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2026.03.26旅行伊勢神宮奉納相撲と伊勢エリアの相撲旅 巡業の楽しみ方も解説 ~力士おすすめのグルメも!~

本場所と異なる地方巡業の魅力とは

本場所のない偶数月、力士たちは春夏秋冬・全国津々浦々を巡る「地方巡業」の旅に出ます。なかでも、大阪での三月場所直後に行われる伊勢神宮での奉納大相撲は毎年恒例行事。今回は、一般的な地方巡業の楽しみ方に加え、特に伊勢神宮周辺のおすすめスポットなどをご紹介します。

案内人は、作家・相撲ライターの飯塚さきさんです。

巡業とは? 巡業ならではの楽しみ方も解説

力士がこんなに近い! 地方巡業の魅力


大関・琴櫻にぶつかる子ども(写真は沖縄巡業)

ピリッと張り詰めた本場所の空気とは打って変わって、地方巡業はゆったりとした雰囲気。巡業の醍醐味は、力士とファンとの近い距離感にあります。かく言う筆者も、実は本場所の観戦よりも地方巡業デビューが早く、小学2年生のときに目の前で見た曙関の大きさに驚愕した光景は、いまでも色褪せることがありません。
そんな地方巡業では、朝から力士たちの稽古が披露され、お昼を挟んでさまざまな演目が行われます。土俵入りや取組だけでなく、横綱の綱締め実演や呼出しさんによる櫓太鼓打分、相撲の禁じ手を面白おかしく紹介する「初切(しょっきり)」など、巡業ならではの演目が楽しめます。その間も、会場にいる力士たちと写真を撮ったり、サインをお願いしたりと、非常に手厚いファンサービスが魅力です。

「伊勢神宮奉納相撲」とは?

荘厳な境内と厳かな雰囲気に包まれて


名古屋駅から伊勢市駅までは快速みえで約1時間30分

三月場所直後に毎年必ず行われるのが、三重県・伊勢神宮での奉納大相撲です。ほとんどの巡業地は毎年変わるものですが、伊勢神宮での奉納大相撲は、昭和30年の第1回から毎年開催され、今年で69回目を迎えます。今年の開催日は3月29日(日)。天照大御神を祀る神宮に大相撲を奉納し、力士たちは気持ちを新たに、次の春巡業地へと向かうのです。伊勢神宮の最寄り駅は、JR伊勢市駅。徒歩約5分で外宮に、さらにそこからバスに揺られること約10分で内宮に到着です。

伊勢神宮奉納相撲ならではの楽しみ方とは?


横綱・豊昇龍の手数入

伊勢神宮の奉納大相撲がほかの巡業地と一線を画すのは、緑に囲まれた荘厳な境内と、神社ならではの厳かな雰囲気。内宮での横綱土俵入りは圧巻で、神宮の神職に先導され、露払い・太刀持ちを従えて宇治橋を渡っていきます。加えて、大関以下の三役力士も続き、宇治橋を渡った力士は横綱土俵入りと三役力士による「揃い踏み」を奉納。この光景が見られるのは、全国で伊勢神宮奉納大相撲だけです。伊勢神宮では、横綱土俵入りのことを「手数入(でずいり)」と呼ぶそうで、手数入が行われる午前11時には宇治橋が一時通行禁止となるため、10時半頃に待機しておくのがおすすめとのこと。ぜひお見逃しなく。

観戦時のおすすめモデルコース

観戦前にめぐりたい相撲スポット

伊勢神宮


外宮の参道

奉納大相撲の演目を楽しみにすることはもちろんですが、せっかくならぜひ広大な境内を十分に楽しんでほしいのが伊勢神宮です。山々に囲まれ、背の高い樹木に見下ろされながら境内を歩き、都会の喧騒から離れ、自然のマイナスイオンにどっぷりと身を委ねると、なかなかその場から動けなくなります。
公式ホームページによると、外宮から内宮へ回るのがならわしとのこと。相撲の前に、ぜひ両方回ってみてはいかがでしょうか。


伊勢神宮

住所 三重県伊勢市宇治館町1
交通アクセス JR伊勢市駅より徒歩約5分(外宮)・外宮よりバスで約10分(内宮)
URL https://www.isejingu.or.jp/

おかげ横丁


内宮の宇治橋から徒歩5分ほどのところにある「おかげ横丁」。大きな常夜燈が目印で、ここはおよそ50軒が店を構える町です。伊勢路の特産品やお土産が買えるだけでなく、紙芝居や太鼓の演奏まで、三重県のさまざまな文化を楽しめます。また、3月下旬頃は横丁のそばを流れる五十鈴川沿いのソメイヨシノがちょうど見ごろ。お団子や甘酒を買ってお花見するのも楽しそうです。ちなみに筆者はその昔、「若松屋」さんで買った揚げたてのさつま揚げがおいしすぎて、力士並みにたらふく食べたのがいい思い出です(笑)。


おかげ横丁

住所 三重県伊勢市宇治中之切町52
問い合わせ先 0596-23-8838(おかげ横丁総合案内)
時間 9時30分~17時(季節により異なる)
交通アクセス JR伊勢市駅よりバス+徒歩で約20分
URL https://okageyokocho.com/

力士が教えるオススメスポット

赤福本店


1日ずつ場所を変えて移動する巡業では、力士はあまりその土地のものを味わう機会がないのですが、いろいろな人にひねり出してもらったのでご紹介します。一人目はご近所三重県出身、元幕内・千代の国の佐ノ山親方がおすすめする、「赤福餅と赤福氷」。先に紹介したおかげ横丁正面に、赤福餅で有名な赤福の本店があります。できたてほかほかの赤福餅を店頭で食べられる人気店です。親方が特にお気に入りなのは、夏季限定の「赤福氷」。3月末は残念ながらまだ販売期間ではないとのことですが、九重部屋では毎年7月の名古屋場所後に必ず伊勢神宮に参拝していて、「伊勢神宮でたくさん歩いた後、赤福で赤福氷を食べて一休みするのがいつもの流れでした。名古屋場所を戦い終えた後、頭と体をお伊勢さんでリフレッシュし、癒してもらっていました」と、現役当時の思い出を振り返ってくれました。3月は定番の赤福餅を、そして夏の時期は親方おすすめの赤福氷をぜひ。


赤福本店

住所 三重県伊勢市宇治中之切町26
時間 5時~17時
交通アクセス JR伊勢市駅 バス+徒歩で約20分
URL https://www.akafuku.co.jp/

浜辺屋


佐ノ山親方と同じく九重部屋に所属する、モンゴル出身の千代翔馬関は、毎年夏の伊勢合宿でお世話になるという「浜辺屋」さんを紹介してくれました。JR・近鉄鳥羽駅から徒歩約10分。先代の師匠(元横綱・千代の富士)の頃から、名古屋場所後の合宿所になっているそうです。宿泊施設でありながら、食事のみの利用も可能。「おかみさんが作ってくれるごはんが絶品。特に、新鮮な魚がとってもおいしいんです」と千代翔馬関。店内には九重部屋力士たちの写真が多く飾られているそうなので、九重部屋ファンは必訪です。


浜辺屋

住所 三重県鳥羽市小浜町272-58
問い合わせ先 0599-25-2259
時間 【食事】11時30分~13時30分/17時~21時
交通アクセス JR・近鉄鳥羽駅から徒歩約10分
URL https://hpdsp.jp/hamabeya/

ふぐや


一度、伊勢で食事に行ったことがあるという高田川部屋の竜電関も、お店を教えてくれました。近鉄・JR伊勢市駅から徒歩10分。個室を完備した広々70席のお店です。その名の通り、名物はふぐで、「ふぐ刺しからふぐの唐揚げ、ふぐ鍋もおいしかった。ふぐのフルコースで贅沢でしたね」と竜電関も思い出してうっとり。ちょっぴり奮発したい夜にぴったりです。


ふぐや

住所 三重県伊勢市一之木3-7-11
問い合わせ先 0596-25-8719
時間 15時~22時(L.O.21時30分)
定休日 木曜
URL http://www.isefuguya.jp/

まとめ


初切の様子(写真は沖縄巡業)

本場所とはまた違った楽しみ方ができる地方巡業。いかがでしたでしょうか。普段はあまりお目にかかれない、力士たちのリラックスした様子や、サービス精神たっぷりのパフォーマンスが楽しめます。伊勢神宮では、神社と相撲の日本の伝統文化の親和性を肌で感じることができるでしょう。機会があればぜひ、足を運んでみてください。


著者紹介

飯塚さき

1989年生まれ、さいたま市出身。早稲田大学国際教養学部卒業。ベースボール・マガジン社に勤務後、2018年に独立。『相撲』(同社)、Yahoo!ニュース、『Number』(文藝春秋)などで執筆中。著書『どすこい!相撲と乗り物』、『おすもうさん直伝!かんたん家ちゃんこ』、『日本で力士になるということ 外国出身力士の魂』など。両国国技館では、館内のインバウンド向け英語ガイドを担当。テレビ、ラジオ出演、講演多数。

  • 取材協力/日本相撲協会・伊勢神宮・おかげ横丁・赤福・浜辺屋・ふぐや
  • 写真提供/飯塚さき・日本相撲協会・伊勢神宮・伊勢市観光協会・赤福・浜辺屋・ふぐや
  • 2026年3月現在の情報です。
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