秋田駅から、冬ならではの風土と美酒美食を満喫!
大自然に抱かれた米どころ秋田では、昔から収穫を終えた冬の季節に酒造りが行われてきました。清涼な湧き水が豊富で、気候風土が酒造りに適していることから、酒蔵の数も多く美酒に恵まれた秋田県。そんな秋田の地酒を堪能するなら、しぼりたての新酒が出回る冬の時期がオススメ!
日本酒を中心に秋田の冬の味覚を堪能し、郷土の文化を深掘りする旅プランを、秋田在住のライター・島田真紀子がご紹介します。
秋田へは、秋田新幹線で!
東京駅からJR秋田新幹線こまちに乗り、約3時間50分で秋田駅に到着します。冬の旅行でも頼もしい存在です。また、2日目は白神方面へも足を延ばします。白神方面へは、JR秋田駅から奥羽本線・弘前行きに乗り、東能代駅でJR五能線に乗り換えます。今回の目的地がある東八森駅へは秋田駅から約1時間30分です。
東京から秋田までの新幹線チケットを購入する際は、「えきねっと」での予約がオススメです。「えきねっと」のサイトを開き、「乗車駅」「降車駅」「出発日時または到着日時」「乗車人数」を入力し、列車を検索します。候補となる新幹線の空席情報が出てきたら、「きっぷの種類」「座席の種類」を選びます。「新幹線eチケット」は、交通系ICカードやモバイルSuicaを紐づけ、自動改札機にタッチするだけで新幹線に乗車できるサービス。秋田新幹線も対応しており、切符の受け取り不要で最大6人まで予約できます。
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【1日目】食べて、飲んで、体験して。秋田の魅力をギュギュッと体感!
秋田新幹線で東京から約3時間50分。盛岡駅での東北新幹線との連結切り離し、車窓を流れる雪景色、大曲駅でのスイッチバックなど、秋田新幹線ならではの旅情を堪能して秋田駅に到着したら、まずは駅ビルで腹ごしらえ。
1日目①「佐藤養助 トピコ店」で、本場の稲庭(いなにわ)うどんを味わう
醤油だれと胡麻だれの「二味(ふたあじ)せいろ」
秋田駅ビル「トピコ」3階の飲食店街にある「佐藤養助 トピコ店」
秋田名物「稲庭うどん」は、ツルツルとした喉ごしと弾力のあるコシが特徴的な、細い平麺のうどんです。江戸時代、一人の職人が「手綯い(てない)」という技法を編み出し、その技は一子相伝、門外不出とされていました。しかし、技が絶えることを危惧した創業者が特別に2代目佐藤養助に伝授し、1860(万延元・安政7)年に稲庭うどんの店「佐藤養助商店」の歴史がスタートしました。
トピコ店は、佐藤養助商店の直営店として2019年にオープン。旅のはじめに、ここで稲庭うどんを堪能しましょう。初めての方は、醤油だれと胡麻だれの2種類の味を楽しめる「二味せいろ」がオススメ! 食感の良い細麺に繊細なつけだれが絡み、箸がどんどん進みます。
佐藤養助 トピコ店
住所 | 秋田県秋田市中通7-1-2 トピコ3階 |
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問い合わせ先 | 018-853-8218 |
時間 | 11:00〜15:00・16:00〜20:00 |
定休日 | 無休(トピコ休館日を除く) |
交通アクセス | JR秋田駅すぐ |
値段 | 「二味せいろ」1000円 ほか |
URL | https://www.sato-yoske.co.jp/shop/topico/ |
1日目② もふもふの秋田犬(あきたいぬ)に会いに「秋田犬ステーション」へ
チーフドッグトレーナーの鈴木明子さんと、秋田犬の“りんご”
可愛らしいぬいぐるみをはじめ、秋田犬グッズがたくさん
りりしい姿と一途な性格から、世界中にファンが多い秋田犬。秋田市内にいくつかある「秋田犬に会えるスポット」のうち、冬も会えるのはここだけ。秋田犬ステーションを運営するONE FOR AKITAのチーフドッグトレーナー・鈴木明子さんは、飼育放棄された秋田犬を保護し、再トレーニングして里親へ譲渡する活動をしています。
お出迎えするのは、鈴木さんが保護し再トレーニングを終えた秋田犬たち。ここでの展示は、リハビリにもなっているのだそうです。「何歳からでもしつけ直しはできます。諦めないで、最後まで犬と向き合ってほしい」と鈴木さん。悲しい過去を乗り越えて再び人と絆を結べるようになった、愛らしい秋田犬に会いに行ってみましょう。
秋田犬ステーション
住所 | 秋田県秋田市中通1-4-3 エリアなかいち1階 |
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問い合わせ先 | 018-807-2535(一般社団法人ONE FOR AKITA) |
時間 | 11:00〜18:00(昼休憩13:00〜13:30) ※秋田犬に会える日時(土・日。祝日は不定期)=11:00〜11:30・12:10〜13:00・ 13:30〜14:00・14:40〜15:00 |
定休日 | 月曜・水曜・金曜 |
交通アクセス | JR秋田駅から徒歩10分 |
値段 | 見学は無料。グッズは「秋田犬ぬいぐるみ」1507円など |
URL | http://www.saveakita.or.jp/ofa/station/ |
1日目③ 「秋田市民俗芸能伝承館」でミニ竿燈(かんとう)体験
竿燈ふれあいコーナーでは、祭りの衣装を着てミニ竿燈をあげる体験も
左奥は「竿燈」、右は冬の行事で使われる「梵天(ぼんでん)」
秋田の代表的な祭りといえば、毎年8月3~6日に開催される竿燈まつり。黄金の稲穂のように大通りを埋め尽くす竿燈を見に、全国からたくさんの観光客が訪れます。秋田市民俗芸能伝承館では、竿燈をはじめとする郷土の民俗行事や芸能を、映像や展示で紹介しています。
竿燈は大きなもので高さ12メートル、重さ約50キロほどあり、高校生以上は大人向けの「大若」、子どもたちは年齢や体格によって「中若」「小若」「幼若」を使います。「一度でいいから、実際に竿燈をあげてみたい!」という方は、「幼若」より小ぶりなミニ竿燈で竿燈体験をしてみましょう。祭りの衣装を身につけると、さらに気分が上がること間違いなし!
秋田市民俗芸能伝承館(ねぶり流し館)
住所 | 秋田県秋田市大町1-3-30 |
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問い合わせ先 | 018-866-7091 |
時間 | 9:30〜16:30 |
定休日 | 年末年始(12月29日~1月3日) |
交通アクセス | JR秋田駅から徒歩15分 |
値段 | 観覧料130円(高校生以下無料) |
URL | https://www.city.akita.lg.jp/kanko/kanrenshisetsu/1003644/index.html |
1日目④ 「HOPDOG BREWING(ホップドッグ・ブルーイング)」で、工場見学&クラフトビールを試飲
ブランド名の「HOPDOG」はホップ+秋田犬。缶のラッピングにも秋田犬が
秋田産のホップを使って醸造。実は、秋田はホップの一大産地
秋田を象徴するお酒は、日本酒だけではありません。もとは銭湯だった建物をリノベーションしたHOPDOG BREWINGでは、クラフトビールとハードサイダー(りんごのお酒)を醸造しています。コンセプトは「秋田の原料を使うこと」。横手市産のホップを使い、副原料にも鹿角市の北限の桃や秋田の米、県産の果実などを使用。ハードサイダーの原料も秋田県産のりんごです。
試飲付きの工場見学ツアー(要予約)では、出来たてのクラフトビールやハードサイダーを試飲することができます。お酒が飲めない方やハンドルキーバーのために、工場見学&秋田県産リンゴジュースのコースがあるのも嬉しい配慮!
HOPDOG BREWING
住所 | 秋田県秋田市南通みその町6-27 |
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問い合わせ先 | 018-853-9168 |
時間 | 13:00〜17:00(完全予約制) |
定休日 | 無休 |
交通アクセス | JR秋田駅から徒歩20分 |
値段 | 工場見学&クラフトビール&ハードサイダー試飲2杯1800円・工場見学&りんごジュース1杯600円 |
URL | https://hopdogbrewing.jp/ |
1日目⑤ 秋田の地酒×旬の野菜や魚介が美味しい! 炭焼酒場「おもろ」
料理は左から「三関(みつせき)せりひたし」、「だだみ」。秋田の冬の味覚を地酒とともに
中央の石積みの奥には囲炉裏があります
秋田市手形の住宅街にひっそりと佇む、隠れ家風の居酒屋・おもろ。「季節の魚介や野菜で地酒を飲める店」として、日本酒好きに愛される店です。秋田の旬の食材を使った野菜たっぷりのメニューと、四季折々の秋田の地酒を満喫しましょう。
秋田の冬の味覚といえば、「せり」と「だだみ」。せりは、きりたんぽ鍋の具として重宝されていますが、その香りや食感は単独でも主役を張れる味。根っこごと、おひたしで味わいます。だだみは真ダラの白子で、口の中にとろりと広がる旨みがたまりません。「県内で頑張っている小さな蔵を応援したい」と話す店主ならではのラインナップが光る店です。
炭焼酒場おもろ
住所 | 秋田県秋田市手形新栄町2-37 |
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問い合わせ先 | 018-832-0497 |
時間 | 18:00〜23:00 |
定休日 | 水曜・不定休 |
交通アクセス | JR秋田駅から徒歩8分 |
値段 | 三関せりひたし600円・だだみ1200円・日本酒1合800円〜 |
URL | https://www.instagram.com/omoro_akita/ |
1日目⑥ 立ち飲みバーでの飲み比べ付き! ホテルメトロポリタン秋田の「日本酒コース」
別館のコーナーツイン。別館(一部客室)の窓からはトレインビュー、本館は駅前の風情あるバスターミナルの景色が楽しめます
立ち飲みバー「あきたくらす」の日本酒飲み比べセット(イメージ)
ホテルメトロポリタン秋田では、秋田県の冬の観光キャンペーンに絡めて、「秋田の気になっていたものを楽しんで、もっと秋田を好きになろう!」というコンセプトで4つのコースからなる「秋田推しプラン」を展開。中でも日本酒好きにオススメなのが、ホテルメトロポリタン秋田の宿泊と立ち飲みバーでの飲み比べがセットになった「日本酒コース」です。
秋田駅ビル「トピコ」の2階にある「あきたくらす」は、ホテルから徒歩約2分。秋田の銘酒と県の特産品を扱うショップの一角に、立ち飲みバーを備えています。日替わりで季節の銘酒3種類を味わうことができる「飲み比べセット」に、「日本酒コース」宿泊者限定のプチおつまみが付くほか、秋田県酒造組合オリジナルグッズもプレゼント!
ホテルメトロポリタン秋田
住所 | 秋田県秋田市中通7-2-1 |
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問い合わせ先 | 018-831-2222 |
時間 | チェックイン15:00・チェックアウト11:00 |
交通アクセス | JR秋田駅西口隣接(徒歩1分) |
値段 | 秋田推しプラン(日本酒コース)素泊まり8,900円〜・朝食付き10,700円〜 |
URL | https://akita.metropolitan.jp/ |
【2日目】秋田駅から白神方面へ足を延ばし、酒蔵併設のカフェへ
2日目は、秋田駅から奥羽本線と五能線で海岸沿いを北上します。風花が舞う荒々しい日本海は、冬の旅でしか見られない景色。東八森駅から徒歩3分ほどで、山本酒造店の敷地内にあるカフェに到着です。
2日目 「LABO and CAFE YAMAMOTO(ラボアンドカフェヤマモト)」で極上の時間を過ごす
専用サーバーから注がれるのは、蔵元ならではの「ここでしか飲めない酒」
コーヒーとマカロンのセットも絶品! マカロン「シラカミ」は、酒粕風味クリームが入った限定品です
1901(明治34)年創業の山本酒造店は、白神山地の麓で育まれた水と米で日本酒を造っています。酒蔵の公開はしていませんが、「酒好きのパラダイスを作りたい」と考えた6代目蔵元の山本友文さんが、LABO and CAFE YAMAMOTOを2023年にオープンしました。
「ラボ」と名付けたのは、施設内で醸造した試作品を試飲できるから。飲み比べして気に入ったお酒を量り売りで購入でき、好評だったものを商品化するという、「お客さんと一緒に酒づくり」を実現した場所です。お酒以外にも、オリジナルのコーヒー、世界最高峰のパティシェが監修したマカロンなど、山本さんが徹底的に追求した高品質なものばかり。
LABO and CAFE YAMAMOTO
住所 | 秋田県山本郡八峰町八森字八森269 |
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問い合わせ先 | 070-1146-9430 |
時間 | 10:00〜16:00(L.O.15:30) |
定休日 | 火曜・水曜 |
交通アクセス | JR東八森駅から徒歩3分 |
値段 | 日本酒三種テイスティングセット2,000円・コーヒー&マカロンセット950円 |
URL | https://laboandcafe.yamamoto-brewery.com/ |
行くからこそ味わえる美酒をはじめ、冬の秋田の魅力を大満喫!
寒い冬、県内各地の蔵元では新米を使った日本酒造りが盛んに行われています。日本酒以外にも、クラフトビールやハードサイダーなど、地元の産品を活用した美味しいお酒がたくさんあります。そんな秋田のお酒を堪能しつつ、気になるものを深掘りしてみましょう。秋田名物稲庭うどん、秋田の冬の味覚、郷土の祭りに秋田犬。秋田には、魅力的なものがたくさんあります。
冬だからこそ見られる景色と一緒に、秋田をまるごと体感してみませんか?
著者紹介
- ※提供/(株)JR東日本ネットステーション
- ※取材・文/島田 真紀子
- ※撮影/高橋 希(佐藤養助 トピコ店・おもろ)
- ※写真提供/HOPDOG BREWING、ホテルメトロポリタン秋田
- ※掲載されているデータは2025年1月現在のものです。変更となる場合がありますので、お出かけの際には事前にご確認ください。