トレたび JRグループ協力

2023.02.20旅行町並み、海の幸、観光列車で高知を横断 牧野博士ゆかりの地へ

JR土讃線で佐川・土佐久礼・高知をめぐる

高知県中西部に位置する佐川町は、商人が集まる城下町として栄えた。
佐川駅から西へ歩くと、土佐酒の代表格である司牡丹酒造の酒蔵や、かつて酒造や酒屋を営んでいた建物が軒を連ねる、通称・酒蔵の道が広がっている。景観を楽しむだけでなく、地酒の試飲をしたり、古民家カフェでくつろいだりするのも一興。
さらに酒の仕込みが行われる3月頃までは、通り一帯に吟醸香が漂い、酒の国である土佐らしい風情を感じることができる。

町歩きのあとは再び列車に乗り、土佐久礼駅へ。昼食は、鮮度抜群のカツオで決まり!
明治時代に、漁師の妻たちが魚を売り始めたことがルーツといわれる久礼大正町市場の鮮魚店には、厳しい目利きにかなったカツオが並んでいる。
鮮魚店で買った刺し身を皿に盛りつけ、ご飯や味噌汁と一緒に提供してくれる食堂があるので、利用したい。

帰路は、お待ちかねの観光列車「志国土佐 時代の夜明けのものがたり」に乗車。太平洋や仁淀川の景色を存分に眺めながら、高知駅へと戻った。
高知市内で1泊し、翌日は高知県立牧野植物園へ。園内随所に芽吹く春の植物や、いま注目を集めている牧野博士に関する展示など、見どころは満載。ゆっくり時間をかけて散策しよう。


牧野富太郎とは―

文久2年(1862)、高知県佐川町生まれ。
豊かな自然に育まれ、ほぼ独学で植物の知識を身につけていく。

「雑草という名の草はない」という言葉を残し、日本人として国内で初めて新種に学名を付ける。
新種や新品種など約1500種類以上の植物を命名し、日本植物分類学の基礎を築いた一人。
2023年4月から放送の連続テレビ小説『らんまん』は彼がモデル。

(写真提供=高知県立牧野植物園)


牧野博士ゆかりの地へ
佐川

牧野富太郎ふるさと館

  • 牧野博士の生家跡に建つ資料館
 

旧浜口家住宅

  • 司牡丹の仕込み水で淹れるコーヒーが人気
 

酒ギャラリーほてい

  • 司牡丹酒造のショールーム
土佐久礼

久礼大正町市場

  • 高知最高峰のカツオがここに
 

「志国土佐 時代(トキ)の夜明けのものがたり」乗車

  • 土佐流のおもてなしを楽しみながら高知駅へ。高知で1泊!
高知

高知県立牧野植物園

  • 牧野博士と春の植物に出会う

佐川

土佐の歴史と文化が薫る佐川町を歩く

日本の植物分類学の父・牧野富太郎博士の生誕地である佐川町。
博士ゆかりの植物が根づく牧野公園にはかつて佐川城があり、そのお膝元である上町地区は多様な商人が住まいや店を構えていた。
現在も伝統的な建築様式が多く残り、そうした建物を生かしたカフェや銘酒「司牡丹」のショールームなどが、町歩きのひとときを彩る。
通りの西端には牧野博士の生家跡もあるので、お見逃しなく。

牧野富太郎ふるさと館


牧野博士の生家跡に立つ資料館で、外観や意匠は当時の生家の写真をもとにデザインされている。博士の遺品や直筆の手紙などが展示されているほか、地元の人の作品も飾られており、アットホームな雰囲気が漂う。


牧野富太郎ふるさと館

住所 高知県高岡郡佐川町甲1485
問い合わせ先 0889-20-9800
時間 9:00~12:00・13:00~17:00
定休日 月曜(祝日の場合は翌日)休
交通アクセス JR土讃線佐川駅から徒歩10分
値段 無料
URL https://sakawa-kankou.jp/spot/9

旧浜口家住宅


江戸時代中期から酒造業を営んでいた浜口家の屋敷をリノベーションし、町歩きの休憩スポットとして開放。地元色豊かなカフェと土産物の販売もあり、カフェでは司牡丹の仕込み水で淹れるコーヒー400円が人気だ。


旧浜口家住宅

住所 高知県高岡郡佐川町甲1472-1
問い合わせ先 0889-20-9500(さかわ観光協会)
時間 9:00~17:00(カフェは10:00~16:00)
定休日 月曜(祝日の場合は翌日)休
交通アクセス JR土讃線佐川駅から徒歩8分
値段 入館無料
URL https://sakawa-kankou.jp/spot/3

酒ギャラリーほてい


かつて、この地に詩文や書画を愛する人々が集う料亭があったことを起源に生まれた、司牡丹酒造のショールーム。試飲コーナーや入手困難な限定酒の販売のほか、酒に関する雑貨の販売や展示コーナーもある。


酒ギャラリーほてい

住所 高知県高岡郡佐川町甲1299
問い合わせ先 0889-22-1211
時間 9:30~13:00・13:45~16:30
定休日 無休
交通アクセス JR土讃線佐川駅から徒歩8分
URL https://www.tsukasabotan.co.jp/

●観光の問い合わせ
さかわ観光協会 TEL : 0889-20-9500


土佐久礼

久礼大正町市場


久礼大正町市場 天井には大漁旗がなびく

カツオ 食堂のご飯と味噌汁セット300円と、鮮魚店で買ったカツオの刺身やタタキで昼食

高知最高峰のカツオがここに

土佐沖で一本釣りしたカツオが水揚げされる漁師町にあり、鮮魚店の目利きも厳しいことからレベルの高いカツオが並ぶと評判。買ったカツオをその場で味わったり、総菜店や雑貨店をめぐったりして楽しもう。


久礼大正町市場

住所 高知県高岡郡中土佐町久礼6372-1
問い合わせ先 0889-59-1369
時間 営業時間や休みは店舗により異なる
交通アクセス JR土讃線土佐久礼駅から徒歩5分
URL http://xn--3iqz5v2uac6ljot32netg.com/

田中鮮魚店

問い合わせ先 0889-52-2729
時間 9:00~17:00頃(食堂「漁師小屋」は10:00~14:00LO)
定休日 水曜休
URL https://tanakatuo.ocnk.net/

●観光の問い合わせ
中土佐町まちづくり課 TEL:0889-52-2365


志国土佐 時代の夜明けのものがたり


志国土佐 時代の夜明けのものがたり


志国土佐 時代の夜明けのものがたり きらびやかな客車の車窓に見えるのは、絶景の阿波(あわ)海岸

かつおデニッシュ ピリ辛のカツオが入ったかつおデニッシュ1000円~

全車グリーン車指定席の特急列車。2月の日曜・祝日と3月以降の金~月曜・祝日に、高知駅~窪川駅間を1往復運転。
土佐久礼駅~高知駅間は3610円(運賃+特急券+グリーン券)。食事や軽食は別途、予約が必要。最新情報はホームぺージを確認。

  • 2023年1月現在の情報

「志国土佐 時代の夜明けのものがたり」についてもっとくわしく

志国土佐 時代(とき)の夜明けのものがたり―1号車が歴史で、2号車はSF!?(THE列車)

高知

高知県立牧野植物園


高知県立牧野植物園 展示館の中庭には、博士ゆかりの植物約250種類が植栽されている

高知県立牧野植物園 直筆の植物図を展示するコーナー

牧野博士と春の植物に出会う

約8haの園地には牧野博士ゆかりの野生種をはじめ、3000種類以上の植物が育つ。展示館では、博士の功績を紹介する資料や緻密に描かれた植物図、植物の世界を迫力満点に見せる映像など、多彩な展示が楽しめる。


高知県立牧野植物園

住所 高知県高知市五台山4200-6
問い合わせ先 088-882-2601
時間 9:00~16:30受付
定休日 2023年は5月30日・10月30日・11月27日休
交通アクセス JR土讃線高知駅からMY遊バス30分の牧野植物園正門前下車すぐ
値段 730円
URL https://www.makino.or.jp/

高知駅発着で牧野植物園や桂浜など、市内の観光地を周遊するMY遊バス。
植物園へは五台山券(JR高知駅~竹林寺前)600円を。

MY遊バスについて、くわしくはこちら

●観光の問い合わせ
高知市観光協会 TEL:088-823-4016


  • 提供/JR四国
  • 取材・文/高橋さよ
  • 撮影/井戸宙烈
  • 写真(観光列車)/JR四国

旅の手帖 2023年3月号

『旅の手帖』は、旅の楽しさ、日本の美しさを伝える旅行雑誌です。

第1特集は、「町の来し方にも思いを馳せて なつかし町ひとり旅」。
第2特集は、「地元目線でわかる町のよさ 居心地ぬくぬく ローカル箱根へ」。

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価格  650円(税込)
発売日    2023.2.10
サイズ/判型    A4変型判
雑誌コード       05907-03


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