが、伊達氏や上杉氏などが居城した米沢城の城跡。石垣と堀が残っており、松が岬公園として整備されています。敷地内には「伊達政宗公生誕の地」の石碑や上杉謙信を祀る上杉神社、上杉神社の宝物殿で多数の重要文化財が展示されている「稽照殿(けいしょうでん)」、上杉氏ゆかりの品や国宝が収蔵されている「米沢市上杉博物館」など見どころがもりだくさん。「上杉城史苑」では、米沢ならではのグルメを楽しめるレストランがあるほか、おみやげがそろうのもうれしいポイントです。

また、堀沿いに200本の桜が咲き誇る4月中旬〜下旬頃は、堀の水面に桜が映る美しい景色を堪能できます。のんびりお散歩するもよし、史跡や博物館などのスポットをめぐるもよし、子どもの興味に合わせた楽しみ方ができそうです。


米沢城址(松が岬公園)

住所 山形県米沢市丸の内1
問い合わせ先 0238-22-5111(米沢市観光課)
交通アクセス JR米沢駅から車で10分
値段 無料
URL https://yamagatakanko.com/attractions/detail_2314.html

③「上杉伯爵邸」で食文化を知って楽しむランチ


東京浜離宮を模して造られた庭園も見事

雪の膳2750円(税込)

米沢城址(松が岬公園)のすぐ南には、国の登録有形文化財にも指定されている上杉伯爵邸があります。明治時代に上杉茂憲(もちのり)伯爵の本宅として造設され、大正時代に焼失し再建されました。銅板葦き・総ヒノキの入母屋造りの建物は厳かで上品な雰囲気。

現在は食事処となっていて、郷土料理が提供されています。なかでもランチメニューの定番「献膳料理」は、鯉のことこと煮や米沢牛の芋煮など多彩な料理が並び、目もお腹も満たされそうです。
米沢の郷土料理の原点となっているのは、上杉家第9代藩主の上杉治憲(鷹山公)が凶作に備えて編纂した食の手引書「かてもの」。米沢の名産を味わえるだけでなく、先人の知恵や工夫を知り、長く培われてきた食文化に触れられるランチです。


上杉伯爵邸

住所 山形県米沢市丸の内1-3-60 上杉記念館
問い合わせ先 0238-21-5121
時間 11:00~21:00(14:00〜要予約)
定休日 水曜日
交通アクセス JR米沢駅から車で10分
URL https://hakusyakutei.jp/

④「染織工房わくわく舘」 で気軽に、伝統の紅花染を体験


紅花染体験の様子


染め上がった綿ハンカチ(左)とシルクスカーフ

紅花 ※イメージ

山形県の花に指定され、広く親しまれている「紅花」。染料や口紅の元になる色素がとれる花で、黄と赤、2種類の色素があります。そう、「E8系」普通車の座席モケット、まさにあの色ですね!

そんな紅花に関連した体験をできるのが、「染織工房わくわく舘」。
オリジナル商品を販売するショップやギャラリーも併設し、伝統ある米沢織に関することを幅広く発信している工房です。
紅花染体験は、所要時間が30〜40分程度で気軽にチャレンジできます。手染めならではの濃淡が美しく、ひとつひとつ異なる表情になるので、自分で染めたものには愛着もひとしお。できあがったハンカチやスカーフはそのまま持ち帰ることができて、旅の記念にぴったりです。


染織工房わくわく舘

住所 山形県米沢市御廟1-2-37
問い合わせ先 0238-24-0268
時間 9:30〜16:30
定休日 水曜日(12~3月の日曜日・祝日は休業)
交通アクセス JR米沢駅から車で8分
値段 紅花染体験(綿ハンカチーフ):1100円(税込) ※2024年4月1日からは1320円(税込)
URL https://www.wakuwakukan.co.jp/

よりみちコラム

福島駅の連結・切り離し

福島駅の連結・切り離し

山形新幹線「つばさ」は、一部の列車を除いて東京駅〜福島駅間で東北新幹線「やまびこ」と連結して運行されます。
福島駅では、その2本の連結や切り離しが行われるのです。

乗車中の「つばさ」の連結・切り離しの様子を見ることはできませんが、福島駅で下車するなら、ぜひ見てみたいシーンです。連結器同士が合体したり、切り離してから連結器部分のカバーが閉じたりする様子は、子どもでなくともわくわくするでしょう。

モデルルート


1日目
7:12

東京駅発(山形新幹線つばさ123号)→10:53 新庄駅着

  • ①車窓から月山を眺める(山形駅~村上駅間)
11:20

陸羽西線代行バス(※)でJR古口駅へ

  • 乗船場まで徒歩約8分
12:50

②最上川芭蕉ライン舟下り

  • 舟内で、事前予約したお弁当をいただく
14:25

古口駅発(陸羽西線代行バス)→14:51 新庄駅着

15:17

新庄駅発(山形新幹線つばさ150号)→15:47 さくらんぼ東根駅着。タクシー8分で宿へ

16:00

③のゝか本郷館で1泊

  • 家族でゆったり楽しめる貸切温泉も!
  • 陸羽西線は「(仮称)高屋トンネル」工事に伴い、2024年度頃まで陸羽西線を走行する全列車の運転を取りやめ、同区間でバスによる代行輸送が行われています

2日目
10:15

のゝか本郷館から出発。タクシー15分

10:30

①神町りんご研究所でさくらんぼ狩り

  • 温室さくらんぼなら4月中旬から、露地は6月から
11:40

タクシーで移動後、さくらんぼ東根駅発(山形新幹線つばさ140号)→12:37 米沢駅着

  • 米沢駅西口13:45発の市街地循環路線(右回り)で米沢城址へ(約10分、上杉神社前バス停下車)。タクシーを利用しても
13:00

②米沢城址を散策

  • 桜の名所としても有名
13:45

③上杉伯爵邸でランチ

  • 米沢の郷土料理「献膳料理」をいただく
15:00

タクシーで移動後、④染織工房わくわく舘で紅花染め体験

  • 親子の旅の思い出として最適!
16:38

米沢駅発(山形新幹線つばさ150号)

18:48

東京駅着

  • 2024年3月16日以降(ダイヤ改正後)の時刻です。お出かけの際には最新の時刻をお確かめください

なお、「E8系」の運行スケジュールはJR東日本ホームページで発表されています。
「E8系」に乗車することを優先して、旅程を検討するのもいいですね。


まとめ

「座席の色は、どうして黄色と赤色なんだろう?」。「E8系」の車内では、そんな疑問が浮かぶかもしれません。
名産品や名所にはそれぞれ歴史や由来があることが、旅行をすると強く実感できます。名前だけ知っていたものを実際に目の当たりにしたり、疑問に思っていたことが現地で解決したりするとなおさら。その起点として、新しい山形新幹線はぴったりです。
気づきがあると、旅の解像度はぐっと高くなるはず。そして、その思い出は親子の間でいつまでも色褪せないはず!

  • 提供/JR東日本
  • 文/中村こより
  • 写真/最上峡芭蕉ライン観光株式会社、のゝか本郷館、公益社団法人 山形県観光物産協会、上杉観光開発株式会社、染織工房わくわく舘、栗原景(月山・福島駅)
  • 掲載されているデータは2024年3月1日現在のものです。

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