相撲の聖地・両国を徹底解説!
相撲の街・両国。力士像や老舗のちゃんこ屋、JR駅構内には大きな優勝額が飾られるなど、至る所で大相撲とその歴史を感じることができる町です。
今回は、東京・両国国技館で本場所が行われる際の楽しみ方を徹底解説します。
会場までのアクセスから、周辺の観光スポットや館内のおすすめグルメ、さらにはおいしいものを知り尽くす力士たちが実際に通う飲食店まで、相撲ライターの飯塚さきが紹介します!
東京場所の開催地・両国とは?
大相撲のために作られた唯一の建物
年6場所中、1・5・9月の3回開催される東京での本場所。その会場が、大相撲の聖地・両国国技館です。
場所のない期間は、他競技の試合やコンサート会場などとしても使用されますが、やはり日本で唯一大相撲のために作られた建物とあって、あの荘厳な雰囲気はほかで味わうことができません。地方にお住まいの方でも、相撲ファンならぜひ一度は訪れてほしいところです。
JR総武線両国駅西口を右に曲がるとすぐ目の前に見え、都営大江戸線の両国駅からは徒歩約7分で到着します。
両国国技館の歴史&ならではの楽しみ方とは?
両国国技館の歴史~旧国技館から受け継ぐ和の心~
初代国技館は、現在の回向院の境内に作られました。1909(明治42)年のことです。火災や関東大震災による二度の再建、さらには第二次世界大戦をも乗り越えましたが、1946(昭和21)年11月場所と、場所後の第35代横綱・双葉山引退披露が、旧国技館での最後の興行となりました。
その後、1984(昭和59)年9月場所までは、台東区の蔵前国技館で本場所が行われており、こちらに足を運んだことのある方も多いかもしれません。
1985(昭和60)年1月場所から、現在の国技館が使われています。
東京場所ならではの楽しみ方とは?
やはり国技館は、建物そのものをたっぷり楽しんでほしいところ。
入口には、日本で初めて相撲を取ったとされる野見宿禰(のみのすくね)と当麻蹴速(たいまのけはや)の大きな錦絵があなたをお出迎えします。
ショーケースに入った立派な賜盃を眺めながら左へ進むと、通称「お茶屋さん」と呼ばれる相撲案内所があります。季節を感じる花が飾られ、まるで江戸時代にタイムスリップした感覚になるでしょう。土俵を臨む客席も圧巻。ぜひ五感で大相撲を感じてください。
横綱豊昇龍関の写真とともに映る筆者
ちなみに、国技館2階の窓には力士のかわいい写真が数多く展示されています!
力士とツーショット撮影をしてみてはいかがでしょうか。
両国国技館
住所 | 東京都墨田区横網1丁目3-28 |
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交通アクセス | JR両国駅西口から徒歩2分 |
URL | https://kokugikan.sumo.or.jp/ |
観戦時のおすすめモデルコース
観戦前にめぐりたい相撲スポット
相撲博物館
※写真は過去の展示です
意外と灯台下暗しなのが、国技館内にある「相撲博物館」。
一般的な博物館のように、期間ごとに企画展が変わる小さな博物館です。本場所中の観戦時にはもちろん、場所中以外もなんと無料で開館しています。9月場所からは、1月限りで引退し、現在は伊勢ヶ濱親方として一大勢力をけん引する、元横綱・照ノ富士の展示を開催予定。
本場所のチケットがある人も、場所後の「相撲ロス」を解消したい人も、場所が終わった後でも、ぜひふらりと立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
相撲博物館
住所 | 東京都墨田区横網1-3-28(国技館1階) |
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時間 | 通常期間:10時~16時30分(最終入館16時) 東京本場所開催期間:12時30分~16時 ※要入場券 |
定休日 | 土曜・日曜・祝日(一部開館日あり)、年末年始(東京本場所中は毎日開館) ※臨時休館もあります。HPを必ずご確認下さい。 |
値段 | 無料(東京本場所中は大相撲の観覧券が必要) |
URL | https://www.sumo.or.jp/KokugikanSumoMuseum/ |
両国 髙はし
両国では有名な、場所座布団などの布団と相撲関連品の専門店。場所座布団とは、幕内力士だけが持てる自分の四股名が入った座布団のことで、土俵下に座って控えるときに使用されます。
ほかにも、力士が使う筒形の枕や足袋、はたまた関取のピンと張ったさがりを作るときに使われるふのり(布海苔)まで、お相撲さんの生活に密着した生活雑貨がなんでも買えるお店です。もちろん、一般の人が買って楽しい相撲グッズもたくさんそろっています。
両国 髙はし
住所 | 東京都墨田区両国4-31-15 |
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問い合わせ先 | 03-3631-2420 |
時間 | 9時30分~18時15分 |
定休日 | 毎週日曜日(大相撲東京場所中を除く) |
URL | http://edo-sumo.d.dooo.jp/ |
ライオン堂
創業は1907(明治40)年。清澄通りと京葉道路が重なる緑一丁目の交差点に面した、キングサイズ洋品店「ライオン堂」。
扱っている商品は胸囲・胴囲100cm以上、首囲46cm以上、足は27cm以上のビッグサイズのみで、お相撲さんたちが着物の下に着るパンツ、ステテコ、シャツなどを取りそろえています。最も大きいのはなんと10Lサイズ!
近年はダボっと着られるオーバーサイズの流行もあり、一般のお客さんの需要も増えているとか。
ライオン堂
住所 | 東京都墨田区両国4-30-10 |
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時間 | 9時30分~18時 |
定休日 | 日・祝日 |
URL | https://www.liondo.co.jp/ |
野見宿禰神社
そして、好角家にこそぜひ一度訪れてほしいのが、相撲の神様を祀った「野見宿禰神社」。
冒頭でも触れたように、日本で最初に相撲を取り、当麻蹴速を破って勝利したのが野見宿禰です。境内には、歴代横綱の名前が刻まれた2つの石碑があり、新横綱が必ず一度ここで奉納土俵入りを行います。
敷地は小さな神社ですが、そこに身を置くだけで、まるで相撲の神様に守られているような、不思議な安心感があなたを包み込みます。
野見宿禰神社
住所 | 東京都墨田区亀沢2-8-10 |
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観戦中に食べたいおすすめグルメ!
国技館焼き鳥&地下のちゃんこ
国技館グルメのド定番といえば、国技館焼き鳥。お弁当類はお昼頃売り切れも続出しますが、国技館の地下で焼いている焼き鳥は、ほぼ売り切れることもありません。たれのかかったももとつくねの焼き鳥で、冷たいままおいしく、おつまみにピッタリ。筆者は生涯で何百本食べたかわかりません。
また、地下の大広間では500円で週替わりのちゃんこも食べられます。週によって監修の部屋が変わるので、味の違いを楽しんで。
横綱・大関弁当
観戦記念にお勧めしたいのが、横綱・大関の写真がラッピングされたお弁当です。各横綱・大関が自らプロデュースするもので、自分の好物や出身地の名物にちなんだものなどが入っています。
個人的には、玉こんにゃくの煮物や豚肉と野菜炒めなどが入った「琴櫻弁当」がおすすめ。父であり師匠である佐渡ヶ嶽親方(元関脇・琴ノ若)によると、ガーリックライスは琴櫻関が小さい頃から変わらぬ好物なのだそうです。
力士が教えるオススメスポット
とんかつ はせ川 両国店
力士も通う両国グルメ。
まずはJR両国駅東口からほど近い「とんかつ はせ川」。連日行列の絶えない人気店で、勧めてくれたのは元関脇・嘉風の中村親方です。親方いわく「なんでもうまいが特にヒレがうまい!」
筆者も幾度となく訪れていますが、衣が軽くサクサクで、塩で食べればお酒も進みます。予約すると、ネギや水菜たっぷりの絶品豚しゃぶも味わえます。国技館からのアクセスも◎。観戦後の夕食にぴったりです。
とんかつ はせ川 両国店
住所 | 東京都墨田区両国3-24-1 両国尾崎ビル103号 |
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問い合わせ先 | 03-5625-2929 |
時間 | ランチ 平日11時30分~15時(L.O.14時30分) 土・日・祝日 11時~15時(L.O.14時30分) ディナー 17時~22時30分(L.O.22時) |
定休日 | 12月30日~1月3日 |
URL | https://tonkatsu-hasegawa.com/ |
井のなか
サルシッチャを持つ高安関。力士並みのサイズの料理があるという話も...
人気力士の髙安関がおすすめする居酒屋さん「井のなか」。厳選した日本酒と、お酒に合う和洋折衷の料理が楽しめます。最寄りはJR錦糸町駅ですが、髙安関はかれこれ15年ほど通っているそう。店内には、関取と奥様(演歌歌手の杜このみさん)の写真がたくさん飾られています。髙安関は「焼き立てパンにのせて食べるレバーペーストや厚めの刺身、ローストビーフやパスタも最高」と太鼓判。ボリュームが多いため力士も大満足だそうです。
井のなか
住所 | 東京都墨田区錦糸2-5-2 |
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時間 | 月~金 17時-23時(L.O.22時、ドリンクL.O.22時30分) 土・祝日 17時-22時30分(L.O.22時) |
定休日 | 日曜日 |
URL | https://www.instagram.com/inonaka_111/ |
BLESS
最後は、角界一のグルメ・輝関が自信をもってお勧めしてくれた焼き鳥屋さん「BLESS」。力士のなかでも特に美食家である輝関。たくさんの行きつけを教えてくれましたが、筆者が特に気になったのがこちらのお店です。コースで出てくる焼き鳥がメインで、関取いわく「コースの焼き鳥以外のメニューもすごくおいしい」とのこと。国技館で和の世界にどっぷり浸かった後、焼き鳥とワインのマリアージュをおしゃれに楽しむのも粋ですね。
BLESS
住所 | 東京都江東区森下2-20-13 |
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時間 | 水・木・金・祝前日 18時-22時30分(L.O.22時) 土 17時-22時30分(L.O.22時) 日・祝日 17時-21時30分(L.O.21時) |
定休日 | 月・火・祝後日 |
URL | https://www.instagram.com/yakitoribless/?hl=ja |
観戦How to&マナー
相撲の観戦マナーについて、たくさん決まりがあるのではと心配する方も多いのですが、そんなことはありません。ドレスコードはないし、溜席でなければ席での飲食も声を出しての観戦もOK。ぜひ気軽に足を運んでください。2点だけ、配慮してほしいことを書いておきます。
1, 取組中は席を立たないこと
仕切りの間は自由に動いて大丈夫ですが、立ち合いの直前から勝負が決まるまでは、後方のお客さんのために席を立たないようにしましょう。万が一、席に戻る途中などで「はっきよい!」の行司の声が聞こえたら、その場の通路でしゃがむなどして、邪魔にならないよう配慮してください。
また、声援は大歓迎ですが、力士が一番集中する立ち合いの瞬間だけは声を出さないようにしましょう。
2, 座布団は投げないこと
結びの一番での番狂わせ、つまり横綱が負けたときに、客席が沸いて座布団が舞う光景を目にしたことがある人は多いと思います。しかし、場内アナウンスで「危険なので座布団や物は投げないでください」と注意喚起がある通り、本来投げてはいけません。
筆者も以前、溜席で観戦していて、後頭部に座布団が勢いよく当たって結構痛かったんです! 盛り上がる気持ちはわかりますが、ぜひその興奮は座布団ではなく大声で発散してください。
まとめ
はためくのぼりに高鳴る太鼓。鬢つけ香る小江戸・両国。皆さま、両国散歩はいかがでしたでしょうか。どんなときも大相撲の歴史と文化に触れられる両国の街ですが、ぜひ一度は国技館で行われる本場所を見に、足を運んでみてはいかがでしょうか。見て楽しい、味わっておいしい相撲の世界。両国の街は、いつでもあなたの出稽古に胸を出します。
著者紹介
- ※取材協力/日本相撲協会・両国 髙はし・ライオン堂・野見宿禰神社・(株)国技館サービス・とんかつ はせ川・井のなか・BLESS
- ※写真提供/飯塚さき・両国 髙はし・ライオン堂・とんかつ はせ川・井のなか・BLESS
- ※2025年8月現在の情報です。