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2020.12.16旅行おうちで旅気分!【札幌・阿智・四日市・金沢・香川・佐世保】イルミネーションなどまばゆい冬の夜間景観をオンラインでぬくぬくと鑑賞

部屋の灯りを消して。日本各地の夜間景観の名所や絶景をバーチャルで楽しもう

乾燥して空気中に水分の少ない冬は、大気が澄んでイルミネーションや夜景・夕景、星空が映える季節。日没が早く、早い時間から楽しめるというメリットもある。防寒対策をして出かける価値も大きいが、今年はまずはオンラインでさまざまな夜間景観を楽しんでみよう。冬の夜を彩る圧倒的な光の映像を暖かい部屋で鑑賞していると、うっとりと心ときめき、星の美しさや文明の光の尊さをつくづく感じることだろう。

<北海道札幌市>札幌の夜景名所をまるっとおさめた「Nightscapes(Artscapes SAPPORO)」


今でこそ冬になると全国各地でイルミネーションイベントが開催されるが、その元祖は約40年前の1981年開始の「さっぽろホワイトイルミネーション」。今年は点灯時間を短縮するなどして開催されているが、まずは、市内の夜景名所とあわせて映像で楽しむことで冬の風物詩を満喫しよう。

札幌市の公式観光サイト「ようこそさっぽろ」内の「札幌観光映像」ページは、札幌の四季や街並み・食などの魅力を映像と音楽で映画作品のように表現している「Cinema City Sapporo」など5つの動画ページを展開。そのひとつ、札幌観光の魅力を6つのテーマで紹介する「Artscapes SAPPORO」ページで紹介されているのがズバリ「Nightscapes(Artscapes SAPPORO)」。

映像は明るいうちからロープウェイで、もいわ山を上るところから始まる。ロープウェイからの眺望の素晴らしさに、どんな夜景が待っているのかとワクワクする。山頂展望台は「幸せの鐘」のライトアップが印象的で、標高531mから広がる夜景の大パノラマは本当に素晴らしい。山頂にはレストランもあり、夜景を眺めながら極上のフレンチを味わえるというのも魅力だ。動画はさっぽろテレビ塔の夜景のあと、いよいよさっぽろホワイトイルミネーションを映し、JRタワー展望室「タワー・スリーエイト」・観覧車ノリアなど、次々とアートな夜景を映し出す。

5つの動画ページのうちのひとつ、マツコ・デラックスさんをモデルにしたアンドロイド「マツコロイド」が冬の札幌の魅力を紹介する「2泊3日マツコロイド札幌の旅」にも「札幌もいわ山編」があり、札幌の夜景は長崎市・北九州市とともに「日本新三大夜景」に選出された情報などを楽しく伝えている。

また、ホワイトイルミネーションの映像を思う存分楽しみたいなら、さっぽろホワイトイルミネーション公式サイトが配信しているダイジェストムービー「ILLUMI2018 HP」を視聴するといい。


<東日本・長野県阿智村>日本一の星空の魅力がめくるめく展開する「阿智村の星空 2014」


環境省の実施する全国星空継続観察で2006年に「星が最も輝いて観える場所」第1位に認定された阿智村。富士見台高原ロープウェイで上る「ヘブンスそのはら」では、日本一の星空を存分に満喫できる「天空の楽園 日本一の星空ナイトツアー」を通年で開催している。スターガイドが季節ごとの星座を紹介する「スターガイドエリア」、広い芝生の会場で星空と映像と音楽がかなでるエンターテインメントを楽しめる「エンターテインメントエリア」、リクライニングチェアやソファーでゆっくりと星空を眺めることができる上質な空間「ヒーリングエリア」からなり、好みに合った星空の楽しみ方が選べるようになっている。

「阿智☆昼神観光局」サイト内のムービーページでは、阿智村の星空の魅力を伝える動画2本を配信。まずは「阿智村の星空2014」を見てみよう。最初に映しだされるのが「ヘブンスそのはら」の夏の宵の星空。画面一面に星屑が散らばり、時折流れ星が流れる。数えるほどしか星が見えない街中の夜空に慣れた目には、空にはこんなにも無数の星が存在していたのかと衝撃的。「銀河もみじキャンプ場」の映像は「天の川」の美しさを強く印象づける。タイムラプス映像のため、星の流れが実際より早いのも効果的で、薄雲が星を透かしながら流れていく様子も美しい。信濃比叡の伝教大使の像と天の川のコラボレーションは神秘的で、しだいに空が白んで朝の空色になるさまにも、うっとりする。

星空のムービーもう1本は「天空の楽園Night Tour Season 2016 PV」。「ヘブンスそのはら」の星空の美しさに加え、山並みや雲海の映像も素晴らしい。観光局サイト上での公開はこの2本だが、阿智☆昼神観光局がYouTubeで運営する「日本一の星空 阿智村チャンネル」にはさらに多数の星空動画が公開されているので、それらもぜひ観賞をおすすめしたい。


<東海・三重県四日市市>妖しげな美しさを放つ工場夜景の動画「Yokkaichi: Factory at Night - 四日市工場夜景」


高所から見下ろす街の明かりだけでなく、他エリアで紹介しているように、星空やイルミネーションなど夜景の表情はさまざま。なかでも、昼間とは一変した最も意外な美しさを見せるのが「工場夜景」だろう。その日本屈指の名所が、昭和 30 年代に日本で初めて大規模形成された石油化学コンビナートを擁する三重県四日市市だ。無機質な工場の景観は昼間は力強さを感じさせるが、明かりの灯る夜間は幻想的な姿を見せ、工場の妖しげな美しい側面に驚く。四日市では海上を進む船の上から工場夜景を堪能する「四日市コンビナート夜景クルーズ」も行われている。

そんな工場夜景の魅力をオンラインで味わえるのが、四日市市広報マーケティング課チャンネルの「Yokkaichi: Factory at Night - 四日市工場夜景」。最初はまさにクルーズ船からの映像。水面に映る工場の灯も美しい。タイトルが映し出されたあと、登場するのは「国道23号線 大正橋」からの夜景。要塞のような工場がきらめき、威容を誇る。塩浜町の「昭和四日市石油」は白い光が数多く灯り煌びやか。「四日市港ポートビル」から見下ろす工場夜景もいい。モクモクとあがる煙も印象的だ。四日市ドームのガラスに映り込んだ運河とコンビナートの夜景もユニーク。そんな幾多の美しい工場夜景を見せつけたあと、最後は垂坂公園から望む工場夜景。遠方のため、工場の威容は鳴りを潜め美しさが際立つ。しだいに空が明るくなり灯も消える。灯の消えた工場は一気に妖しげな魅力を消し去り、無機質な本来の姿に戻る。

鉄道ファンなら、「『ナローゲージの聖地』~内部・八王子線~」も要チェック。貴重なナローゲージの四日市あすなろう鉄道のプロモーション映像だ。四日市市広報マーケティング課チャンネルの動画ではほかに、時代劇の必殺シリーズを彷彿させる京本政樹さんが出演の動画「必見 四日市」もカッコイイ。


<西日本・石川県金沢市>国際的な賞を受けた夜景の美しさを伝える「金沢の夜景 -Kanazawa Night view Museum-」


金沢市の夜間景観は2011年、日本で初めて都市照明の国際的な賞である「シティ・ピープル・ライト・アワード」において、第3位という高評価を受けた。その魅力ある夜間景観を広く周知するために制作されたのが金沢市公式YouTubeチャンネルで公開されている「金沢の夜景 -Kanazawa Night view Museum-」。

動画は高所からの街の夜景がイメージ的に映し出された後、閲覧者を出迎えるべく金沢駅・鼓門の映像から本格的に始まる。鼓門は日没の30分前から0:00までライトアップされている。ライトアップされた門の威容は圧巻で、門の木組み、駅の鉄骨の構造も美しい。木造の町家が並ぶひがし茶屋街、主計町(かずえまち)のしっとりとした夜景もいいし、金沢城公園のライトアップされた城郭建造物もカッコイイ。調べてみると、金沢城公園は2021年3月まで金・土曜および祝日の前日は21:00までライトアップされる。園内の玉泉院丸庭園では、冬場なら日没から夕焼けをテーマにした7分間(解説を含め全12分間)の灯りの演出が楽しめる(季節により時間・回数変動)というから、リアルな旅の際には、ぜひ庭園まで訪れたい。「金沢21世紀美術館」は、入館無料の交流ゾーンは当面の間19:00(金・土曜は21:00)まで開館されており、ライトアップされた姿は近未来的で雰囲気満点。その後、映像は再び高所からの夜景で幕を閉じる。-

金沢市公式YouTubeチャンネルの夜間景観動画としては、ほかに「浅野川 夜」などもある。「男川」と呼ばれる犀川(さいがわ)に対して、「女川」の愛称で呼ばれ親しまれている浅野川にはアーチ形の橋などが架かっており、ライトアップされた姿がいっそう大正ロマンの趣を呈す。また、「金沢市プロモーションムービー COLOR THEORY FOR KANAZAWA」は、金沢の美を伝統の「加賀五彩」(藍・古代紫・臙脂・黄土・草)をモチーフにして色ごとに美しい映像と音で表現しており、いつまでも繰り返し流し続けたくなる美しさ。


<四国・香川県>夜景スポットが丸わかりになる、香川県インターネット放送局の「イルミネーション」


大気が澄んで夜景やイルミネーションが鮮やかに見えるこの季節、香川県内でそれらをめぐる旅を楽しもうと思ったときに、バッチリ参考になるのが香川県インターネット放送局の動画「イルミネーション」。国営讃岐まんのう公園のイルミネーションイベントをイメージ的に映し出したあと、瀬戸大橋のライトアップから本格的に紹介をスタート。瀬戸大橋は週末や祝日などにライトアップが行われ、動画内のアナウンスにあるように、「橋の袂から眺めても、車で渡っても、心に残る景観」だ。

宇多津駅の北側と南側は、12月1日(火)から2月28日(日)にかけて38,760個のLEDでライトアップされる。日本を代表する名園、栗林公園は紅葉の季節にライトアップされ、幻想的で昼間とはまた違った趣を見せる。再び登場した国営讃岐まんのう公園のライトアップは圧巻だ。

自然豊かなまんのう公園に対し、テーマパークとして計算しつくされた美しいイルミネーションを見せるのがレオマリゾートで2021年2月28日まで開催中の250万球の「レオマ ウィンターイルミネーション」。今年、全国イルミネーションアワードで第3位を受賞し、日本夜景遺産にも認定されている。大観覧車や光るジェットコースターなどのナイトアトラクションや、西日本初の360度3Dプロジェクションマッピングも楽しめる。詳しく知りたい場合は、「レオマウィンターイルミネーション」を視聴するといい。

香川県インターネット放送局の動画には、ほかに「栗林公園 秋のライトアップ2009『光葉』」などもある。栗林公園の秋のライトアップは11月下旬の約10日間。各イルミネーションイベントも、11月から始まっているので、併せて楽しむことができる。来年はぜひ行きたい!


<九州・長崎県>自然が創り出した九十九島の絶景が流れる「石岳展望台からの夕陽<佐世保市>」


北海道エリアでも少しふれたように、長崎市・北九州市・札幌市は夜景観光コンベンション・ビューローにより、日本新三大夜景に認定されている。その美しさは確かに息をのむほどであり、長崎県の公的な観光サイト「ながさき旅ネット」の動画ライブラリーページには「長崎の夜景(鍋冠山より)」という動画がある。そのタイムラプス映像には思わず感嘆の声があがる。

ライブラリーのなかでもうひとつ注目したいのが、「石岳展望台からの夕陽<佐世保市>」。佐世保市の石岳展望台は標高191m石岳頂上にあり、360度の展望が聞き、九十九島の絶景を存分に堪能できる。明るい日中の光景も素晴らしいが、夕暮れ時は哀愁漂う雰囲気も感じられ、動画の映像を見ると実際に目にしてみたい気持ちが高まる。ハリウッド映画『ラストサムライ』の冒頭にも登場した光景だそうだ。

複雑に入り組んだリアス式海岸に迫る海上に208の島々が浮かぶ九十九島。島の密度は日本一、海に描き出された島々の姿は絶妙で、偉大なる自然のアーティストぶりにただただ感嘆する。動画を見て石岳展望台はいつか絶対行きたい憧れの地になった。さらに調べてみると、佐世保市内には九十九島の絶景を味わえる展望台が8つ、「九十九島八景」があるという。夕陽の石岳展望台に対して、朝焼けの九十九島を観賞できる高島岳、市街地の夜景も望める弓張岳展望台など、それぞれに魅力あふれる。長串山公園展望所は春に10万本のつつじが山の斜面を朱色に染め、眼下に広がる北九十九島との取り合わせが絶妙。となると、大気の澄む秋・冬もいいが、つつじにあわせた春の旅も捨てがたい!


画面にあふれる光の洪水にくぎ付け! 人の心を明るくする夜間景観動画を堪能

「希望の光」「光明」「栄光」などなど、光のつく言葉はプラスイメージのものが多い。人にとって光とは憧れであり、希望であり、なくてはならないものなのだ。オリンピックイヤーだった2020年はバラ色の年となるはずだったが、コロナ禍により一転、冬の時代となってしまった。季節自体も冬の今、光明を求めて光輝く夜間景観の映像を楽しもう。光の美しさに心ときめく一方で、美しい星や街の光が弱まり朝を迎える映像などに、明けない夜はない、という想いもまた抱くのではないだろうか。

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冬の北海道・札幌のイルミネーションを観に行ったら特急オホーツクで足を延ばすのもおすすめ

【特急オホーツク】

運転区間:函館本線・宗谷本線・石北本線 札幌駅~網走駅間

札幌駅と、流氷が押し寄せるオホーツク海の玄関口のひとつとなる網走駅を約5時間15分結ぶ特急列車。ハイデッカーグリーン車も連結されているので、ゆったりと長旅を楽しみたい。


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東北・北海道の雄大な自然に抱かれ、豊かな文化と出合う旅

2020年最新:JRフルムーン夫婦グリーンパスで行く東北・北海道の秋とアイヌ文化を五感で感じる旅のモデルコース

フルムーン夫婦グリーンパスを使って、これまでなかなか足を運べなかった憧れの地を訪れる途中下車の旅をしてみては。列車は快適なグリーン車の利用OK。寛ぎながら車窓を楽しむ優雅な旅。


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【北陸新幹線かがやき E7系・W7系】
運転区間:東京駅~金沢駅

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三重に旅行に行くなら快速みえがおすすめ

【快速みえ】
運転区間:関西本線・伊勢鉄道線・紀勢本線・参宮線 名古屋駅~伊勢市駅・鳥羽駅間

車内は進行方向に向きを変えられる転換式クロスシート(ドア部分と車端は固定式)が装備され、車窓の風景を眺めながら旅が楽しめる。また、2両編成のうち1両にトイレが設置されている。


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四国に行くなら、寝台特急・寝台列車サンライズ瀬戸がおすすめ

【サンライズ瀬戸】
運転区間:東海道・山陽・宇野・本四備讃・予讃線 東京駅~高松駅

下り列車は東京駅発22:00、高松駅着7:27。都会のネオンや夜明けの瀬戸内海を車窓に見ながら夜行列車の旅を楽しもう。サンライズ瀬戸は、営業最高時速130キロメートルの高性能車両であり、6種類の個室と、ノビノビ座席、シャワー室やミニラウンジなど寝台列車ならではの多彩な設備を兼ね備えている。


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「週末は列車で温泉旅」四国・香川

【香川・こんぴら温泉郷編】旅行作家・野添ちかこが列車で行く! のんびりご褒美温泉旅

讃岐国のこんぴらさんとして知られる「金刀比羅宮(ことひらぐう)」は海の守護神、さらには、商売繁盛や健康にご利益のある四国随一のパワースポット。江戸時代から伊勢詣でや熊野詣でと並んで、庶民が一生に一度は訪れたいと願った憧れの場所への旅。


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九州・長崎県佐世保に旅行に行くなら特急列車「ハウステンボス」がおすすめ

【特急「ハウステンボス」
運転区間:鹿児島本線・長崎本線・佐世保線・大村線 博多駅~ハウステンボス駅間

長崎県佐世保市のテーマパーク・ハウステンボスの玄関口として開設されたハウステンボス駅と博多駅を結ぶ特急列車。「そこはもうハウステンボス」をデザインコンセプトに、外観はオレンジ色を基調とした明るく元気なハウステンボス号を表現。車内は温もりのある木をふんだんに使ったデザインとなっている。


  • 写真協力/阿智☆昼神観光局
  • 文/赤木はるな
  • 掲載されているデータは2020年12月現在のものです。変更となる場合がありますので、お出かけの際には事前にご確認ください。
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