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2023.09.29旅行「『etSETOra』で繋ぐ広島魅力発信ツアー」海外のお客様を広島のエトセトラで魅了【鉄道写真家・村上悠太の体験レポート】

世界から注目される広島を舞台にしたスペシャルなツアー!

土休日と月曜日・金曜日を中心に運行されている、JR西日本の観光列車「etSETOra(エトセトラ)」。
美しい瀬戸内海の海車窓が魅力の呉線を走行し、ボックス席や窓側を向いた座席のほか、車内設けられたバーカウンターでは沿線ゆかりのグッズやドリンクなどを取り揃え、非日常が味わえる列車として大人気の観光列車です。

そんな「etSETOra」にこの度、海外からの旅行者向けに新たな旅行商品「『etSETOra』で繋ぐ広島魅力発信ツアー」が登場しました。先のG7サミットで改めて世界から注目を集めた広島を拠点に、瀬戸内に息づく日本の文化や伝統工芸、そして味覚を体験できる商品になっています。今回はそのツアーの内容をご紹介していきます!

着物に着替えてツアースタート!


広島駅にやってきた観光列車「etSETOra(エトセトラ)」

ツアーの参加者は「etSETOra」に乗り込む前に、まずは広島駅に隣接した「ホテルグランヴィア広島」へ。
こちらでみなさん、なんと着物にお着替え! 専属のスタッフによる着付けが行われ、今回のスペシャルツアーの行程を着物で巡ります。


ツアーの最初はなんと着物に着替え!写真は9月までの浴衣で10月からは着物になる

「とてもいい気分です」と参加者のテンションも高い

観光列車の旅はそれだけでも特別なひとときですが、着物姿での列車旅はほかではなかなか体験できません。
着付けが終わると広島駅に向かい、いよいよ「etSETOra」での旅がスタートします。

「etSETOra」車内では特別な体験が!


広島駅の駅員さんたちのお見送り

お見送りに応えながら、「etSETOra」出発!

本ツアーで運行される「etSETOra」は、通常運行とは異なり、このツアー専用の貸し切り列車として運行されます。
車内では、本ツアー限定で沿線の文化に触れることができる、地域通訳案内士による観光案内や、スペシャルコンテンツが用意されています。
現在、2種類の体験コンテンツが用意されており、運行日によって広島県熊野の伝統工芸品「熊野筆」の体験か、呉線の沿線である竹原にある蔵元「藤井酒造」の日本酒試飲体験が行われます。それぞれの実施日は公式Webサイト(https://jr-etsetora-hiroshima.jp/jp)をご覧ください。

日本最大の筆産地である熊野町で製造される「熊野筆」は、国の伝統工芸品にも指定されており、車内ではその匠の技やこだわりを知ることができる解説や、水で絵や文字を描く水書き体験をすることができます。


広島の伝統工芸品「熊野筆」を知る・体験する車内イベント

参加者は思い思いの文字を熊野筆と水で描いた

一方、日本酒の試飲体験では呉線沿線の竹原に蔵をかまえる「藤井酒造」の日本酒を試飲可能。
竹原は塩づくりと酒づくりで栄えた場所で、その長い歴史が育んだ日本酒の味を車内で味わうことができます。


日本酒試飲体験では芳醇な味わいに思わずニッコリ

味だけでなく香りなども楽しんだ

  • 熊野筆と日本酒試飲体験は運行日によってどちらかを実施

さて、「etSETOra」が走る呉線は何といっても瀬戸内海の海車窓が魅力!
広島を出発してしばらくすると早速遠目に海が見え隠れし、車内の至るところからシャッター音が聞こえてきます。

このツアーでも「etSETOra」の大きな魅力である「バーカウンター」は営業しており、ソフトドリンクはもちろん、アルコールメニューも充実している通常運行時の復路便のメニューを基本としたメニューが提供されています。「etSETOra」オリジナルカクテルである、広島県産クラフトジン「桜尾」を使用した、「SETOUCHI BLOSSOM」はぜひおすすめしたい一品です。なお、アルコールが苦手な方でも楽しめるノンアルコールバージョンもあります。


バーカウンターでさまざまなドリンクを提供

県産品をふんだんにつかったオリジナルカクテル「SETOUCHI BLOSSOM」。英語表記のメニューも完備


広島の廿日市はけん玉発祥の地ということで車内ではけん玉体験も。「etSETOra」オリジナルけん玉もこのツアー限定で販売

竹原駅で下車観光。古い町並みとランチコースを堪能

広島を発って2時間少々で特別運行の「etSETOra」は竹原駅に到着です。
ここで一度列車を降りて、ツアー一行は古い街並みが残るたけはら町並み保存地区へジャンボタクシーで向かいます。


歴史を感じる空間が心地よい「たけはら町並み保存地区」

時間はちょうどお昼時ということで、保存地区内の歴史的建築の風格をそのまま生かしてリノベーションされた、「NIPPONIAホテル竹原製塩町」にてランチコースをいただきます。
広島の山海の幸と竹原の塩を使用したコース料理は、どこか和のニュアンスを感じることもできる、味覚で広島を体感できる素敵なお料理が提供されます。


「NIPPONIAホテル竹原製塩町」で楽しめるランチコース。県産食材のほか竹原の伝統食「魚飯」も味わうことができる

昼食後は「たけはら町並み保存地区」の散策へ。
本ツアー中は地域の歴史文化に精通した地域通訳案内士が同行して、各所の見所を英語でご案内。道中、参加者のみなさんからも鋭い質問が飛びだすシーンも。
竹原はニッカウヰスキー創業者で、日本ウイスキーの父とも呼ばれる竹鶴政孝生誕の地でもあります。本町通り中程の憧憬の広場には「竹鶴政孝・リタ銅像」があり、フォトスポットにもなっています。


「たけはら町並み保存地区」をゆく

「竹鶴政孝・リタ銅像」では記念写真タイム!


フォトジェニックな街角でパシャリ!

この散策のゴールは先ほど「etSETOra」車内で日本酒試飲を提供してくれた、藤井酒造「酒蔵交流館」です。
こちらの施設は使われなくなった日本酒の仕込蔵をリノベーションした建物を使用しており、建築はなんと江戸時代! その雰囲気を色濃く残しつつ、館内には雑貨や藤井酒造の醸す日本酒の試飲や購入ができる施設になっています。


車内の試飲では物足りなかった!? 味や香りについて熱心なやりとりも

絶景&新幹線でツアーはフィナーレ

散策を終えるとジャンボタクシーに乗り込み一路竹原駅へ。
ここから再び「etSETOra」に乗って、今度は三原を目指します。
忠海駅を通過すると「etSETOra」は呉線の中でも最も海に近いところを走ります。この区間では徐行運転とビュースポットでは一時停車のサービスを実施。車窓の全てが海に染まる、まさに絶景車窓です。


竹原から再び「etSETOra」へ


忠海駅を過ぎるとそこには絶景車窓!!

三原駅に到着すると「etSETOra」とはお別れし、山陽新幹線で広島に向かい、旅はいよいよフィナーレへ。
「新幹線も日本の大きな魅力の一つ」ということで、あえて新幹線に乗車するコースとなっているそうで、観光列車とはまた違う楽しさにツアー参加者の方も笑顔。着物姿で新幹線に乗車するのもこのツアーならではの体験かもしれませんね。

広島到着後は再び「ホテルグランヴィア広島」で着替えてツアー終了となります。


広島に戻る旅のアンカーは山陽新幹線

この「『etSETOra』で繋ぐ広島魅力発信ツアー」は、2023年12月28日までの木曜日(一部日程を除く)に実施され、料金は大人1名30000円(ランチ飲料代・車内飲食メニューは別途・最少催行人員12名)です。予約は公式Webサイト(https://jr-etsetora-hiroshima.jp/jp)から可能です。
インバウンド旅行者向けのコンテンツですが、国内旅行者も予約可能です。

広島と瀬戸内の文化に触れる、特別な「etSETOra」の旅はいかがでしょう??


『etSETOra』で繋ぐ広島魅力発信ツアー 公式サイト


「etSETOra」についてもっとくわしく

etSETOra(エトセトラ)―ラテン語と思いきや広島弁!? 名前の由来から車内の様子、オリジナルカクテルなど徹底解説(THE列車)


著者紹介

村上悠太

1987年鉄道発祥の地新橋生まれ、JRと同い年の鉄道写真家。
交通新聞社刊『鉄道ダイヤ情報』では「ユータアニキ」としてあらゆる現場で鉄道を支える「鉄道HERO」たちの取材を続ける。元々旅好きから写真を始めたので、乗り物に乗って旅をしながら写真を撮るのが大好き。

X:https://twitter.com/yuta_murakami
Instagram:https://www.instagram.com/yuta_murakami/

  • 取材・撮影・文=村上悠太
  • 情報は全て2023年9月時点のものです。申込時に内容変更や既に満席、終了している可能性がありますので、出発前に公式情報をご確認ください
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