北アルプスの麓で輝く芸術の祭典
長野県の北西部・大町市(信濃大町)を舞台に、「北アルプス国際芸術祭2024」が11月4日(月・祝)まで開催中。11の国と地域から、37組のアーティスト・38作品が集結しています。
芸術祭のコンセプトは、「水・木・土・空 ~土地は気配であり、透明度であり、重さなのだ~」。信濃大町の土地から生み出される作品を通して、雄大な山々、清冽な雪解け水と澄んだ空気など自然の力を体感することができます。
- ※上の写真は、『竹の波』ヨウ・ウェンフー〈游文富〉
芸術祭の舞台・大町市
紅葉が美しい、秋の中綱湖(写真=大町市観光協会)
長野県大町市は、古くから 塩の道「千国街道」の宿場町として栄え、文化を育んできました。北アルプスの山々を映す仁科三湖や豊富な温泉などの自然にも恵まれ、いまも登山の拠点として、また立山黒部アルペンルートの長野県側の玄関口として、多くの観光客でにぎわう地域です。
サイト・スペシフィックなアート作品
「北アルプス国際芸術祭2024」では、大町市の多様な特色がみられる5つのエリアを舞台に、この土地から生まれるサイト・スペシフィックなアート作品が展開されています。ここでは、作品の一例をご紹介します。
市街地エリア
作品が商店街や空き家、空き店舗などに展開されています。街並みのなかに融合する現代アートを味わうことができるエリアです。
『時に宿る』山本基
『Library of Wooden Hearts』マリア・フェルナンダ・カルドーゾ
ダムエリア
大町市は黒部ダムの玄関口であり、北アルプス山麓に大町・七倉・高瀬ダム等を有しています。人が土木技術を通して水と関わってきた歴史や意義、ダムの造形の美しさをアーティストの視点で体感できるエリアです。
『北北西に進路を取れ』磯辺行久
源流エリア
北アルプスの雪解け水が清らかに流れ、湧水も豊富なエリアで、大町市の豊かな自然環境を体感できるエリアです。特徴的な寺社仏閣も数多く見られます。
『空の根っこ -Le Radici Del Cielo-』宮山香里
仁科三湖エリア
古くは塩の道と呼ばれた道筋に、長野県有数の透明度を誇る青木湖、四季折々の景観を湖面に映す中綱湖、アートやスポーツのアクティビティが豊富な木崎湖が並ぶエリアです。
『ささやきは嵐の目のなかに』ケイトリン・RC・ブラウン&ウェイン・ギャレット
『やまのえまつり』コタケマン
東山エリア
里山の暮らしと風景を色濃く残す集落が点在しているエリア。鷹狩山山頂からは、大町市全域を俯瞰しながら北アルプスを見上げることができます。
『記憶の眠り』佐々木類
『竹の波』ヨウ・ウェンフー〈游文富〉
芸術祭を楽しむ4つのポイント
1. まずは作品鑑賞パスポートをゲット
北アルプス国際芸術祭の作品を鑑賞するには、作品鑑賞パスポートか、個別鑑賞券を購入する必要があります。
作品鑑賞パスポート
すべての作品を1回鑑賞できるパスポートです。パスポートはスタンプラリーになっていて、スタンプをすべて集めるとインフォメーションセンターで賞品をもらえます。またパスポートの提示により、大町市内の温泉・飲食店・アクティビティなどで割引や特典が受けられます。
インターネット(Webket)、JTBコンビニチケット(セブンイレブン・ローソン・ファミリーマート・ミニストップ)、各種プレイガイドで販売しているので、事前に購入しておくと安心です。
【料金】
一般:3,000円
16〜18歳:1,500円
15歳以下は無料
アートサイト個別鑑賞券
個別鑑賞券で、見たい作品を選んで鑑賞することも可能です。こちらは各アートサイトで販売しています。
【料金】
1アートサイト:300円
2. インフォメーションセンターに立ち寄ろう
大町市に到着したら、インフォメーションセンターに立ち寄りましょう。作品鑑賞パスポートや各種イベントチケット、ガイドマップや交通情報などを入手することができます。
また、トートバッグやTシャツなどオフィシャルグッズも販売しています。芸術祭をさらに楽しめることはもちろん、普段使いもできるおしゃれなアイテムが満載。ぜひ、チェックしてみてください。
【信濃大町駅前インフォメーションセンター】
住所:大町市大町3168-9
営業:11月4日(月・祝)まで 8:30〜18:00 ※会期中無休
【イーストインフォメーションセンター】
住所:大町市美麻16784(道の駅ぽかぽかランド美麻敷地内)
営業:11月4日(月・祝)まで 9:00〜17:00 ※水曜定休
【サウスインフォメーションセンター】
住所:大町市常盤6367-26(JA大北農産物直売所 ええっこの里敷地内)
営業:11月4日(月・祝)まで 9:00〜17:00 ※水曜定休
3. ランチは「カフェ&レストランYAMANBA」で
地元のお母さんたち(YAMANBAガールズ)が、採れたての旬の食材を丁寧に料理して、民話の語りとともに提供する「カフェ&レストランYAMANBA」。
初秋のお献立 2,200円(税込)
ランチは完全予約制で、各日11:30~12:30、13:00~14:00の2回、各回定員45人。松花堂弁当には秋の深まりとともに旬を迎える野菜に加え、保存性に優れた漬物や味噌、冬の寒さを活かしたこの地方ならではの凍り餅や凍み大根などが、ふんだんに盛り込まれています。自然とともに生きてきた暮らしの知恵や喜びを、お食事を通して味わうことができますよ。
4. オフィシャルツアーが便利
広い範囲に点在するアートサイトを巡るには、オフィシャルツアーがおすすめ。地元のツアーガイドの案内とともに巡り、「カフェ&レストランYAMANBA」での食事も楽しめる一日満喫ツアーです。
催行日:11月4日(月・祝)まで ※水曜運休
旅行代金:12,000円(昼食・ガイド付き) ※作品鑑賞パスポートは別途購入が必要です。
発着:長野駅東口ユメリアバスパーク(最終、信濃大町駅で下車可能)
東京から長野まで北陸新幹線で約1時間20分(写真=交通新聞クリエイト)
東京方面からツアーに参加するなら、東京駅7:20発→長野駅8:37着の北陸新幹線(かがやき503号敦賀行き)に乗車すれば、9:00に長野駅東口ユメリアバスパーク発のバスに乗ることができますよ。
このほか、大町市内では芸術祭専用のアートバスも運行されます。各コースのバスに乗ることで、市街地エリア以外のほぼすべての作品を巡ることができます。
まとめ
「北アルプス国際芸術祭2024」は、11月4日(月・祝)まで開催中。
「水・木・土・空 ~土地は気配であり、透明度であり、重さなのだ~」をコンセプトに、世界中からアーティスト、サポーター、そして多くの人々が北アルプスの麓・信濃大町に集います。
人と自然が織りなすアート作品に深く触れ、豊かな郷土食を味わう体験の中には、きっと心が動かされる出合いがあるはずです。
「北アルプス国際芸術祭2024」で五感を研ぎ澄ます旅に出てみてはいかがでしょうか。
北アルプス国際芸術祭2024 開催概要
●会期
2024年9月13日(金)~11月4日(月・祝) ※会期中水曜定休
●鑑賞時間 9:30~16:30
●開催地 長野県大町市
●主催 北アルプス国際芸術祭実行委員会
●料金
【作品鑑賞パスポート】一般:3,000円、16〜18歳:1,500円
【アートサイト個別鑑賞券】1アートサイト:300円
- ※トレたび編集室/編
- ※掲載されているデータは2024年9月現在のものです。