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2024.01.30旅行【JR四国エリア】トクトクきっぷの購入方法とは? 「お得な旅行」を知り尽くした蜂谷あす美が解説

「トクトクきっぷ」の買い方を追究

これまで各地の「トクトクきっぷ」を紹介してきました。トクトクきっぷは、使い方や有効日数がさまざまで、上手に活用するためにはルールをおさえることが重要です。加えて、きっぷによって、発売箇所や購入方法も異なります。

そこでエリア別、方法別に「トクトクきっぷ」の買い方を紹介していきます。第5弾はJR四国エリア編です!

トクトクきっぷとは?

トクトクきっぷは、正式名称を「特別企画乗車券」といい、ざっくり説明すると「列車がお得に利用できるJRのきっぷ」です。会社によって呼び方は少しずつ異なるものの、ルールはおおむね共通しています。

また、トクトクきっぷの種類は、大きく以下の5つに分けられます。

  • 回数券タイプ:新幹線や特急列車等のきっぷが複数枚綴りになったもの。券面に書かれた駅間のどちらから利用してもよいため、グループのほか、往復利用などにおすすめです。
  • 片道タイプ:早めの購入で割引になるタイプ。旅行の計画が定まっている人向け。最近はチケットレスを含めて、ネット限定タイプも増えています。
  • 往復タイプ:「ゆき」と「かえり」がセットになったもの。「ゆき」と「かえり」で経路が違うタイプも含みます。
  • フリータイプ:指定されたエリアが乗り放題になるきっぷ。「乗りつぶし」の強い味方。JR以外の鉄道会社やバスなどが対象エリアに含まれているものも多いです。
  • 往復+フリータイプ:「往復タイプ」と「フリータイプ」が合わさったもの。往復部分は新幹線や特急列車に乗車できるタイプが多く、目的エリアまでは効率よく移動し、現地で濃密に乗って遊びたい人向けです。

上記のほかに、観光施設への入場券がセットになった往復タイプなどもあります。

まず利用したいトクトクきっぷを探そう

まずは旅行で利用したい、利用できそうなトクトクきっぷを探しましょう。探し方は、

  • JR時刻表内の「JRのトクトクきっぷコーナー」
  • 「JR四国のウェブサイト」

の2通りがあります。

JR時刻表の「JRのトクトクきっぷコーナー」


JR時刻表の「ピンクのページ」には、トクトクきっぷが「通年で発売されているもの」「期間限定で発売されているもの」に分かれて収録されており、きっぷの概要や主な区間の料金、売り場などがまとめられています。

フリータイプの場合は、使えるエリアが図で示されているため、見やすさも抜群です。

最大の利点は「時刻表に載っている」ことに尽きます。旅程づくりと、利用きっぷの検討が並行して進められてしまうのです!

JR四国のウェブサイト

JR四国が運営する「JR四国ツアー」には、JR四国エリアで購入できるトクトクきっぷが種類別にまとめられたページがあります。


また、トクトクきっぷを検索できるページもあり、「出発日」や「目的地」などを指定することで、該当するトクトクきっぷ一覧が表示されます。

検索結果では、きっぷ概要も見られるため、似たような商品を比較する際にもおススメです。


JR四国のトクトクきっぷ検索ページはこちら

JR6社共通のトクトクきっぷの購入方法

利用したいトクトクきっぷが決まれば、いよいよ購入です。以下では、購入方法別に発券までの流れを解説します。

みどりの窓口

最も初心者向けの購入方法は、係員と対面でやり取りできる「みどりの窓口」です。

ここでは、誕生月の連続3日間、JR四国全線と土佐くろしお鉄道全線の特急列車が乗り降り自由になる「バースデイきっぷ」を例に、手順を説明します。

みどりの窓口に行く前に~2つの「期間」とエリアを確認~

「あえて書くことか?」と突っ込まれそうですが、みどりの窓口を訪ねる前に、きっぷの利用可能日を確認しましょう。

というのも、発売・利用期間が「通年」であっても、多くの人が旅行に出かける期間を利用日から外しているきっぷが少なくないからです。これらのシーズンが「利用除外日」である場合、JR時刻表のピンクのページでは「多客期×」の記号が付いています。
今回例に挙げた「バースデイきっぷ」は、利用期間こそ「通年」ではあるものの、利用者本人の誕生月が、出発日(きっぷの有効期間開始日)でなくてはいけません。

併せて確認したいのが「発売期間」です。バースデイきっぷは、出発日の1ヶ月前から当日まで発売されているものの、きっぷによっては「利用開始日●日前まで」「前日までの発売」など、当日購入できないものもあります。
なお、多くのトクトクきっぷは通常のきっぷ同様利用開始日の1か月前から発売しています。

そして何より重要なのが「発売箇所」です。バースデイきっぷは、JR四国エリア内に限定されているため、エリア外から旅行される方は、利用開始日当日に購入する場合が多いと思います。旅行計画を立てる際に「きっぷを買う時間」を確保しておきましょう。

いざ窓口へ~支払い方法は2種類~

期間や発売箇所を確認したら、窓口に赴きましょう。あとは係員に「バースデイきっぷ」を購入したい旨を伝え、発券に進むだけです。

最近は、PayPayをはじめとしたスマホ決済など、支払い方法の多様化が進んできましたが、「みどりの窓口」では、現金またはクレジットカードのみの扱いになるので、スマホ決済を日常的に使っている方は、お財布の中を確認しておきましょう。

またバースデイきっぷは、購入に当たっては誕生日がわかる公的証明書(マイナンバーカード、運転免許証、健康保険証等)原本の提示が必要です。
このきっぷのような「誕生月限定」は、かなり珍しい例ですが、最近は「発売条件」に年齢制限の設けられたトクトクきっぷも増えてきました。これらは購入時の公的証明書の提示のほか、旅行中の携行が求められます。

なお、「みどりの窓口」は駅や季節によって混雑し、発券までの時間が読めないこともあります。加えて、設置されている駅自体も少なくなってきました。

この方法で購入できる主なきっぷ ※券売機非対応

  • バースデイきっぷ
  • 四国みぎした55フリーきっぷ
  • 若者限定四国フリーきっぷ

みどりの窓口のように使える券売機

最近では「みどりの窓口」の代わりに、「みどりの券売機プラス」のように、オペレーターとやり取りしながら、きっぷを発券できる券売機が全国で増えています。

「みどりの窓口」に準じた方法できっぷが買えますので、機械操作に慣れていない方にはおすすめです。

旅行会社

みどりの窓口が近くにないけど対面で買いたい人向け

旅行会社というと、宿ときっぷがセットになったパック商品、はたまた添乗員が同行するツアー商品を買い求める場所と思いがちですが、以下のサイトに掲載されている旅行会社ではJRのきっぷも扱っており、発売箇所に「主な旅行会社」と書かれているトクトクきっぷも購入可能です。


駅から離れた地域に住んでいる方、また近くの駅に「みどりの窓口」がない方は、ショッピングモールなどに入っている旅行会社のカウンターを訪ねるのもおすすめです。「みどりの窓口」同様に、対面で発券手続きが行えます。

なお、発売エリアについては、みどりの窓口の発売エリアとおおむね一致します。また、旅行会社のカウンターの場合は、旅行商品の相談に来られる方が多く、カウンターがふさがっていると相当の間待つ点だけは気を付けましょう。

旅行会社だけで扱っているトクトクきっぷがある

ここまでは「旅行会社で買えるトクトクきっぷ“も”ある」と説明してきましたが、世の中には「旅行会社でしか買えないトクトクきっぷ」も存在します。JR四国エリアでは「四国全線(JR四国・土佐くろしお鉄道)フリーきっぷ」などが該当します。旅行会社にて、対象の旅行商品利用者だけが購入できるフリータイプのきっぷです。

なお、対象となる商品や、発売期間などの条件は旅行会社ごとに異なります。

この方法で購入できる主なきっぷ(旅行商品専用)

  • JR四国フリーきっぷ
  • 四国全線(JR四国・土佐くろしお鉄道)フリーきっぷ

JR四国のトクトクきっぷの購入方法

トクトクきっぷの購入方法としては、「駅の窓口」「旅行会社」といった対面での販売に加えて、駅の「指定席券売機」、インターネット予約システム「e5489」など、非対面の販売方法が用意されています。

JR四国のトクトクきっぷをこれらで購入する方法を見ていきます。

指定席券売機

ここでは、土曜日や休日に普通車自由席が1日に乗り放題になる「四国再発見早トクきっぷ」をみどりの券売機で購入するとします。

指定席券売機でのトクトクきっぷ購入の流れ

  • 1.券売機の最初の画面で「トクトクきっぷ」を選択
  • 2.「四国全線フリーきっぷ各種」を選択
  • 3.「四国再発見早トクきっぷ JR四国全線普通列車限定」を選択
  • 4.支払い

支払方法は「現金」「クレジットカード」から選べるうえに、「領収書」も発行できるので、ビジネス利用でも問題ありません。

また、「指定席券売機」であっても、みどりの窓口同様に、一般的なトクトクきっぷは、きっぷが利用できるエリアで発売していることが非常に多いです。

この方法で購入できる主なきっぷ ※「みどりの窓口」でも購入可能

  • 四国再発見早トクきっぷ
  • 四国グリーン紀行
  • 週末乗り放題きっぷ

e5489

JR四国エリアのトクトクきっぷのうち、本州方面への「往復タイプ」「往復+フリータイプ」では、ネット予約システム「e5489」で扱っている商品が増えてきました。

これら商品は、自身のスマホやPCなどで、事前にきっぷを予約、指定席券売機で受け取りを行います。きっぷ自体は乗車までに受け取ればよいため、きっぷを買いに行く時間のない方におすすめです。

ここでは、JR四国エリアから阪神地区までの往復(特急、新幹線)と、阪神地区のJRフリー区間がセットになった「阪神往復フリーきっぷ(4日間用)」を例にして、「e5489」でのきっぷ購入方法を紹介します。

なお、e5489の利用にあたっては、JR西日本の会員サービス「WESTER」へ登録するのがおすすめなので、下準備として先に済ませておきましょう。

「e5489」でのトクトクきっぷ予約の流れ

  • 1.「e5489」紹介ページから「阪神往復フリーきっぷ(4日間用)」を選び「e5489でお申込み」を選択
  • 2.「きっぷ選択」「ご利用区間」「ご利用日時」を選択し、「検索」をクリック
  • 3.乗車する列車や座席を選択し「選択する(新規予約)」をクリック
  • 4.「きっぷの種類」に該当するトクトクきっぷが表示されていることを確認し、「選択」をクリック
  • 5.座席や決済方法などを選択し、(クレジットカードの場合)は「決済画面に進む」を選択などを選択し、「決済画面に進む」をクリック
  • 6.決済すると同時に、予約も完了

上記では、クレジットカードの例を示しましたが、支払い方法は以下より選択できます。

  • クレジットカード
  • コンビニ払い(現金のみ)
  • 金融機関
  • 駅での支払い(みどりの窓口、指定席券売機)

上記のうち、クレジットカードは「申し込み」と同時に決済が行われ、「購入」も完了します。また、コンビニ、金融機関、駅での支払いを選択した場合は、インターネットで申し込んだ段階では「予約」の扱いになり、支払い期限が設定されています。期限を過ぎると自動的にキャンセルとなるため、クレジットカード払いを強く推奨します!

支払いが完了したトクトクきっぷは、以下のみどりの窓口・券売機で受け取ります。なお、支払い方法で「駅」を選択した場合は、きっぷの購入と発券が同時に行われます。

こうしたネット予約システムには、嬉しいポイントが2つあります。

1つ目は、エリア外でも受け取れる点です。
「e5489」で申し込んだきっぷは、きっぷのエリアに限らず、JR四国以下の駅で受け取りができます。


2つ目は、きっぷの購入こそ、期限までに済ませる必要がありますが、きっぷの受け取り自体は「利用開始まで」で良い点です。事前に決済まで済ませておけば、現地で利用直前に指定席券売機で発券、という手順を踏むことができます。

e5489で予約したきっぷを指定席券売機で発券する流れ

  • 1.券売機の最初の画面で「予約したきっぷのお受け取り」を選択
  • 2.「JR西日本5489サービス」を選択
  • 3.案内に沿って進む
  • 4.発券

クレジットカード払いの場合、きっぷの受け取りに際しては、実際に使用した「クレジットカード」が必要になります。旅行中はお財布のなかをすっきりさせる人も多いと思いますが、「カード、家に置いてきちゃった!」とならないよう、「いつも使っているカード」で決済しましょう。

この方法で購入できる主なきっぷ ※駅での購入も可能

  • 阪神往復フリー しおかぜ・南風グリーンきっぷ
  • 大阪こだま指定席往復きっぷ
  • のぞみ早特往復きっぷ

また、e5489では、「チケットレス特急券」など、「e5489」限定商品も用意されています。きっぷの発券が不要であり、予約時に示される「提示用画面」、またはそれを印刷したものがきっぷの代わりになります。

さらに、通常の紙の特急券の場合は、利用する列車の変更(乗車変更)は1回までですが、チケットレスタイプの場合は、出発時刻までであれば何回でも変更が可能です。

なお、チケットレス特急券の予約、決済方法は前記「「e5489」でのトクトクきっぷ予約の流れ」と同様です

この方法で購入できる主なきっぷ

  • eきっぷ(J-WESTカード会員専用)
  • eチケットレス特急券(J-WESTカード会員専用)
  • チケットレス特急券

郵送

JR四国には、ここまで紹介した購入方法のほか、自宅まできっぷが届く「郵送」が用意されています。

旅行日当日までに確実にきっぷが受け取ることができるため、駅でのきっぷ購入に不安がある方や、きっぷを手元にすべて用意してから出かけたい方におススメの方法です。購入に際しては、Webサイト「JR四国ツアー」内の、トクトクきっぷ詳細ページ下部に表示される「お申し込み」から手続きを進めていきます。

なお、申し込みにあたってはJR四国ツアーWeb会員への登録が必要です。

郵送できっぷを受け取る流れ

  • 1.トクトクきっぷ詳細ページ下部の「お申し込み」をクリック
  • 2.必要事項を記入し、申し込む
  • 3.受付完了メールに沿って、入金・決済
  • 4.きっぷの送付

前述のとおり、郵送は確実性で優れている一方、注意点もいくつかあります。まず、手元に届くまでに日数がかかることから、申込締め切りが出発日の6日前まで(列車などの指定を行う場合は8日前)と設定されている点です。

また、発送には簡易書留代450円がかかる点も気を付けましょう。料金は、きっぷ代と一緒に入金・決済します。

この方法で購入できる主なきっぷ ※他の方法でも購入可能

  • 四万十・宇和海フリーきっぷ(片道タイプ)
  • くろしおSきっぷ(往復券)
  • 若者限定四国フリーきっぷ

JR四国チケットアプリ「しこくスマートえきちゃん」

アプリで完結! チケットレス

トクトクきっぷでは、先ほどご紹介したe5489のように、申し込みから利用までがウェブで完結するチケットレスタイプが増えてきましたが、そのなかでも最先端を走るのがスマートフォンのアプリです。

JR四国では、2022年11月にチケットアプリ「しこくスマートえきちゃん」(通称、スマえき)をスタートさせました。スマえきの特徴は、完全なデジタルチケットであり、購入から利用までのすべてがスマートフォンで完結する点です。きっぷ発券のために駅の窓口や券売機に立ち寄る必要もなく、スマホの画面がきっぷ代わりになります。

また、スマえきでしか買えない片道タイプのトクトクきっぷが多数用意されており、うまく使いこなすことができれば、お得な旅行の幅が広がります。

ここでは、乗車券と自由席特急券がセットになった「スマえきトク割きっぷ(片道)」を例にして、購入・利用手順を見ていきましょう。

なお、下準備としてお手持ちのスマホにアプリ「しこくスマートえきちゃん」のダウンロード、および会員登録を済ませておいてください。

「スマえき」でのトクトクきっぷ購入・利用の流れ

  • 1.アプリ「スマえき」で「スマえきトク割きっぷ(片道)」を選択し、「お申し込み」をタップ
  • 2.利用日時や利用人数などを選択し、購入
  • <きっぷ利用手順>
  • 3.改札を通過する前に、アプリ「スマえき」ほホームまたは履歴からきっぷを表示
  • 4.画面の「使用開始」をタップ
  • 5.列車利用時は、画面を見せるだけ!

スマえきは、片道タイプの限定商品に加えて、これまでは紙タイプしかなかった「四国フリーきっぷ」「週末乗り放題きっぷ」といった一部のフリータイプにも対応しており、遠方からの旅行にもおすすめです。

この方法で購入できる主なきっぷ

  • スマえき Sきっぷ
  • スマえき くろしおSきっぷ
  • スマえき トク割きっぷ

JR四国エリアのトクトクきっぷを買って、お得な旅を

今回は、JR四国エリアのトクトクきっぷの購入方法を解説しました。

きっぷによって選べる購入方法は異なりますので、利用するトクトクきっぷの「発売箇所」を確認するのだけは、お忘れなく!


著者紹介

蜂谷あす美

旅の文筆家。福井県福井市出身。慶應義塾大学卒業後、出版社勤務を経て、現在に至る。「旅は再訪のための下見」をモットーに、2015年1月にJR全線完乗。鉄道と旅を中心としたエッセイや紀行文などを数多く執筆しているほか、ご当地牛乳にほれ込み牛乳の連載も経験あり。最近はラジオをはじめ、トークでも活躍。著書『女性のための鉄道旅行入門』『もっとお得にきっぷを買うアドバイス50』(ともに天夢人)

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  • 文:蜂谷あす美
  • 掲載されているデータは2023年12月現在のものです。
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