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2023.02.16旅行大阪発! 青春18きっぷを駆使してJR西日本・九州エリアで完乗を極める

青春18きっぷ5日分でJR西日本・九州の路線にどれだけ乗れる!? JR全線完乗した蜂谷あす美が徹底解説

春の青春18きっぷシーズンが近づいてきました! せっかく5日間乗り放題のきっぷを手に入れたなら、朝から晩までひたすら乗り続ける鉄道旅にチャレンジしてみませんか?

今回は、JR西日本・九州エリアでさまざまなローカル線を乗りつぶす旅、すなわち完乗旅に出かけます。

日本海に瀬戸内海、それに川や山と目まぐるしく変わる景色を見ていれば、あっという間に5日間が過ぎていきますよ。

  • 時刻は2023年3月18日のダイヤ改正前のものです。
  • 新型コロナウイルス感染症の影響により、列車の運休や変更、施設の営業変更等が発生することがあります。JRニュースや運行会社、および各施設のHP等をご確認ください。

完乗のコツとは

ふだんの旅行であれば、観光地など「目的地」を定めたうえで、経路を決めることが多いと思いますが、完乗を目指す旅のように移動が目的となる旅の場合、どこに着地点を置くか悩むかもしれません。

こうしたとき、行程づくりのポイントとしては、まず、乗りたい路線をいくつか定め、運行ダイヤを確認しましょう。1日数本しか走っていないような路線、区間もあるためです。それらをつなげるようにして他の部分を埋めていくと、長めの旅であっても比較的スムーズに行程が完成します。

また、盲腸線(終着駅がほかの路線につながっていない路線)は、乗車できそうなら終点まで往復してくるのがおススメです。乗り残しがあると、先々「全線完乗!」を目指すにあたって、飛び地のように未乗区間が残ってしまうリスクを回避できるためです。

さらに、列車の運休や遅延により、途中でやむなく行程変更をする、あるいは(少々お金はかかりますが)新幹線や特急列車を利用する場面も出てくる可能性があるので、実際にお出かけする際は時刻表を荷物に入れておくようにしましょう。

<1日目>山陽本線を「軸」に西へ! 細かなローカル線を拾っていく

本日のルート

大阪駅05:00発―西明石駅06:09着(東海道新幹線<JR神戸線※以下JR神戸線> 西明石駅行き)→西明石駅06:19発―姫路駅06:54着(JR神戸線 姫路駅行き)→姫路駅07:05発―竜野駅07:21着(山陽本線 三原駅行き)→竜野駅07:33発―播州赤穂駅07:50着(山陽本線、赤穂線 播州赤穂駅行き)→播州赤穂駅08:05発―岡山駅09:35着(赤穂線 岡山駅行き)→岡山駅10:21発―総社駅11:00着(吉備線 総社駅行き)→総社駅11:03発―倉敷駅11:14着(伯備線 瀬戸駅行き)→倉敷駅11:27発―三原駅12:46着(山陽本線 三原駅行き)→三原駅13:11発―広駅14:48着(呉線 広駅行き)→広駅15:02発―広島駅15:53着(呉線 快速安芸路ライナー 広島駅行き)→広島駅16:07発―岩国駅17:02着(山陽本線 岩国駅行き)→岩国駅17:15発―徳山駅18:35着(岩徳線 徳山駅行き)→徳山駅19:03発―厚狭駅20:21着(山陽本線 下関駅行き)

  • 地図内の罫線は、実際の線路ではなく下車や乗り継ぎのポイントを繋いでいます。

本日のポイント

青春18きっぷの旅は、大阪駅を5時に発車する始発列車で始まります。1日目はまず瀬戸内海沿いを西へと進み、山口県の厚狭(あさ)駅を目指します。行程のポイントは山陽本線から分岐したのち、再び合流するローカル線を攻めていく点にあります。

ローカル線で最初に乗車するのは赤穂(あこう)線です。相生(あいおい)駅で山陽本線から左のほうへと離れていくさまを眺めているとローカル感も高まります。

千種川の橋梁を越えた先で赤穂浪士の地でおなじみの播州(ばんしゅう)赤穂駅に到着。兵庫岡山の県境をトンネルで越えたのちは日生(ひなせ)湾の景色が広がり始め、遠くに浮かぶ日生諸島も見えてきます。


赤穂線播州赤穂駅~天和駅から見える瀬戸内海

日生駅前からは小豆島(しょうどしま)行きのフェリーも出ているので、次回の旅の下車候補駅にもなりそうです。日生には絶品グルメ、カキオコもありますよ!

東岡山駅で赤穂線完乗を果たしたのちは、岡山から山側の吉備(きび)線を攻めていきます。桃太郎伝説の地であることにちなみ「桃太郎線」の愛称が付された路線です。

沿線には桃太郎のモデルとなった大吉備津日子命(おおきびつひこのみこと)がまつられた吉備津彦神社をはじめ、有名な神社が多く、吉備津駅近くでは、松林の参道と吉備津神社の大きな社殿が車窓から楽しめます。さらに、備中(びっちゅう)高松駅付近では、日本三大稲荷の一つといわれる、最上稲荷の真っ赤で大きな鳥居が出現します。

吉備線は総社(そうじゃ)駅で完乗です!


伯備(はくび)線、山陽本線を経由し、三原駅に到着。乗り換えに少し時間があるので、三原駅の駅弁「元祖珍辨たこめし」を入手し、呉(くれ)線へと向かいましょう。

呉線はもともと広島駅と軍港のある呉駅を結ぶ役割を担っていました。今ではしまなみ海道の景色がゆるやかに楽しめる路線として人気があります。

特に絶景のポイントは須波(すなみ)駅~安芸幸崎(あきさいざき)駅にかけて。島々が近くに迫ります。一帯は広島グルメ筆頭格「カキ」の生産地であることから、養殖筏も見えます。


呉線から安芸灘の島々を望む

赤穂線、吉備線、呉線と順調に乗りつぶし、1日目最後に攻めるのは、岩国駅から分岐する岩徳(がんとく)線です。岩徳線は1934年に全線開業し、戦前には10年ほど「山陽本線」として使われた歴史があるものの、現在に至るまで非電化のローカル線です。

そろそろ日も暮れ出し、車窓からの景色が見えづらくなってきました。ならば、鉄道旅行らしく「車両」を楽しみましょう!

岩徳線では、全国でも珍しくなった「たらこ色」の気動車、キハ40系が活躍しています。直角の向かい合わせ座席で重たいディーゼル音を味わっていると、しみじみ遠くまで来た喜びがこみ上げてきます。


岩国駅に停車中の岩徳線(2012年8月撮影)

暮れた景色のなかに工場夜景が見えれば徳山駅に到着、岩徳線完乗です!

<2日目>美祢線、山陰本線で山口県を反時計回り! 関門トンネルを抜けて九州横断編へ

本日のルート

厚狭駅06:29発―仙崎駅07:38着(美祢線、山陰本線仙崎支線 仙崎駅行き)→仙崎駅07:45発―長門市駅07:49着(山陰本線仙崎支線 厚狭駅行き)→長門市駅07:54発―小串駅09:07着(山陰本線 小串駅行き)→小串駅09:08発―下関駅09:50着(山陰本線 下関駅行き)→下関駅09:53発―小倉駅10:06着(山陽本線、鹿児島本線 小倉駅行き)→小倉駅10:54発―中津駅12:01着(日豊本線 中津駅行き)→中津駅13:16発―大分駅14:52着(日豊本線 幸崎駅行き)→大分駅15:11発―由布院駅16:14着(久大本線 由布院駅行き)→由布院駅16:23発―日田駅17:29着(久大本線 日田駅行き)→日田駅18:30発―久留米駅19:38着(久大本線 久留米駅行き)

  • 地図内の罫線は、実際の線路ではなく下車や乗り継ぎのポイントを繋いでいます。

本日のポイント

2日目は、厚狭駅を起点とするローカル線、美祢(みね)線でスタートを切ります。

美祢線のように瀬戸内海側と日本海側を結ぶ路線は「陰陽(いんよう)連絡線」といい、今回の旅ではいろいろ乗車していきます。

また、美祢線はカルスト台地である秋吉台(あきよしだい)の西側を厚狭川に沿って走る路線で、15年ほど前までは一帯で産出される石灰石を輸送する貨物列車も運行していました。そうした背景があることから、美祢駅~重安(しげやす)駅あたりでは、のんびりした山の景色の中に、石灰石の白い岩といったコントラストが楽しめます。


長門市駅で発車を待つ美祢線(2014年12月撮影)

長門市(ながとし)駅で美祢線を完乗したのちは、一区間2.2キロの山陰本線仙崎支線の往復に向かいます。乗車時間は片道4分! 支線ではありますが、完乗路線の一つとしてカウントしましょう!

長門市駅からは山陰本線に乗車。響灘に沿って南下していきます。

長門二見(ながとふたみ)駅を過ぎた頃から、車窓右手にご注目ください。九州の山々が見え、意外に本州と近いことを実感するはずです。下関駅から小倉駅の間にある長さ3614メートルの関門トンネルをくぐり抜け、次に地上に出るころには、九州上陸を果たしています。


山陰本線は長門市を発車後、すぐ深川湾を見せる

JR九州の路線は、ざっくりいうと、外周を描く鹿児島本線と、日豊本線、さらに両本線を横断するいくつかの路線で構成されています。今回は九州を横断する路線のうち、久大本線を攻めていきます。

起点駅である大分駅を目指すべく、日豊本線で南下。途中の乗換駅、中津駅では1時間15分ほど時間が取れるので、ご当地グルメ「中津からあげ」を味わえそうです。


大分駅から始まる久大本線は湯布院盆地、玖珠(くす)盆地、そして日田盆地を経由する路線です。

最初の由布院盆地では高原の風景がひろがるなかに同じ高さの2つの山頂(双耳峰)を持つ由布岳が、さらに豊後森駅を過ぎると、玖珠盆地のなかに「切り株」のような形の山が見えてきます。名称はそのまま、伐株(きりかぶ)山です!


日田駅にて(2011年9月撮影)

久大本線の終点、久留米駅で2日目は終了します。

<3日目>筑豊本線を駆け抜けて、偉大なるローカル線「山陰本線」で一気に島根県突入

本日のルート

久留米駅06:32発―原田駅06:56着(鹿児島本線 門司港駅行き)→原田駅06:59発―桂川駅07:27着(筑豊本線 桂川駅行き)→桂川駅07:30発―直方駅07:56着(筑豊本線 直方駅行き)→直方駅07:59発―折尾駅08:21着(筑豊本線 小倉駅行き)→折尾駅08:36発―若松駅08:52着(筑豊本線 若松駅行き)→若松駅08:57発―折尾駅09:12着(筑豊本線 折尾駅行き)→折尾駅09:23発―門司駅09:58着(鹿児島本線 門司港駅行き)→門司駅10:19発―下関駅10:25着(山陽本線 下関駅行き)→下関駅10:30発―宇部駅11:13着(山陽本線 岩国駅行き)→宇部駅11:16発―新山口駅12:21着(宇部線 新山口駅行き)→新山口駅13:12発―益田駅15:58着(山口線 益田駅行き)→益田駅17:26発―大田市駅19:50着(山陰本線 出雲市駅行き)

  • 地図内の罫線は、実際の線路ではなく下車や乗り継ぎのポイントを繋いでいます。

本日のポイント

18きっぷの旅も折り返しの3日目に突入しました。まずは福岡県内を斜めに貫く筑豊(ちくほう)本線(原田駅~若松駅)の完乗を目指します。


折尾駅にて(2011年9月撮影)

かつて筑豊本線は「最も短い本線」として知られていましたが、北海道の留萌(るもい)本線、日高本線の一部区間廃止に伴い、現在は順位を落として「日本で3番目に短い本線」になりました。

この筑豊本線、昭和の頃は石炭輸送の担い手でした。そうした歴史を感じられるのが、飯塚駅到着手前の平野部に突如として出現する、3つの頂が連なった美しい山、通称「筑豊富士」。なんとこれ、石炭採掘の際に混入する燃えない石(ボタ)が積み上げられてできた人工の山なのです。炭鉱時代の名残をぜひ目に焼き付けてください!

筑豊本線を完乗したのちは、再び関門トンネルで本州に戻ります。続いて目指すのは山口県の宇部線(宇部駅~新山口駅)です。


ここでのお楽しみは床波(とこなみ)駅を過ぎた頃からで、車窓には水平線の広がる美しい周防灘(すおうなだ)が見えてきます。

海の景色を楽しんだのなら、次は山の景色を! ということで、新山口駅から2本目の陰陽連絡線、山口線で中国地方を北上していきます。

山口線といえば、現在もSLやまぐち号が運行されている路線ですが、沿線には昔のSL時代の遺構がいくつも残っています。その一つが篠目(しのめ)駅の給水塔で、ノスタルジックなムードの醸成に一役買っています。

山口県と島根県の県境をトンネルで越えると、車窓には津和野川、そして赤茶色の石州瓦(せきしゅうがわら)を葺いた家々が見え、小京都「津和野」に到着です。駅北側には現役で使用されている転車台があります。


山口線の車窓には石州瓦を葺いた家屋が映る

津和野川から高津川へ名称をあらためた水景色に寄り添うようにして下っていけば終点の益田駅に到着! これにて山口線も完乗です。


3日目は山陰本線で日本海へ沈む夕日を眺めながら終わりを迎えます。

余談ですが、山陰本線は紀行作家の宮脇俊三(みやわきしゅんぞう)さんが「偉大なるローカル線」と評した路線です。幹線でありながら非電化、海岸すれすれを走るなどローカル感あふれる景色が楽しめます。実際、益田駅を出てしばらくすると、海の底が見えそうなほど至近距離を走ります。

<4日目>木次線から備後落合駅経由で芸備線へ。これぞ青春18きっぷの王道コース

本日のルート

大田市駅08:02発―出雲市駅08:49着(山陰本線 出雲市駅行き)→出雲市駅10:41発―宍道駅11:01着(山陰本線 米子駅行き)→宍道駅11:19発―備後落合駅14:33着(木次線 備後落合駅行き)→備後落合駅14:37発―新見駅16:01着(芸備線 新見駅行き)→新見駅16:54発―津山駅18:31着(姫新線 津山駅行き)→津山駅19:11発―岡山駅20:36着(津山線 岡山駅行き)

  • 地図内の罫線は、実際の線路ではなく下車や乗り継ぎのポイントを繋いでいます。

本日のポイント

3日目に引き続き、山陰本線に乗車し東へ。

出雲市駅で乗り換え時間が2時間ほど確保できているので、日本三大そばの一つ「出雲そば」、それも丸い重箱に入った冷たい「割子そば」でグルメタイムはいかがでしょう。個人的には、これから乗車する木次(きすき)線沿線で製造されている「木次パスチャライズ牛乳」もおススメです。


腹ごしらえを済ませたら、宍道(しんじ)駅から木次線に向かいます。沿線で特徴的なのが、松本清張さんの小説『砂の器』の舞台にもなった亀嵩(かめだけ)駅。

駅舎内にお蕎麦屋さんがあり、事前に電話予約をしておくと、駅のホームまでお弁当タイプのお蕎麦を届けてくれます。わずかな停車時間の間にドア越しに商品とお金の受け渡しをするので、おつりが出ないように気を付けてください。


また、出雲坂根駅付近では、急な勾配を克服するために設けられた「三段スイッチバック」が体験できます。

線路をジグザグに行ったり来たりする仕組みで、全国的にも非常に珍しい存在です。


備後落合駅で木次線を完乗したあとは、なるべくきびきび移動してください。なぜなら次なる路線、芸備(げいび)線までの乗換時間がわずか4分しかないためです。

備後落合駅は、芸備線の拠点駅および木次線の起点駅として、鉄道の「三叉路」の役割を果たしています。ただし、各路線の列車は1日あたり3~5本程度。乗り換えできるタイミングも限られていることから、18きっぷシーズンは、同じような行程を組む人が大勢いるので、ホームも、そして列車内も想像以上に混雑している可能性があります。特に週末にお出かけされる場合は、覚悟を決めてください……!

また、備後落合駅から新見駅まで乗車する芸備線は1日わずか3往復のみ! 中国エリアきってのローカル区間といえます。


姫新(きしん)線で津山駅まで移動したのちは、4日目ラストの津山線です。この路線で注目していただきたいのは、途中の亀甲(かめのこう)駅! 八角形の建物から顔と手足が伸びた、亀をモチーフにした駅舎なのです。駅名、地名は近くにある「亀甲岩」に由来します。

津山線を完乗し、ようやく岡山まで戻ってきました。いよいよ明日は最終日。もちろんまっすぐは帰りません。

<5日目>兵庫県内部をぐるっと半周! 都会の高難易度路線「和田岬線」で感動(?)のフィナーレ

本日のルート

岡山駅07:07発―姫路駅08:33着(山陽本線 姫路駅行き)→姫路駅08:39発―寺前駅09:38着(播但線 寺前駅行き)→寺前駅09:45発―和田山駅10:33着(播但線 和田山駅行き)→和田山駅11:02発―福知山駅11:39着(山陰本線 福知山駅行き)→福知山駅14:07発―谷川駅14:46着(福知山線 篠山口駅行き)→谷川駅15:13発―西脇市駅15:42着(加古川線 西脇市駅行き)→西脇市駅15:45発―加古川駅16:31着(加古川線 加古川駅行き)→加古川駅16:39発―兵庫駅17:15着(JR神戸線 米原駅行き)→兵庫駅17:34発(土曜日17:35発)―和田岬駅17:38着(土曜日17:39着)※休日(日曜日、祝日)は運休(山陰本線和田岬支線 和田岬駅行き)→和田岬駅17:43発(土曜日17:48発)―兵庫駅17:47着(土曜日17:52着)※休日(日曜日、祝日)は運休(山陰本線和田岬支線 兵庫駅行き)→兵庫駅17:55発―三ノ宮駅18:02着(JR神戸線 松井山手駅行き)→三ノ宮駅18:07発―大阪駅18:28着(JR神戸線 新快速 敦賀駅行き)

  • 地図内の罫線は、実際の線路ではなく下車や乗り継ぎのポイントを繋いでいます。

本日のポイント

青春18きっぷ旅も最終日の5日目に突入しました! あとは大阪に戻るだけ? いえ、最後まであきらめずに完乗していきます。

まずは姫路駅から播但(ばんたん)線を攻めます。兵庫県内の播磨(はりま)地域、但馬(たじま)地域を結ぶように南北に延びる路線は、寺前駅以南が電化、以北が非電化の区間であり、電車から気動車に乗り換えることでその表情も大きく変わります。


播但線は寺前駅で乗り換え(2012年2月撮影)

おススメは長谷駅から生野駅にかけて。線路に寄り添う清流、市川を橋梁で何度も越えていきます。

生野駅手前のトンネルで分水嶺を過ぎ、円山川とともに下って行けば、播但線完乗の地、和田山駅に到着です。

いったん福知山駅で昼食タイムを確保してから、加古川線の入り口、谷川駅に向かいましょう。

福知山駅は「鉄道の街」として発展したことから、駅前にはC11が静態保存されているので、記念写真もあわせてどうぞ!


加古川線(谷川駅~加古川駅)は、加古川で盛んに行われていた水運の代わりになるものとして敷設された経緯があることから、加古川に沿って走る路線です。

列車は、新西脇駅~西脇駅、市場駅~厄神(やくじん)駅の2カ所で加古川を渡っていきます。豊かな水量をたたえた穏やかな景色をぜひ楽しんでください。

加古川駅で加古川線完乗を果たすと、時刻は16時31分。最後に完乗するのは、兵庫駅起点の山陽本線和田岬支線です。


山陰本線和田岬支線は全長2.7キロで、終点和田岬駅までの所要時間はおよそ4分と、楽々乗りつぶせそうな雰囲気を漂わせているのですが、通勤輸送を目的とした路線であることから「朝晩」しか運行されておらず、これが一気に攻略難易度を高めます。

加えて、一般に列車の時刻と言えば「平日」と「土休日」の2区分しかないところ、「平日」「土曜」「休日」の3つのダイヤに分かれており、休日に至っては1日2往復の運行しかありません。長めの旅に出かけると曜日感覚を忘れがちですが、和田岬線に関しては注意が必要です。

終点にして無人駅の和田岬駅で山陰本線和田岬支線完乗を果たしたら、そのまま折り返し、スタート地点の大阪駅まで戻りましょう。これにて5日間終了です!


今回のコースで乗車した路線は...

東海道本線(JR神戸線)
山陽本線
赤穂線(完乗)
吉備線(完乗)
伯備線
呉線(完乗)
岩徳線(完乗)
美祢線(完乗)
山陰本線仙崎支線(完乗)
山陰本線
鹿児島本線
日豊本線
久大本線(完乗)
筑豊本線(完乗)
宇部線(完乗)
山口線(完乗)
木次線(完乗)
芸備線
姫新線
津山線(完乗)
播但線(完乗)
福知山線
加古川線(完乗)
山陰本線和田岬支線(完乗)

乗車した路線数24、うち完乗した路線数は15でした。
西日本・九州エリアにはまだまだ魅惑の路線がありますので、全線完乗目指してがんばってください!

JRのおトクなきっぷ「青春18きっぷ」

全国のJR線普通・快速列車の普通車自由席が一日乗り放題のきっぷ。「青春18」と名付けられていますが、年齢制限はなし! 1券5回(日)分セットで、ねだんは12050円。同一行程であれば、最大5人まで同時に利用できます。


2023年~2024年「青春18きっぷ」発売期間・利用期間

◎春
発売期間 : 2022年2月20日(日)~2022年3月31日(木)
利用期間 : 2022年3月1日(火)から2022年4月10日(日)

◎夏
発売期間 : 2022年7月1日(金)~2022年8月31日(水)
利用期間 : 2022年7月20日(水)~2022年9月10日(土)

◎冬
発売期間 : 2022年12月1日(木)~2022年12月31日(土)
利用期間 : 2022年12月10日(土)~2023年1月10日(火)


著者紹介

蜂谷あす美

旅の文筆家。福井県福井市出身。慶應義塾大学卒業後、出版社勤務を経て、現在に至る。「旅は再訪のための下見」をモットーに、2015年1月にJR全線完乗。鉄道と旅を中心としたエッセイや紀行文などを数多く執筆しているほか、ご当地牛乳にほれ込み牛乳の連載も経験あり。最近はラジオをはじめ、トークでも活躍。著書『女性のための鉄道旅行入門』『もっとお得にきっぷを買うアドバイス50』(ともに天夢人)

オフィシャルHP
Twitter

  • 写真:蜂谷あす美
  • 文:蜂谷あす美
  • 掲載されているデータは2023年2月現在のものです。変更となる場合がありますので、お出かけの際には事前にご確認ください。
  • 乗車日によっては発着時刻が異なる場合があります。事前にご確認の上、お出かけください。
  • 写真はイメージです。モデルプランの行程中に撮影したものではありません。
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