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2024.05.22ジパング俱楽部トロ握り発祥の店「吉野鮨本店」の「にぎりずし」|食べに行きたい!東京駅近・名物ランチ

東京都中央区

旅行で訪れた駅の、すぐ近くのおいしいランチを知りたいと思ったことはありませんか? 東京駅から徒歩10分圏内の地元のおいしい味をジパング倶楽部編集部が厳選して紹介します。

日本橋の老舗(しにせ)の寿司店というと、敷居が高いと思われがちですが、「吉野鮨本店」は庶民的で気さくな雰囲気があり、ビジネスマンも気軽に訪れている店。寿司のなかでも最高級のネタとして愛されているトロは、約100年前にこの店から生まれたといわれています。


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東京名物・江戸前寿司とは?


暖簾に「吉野鮨本店」の筆文字が印象的 暖簾に「吉野鮨本店」の筆文字が印象的

江戸前寿司とは、東京湾(江戸湾)で獲れた魚介類を使った寿司のこと。冷蔵技術がなかった時代ですから魚介を酢締めにしたり、煮たり、茹でたりと、下ごしらえをしたものが中心でした。

江戸時代には屋台での立ち食いが一般的で、客は帰りがけに暖簾(のれん)で手を拭いたため、汚れた暖簾の屋台が旨い店だといわれていました。

東京駅からスタート!


白い大屋根が特徴的な「グランルーフ」 白い大屋根が特徴的な「グランルーフ」

東京駅は、日本を代表するターミナル駅。丸の内口のレンガ造りの駅舎が有名ですが、「吉野鮨本店」のある方向は八重洲(やえす)口。

「グラントウキョウノースタワー」と「サウスタワー」を結ぶ大屋根「グランルーフ」のあるほうです。


 

徒歩約10分

 

吉野鮨本店

発祥の店で、トロのにぎりを

1879(明治12)年に創業した「吉野鮨本店」。現在は五代目の吉野正敏さんが江戸前寿司の伝統を守り続けています。

日本橋の魚河岸(うおがし)で屋台でスタートしたというこの店は、「日本橋髙島屋S.C.」近くの通りにあります。暖簾(のれん)をくぐり、引き戸を開けて店内に入ると、店内にはカウンター席のほか、テーブル席、小上がり席があり、“町の寿司店”といった気さくな雰囲気。


ランチメニューの「にぎりずし」2750円 ランチメニューの「にぎりずし」2750円

この店発祥といわれるトロのにぎりは、1919(大正8)年頃に生まれました。「当時、不漁のため、マグロの赤身が買えなくなってしまい、処分されることが多かった脂が多い腹身の部分を仕方なく握ったそうです」と吉野さん。当時は脂身の多い部分は、“アブ”とか“色の段だら”と、あまりおいしそうではない名前で呼ばれていました。そんななか、「お客さんと話をしている時に『口の中でトロけるようだから、トロにしよう』となって、命名したそうです」と話してくれました。

このトロのにぎり発祥の店ということについては、「当時はどこの寿司屋でもマグロの赤身が買いづらかったので、同じ時期に腹身の部分を出していた可能性もあるのですが、寿司の歴史を調べていた三代目が、あるテレビ番組で『トロ発祥の店がほかにあるなら教えてください』と話したんです。でも、どこからも連絡がなかったので、うちが発祥になったと言っています」と笑いながら教えてくれました。

肩肘張らずに本場の江戸前寿司を楽しむ

東京駅近くの江戸前寿司の名店ながら、ランチタイムは手頃な価格で味わうことができます。ランチメニューの「にぎりずし」2750円は、毎朝河岸で厳選した素材のみを選び、中トロや海老、煮穴子など、江戸前寿司のネタを中心にしたにぎりが食べられます。「寿司には煮切り(醤油やみりんなどを煮てアルコール分を飛ばしたもの)を塗っていますが、醤油が好きであれば、醤油でどうぞ」とのことで、肩肘張らずに気軽に味わえるのもうれしい配慮です。

この店は酢飯も特徴的で、代々粕酢(酒粕で作った赤酢)と塩のみで酢飯を作っているそう。「昔は粕酢は安かったうえ、米酢よりコクがあって香りがいいんです。最近、粕酢を使う店が増えてきましたが、うちでは創業時代から変わっていません」と吉野さん。ガリも、酢飯同様、砂糖は加えずに酢と塩のみで漬けています。隠れた名物で、おかわりする人もいるそうです。


ランチメニューの「ちらしずし」。昔からこの盛り付けだそうです ランチメニューの「ちらしずし」。昔からこの盛り付けだそうです

彩りも鮮やかなランチメニューの「ちらしずし」3300円も人気のメニューです。中トロや赤身、煮穴子のほか、絹さややシイタケなど具だくさん。かんぴょうや海苔、おぼろなども入っていて、いろいろな味を楽しむことができます。


「気取りのない庶民的な店です」と店主の吉野さん 「気取りのない庶民的な店です」と店主の吉野さん

ランチタイムにはビジネスマンでにぎわいます ランチタイムにはビジネスマンでにぎわいます


この店発祥のトロは味わっておきたい この店発祥のトロは味わっておきたい

約140年の歴史が息づくにぎり 約140年の歴史が息づくにぎり

寿司を食べる順番に迷う人もいるかと思います。しかし、吉野さんは「もともと寿司は江戸のファストフード。好きなものを好きなだけ食べていただければ。トロや煮穴子などの味の濃いものを食べてもお茶やガリが口の中をリセットしてくれますから、一番おいしいと思う食べ方でいいんです。赤身を食べて白身を食べてまた赤身を食べるというように、自分好みに注文ができるのが寿司のいいところです」と話してくれました。

日本橋の老舗で江戸前寿司をつまむ。そんな東京の過ごし方も、粋なものです。


問い合わせ先 03-3274-3001
時間 11時~13時45分・16時30分~21時(土曜は昼のみ。売り切れ次第閉店)
定休日 日曜・祝日・金曜が祝日の場合の翌土曜
交通アクセス 東京駅から徒歩約10分
URL https://yoshinozushi.net/

 

徒歩約25分

 

「吉野鮨本店」周辺のおすすめスポット


皇居東御苑

江戸城の遺構が見られる約21万平方メートルの庭園


菖蒲田には約84種のハナショウブが咲きます 菖蒲田には約84種のハナショウブが咲きます


常時100人の同心が詰めていたことから「百人番所」と呼ばれるようになりました 常時100人の同心が詰めていたことから「百人番所」と呼ばれるようになりました

1657(明暦3)年の大火で江戸城は全焼し、以後再建されていません 1657(明暦3)年の大火で江戸城は全焼し、以後再建されていません

旧江戸城の本丸や二の丸、三の丸の一部を整備した皇居付属の庭園。「百人番所」や「富士見多聞(ふじみたもん)」、本丸の石垣など、往時を偲(しの)ばせる建築物が点在しています。「本丸休憩所増築棟」には、30分の1スケールの寛永年間の天守が展示されています。6月から7月にかけては、ハナショウブやアジサイ、ナツツバキ、ヒツジグサなどが咲き、美しい花景色を見せてくれます。


問い合わせ先 03-3213-1111(宮内庁)
時間 9時~17時30分(3月~4月中旬・9月は~16時30分、10月は~16時、11~2月は~15時30分)
定休日 月曜(祝日の場合は翌日)・金曜(祝日の場合は開苑)・天皇誕生日・年末年始
交通アクセス 東京駅から徒歩約10分
値段 無料
URL https://www.kunaicho.go.jp/event/higashigyoen/higashigyoen.html

紹介スポット一覧マップ

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文・写真/速志 淳

  • 記事中の情報は2024年5月時点のものです。
  • 列車やバスなどの所要時間は目安となる平均時間を表記しています。バスの運行本数が少ない場合がございますので、事前にご確認ください。
  • 花や紅葉など季節の景観は、その年の天候などにより変動しますので、現地へご確認ください。
  • 店や施設のデータは、原則として一般料金(税込)、定休日、最終受付時間・ラストオーダーを、宿泊施設の料金は平日に2名で宿泊した場合の1名分の料金(1泊2食・税・サービス料込み)を記載しています。
  • 同一商品で軽減税率により料金の変わるものは、軽減税率が適用されない料金を記載。臨時休業などは省略しています。また、振替休日なども祝日として表記しています。
  • 新型コロナウイルス感染症等の影響により、掲載している内容が変更となる可能性があります。お出かけの際は事前にご確認ください。