世界遺産・熊野古道への旅に便利な特急「南紀」の予約方法を解説
和歌山県の新宮(しんぐう)駅や紀伊勝浦駅にアクセスできる人気の列車です。名古屋から世界遺産・熊野古道など南紀地方に訪れるのに、特急南紀の利用を検討する方も多いのではないでしょうか。
名古屋駅から紀伊勝浦駅まで1本でアクセスでき、1日4往復も運行しているため、旅行スケジュールにも柔軟に取り入れやすい列車です。
予約するかどうか判断する前に、特急南紀の特徴や運転ルート、運転日・時刻表、予約方法、乗車料金について知っておきたいですよね。
この記事を読めば、特急南紀の特徴や運転ルート、運転日・時刻表、予約方法、乗車料金について知った上で予約できます。また、コスパよく南紀エリアを移動できるお得なきっぷについても紹介しているので、名古屋駅から南紀エリアを列車で旅したいと考えている方は必見です。
1.特急南紀は2〜4両編成で名古屋駅から紀伊勝浦駅までを結ぶ特急列車
特急南紀は主に2両編成で名古屋駅から紀伊勝浦駅までアクセスする特急列車。山間部を抜けた所からはリアス式海岸と穏やかな海辺の景観を楽しめるのが魅力です。
この章では、車両ごとの特徴や運転ルート、運転日・時刻表についてご紹介します。
1-1.1両目が自由席で2両目が指定席車両
特急南紀は、1号車が自由席車両で2号車が指定席車両です。2023年には4両編成や6両編成で運行されたこともあり、いずれも1号車が自由席で残りは指定席となっています。1号車には、車いす対応の座席や車いすのまま乗車できるスペースが完備されています(※)。
紅葉色の座席や明るい和テイストの内装が特徴で、各座席にはコンセントが配備。加えて大型の背面テーブルや荷物かけフックが備わっており、荷物スペースもあります。
- ※4両編成で運行する場合は、3号車に設置されているケースもあります。
1-2.運転ルートは名古屋駅~新宮駅・紀伊勝浦駅間
特急南紀の運転ルートは、名古屋駅から紀伊勝浦駅までです。途中で四日市駅・津駅・松阪(まつさか)駅・熊野市駅などの三重県にある駅に停車しながら、和歌山県の新宮駅・紀伊勝浦駅へと向かいます。
1-3.運転日・時刻表
特急南紀は毎日運転、上り・下りで4本ずつ運行するスケジュールです。
2024年8月と9月に臨時列車が運行される予定です。詳しくはこちらをご確認ください。
主な停車駅の時刻表は以下のとおりです。
下り | 南紀1号 | 南紀3号 | 南紀5号 | 南紀7号 |
---|---|---|---|---|
名古屋駅 | 8:02発 | 10:01発 | 12:58発 | 19:45発 |
四日市駅 | 8:37発 | 10:37発 | 13:37発 | 20:19発 |
津駅 | 9:01発 | 11:01発 | 14:00発 | 20:42発 |
松阪駅 | 9:16発 | 11:18発 | 14:16発 | 20:57発 |
熊野市駅 | 11:14発 | 13:18発 | 16:05発 | 22:54発 |
新宮(しんぐう)駅 | 11:36発 | 13:39発 | 16:26発 | 23:14着 |
紀伊勝浦駅 | 11:56着 | 13:58着 | 16:44着 | - |
上り | 南紀2号 | 南紀4号 | 南紀6号 | 南紀8号 |
---|---|---|---|---|
紀伊勝浦駅 | - | 8:54発 | 12:25発 | 17:11発 |
新宮駅 | 6:20発 | 9:13発 | 12:45発 | 17:31発 |
熊野市駅 | 6:40発 | 9:33発 | 13:05発 | 17:50発 |
松阪駅 | 8:26発 | 11:27発 | 14:56発 | 19:38発 |
津駅 | 8:41発 | 11:42発 | 15:12発 | 19:54発 |
四日市駅 | 9:04発 | 12:05発 | 15:34発 | 20:15発 |
名古屋駅 | 9:42着 | 12:41着 | 16:12着 | 20:49着 |
2.特急南紀の乗り方は?乗車料金と予約方法についてご紹介
特急南紀に乗るためには、予約方法と乗車料金をおさえておく必要があります。
この章では、特急南紀に乗るために知っておくべき予約方法と料金体系を見ていきましょう。
2-1.予約方法
特急南紀の座席はインターネット予約システムの「e5489」やJRのみどりの窓口、指定席券売機などで、乗車日1カ月前の午前10時から予約できます。
2-2.乗車料金(自由席・指定席)
特急南紀の自由席・指定席の利用区間ごとの、乗車料金(通常期)の具体例は以下のとおりです。
自由席 | 指定席 | |
---|---|---|
名古屋駅~新宮駅 | 乗車券 4,260円 特急券 2,740円 合計金額 7,000円 |
乗車券 4,260円 特急券 3,270円 合計金額 7,530円 |
名古屋駅~紀伊勝浦駅 | 乗車券 4,590円 特急券 2,740円 合計金額 7,330円 |
乗車券 4,590円 特急券 3,270円 合計金額 7,860円 |
3.特急南紀にコスパよく乗れるお得なきっぷ
特急南紀にコスパよく乗れる、以下のようなお得なきっぷがあります。
この章では、それぞれのきっぷの特徴や料金体系について確認しましょう。
3-1.南紀往復割引きっぷ
南紀往復割引きっぷは、特急南紀で往復できるお得なきっぷ。
指定席車両が利用可能です。紀勢本線(亀山駅〜熊野市駅)、および参宮線のきっぷうりばがある駅、もしくは主な旅行会社で販売されています。
主な設定区間と有効期間の具体例は、以下のとおりです。
区間 | 大人 | こども | 有効期間 |
---|---|---|---|
津駅~新宮駅 | 9,280円 | 4,640円 | 4日間 |
津駅~紀伊勝浦駅 | 9,410円 | 4,700円 | 4日間 |
松阪駅~新宮駅 | 8,110円 | 4,050円 | 4日間 |
松阪駅~紀伊勝浦駅 | 9,280円 | 4,640円 | 4日間 |
発売期間は通年ですが、利用できない期間(4月27日〜5月6日、8月10日〜8月19日、12月28日〜翌年1月6日)がある点はおさえておきましょう。
3-2.南紀・熊野古道フリーきっぷ
南紀・熊野古道フリーきっぷは、乗車駅からフリー区間との往復に特急南紀の指定席が利用可能です。フリー区間には以下の2つがあります。
- 伊勢路コース:JR線フリー区間(三瀬谷~熊野市間)と三重交通バスフリー区間(志子~長島駅前間、尾鷲駅口~鷲毛間、尾鷲駅口~瀬木山~熊野古道センター間、熊野市駅~千枚田・通り峠入口間)が乗り降り自由
- 中辺路コース:JR線フリー区間(熊野市~紀伊勝浦間)と熊野御坊南海バス(龍神自動車含む)フリー区間(紀伊勝浦駅~那智山間、新宮駅~紀伊勝浦駅間、新宮駅~本宮大社前~発心門王子間、神丸駅~小口間)が乗り降り自由
設定区間と発売金額の具体例は、以下のとおりです。
出発駅(伊勢路コース) | 大人 |
こども |
---|---|---|
名古屋市内発 | 8,380円 | 4,190円 |
亀山駅〜多気駅間発 | 7,860円 | 3,930円 |
出発駅(中辺路コース) | 大人 | こども |
---|---|---|
名古屋市内発 | 9,970円 | 4,980円 |
亀山駅〜多気駅間発 | 9,430円 | 4,710円 |
発売期間は通年ですが、販売は特急南紀の指定席が予約できる場合に限られます。希望した列車の指定席が満席の場合にのみ、自由席車両が利用可能です。
また、利用できない期間(4月27日〜5月6日、8月10日〜8月19日、12月28日〜翌年1月6日)がある点はおさえておきましょう。有効期間は3日間です。
JR東海では、熊野古道世界遺産登録20周年キャンペーンを実施中。中辺路コースのフリーきっぷを買うと、共通商品券やお得な割引券が1,500円分ついてきます。2024年の11月30日まで販売・利用できる限定キャンペーンなので、ぜひチェックしてみましょう。
3-3.南紀特急回数券
南紀特急回数券は、特急南紀の自由席車両に4回まで乗車できる回数券。紀勢本線(亀山駅〜鵜殿(うどの)駅)、および名松線、参宮線のきっぷうりばがある駅、もしくは主な旅行会社で販売されています。
設定区間と発売金額の具体例は、以下のとおりです。
区間 | 発売額 | 一枚当たりの発売額 |
---|---|---|
津駅~新宮駅 | 16,920円 | 4,230円 |
津駅~紀伊勝浦駅 | 17,120円 | 4,280円 |
松阪駅~新宮駅 | 14,560円 | 3,640円 |
松阪駅~紀伊勝浦駅 | 16,920円 | 4,230円 |
販売期間は、利用できない期間(4月27日〜5月6日、8月10日〜8月19日、12月28日〜翌年1月6日)をのぞけば、ほぼ通年で利用できます。有効期間は1ヵ月です。
4.まとめ
この記事では、特急南紀の特徴や運転ルート、運転日・時刻表、予約方法、乗車料金、もっとコスパよく特急南紀を利用できるお得なきっぷについてご紹介しました。
特急南紀は2両、もしくは4~6両編成の特急列車で、自由席車両は決まって1車両のみです。和風テイストで明るい雰囲気の車内からは、のどかな紀州の景観を楽しめます。
特急南紀の座席は、インターネット予約システムの「e5489」やJRのみどりの窓口、指定席券売機などで、乗車日1カ月前の午前10時から予約可能です。
本記事で紹介した南紀往復割引きっぷや南紀・熊野古道フリーきっぷ、南紀特急回数券などを利用すれば、さらにコスパよく列車旅・バス旅ができます。
2024年7月7日に、熊野古道が世界遺産に登録されて20周年を迎えました。特急南紀をお得に利用して、南紀・熊野古道の絶景を満喫してみてはいかがでしょうか?
特急「南紀」の車両についてはこちらもチェック!
- ※写真:公益社団法人 和歌山県観光連盟・photolibrary・交通新聞クリエイト