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2021.04.28鉄道TOHOKU EMOTION(東北エモーション)―年に2回もシェフが変わる!? 列車全体がレストランな“食のサーカス”(THE列車)

三陸の海と味覚を楽しめる東北レストラン鉄道

三陸の美しい海の風景を眺めながら食事が楽しめるレストラン列車が、東北の復興支援と地域の活性化を図る一環として八戸線八戸駅~久慈駅間を走る「TOHOKU EMOTION」です。

走るレストラン”をテーマにした3両編成の列車は、八戸方の1号車がコンパートメント個室車両、久慈方の3号車はオープンダイニング車両、中間の2号車は調理される様子を目の前で楽しめるライブキッチンスペース車両となっています。車両の外観は街なかのレストランをイメージしたオリジナルデザイン。乗降口は、ホームからまるでレストランに入るかのように、エントランスとして演出されています。

八戸発の往路は人気シェフの感性と地元食材の融合が織り成すコース料理の食事を、久慈発の復路ではホテルメトロポリタン盛岡が提供するTOHOKU EMOTIONオリジナルデザートを用意。“食のサーカス”という言葉をヒントに年2回担当シェフが替わり、さらにメニュー内容も4回替わるという企画で、繰り返し乗車しても飽きのこないものに仕立てられています。


鉄道コンシェルジュ ミスターKのとっておき情報

コンパートメント個室車両(1号車)


3両編成の列車の八戸方の1号車は、定員4名の個室を7室配置されたコンパートメント個室車両です。壁面ファブリックは福島の伝統工芸「刺子織」をモチーフにし、中央に人工大理石と木で構成された大型テーブル、テーブルを挟んで2人掛けの革張りクロスシートが備わっています。山側に通路と個室の出入口ドアがあり、各室には美しい海の景色を望む大型窓が備わるプライベート空間になっています。

ライブキッチンスペース車両(2号車)


3両編成の中間2号車は、山側にオープンキッチン、キッチン(厨房)、レセプションカウンターを配置したライブキッチンスペース車両です。通路とガラスで仕切られたオープンキッチンでは、提供される料理が目の前で作られる様子をライブ感覚で楽しめます。内装は青森の伝統工芸の技法「こぎん刺し」や「南部姫鞠」、岩手の「南部鉄」がモチーフ。

オープンダイニング車両(3号車)


3両編成の列車の久慈方の3号車は、海側に3~4名で利用できるテーブル席(海側1席+海向き2席+海側1席)が3組、山側には2名で利用できる三角テーブル席が4組配置されたオープンダイニング車両です。車内照明は岩手の「琥珀」、什器の仕上げ材は宮城の「雄勝硯」がモチーフ。また、久慈方の車端には車いすでも利用可能なバリアフリー対応の大型トイレが設置されています。

東北の食材のオリジナルメニュー


往路ランチコース・アミューズ

往路ランチコース・魚料理「真鯛“ポーピエット”シャンパーニュのクリーム ハーブの香り」


往路ランチコース・メインディッシュ「牛ほほ肉の煮込み」

往路ランチコース・プティフール

往路は、アミューズ・魚料理・メインディッシュの肉料理・プティフールをコース料理として提供。姫神サーモンや三陸帆立貝、八幡平マッシュルームなど季節ごとに異なる東北の食材を使用しています。ビールや白ワイン、赤ワイン、ソフトドリンクのサービスもあり、美しい車窓とともに食事を堪能できます。
復路は、デザートのアソートプレート・デザートブッフェ・オードブルが楽しめるメニューが用意されています。

  • メニューは一例であり、予告なく変更になることがあります。最新のメニューはTOHOKU EMOTION公式サイトをご確認ください。
  • 現在、デザートブッフェとオードブルはお席での提供に変更させていただいております。

沿線観光スポット「八食センター」


水揚げされたばかりの新鮮な魚介類や乾燥珍味など、八戸の「食」「楽」「遊」がてんこ盛りの市場。獲れたて魚介類を味わえる飲食店をはじめ、店内で買った食材を炭火で焼いて食べられる「七厘村」など、全長170mの市場内にバラエティ豊かな約60店舗が軒を連ねています。なお、八戸駅東口~八食センター間には、同区間を約12分で結ぶ「100円バス」が運行されています。

車窓を彩る三陸の海の風景


ウミネコの繁殖地として有名な蕪島

車窓のハイライトのひとつになるのが、鮫駅~陸奥白浜駅間で「ウミネコの繁殖地」として国の天然記念物に指定されている蕪島です。約4万羽のウミネコが集まり、ウミネコが青空と青い海に映えるシーンに出会えます。さらに海の風景を垣間見ながら走りますが、宿戸駅~陸中八木駅~有家駅~陸中中野駅間では海岸線に沿って、広大な三陸の海の風景を満喫できます。なお、ビュースポットではスピードを落として走行します。


このエリアの「途中下車の旅」はこちら▼


列車情報

運転日 土日祝を中心に運転。多客期は金曜・月曜も運転
運転区間 八戸線 八戸駅~久慈駅間
運転時刻 【往路】八戸駅11:06発→久慈駅13:02着
【復路】久慈駅14:13発→八戸駅15:59着
※ 発着時刻は目安
※ 列車はびゅう予約センターや主な旅行会社で旅行商品として発売

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著者紹介

ミスターK(結解喜幸)

1953年、東京都出身。出版社勤務を経て旅行写真作家に。鉄道や時刻表のたのしさを知り尽くした鉄道の達人。現在は地酒とつまみを追い求める「飲み鉄」にはまっている。

  • 文/ミスターK(結解喜幸)
  • 写真/東日本旅客鉄道株式会社、交通新聞クリエイト
  • 掲載されているデータは2021年4月現在のものです。
  • 運転日・運転区間等は変更となる場合があります。

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