「ひなび(陽旅)」で三陸・宮古を満喫する、1泊2日の列車旅へ!
2023年12月にデビューした観光列車「ひなび(陽旅)」に乗って、盛岡から向かうは三陸・宮古です。
この列車に乗ってどんな旅ができる? 列車を降りてからの見どころは? そんな疑問を解消するモデルコースをご提案!
運行本数が少ない山田線なので、往復ひなび(陽旅)利用がおすすめで、朝早く出発して頑張って乗るという特別感もお楽しみです。宮古駅に到着直後そして出発直前まで「この旅で食べたいものリスト」がぎっしりあるので“食い倒れ”の予感も! もちろん宮古ならではの体験「青の洞窟さっぱ船」や陸中海岸を散策するなどアクティブに楽しみつつ、1泊2日で宮古を味わい尽くします。
- ※2024年9月現在、山田線は大雨の影響で不通となっています。盛岡駅~宮古駅間で、岩手県北バス(106特急・急行バス)を振替輸送として利用可能です。なお、山田線の最新の運行情報はJR東日本ホームページにてご確認ください。
観光列車「ひなび(陽旅)」とは?
「ひなび(陽旅)」は全席指定2両編成の観光列車です。1号車がグリーン車指定席、2号車が普通車指定席で、各車両の運転台の後部には展望スペースがあります。腰掛けやソファーが設置され、大きな窓から景観を楽しめます。沿線の観光情報のアナウンスや、特別な仕様の装飾などが、旅の気分を盛り上げてくれます。
ひなびの運転日や時刻などは「のってたのしい列車ポータルサイト」へ。今回ご紹介する「ひなび宮古」のほか、釜石線を走る「ひなび釜石」・大湊線を走る「ひなび下北」があります。
2024年9月時点で発表されている運行予定では2024年12月まで「ひなび宮古」は運行がありませんが、ぜひこのモデルコースで宮古への旅のイメージを膨らませてください!
きっぷの購入は、えきねっとが便利です。グリーン席(BOX)もしくは指定席を選び、あわせて乗車券も申し込んだら、希望の座席を選択します。盛岡駅~宮古駅間は交通系ICカードが使えない区間のため、紙のきっぷの受け取りが必要です。クレジットカード決済後の予約番号かQRコードを持参し、乗車前に駅で発券しましょう。
きっぷの予約・購入はえきねっと!
「ひなび(陽旅)」釜石編は「えきねっとマガジン」で!
「ひなび(陽旅)」で宮古1泊2日・1日目
早朝&長距離移動の先に、美しすぎる宮古の“海味”尽くしに感動
盛岡から宮古まで、地域を結ぶ山田線の臨時列車「ひなび(陽旅)」に乗り、約2時間半の列車旅。先頭の車窓を眺めていると、深い山間の緑のトンネルを抜けてだんだんと青い空が広がり、並行する川の流れが速くなっていくようです。「この先に美しい海が待っている!」と、期待が高まります。
1日目①「蛇の目本店」で豪華にドーン! と“宮古体験型グルメ”を味わう
宮古駅に降り立つと、まだ海こそ見えないものの海風を感じます。まず腹ごしらえをするなら宮古名物「瓶ドン」を。市内各所で味わうことができる海鮮料理です。昔から三陸沿岸では牛乳瓶に新鮮な生ウニを詰めて売られていることから、この名物が出来上がったとか。中身の具材は各店のオリジナルになります。
駅前の「蛇の目本店」では、中瓶と小瓶が付く豪華版! 種類豊富な海鮮オールスターズが瓶に詰まっています。夏は旬の生ウニと蒸しウニを味比べができる贅沢に加え、ホヤ・イカ・ホタテ・サーモン・メカブ・アワビなど地物のオンパレード。自分で丼ぶり飯の上に具材をのせていき、彩りも鮮やかに楽しく味わうことができます。
蛇の目本店
住所 | 岩手県宮古市栄町2-8 |
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問い合わせ先 | 0193-62-1383 |
時間 | 10:00~20:30L.O |
定休日 | 水曜 |
交通アクセス | 宮古駅から徒歩すぐ |
1日目② 「丸徳」でちくわ作り&焼き立てをほおばる!
「昔ちくわ」が看板商品の「丸徳」は、明治40年創業。昔ながらの製法で手焼きするちくわは、市販品とは一味違います。三陸沖などで水揚げされたスケトウダラのみを使用した純白の生地に、ミネラルたっぷりの自然海塩と熟成させた魚醤で味を付け、合成保存料及び着色料は不使用。
この職人によって練り上げた原料肉を、ステンレスの棒に巻き付けて焼く「ちくわ作り」体験は、丸徳ならでは。簡単そうでもコツがあるとか。焼き立てをその場で食べるのが一番! ということで、「立ち食いちくわ」でいただくと、魚本来の旨みがあり噛むほどに素朴な味わいです。おみやげセットもあり、自然解凍しつつ持ち帰るか、地方発送しても喜ばれそう。
丸徳
住所 | 岩手県宮古市藤原2-4-16 |
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問い合わせ先 | 0193-62-6646 |
時間 | 9:00~16:00 |
定休日 | 水曜・日曜 |
交通アクセス | 宮古駅からバス磯鶏方面の藤原三丁目下車、徒歩約5分 |
値段 | ちくわ・さつま揚げ作り体験(ミヤコロッケ等のお土産付き)1500円~ ※1週間前までに要予約 |
URL | https://marutoku1.jp/ |
1日目③ 「浄土ヶ浜パークホテル」に滞在し、海原を見晴るかす
赤松林に囲まれた高台に建つ「浄土ヶ浜パークホテル」の眼下には、太平洋の海原と景勝地・浄土ヶ浜が広がっています。国立公園内の花鳥風月を感じながら海岸に降りて行ける散歩道があり、海辺の滞在を楽しむのに恵まれたロケーションです。時季により、宮古湾に開けた東の水平線に日の出を拝めることも。季節ごとの宿泊プランと客室タイプも豊富なので、次回の旅の計画も練りたくなります。
お楽しみの食事は、三陸の自然風土からなる四季折々の海の幸・山の恵みがいっぱい。地元の食材を熟知した料理人による、素材を活かした料理を好きなだけ味わえるビュッフェ。岩手県内に数多くある個性豊かな蔵元の地酒とともに、心行くまで味わうことができます。
浄土ヶ浜パークホテル
住所 | 岩手県宮古市日立浜町32-4 |
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問い合わせ先 | 0193-62-2321 |
交通アクセス | 宮古駅からバス浄土ヶ浜行き約15分の浄土ヶ浜パークホテル下車 |
URL | https://www.jodo-ph.jp/ |
「ひなび(陽旅)」で宮古1泊2日・2日目
三陸復興国立公園をさまざまな角度から…宮古を味わい尽くす!
前日に海鮮尽くしを体験して、満腹至福となった体を整えようと、2日目はウォーキングがてら浄土ヶ浜散策からスタート。「さっぱ船」に乗ったり展望台をめぐったり、三陸復興国立公園の自然景観を海から陸から体感します。
2日目① 「浄土ヶ浜マリンハウス」から「さっぱ船」に乗っていざ海へ
奥浄土ヶ浜から、砥石浜、中の浜に向かって海岸沿いを歩き、トンネルを抜けて「浄土ヶ浜マリンハウス」へ。当日の天候や波の状態などが良く、受け付けができれば、海を身近に体験できるツアーに参加できます。
所要時間20分の小さな旅で、変化に富んだ風光明媚な海岸線を、海上から眺めてみましょう。「浄土ヶ浜」というこの地名と関連した、剣の山・賽の河原・血の池などと呼ばれる見どころを遊覧し、流紋岩の白い岩肌を間近に見られます。
さらに「陸中海岸の青の洞窟」と呼ばれる「八戸穴」にアプローチできるのは、小型のさっぱ船だけ。好条件が揃って洞穴に入れたらラッキー! 澄み渡るエメラルドグリーンの光景にお目にかかれますよう。
さっぱ船(浄土ヶ浜マリンハウス)
住所 | 岩手県宮古市日立浜町32-4 |
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問い合わせ先 | 0193-63-1327 |
時間 | 8:30~17:00 |
定休日 | 無休(12月~2月冬季休業) |
交通アクセス | 宮古駅からバス浄土ヶ浜行き約17分の浄土ヶ浜ビジターセンター下車、徒歩5分 |
値段 | 1500円(予約不可、当日現地で受付) |
URL | http://j-marine.com/sappa/ |
2日目② 「浄土ヶ浜散策」で海から陸から高台から絶景に出合う
三陸復興国立公園にあり、宮古の代表的な景勝地である浄土ヶ浜。入り江の奥にある浜辺に立つと、静寂な美しさに息をのみ、この地を発見した先人が極楽浄土にたとえたというのもわかる気がします。角度を変えて、浄土ヶ浜一帯の景観を楽しむこともできます。まずは海岸で、そして海上から、さらに高台からも。ビューポイントが異なる展望台が複数あるので、いくつかの展望台をめぐるのもいいでしょう。季節や時間帯で見え方も変わる自然景観を体感することができます。
「浄土ヶ浜フィールドマップ」によると「御台場展望台」を含む、片道30分の「うみかぜコース」が軽めのウォーキングにおススメです。途中に展望デッキや休憩スポットもあります。
浄土ヶ浜散策
住所 | 岩手県宮古市日立浜町32-69 |
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問い合わせ先 | 0193-65-1690(浄土ヶ浜ビジターセンター) |
交通アクセス | 宮古駅からバス浄土ヶ浜行き約17分の浄土ヶ浜ビジターセンター下車 |
2日目③ 「浄土ヶ浜ビジターセンター」でひと休み&エリア情報収集
散策ののちにたどり着くのは、宮古周辺地域の南北180kmに及ぶ三陸復興国立公園の中核施設である「浄土ヶ浜ビジターセンター」。東日本大震災のあと陸中海岸国立公園から名称等が変更(2013年)されたように、景観の美しさと切り離せない大自然の脅威も知ることになります。震災の記憶や、防災の大切さも伝えています。
今回は先に散策しましたが、1階「浄土ヶ浜ガイド」で、見どころのポイントをチェックしてから散策を始めると安心。季節によりさまざまな動植物を観察することもできる浄土ヶ浜の自然環境や、景観コースを案内する散策マップなど最新情報を収集できます。
また、全長1000kmを超える「みちのく潮風トレイル」に関する情報も発信。レベルや時間、目的に合わせたルートを紹介しています。
浄土ヶ浜ビジターセンター
住所 | 岩手県宮古市日立浜町32-69 |
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問い合わせ先 | 0193-65-1690 |
時間 | 9:00~17:00 |
定休日 | 年末年始 |
交通アクセス | 宮古駅からバス浄土ヶ浜行き約17分の浄土ヶ浜ビジターセンター下車すぐ |
値段 | 入館無料 |
URL | https://jodogahama-vc.jp/ |
2日目④ 中華そばの名店「多良福」で宮古旅の〆の一杯を
「多良福」の中華そばには、初めて食べる人でも懐かしさを覚える不思議な魅力があります。常連客は店に入るや否や、人数ではなく「1つ、2つ」と言います。メニューは迷うことなく「中華そば」一択だから。店内に漂う煮干しの良い香り、チャーシュー、ネギ、海苔、メンマと昔ながらの中華そば。ひと口含めば、煮干しと醤油の旨みが広がり「ああ、これこれ」としみじみ。あっさりと飲みやすいスープに、細くも太くもない平たい感じの縮れ麺がよく合います。
昭和28年創業、先代から受け継いだ味を守る中華そばの名店。宮古まで足を運んでも、並んでも食べたい多くの人が、連日行列をなしています。その縁起のいい店名も通いたくなる味わいなのです。
多良福
住所 | 岩手県宮古市大通1-1-20 |
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問い合わせ先 | 0193-62-5607 |
時間 | 10:30~18:30 |
定休日 | 火曜 |
交通アクセス | 宮古駅から徒歩8分、または中央通りバス停から徒歩1分・大通二丁目バス停から徒歩3分 |
2日目⑤ 「パティスリー レ・ド・シェーブル」で宮古育ちのヤギミルクを
宮古駅前で赤色が目を引くスポット。フランス語で「ヤギのミルク」を名にした洋菓子店です。市内にある「しあわせ牧場」の森で自然放牧するヤギのミルクを使ったスイーツが評判で、牛乳とは違う味わいを活かしたケーキやプリン、種類豊富なクッキーのほか、当店限定のソフトクリームを求める人がひっきりなしに訪れます。季節によって牧草やハーブなどヤギが食べる植物が変わり、そのグラスフェッドミルクの味も一年中同じではないというのが自然の証です。
搾りたてのヤギミルクの生クリームが濃厚なプリンは幸せの極み! 列車内でも食べやすいクッキーのなかで、大人向けの海の味シリーズ(ウニ・ホタテ・アカモク)は、ほかにはないお土産となります。
パティスリー レ・ド・シェーブル
住所 | 岩手県宮古市大通4-5-10 |
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問い合わせ先 | 0193-65-6800(しあわせ乳業) |
時間 | 10:30~18:00 |
定休日 | 年末年始 |
交通アクセス | 宮古駅から徒歩2分 |
URL | https://yagimilk.jp/ |
のんびり列車旅で行くからこその「海味」満喫
岩手県の広さを感じる片道2時間半、山田線「ひなび宮古」に乗ること自体がラッキー体験です。レアな列車旅に加えて、三陸のダイナミックな自然景観を陸から海から堪能し、豪華な海鮮の食事、ロケーション抜群の宿、宮古滞在の1泊2日のなかにたっぷり「海味」が凝縮されています。食欲が満たされるご馳走のループに、お土産と別腹のスイーツも手に入れて、本州最東端の街・宮古へ旅の続きをしてみませんか?
今回のモデルコース
- 1日目(土曜日想定)
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6:32発
東京駅 はやぶさ1号乗車
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8:44着
盛岡駅
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8:51発
盛岡駅から「ひなび(陽旅)」乗車
- のんびり車窓を眺める列車旅
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11:19着
宮古駅
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11:30~
蛇の目本店
- 宮古といえば! 瓶ドンを味わう
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13:00発
宮古駅前(バス停)岩手県北バス 実田・八木沢経由 宮古駅前行き乗車
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13:07着
藤原三丁目(バス停)下車
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13:15~
丸徳(ちくわ作り体験)
- 自分でちくわを焼いて、焼きたてをほおばる貴重な体験
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15:00ごろ
タクシーで浄土ヶ浜パークホテルへ(宿泊)
- 目の前に宮古湾・太平洋の絶景がひろがる
- 2日目(日曜日想定)
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10:00~
浄土ヶ浜パークホテルから浄土ヶ浜マリンハウスへ。さっぱ船体験
- さっぱ船でしか行くことのできない八戸穴(陸中海岸の「青の洞窟」)を堪能
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下船後
浄土ヶ浜散策
- 御台場展望台からの眺望を楽しんだり海岸沿いを歩いたり、絶景を満喫
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11:30~
浄土ヶ浜ビジターセンター
- 展示物を見つつ、一休み
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12:15発
浄土ヶ浜ビジターセンター(バス停) 岩手県北バス 宮古駅前行き乗車
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12:28着
大通二丁目(バス停)下車
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12:35~
多良福
- 昭和28年創業、透き通るスープが特徴の宮古を代表するラーメン
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13:45~
パティスリー レ・ド・シェーブル
- ヤギのミルクを使ったスイーツが人気
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14:47発
宮古駅から「ひなび(陽旅)」乗車
-
17:22着
盛岡駅
-
17:50発
はやぶさ38号乗車
-
20:04着
東京駅
- ※時刻は取材時(2024年8月)のものです。お出かけの際は最新の時刻表等をご確認ください。
著者紹介
- ※提供/(株)JR東日本ネットステーション
- ※取材・文/新山さゆり
- ※撮影/阿部和史
- ※写真提供/浄土ヶ浜パークホテル、浄土ヶ浜ビジターセンター、宮古観光文化交流協会