トレたび JRグループ協力

2021.06.29鉄道東北の未来を支えるBRTとともに歩む、新しい駅の姿

駅の数ほど物語がある?知れば知るほどおもしろい駅めぐりの旅にご招待

全国を結ぶ鉄道は、人々の生活に欠かせない存在となっています。乗り鉄、撮り鉄、音鉄など、楽しみ方は人それぞれな時代。

そして鉄道といえば、車両もさることながら、負けず劣らず個性豊かな駅も魅力のひとつです。不思議な駅名、不思議な形の駅舎、一見変わっては見えないけれど驚きの秘密がある駅。全国のちょっと変わった駅を集めていきます。

今回も前回に引き続き、東北エリアの駅をご紹介します。東日本大震災から10年。東北のまちや鉄道は、たくましく復興の道を歩んでいます。交通の復興として、新しい姿で「地域のあるべき未来」を目指す、BRTの駅をご紹介します。

東北ってどんなところ?


青森県・秋田県・岩手県・宮城県・山形県・福島県の6県からなり、日本の東側に位置しています。世界遺産に登録されている「白神山地」や「平泉」、日本三景「松島」、三大祭り「青森ねぶた祭り」「秋田竿燈まつり」「仙台七夕まつり」、山形県の「銀山温泉」や秋田県の「乳頭温泉」、宮城県の「蔵王温泉」など、書ききれないほど見どころに溢れています。

東日本大震災から10年が過ぎ、復興は各地で進んでいます。四季の美しさだけではなく、復興に取り組む姿も、忘れてはならない東北の“今”です。

写真のスポットは青森県の鶴の舞橋です。こちらの記事でご紹介しています。

過去、現在、そして未来へ。東北の人々の思いを運ぶ

鉄道とBRT。姿は変わっても、街を、人を、元気にしていきたいという気持ちは同じです。そんな思いが繋ぐ、過去と現在の駅の様子をご紹介していきます。


そもそもBRTとは?

BRTとは「バス・ラピッド・トランジット」(Bus Rapid Transit)の頭文字を取った言葉です。日本語に訳すと「バス高速輸送システム」。東北エリアでは、震災で被災した気仙沼線・大船渡線に採用され、線路敷を活用したBRTの専用道を整備。更に、専用トンネルや橋の効果で、安全とスピードを両立。渋滞や信号待ちが少なく、より安定した運行が可能になりました。路線をBRT化するにあたっては、従来の駅(停留所)だけでなく、新駅も設置されました。運行本数も鉄道が走っていたときの約3倍に増えるなど、利便性の向上が図られています。

気仙沼線BRT 志津川駅

志津川駅は宮城県本吉郡南三陸町にある駅です。鉄道駅の開業は1977年12月。気仙沼線は、1957年に気仙沼駅~本吉駅が、1968年に前谷地駅~柳津駅が部分開業。その後、柳津駅~本吉駅(34キロメートル)の完成により、気仙沼線気仙沼駅~前谷地駅間(72.8キロメートル)が全通しました。当日は記念列車の出発式が行なわれ、多くの人が祝福に集まりました。


志津川駅での出発式の様子 志津川駅での出発式の様子


BRT 志津川駅 2015年の移設前の様子です。現在とは異なります。

2011年に被災。津波によりホームのみを残し駅舎・旅客上屋は流失しましたが、その約1年半後の2012年8月に鉄道駅と同じ場所にBRTの駅が誕生。その後、2017年に「南三陸さんさん商店街」の本設オープンに合わせ、現在の場所に移設されました。また、2021年3月には、上り線の陸前小泉駅~志津川駅間で初の快速便が設定され、通学利用や高速バス「仙台気仙沼線」への乗換えが便利になりました。

【スポット紹介】南三陸さんさん商店街


いつもたくさんの人でにぎわう南三陸町にある商店街。「サンサンと輝く太陽のように、笑顔とパワーに満ちた南三陸の商店街にしたい」というコンセプトのもと、東日本大震災で被害を受けた店舗が集まり、2012年に仮設商店街としてオープン。2017年に常設商店街としてリニューアルしました。観光客だけではなく地元の人も多く訪れます。

日本を代表する建築家・隈研吾氏が設計。地元産の杉をふんだんに使った木造平屋に飲食店や鮮魚店、土産店などが並びます。

気仙沼線BRT・大船渡線BRT・大船渡線(鉄道) 気仙沼駅


気仙沼駅は1929年7月に大船渡線の終着駅として開業しました。写真は1953年に行なわれた、大船渡線の気仙沼線気仙沼駅~本吉駅間の建設起工式の様子です。駅前には祝賀塔が建ち賑わいました。


現在は、気仙沼線BRT・大船渡線BRT・大船渡線(鉄道)が乗り入れています。鉄道とBRTが同じホームあり、段差を極力なくしたレイアウトで乗り換えも便利に。さらに賑わいのスペースも設けられ、地域の拠点となっています。

大船渡線BRT 大船渡駅

1934年に開業。「こぢんまりと佇む港町散策の起点駅」として東北の駅百選にも選ばれましたが、震災の被害を受け大部分を消失しました。


震災前の様子

現在は、トイレや待合室を備えた、明るくてスマートな駅を整備。運行状況の提供をモニターで行う利便性のほか、荒天時や夜間でもホッとするような駅を目指し、整備が進められています。


現在の大船渡駅

開通当初は暫定的なサービスとされていたBRT。しかし現在は鉄道の代わりではなく、新しい交通機関として注目され、新潟県や東京都でも導入されています。

気仙沼線BRT・大船渡線BRTエリアでは、BRTも利用できるおトクなきっぷや沿線への旅行商品が販売されています。また、沿線自治体の復興まちづくりや要望をふまえたBRT新駅の設置など、誰もが便利で安心して使える、暮らしや旅行に便利なサービスとなっています。

東北デスティネーションキャンペーン情報を発信中!


「デスティネーションキャンペーン(DC)」とは、JRと自治体や旅行会社などが協力し、地域の新たな魅力を発信し誘客する国内最大級の観光キャンペーンです。

2021年4~9月の開催地は東北6県。人の手の及ばぬ自然の力や長い歳月がつくりだした神秘の光景。人の営みが生んだあたたかな情景。どこか懐かしい味わいがあるかと思えば、その土地でなければ叶わない驚きの体験がある。

星の数ほどもある素敵な場所をテーマで繋ぎ、ぐるりと巡る旅はいかがでしょうか。


東北デスティネーションキャンペーン特集ページはこちら

あなたの身近のちょっと変わった駅教えてください

「いつも通るあの駅、なんか変わっているなあ」という駅はありませんか?
ぜひトレたび編集室に教えてください!

Twitterで
①駅名
②変わっているポイント
③いつ時点の情報か
を書いて「#トレたび駅めぐり」を付けてつぶやいてください。
画像もアップしていただけるとうれしいです!

【四国、和歌山県、秋田県、京都市】の情報を募集中です。

投稿いただいたテキスト、画像、Twitterアカウントをご紹介させていただきます。


Twitterやってないよという方はこちらからお願いします

  • トレたび編集室/編
  • 写真/交通新聞クリエイト
  • 掲載されているデータは2021年6月現在のものです。変更となる場合がありますので、お出かけの際には事前にご確認ください。
トレたび公式SNS
  • X
  • Fasebook