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「リゾートしらかみ」はこう楽しむ JR五能線経由/秋田駅→弘前駅(青森駅)秋田から日本海の海岸線を走り、本州の果て、青森へ。一度は乗ってみたい列車、 「リゾートしらかみ」。この列車に乗るために、遠くから多くの人がやってきます。みんなどんな旅をしているの? どう、この列車を楽しんでいるの?

列車DATA:リゾートしらかみ

運転区間●
1号=秋田駅発 8:25→青森駅着13:34、3号=秋田駅発11:02→弘前駅着15:51
5号=秋田駅発14:10→青森駅着19:19、2号=青森駅発 8:18→秋田駅着13:16
4号=青森駅発13:54→秋田駅着18:52、6号=弘前駅発16:09→秋田駅着20:38
きっぷ●全車指定席で、乗車券のほかに指定席券が必要
*時刻情報は平成24年3月17日現在のデータです。運転日・運転区間・時刻および編成などは変更となる場合がありますので、ご利用の際はあらかじめ『JR時刻表』などでご確認ください。

JR東日本秋田支社 五能線リゾートしらかみの旅

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「リゾートしらかみ」の旅は まさに十人十色だった

JR秋田駅のホームは、「リゾートしらかみ1号」を待つ人たちのウキウキしたムードに包まれていた。 秋田駅を出発後、しばらく住宅街を走ると、やがてどこまでも続く田んぼが現れる。琵琶湖に次ぐ大きさの湖・八郎潟を干拓してできた大潟村の田園だ。能代駅に到着。この駅のホームでは、バスケットのフリースローに挑戦できる。バスケにも挑戦したいところだが、まずは予約していた駅弁を受け取る。1個なのに、持ってきてくれてありがとう。

能代駅から5つめ、東八森(ひがしはちもり)駅を過ぎて間もなく、左手に日本海が現れた。ここから鯵ヶ沢(あじがさわ)駅までの80数km、海岸線に沿って列車は走る。釣り人まで見られるのは、それだけ海の近くを走っているから。列車がスピードを落とす絶景ポイントでは、歓声がひときわ大きくなった。

車窓だけでなく列車を降りてからも旅人を楽しませてくれるのが、この「リゾートしらかみ」の大きな特徴。十二湖駅からは青池散策、ウェスパ椿山駅からは不老ふ死温泉入浴など、季節ごとにさまざまな観光体験メニューが用意されている。

乗客のみなさんに、どんな旅の予定か聞いてみる。東京から来たご夫婦は鯵ヶ沢(あじがさわ)駅で降りてミニ白神散策に参加、秋田県美郷町から来た親子はぶさかわ犬「わさお」(これでも秋田犬なんです)に会いに、同じく秋田は能代から来た家族は弘前を散策して奥羽本線回りで能代へ。栃木から来たお父さん・お母さんの11人グループは列車に乗りに来たと言うが、お父さんたちは車内での宴会が楽しそう。千葉から来た列車好きの中学生は、すれ違う普通列車を写真撮影……。年齢も住む場所もさまざまだが、「リゾートしらかみ」の旅を楽しもうという気持ちだけは一緒だ。

そんな中、ひとりで音楽を聴きながら乗っている中学生の男の子がいた。聞けば、木造(きづくり)駅から乗車した彼は、週に一度、弘前のボクシングジム通いをしているという。快速列車であるこの列車は、地元の人の足としても利用されているのだった。

一期一会の車窓。その夕日に 乗客から拍手が起こった

弘前駅から再び「リゾートしらかみ4号」に乗り、秋田へ戻る。行きの列車とは異なり、列車に乗り込む人たちはお土産を抱え、席でウトウトしている人も多い。川辺駅~陸奥鶴田駅間では津軽弁の語り部実演を楽しんだが、列車は静かに進んでいった。そろそろ日没の頃。雲は多いが、その向こうで大きな大きな太陽が海へと沈んでいく。……沈みきった瞬間、自然に車内で拍手が起こった。

約5年乗車しているという車内販売の女性は、「こんな見事な夕日はなかなか見られないですよ、よかったですね。五能線で好きな季節ですか? 夏もいいですが、一か八かの冬が好きです。荒天で運休することも少なくないんですが、一面真っ白な中を列車が進んでいきます」

「リゾートしらかみ」を楽しむなら、時刻表や五能線のパンフレットを見ながら、列車と観光プログラムを上手に組み合わせてプランを作ろう。でも列車に乗ったら、あとはその日の天気次第。列車に身を任せて、一期一会の車窓を楽しみたい。

月刊『旅の手帖』2009年12月号

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写真=小松ひとみ
※掲載されているデータは平成23年6月現在のものです。 ※月刊『旅の手帖』2009年12月号より転載、再構成。
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