九州の自然もグルメも楽しめる旅を、ダイナミックな鉄道移動で実現!
2022年9月23日の、武雄温泉駅~長崎駅を結ぶ西九州新幹線の開業でますます注目の集まる長崎・佐賀エリア。もちろん両県だけでなく、九州は魅力あふれる観光スポット、そして鉄道スポットが目白押しです。
今回は、JR九州エリアが乗り放題になる「ぐるっと九州きっぷ」で、西九州新幹線にも乗車しながら、九州をダイナミックにめぐります。
- ※新型コロナウイルス感染症の影響により、列車の運休や変更、施設の営業変更等が発生することがあります。JRニュースや運行会社、および各施設のHP等をご確認ください。
【ぐるっと九州きっぷ】乗車券感覚で使える! 使い勝手のよい乗り放題きっぷ
「ぐるっと九州きっぷ」の魅力は、乗車券感覚で使える気楽さにあります。
フリータイプのきっぷの場合、特急列車には乗車できないといったさまざまな条件付きのタイプもあれば、特急列車なども乗り放題になる代わりに少し高めに値段設定されているタイプもあります。
前者の場合は、綿密な行程づくりや、遅延や運休といった際の臨機応変な対応など、出かける前も道中も、少し高度な「鉄テクニック」が要求されます。また、後者の場合は、「特急・新幹線に乗らないと損する!」と焦るあまり、ローカル線をのんびり味わうことがおざなりになってしまう点に寂しさを覚えます。
「ぐるっと九州きっぷ」は、普通・快速列車にはこのきっぷだけで乗車、新幹線・特急列車には別途特急券を購入して乗車というルールで、ふだん使っている「乗車券」と変わりません。「やっぱりここは特急に乗っちゃおう!」といった予定変更も自由自在です。
お得なきっぷ初心者にもおすすめのきっぷといえるでしょう。
ぐるっと九州きっぷ
JR九州全線の普通・快速列車の普通車自由席が連続する3日間乗り放題になるきっぷ。別途特急券を購入すれば九州新幹線や特急列車にも乗車可能(新幹線の博多駅~小倉駅間および博多南線は利用できません)。
料金:
JR九州インターネット列車予約 大人14,300円、こども7,150円
窓口発売 大人15,800円、こども7,900円
販売期間:
通年
有効期間:
3日間
うりば:
JR九州の主な駅・九州内の主な旅行会社
ネット予約は「JR九州インターネット列車予約」(※JR九州Web会員登録が必要)
<1日目>憧れの特急列車に乗車! 九州の小京都とシブい鉄スポットを探訪
- 1日目
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08:14発
博多駅 鹿児島本線 門司港駅行
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09:50着
西小倉駅 乗り換え
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10:02発
西小倉駅 日田彦山(ひたひこさん)線 田川後藤寺駅行
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10:58着
田川後藤寺駅 乗り換え
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11:01発
田川後藤寺駅 日田彦山線 添田駅行
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11:16着
添田駅 乗り換え
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11:30発
添田駅 日田彦山線 代行バス 日田駅行
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13:16着
日田駅
- ポイント① 天領として栄えた九州の小京都、日田の「豆田(まめだ)町」で町歩き
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15:56発
日田駅 久大(きゅうだい)本線 特急「ゆふいんの森5号」 由布院駅行(特急券別料金)
- ポイント② 人気特急列車「ゆふいんの森」にちょい乗り
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16:23着
豊後森(ぶんごもり)駅
- ポイント③ 転車台も健在!「豊後森機関庫公園」で扇形(せんけい)車庫を見学
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17:39発
豊後森駅 久大本線 大分駅行
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19:30着
大分駅
- ※2022年9月23日以降の時刻です。乗車日によっては発着時刻が異なる場合があります。事前にご確認の上、お出かけください。
ポイント① 古風な町並みが続く日田エリアの「豆田町」
江戸時代には幕府直轄の領地である天領として栄え、日田代官所も置かれた城下町、日田。古い町並みや土塀が今も残り、情緒あふれる九州の小京都として知られています。
そのなかでも散策におすすめなのが豆田町です。国の重要伝統的建造物群保存地区に選定され、天領時代の家屋が現役で使用されています。県内最古の豪商の屋敷「草野本家」や薬種屋の資料館「日本丸館(にほんがんかん)」、江戸時代からの酒蔵「クンチョウ酒造」など、立ち寄りスポットが目白押しです。
また、バリバリ感のある麺とシャキシャキした食感のもやしを組み合わせたご当地グルメ「日田やきそば」もぜひ堪能してください!
豆田町
住所 | 大分県日田市豆田町 |
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問い合わせ先 | 0973-22-2036(日田市観光協会) |
交通アクセス | JR日田駅から徒歩15分 |
URL | https://www.oidehita.com/archives/29493 |
ポイント② リゾート感満点の特急「ゆふいんの森」
鉄道ファンでなくとも「乗ってみたい!」と思わせるような、個性豊かな車両が走る九州エリア。そのなかでも特急「ゆふいんの森」は人気筆頭格として注目を集め続けています。
外観にはメタリックグリーンに金色の帯という落ち着いたデザインが施され、ひとたび車内に入れば、床面や座席などに木をふんだんに使用したぬくもりあふれる空間が広がります。一般の列車よりも座席が高い位置に配された「ハイデッカー車両」であることから、車窓からの風景も存分に楽しめます。
また、車内のビュッフェコーナーでは、地ビール「ゆふいん麦酒」やアイスなど、地元グルメも盛りだくさん。窓に沿ってベンチが配されたフリースペース「サロンスペース」でいただくのもおすすめです。
乗車記念に、日付の入ったフォトパネルとの記念撮影もお忘れなく!
- ※サロンスペースは「ゆふいんの森3号・4号」にあります。「ゆふいんの森5号」にはありません。
特急「ゆふいんの森」
運行区間:博多駅~由布院駅・別府駅
ポイント③ 蒸気機関車時代の“生き証人”に会える「豊後森機関庫公園」
かつて蒸気機関車が主力だった頃、全国各地で見られた「扇形機関庫」、そして車両方向転換のために設けられた「転車台」。これらは蒸気機関車時代の終焉とともに姿を消していきました。
しかし、豊後森駅近くには、今も当時の姿をとどめるように、1934(昭和9)年に完成した豊後森機関庫と豊後森機関庫転車台が残され、公園として整備されています。実は、この機関庫、九州では唯一現存する扇形機関庫であり、転車台とともに登録有形文化財、近代化産業遺産に認定されています。
ちなみに「豊後森機関庫公園」は松山ケンイチ、永山瑛太主演の鉄道映画「僕達急行 A列車で行こう」(2012年公開)のロケ地でもあります! 映画を見てから現地を訪れると、「聖地巡礼」気分を味わえます。
豊後森機関庫公園
住所 | 大分県玖珠(くす)郡玖珠町岩室36-15 |
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問い合わせ先 | 0973-72-1313(玖珠町観光協会) |
交通アクセス | JR豊後森駅から徒歩5分 |
URL | http://kusumachi.jp/pg1368.html |
<2日目>名物特急で九州を一気に横断! 阿蘇の車窓と豪華駅弁で「鉄分」を多めに摂取!
- 2日目
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08:07発
大分駅 豊肥(ほうひ)本線 特急「九州横断特急2号」 熊本駅行(特急券別料金)
- ポイント④ スケール感がまるで違う! 車窓を通して楽しむ絶景、阿蘇
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11:22着
熊本駅
- ポイント⑤ 熊本市内の移動はお任せ「熊本市電」
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熊本城へ移動
- ポイント⑥ 復旧工事が継続中! 今だけの「熊本城」を見学
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14:21発
熊本駅 九州新幹線「さくら558号」 新大阪駅行(特急券別料金)
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14:46着
新鳥栖(しんとす)駅 乗り換え
- ポイント⑦ 新鳥栖の名物駅弁「長崎街道焼麦(しゃおまい)弁当」で中央軒のグルメを味わい尽くす
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15:03発
新鳥栖駅 長崎本線 特急「みどり35号」 佐世保駅行(特急券別料金)
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15:39着
武雄温泉駅 乗り換え
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15:57発
武雄温泉駅 西九州新幹線「かもめ37号」 長崎駅行(特急券別料金)
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16:27着
長崎駅
- ポイント⑧ 駅から観光地、繁華街まで、路面電車でまったり観光
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長崎電気軌道で長崎新地中華街へ移動
- ポイント⑨ 長崎グルメの代表格、ちゃんぽんと皿うどん
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長崎電気軌道 「めがね橋」電停へ移動
- ポイント⑩ 絶対写真におさめて帰りたい、日本最古の石造りアーチ橋「眼鏡橋」
- ※2022年9月23日以降の時刻です。乗車日によっては発着時刻が異なる場合があります。事前にご確認の上、お出かけください。
ポイント④ 特急「九州横断特急」で阿蘇の絶景を満喫
「九州横断特急」は、列車名に「特急」が入っている非常に珍しい列車です。この列車は、名前のとおり、九州の東西を結ぶ豊肥本線を横一直線に駆け抜けていきます。
豊肥本線といえば、沿線に観光地「阿蘇」があることでも知られており、本来は下車してしっかり満喫したいところですが、鉄道旅にはどうしても時間の制約がつきもの。そこで今回は車窓から阿蘇を楽しむことにします。
阿蘇山は大規模な複式火山で知られており、絶景が楽しめるのは、外輪山(がいりんざん)を越えた宮地駅付近からです。特に内牧(うちのまき)駅~市ノ川駅では想像以上に穏やかな山容を描く阿蘇山がばっちり見えてきます。景色をしっかり堪能したい方は、進行方向左手に座席を確保してください!
また、鉄道を楽しむうえで見逃せないのは、赤水駅~立野駅にかけて。外輪山を越えることから、短い距離ながらも標高差が約190メートルあります。これを克服すべく、立野駅では、線路をジグザグに敷設し、勾配を緩和させる「スイッチバック構造」が採用されています。進んだと思ったら、後退するという不思議体験もぜひ味わってみてください。
特急「九州横断特急」
運行区間:熊本駅~別府駅
※2022年9月23日~10月30日の土曜・休日は運休です
ポイント⑤ 「熊本市電」…熊本城も見える! 市内観光にマストの乗り物
熊本市内を観光するうえで便利な交通機関が熊本市交通局の路面電車「熊本市電」です。田崎橋電停と上熊本電停をそれぞれ起点とする、A系統とB系統の2路線が運行、辛島町(からしまちょう)電停~健軍町(けんぐんまち)電停は両系統が乗り入れています。
熊本駅から熊本城までは、駅前の熊本駅前電停からA系統に乗車し、熊本城・市役所前電停で下車しましょう。繁華街の中心部に位置するアーケード商店街「上通(かみとおり)」「下通(しもとおり)」にも徒歩でアクセス可能です。
運賃は均一で、どこまで乗っても1回あたり170円(中学生以上)。1日に3回以上利用するときは、500円の「1日乗車券」がお得です。紙のものに加えて、スマートフォンで利用できるモバイルチケットも発売されています。
また、鉄道ビュースポットとしておすすめなのは、電車通りの通町筋(とおりちょうすじ)電停から水道町電停にかけて。熊本城や老舗デパート「鶴屋百貨店」などと絡めた写真が撮れます!
ポイント⑥ 今しか見られない「熊本城」の姿
日本三名城の1つともいわれる熊本城は、茶臼山(ちゃうすやま)とよばれた台地に当時の最先端技術を投入して1607(慶長12)年に完成しました。2016年の熊本地震では重要文化財建造物13棟、再建・復元建造物20棟および石垣のおよそ3割などが被害を受けたものの、復旧に向けて、着実に歩みを進めています。
2021年には天守閣が完全復旧。内部の一般公開も行われています。
また、地上から約6メートルの位置に設けられた「特別見学通路」からは、復旧の様子を間近で見学できます。ぜひ、「今このときだけ」の熊本城を記憶にとどめましょう!
熊本城
住所 | 熊本県熊本市中央区本丸1-1 |
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問い合わせ先 | 096-223-5011 |
時間 | 9:00~17:00(最終入園16:30)天守閣の入場は16:30まで |
定休日 | 年末(12月29日~12月31日)※開園する場合もあり |
交通アクセス | 熊本市電熊本城・市役所前電停から徒歩10分 |
値段 | 高校生以上:800円、小・中学生:300円、未就学児:無料 |
URL | https://castle.kumamoto-guide.jp/ |
ポイント⑦ かしわも焼麦も食べたい人向け!「長崎街道焼麦弁当」
鉄道旅で欠かせないグルメといえば駅弁。新鳥栖駅、鳥栖駅に店舗を構える中央軒は、細かく刻み甘辛く煮つけた鶏肉を味わえる「かしわ飯」を、1913(大正2)年に日本で初めて発売した老舗駅弁調製元です。
この中央軒で、かしわ飯と並んで有名なのが、1956(昭和31)年に発売を始めた「焼麦」です。
どっちも気になりますよね。そこでぜひ堪能してもらいたいのが「長崎街道焼麦弁当」。「かしわ飯」と「焼麦」の両者が詰まっているのです!
中央軒は九州で初めて立ち食いうどん店を開業したことでも知られ、「かしわうどん」も絶品です。胃袋と時間に余裕があるときは、あわせてご賞味ください。
長崎街道焼麦弁当(中央軒 新鳥栖駅売店)
住所 | 佐賀県鳥栖市原古賀町220(新鳥栖駅内) |
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問い合わせ先 | 0942-82-3166 |
時間 | 7:00~18:30 |
定休日 | なし |
交通アクセス | JR新鳥栖駅構内 |
値段 | 980円(税込) |
URL | https://chuohken.com/ |
ポイント⑧ 小回りが利いて助かる「長崎電気軌道」
旅先のエリア内で複数の観光地をめぐる際、移動手段に悩むことはありませんか。そんなときに助かるのが、小回りの利く路面電車の存在です。
長崎市内では路面電車「長崎電気軌道」が運行しています。繁華街である思案橋(しあんばし)はもちろん、原爆資料館や大浦天主堂などへも路面電車だけでアクセスが可能です。
長崎電気軌道を利用する際に嬉しいのは、1乗車あたり140円とリーズナブルな運賃設定! 交通系ICカード「nimoca」が使えるだけでなく、PASMOやICOCAといった他地域の全国相互利用交通系ICカードも利用でき、旅先ながら、ふだんの感覚で乗り降りできてしまいます。また、2区間内のICカード移動時には、「ICチョイ乗り割引」が自動で適用され、運賃が100円になります。
何度も利用するときは、600円の電車一日乗車券(紙版、モバイル版あり)または700円の24時間乗車券(モバイル版のみ)の利用がおすすめです。
ポイント⑨ 迷ったときはハシゴしたい! 長崎麺グルメ「ちゃんぽん」「皿うどん」
長崎市内には個性豊かな有名グルメがたくさん。そのなかでも絶対食べて帰りたいのは、長崎を代表する麺料理「ちゃんぽん」と「皿うどん」です!
ちゃんぽんは、鶏ガラと豚骨を用いたスープに唐灰汁(とうあく)で独特の風味付けがされた太麺、そこに野菜や豚肉、魚介類など炒めた具材をどっさりのせるのが特徴。白濁スープは、うまみがギュッと凝縮されています。
一方、ちゃんぽんと人気の双璧をなす皿うどんは、揚げた中華麺にとろみをつけた具をかけたもの。パリパリとして香ばしい「細麺」と、もちもちとした「太麺(ちゃんぽん麺)」を用いた2種類の皿うどんが味わえます。
ちゃんぽん、皿うどん
住所 | 長崎県長崎市 長崎新地中華街、市内各飲食店 |
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URL | https://www.nagasaki-tabinet.com/eat/133 |
ポイント⑩ 日本最古の石造りアーチ橋「眼鏡橋」
長さ22m、幅3.65m、川面までの高さ5.46mの「眼鏡橋」は、日本初のアーチ式石橋として知られ、1634(寛永11)年に興福寺2代住持唐僧である黙子如定(もくすにょじょう)が架けたとされています。長い歴史のなかで水害により何度か損壊するも復元され、現在は国の重要文化財に指定。
名前の由来は、現地で真正面から見れば納得! 橋と川面に映った姿がまるで「メガネ」のように見えます。
また、眼鏡橋の架かる中島川護岸にはハートの形をした石「ハートストーン」があり、フォトスポットとしてだけでなく、愛を願うパワースポットとしても人気を集めています。
眼鏡橋
住所 | 長崎県長崎市魚の町・栄町と諏訪町・古川町の間 |
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問い合わせ先 | 095-822-8888 (長崎市コールセンター「あじさいコール」) |
交通アクセス | 長崎電気軌道「めがね橋」電停下車、徒歩3分 |
URL | https://www.city.nagasaki.lg.jp/shimin/190001/192001/p000713.html |
<3日目>海の見える「映え駅」でまったり。旅のお土産は有田焼で決まり!
- 3日目
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08:14発
長崎駅 長崎本線 佐世保駅行
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09:38着
千綿(ちわた)駅
- ポイント⑪ 海に面した映え駅「千綿駅」
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11:11発
千綿駅 大村線 区間快速「シーサイドライナー」 佐世保駅行
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11:40着
早岐(はいき)駅 乗り換え
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11:59発
早岐駅 佐世保線 特急「みどり・ハウステンボス26号」 博多駅行(特急券別料金)
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12:10着
有田駅
- ポイント⑫ 旅の最後は焼き物の街。お土産に「有田焼」はいかが?
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17:35発
有田駅 佐世保線 特急「みどり(リレーかもめ)46号」 博多駅行(特急券別料金)
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18:52着
博多駅
- ※2022年9月23日以降の時刻です。乗車日によっては発着時刻が異なる場合があります。事前にご確認の上、お出かけください。
ポイント⑪ 青春18きっぷのポスターにも採用。憧れの「千綿駅」
線路の向こうはすぐに海――。
九州の絶景駅として人気を誇るのが大村線の千綿駅です。ホーム眼前には穏やかな大村湾が広がり、いつまで見ていても飽きません。2014年には「青春18きっぷ」のポスターにも採用されました。
千綿駅は単に海が見えるだけの駅にとどまらず、振り返ればそこにレトロ風の木造駅舎がぽつんと佇んでいます。使い込まれた味わいが感じられますが、実は1993年に改築されたもの。青い海とマッチし、深い情景を描きます。旅のなかで、自分だけの静かな時間を楽しんでみませんか。
千綿駅
住所 | 長崎県東彼杵郡東彼杵町平似田郷750-3 |
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ポイント⑫ お気に入りの有田焼と出会える「内山地区」
佐賀県の有田は日本で初めて磁器が焼かれた地であり、今も多くの窯元がある「やきもののまち」として知られています。せっかく遠出をしたならお土産を持ち帰りたいもの。鉄道旅の場合、序盤に購入してしまうと、重い荷物の持ち運びで辛い思いをする羽目になりますが、そろそろ終盤ですし、財布のひもを緩めてみてもいいかもしれません。
自分だけの思い出の一品を探すときのおすすめスポットは、内山地区です。国の重要伝統的建造物群保存地区に選定され、古き建物が並びます。また、地区内の皿山通りには、老舗の窯元から、おしゃれなセレクトショップまで揃っており、ご自身の感性にしっくりくるものと出会えるはず。
内山地区までは、有田駅前のKILN ARITA(キルン アリタ)観光案内所で自転車を借りて、サイクリング感覚でアクセスするのがおすすめです。
内山地区
住所 | 佐賀県西松浦郡有田町内山地区付近 |
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問い合わせ先 | 0955-43-2121(有田観光協会) |
交通アクセス | JR上有田駅から徒歩15分、JR有田駅から徒歩30分 |
URL | https://www.arita.jp |
運賃料金参考(JR利用)
合計16,040円:
博多~日田(2,860円)、日田~豊後森(570円)、豊後森~大分(1500円)、大分~熊本(3,300円)、熊本~長崎(4,070円)、長崎~千綿(1,130円)、千綿~有田(760円)、有田~博多(1,850円)
ぐるっと九州きっぷ(ネット予約)なら、1,740円もおトク!
※駅で購入の場合は、240円もおトク!
- ※運賃・料金は1人分です。
- ※時期によって運賃・料金は異なります。
- ※列車の通常料金はきっぷの運賃です。交通系ICカードを使用した場合は運賃が異なります。
- ※今回のモデルルートで利用する路線の一例です。他の路線等を利用した場合や、乗り方によっては料金が異なります。
九州ならではの鉄道旅行体験、列車旅の面白さとは?
九州鉄道旅の魅力を語るうえで外せないのは、車両そのものの楽しさです。たとえば今回紹介した特急「ゆふいんの森」と「九州横断特急」は、前者がグリーンをまとったハイデッカー車であるのに対して、後者は真っ赤なデザインに大きな窓と、特徴が大きく異なります。それぞれの乗車体験が印象深く記憶に残るでしょう。
また、豊肥本線は阿蘇のカルデラの中を走行、一方で長崎の大村線は穏やかな大村湾の景色を見せてくれるなど、その表情は異なるものの、穏やかで雄大な自然の絶景を堪能できる場所が多いのもポイントです。
さらに、紹介した新鳥栖駅の「長崎街道焼麦弁当」以外にも、パンチの効いた駅弁があちこちで展開されています。今回の立ち寄りスポットでいえば有田駅の「有田焼カレー」も、お試しいただきたい逸品です。カレーの駅弁というだけでインパクト抜群ですが、それ以上にすごいのが、器が有田焼である点。食べたあとも長く楽しめます。
各エリアの魅力を味わいながら、思い出に残る九州鉄道旅に出かけてみてください!
著者紹介
- ※写真協力:日田市観光協会、玖珠町観光協会、熊本市、熊本城総合事務所、株式会社中央軒、長崎電気軌道株式会社、長崎県観光連盟、長崎市、有田観光協会、PIXTA
- ※文:蜂谷あす美
- ※掲載されているデータは2022年9月現在のものです。変更となる場合がありますので、お出かけの際には事前にご確認ください。