トレたび JRグループ協力

2017.06.27旅行旬たび☆日本列島 和歌山

水の国、わかやま。アクティブな海旅へ、世界遺産めぐりへ

特急「くろしお」でわかやまへ!

紀伊半島をぐるりと半周する紀勢(きせい)本線。京都・大阪と和歌山の南紀地方を結ぶ特急「くろしお」の魅力は、車窓から見えるダイナミックな景色だ。連なる山並みや青々と広がる太平洋の大海原、岬や奇岩などが次々に現れる。ローカルムード漂う駅舎を出たら、和歌山ならではの水風景を訪ねてみよう。清流をカヌーで楽しむもよし、世界遺産の名瀑を見上げるもよし。太古から続く豊かな水が、夏の旅を涼やかに彩るわかやま旅へ! 運転区間は京都駅・新大阪駅〜白浜駅・新宮駅間。毎日運転。

※写真は特急「くろしお」287系車両。

Plan 1  アクティブ派なら

清流・古座川(こざがわ)でたっぷり遊んで、絶景温泉へ

特急「くろしお」に乗って紀伊半島を南下すると、海の青色が少しずつ濃くなるのを感じる。本州最南端の串本駅付近で車窓に現れるのは、大小40あまりの奇岩がそそり立つ「橋杭岩(はしぐいいわ)」。ダイナミックな海景に、思わず息を呑む。

橋杭岩を過ぎると数分で古座(こざ)駅に到着。予約していた「古座川のカヌー体験」の受付を駅舎で済ませ、装備品を借りて川に向かう。透明度抜群の清流をカヌーで体験してみよう。

インストラクターの指導を受けて川面に漕ぎ出すと、不安な気持ちはすぐに消え、心がふわりと解き放たれた。奇岩や奇峰が視界に広がり、驚きと感動が連続する。せせらぎの音に耳を澄ませ、きらきら光る水を手ですくう。まるで太古の自然と一体になったような心地よさだ。

カヌーの余韻に浸りつつ、さらに足を延ばして紀伊勝浦駅で下車。勝浦港から専用船に乗り約3分で、孤島の温泉宿「ホテル中の島」に到着。島内には6本の源泉があり、天然温泉100%のかけ流し。大海原を眺めながら露天風呂に身をゆだねると、非日常的すぎるロケーションに一瞬くらっとする。紀伊半島は何もかもが雄大で圧倒されるが、この刺激こそが旅の醍醐味だ。


  • 1.年間を通して全国からカヌー愛好家が訪れる清流・古座川。流れがゆるやかなので初心者や年配者も安心して楽しめる
  • 2.古座川を見下ろすように屹立(きつりつ)する一枚岩は、高さ約150メートル、幅約800メートルの巨岩。対岸の「道の駅 一枚岩鹿鳴館(ろくめいかん)」では、鹿肉のジビエバーガーを味わえる
  • 3.串本の海岸から約850メートルにわたって岩柱が立ち並ぶ橋杭岩。波の浸食が生み出した自然の造形美で、弘法大師が一夜にして立てたという伝説も
  • 4.大パノラマを満喫できる「ホテル中の島」の露天風呂・紀州潮聞之湯(きしゅうちょうもんのゆ)。源泉かけ流しで、泉質は含硫黄−ナトリウム・カルシウム−塩化物泉

古座川のカヌー

カヌー体験は午前と午後の部があり、最大6人までの事前予約制。
料金1人6000円(JR古座駅からスタート地点までの送迎とカヌーや装備のレンタル、ガイド料などを含む)
※GWやお盆、夏休みシーズンの週末や秋の3連休などの特定日はカヌー体験を開催していません。詳細は古座観光協会へお問い合わせください。

交通アクセス
紀勢本線古座駅内の古座観光協会で受付後、送迎車で各スタート地点へ

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Plan 2 やっぱり見たい! 世界遺産

水にまつわる世界遺産をめぐり、南紀随一の海絶景へ

紀伊勝浦駅で特急「くろしお」を降り、路線バスで約30分。落差約133メートルを誇る世界遺産の名瀑「那智の滝」が見えてきた。原生林の森からあふれ落ちる水が、白い龍のように見えて神秘的だ。古代から神と崇められてきた大滝に、聖なるパワーを感じる。

駅前に戻り、少し歩くと勝浦港。遊覧船乗り場で切符を買い求め「紀の松島めぐり」に出発する。和歌山随一の海岸美と聞いていたが、想像以上の絶景クルーズ。紺碧の海と大小の島々や奇岩、海上から眺める熊野の山並みが圧巻である。

そこから新宮(しんぐう)駅まで乗り継いで「熊野速玉大社(くまのはやたまたいしゃ)」へ。熊野川の河口に鎮座する由緒ある神社で、世界遺産にも登録されている。主祭神は水しぶきを神格化した速玉大神(はやたまのおおかみ)。熊野信仰の起源が自然崇拝であることを、神々の物語が今に伝えているようだ。

新宮駅に戻る途中、「仲(なか)氷店」に立ち寄る。古座川の清水から作ったかき氷が、観光客にも評判だとか。北山村特産の柑橘・ジャバラのシロップをかけてもらい、口に含むとふわふわした食感が懐かしくも新しい。古座川の氷で体をひんやりさせたら、この旅もおしまい。夕景を楽しみながら、そろそろ帰路につこう。


  • 1.熊野那智大社の別宮・飛瀧(ひろう)神社のご神体として崇拝される那智の滝。那智山の山中には多くの滝があり、「一の瀧」とも呼ばれる
  • 2.「紀の松島めぐり」は遊覧船から南国の海を一望できるアクティビティ。ラクダ岩やライオン島など見どころも多く、小島の間を抜けてゆくのでスリルも満点
  • 3.朱色の社殿が青空と緑に映える、世界遺産の「熊野速玉大社」。熊野那智大社、熊野本宮大社とともに熊野三山の一社だ。境内には御神木のナギの巨木がそびえる
  • 4.古座川の原水をろ過し、72時間かけて凍らせた氷で作る仲氷店のかき氷。自家製のシロップも好評で地元の人々や観光客に愛されている

那智の滝

滝の間近まで行ける「お瀧拝所」拝観料300円(7時〜16時30分)

交通アクセス
紀勢本線紀伊勝浦駅から熊野交通バス約30分の「那智の滝前」下車、徒歩5分

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地図

  • 文:北浦雅子
  • 写真協力:和歌山県観光連盟、紀の松島観光(株)、(株)中の島
  • 掲載されているデータは平成29年6月現在のものです。変更となる場合がありますので、お出かけの際には事前にご確認ください。
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