トレたび JRグループ協力

2023.06.21旅行【東京・名古屋・大阪発】夏だ! みんなで出掛けよう! 「水」をめぐる青春18きっぷの日帰り&1泊旅行

追加料金を払えば、ちょっと贅沢な席も利用できる! 仲間と楽しく、気軽なプチ旅へ

青春18きっぷというと「1人で5日の旅」の印象が強いかもしれません。ところがこの「5日分」は「5回分」と読み替えることもでき、グループ旅にも使えます。

そこで今回は、東京・名古屋・大阪が発着地点の、各エリアのグループ旅プランをご紹介します。一人旅ではなかなかできない、体験型アクティビティでこの夏だけの思い出を作りましょう!

<東京発>青春18きっぷで行く日帰り旅 利根川の豊かな水量と戯れる! 群馬みなかみの旅へ


モデルルート
05:01発

東京駅 山手線 内回り

05:09着

上野駅 乗り換え

05:13発

上野駅 高崎線 高崎駅行き

06:55着

高崎駅 乗り換え

07:11発

高崎駅 上越線 水上駅行き

08:18着

水上駅 乗り換え

08:28発

水上駅 上越線 長岡駅行き

08:33着

湯檜曽(ゆびそ)駅

  • まるでジェットコースター! 利根川でラフティング体験
12:51発

湯檜曽駅 上越線 水上駅行き

12:56着

水上駅

  • 温泉街のこぢんまりした日帰り温泉「ふれあい交流館」
16:47発

水上駅 上越線 高崎駅行き

17:50着

高崎駅 乗り換え

17:59発

高崎駅 高崎線 沼津駅行き

20:00着

東京駅

初めてのラフティング体験に夏の訪れを喜ぶ

東京駅発の日帰り旅は出発が早朝5時すぎ! よほど朝に強くない限りは眠い時間帯です。

そんなときの強い味方はグリーン車! 青春18きっぷでは別途グリーン券を購入すれば、首都圏の普通列車に併結されているグリーン車自由席が利用できます。上野駅~高崎駅間の料金は平日が1,000円、土休日は800円です。

リクライニングシートでプチ贅沢気分を味わいながら旅のスタートを切りましょう。なお、グリーン券は車内で購入すると前述の料金より260円高くなるので、早めの購入がおススメです。


普通列車「グリーン車」とは? 指定席との違い・料金や乗り方など徹底解説!

普通列車グリーン車を利用する前に知っておきたい情報をまとめてご紹介します。

睡眠移動で高崎駅まで移動したのちは、高崎駅、水上駅と細かく乗り換えを行っていきます。このうち水上駅については、その先に進める列車が少ない影響から、18きっぷシーズンは普段より人が多いことも。もっとも、乗車するのは水上駅の一駅隣、湯檜曽駅までの5分とほんのわずかな時間なので、座れなくてもご安心ください!

今回の旅は、湯檜曽駅で初めて下車するわけですが、実はこの駅も見どころの一つ。ホームが「新清水トンネル」の中にあり、真夏であっても幾分かひんやりしています。


まるでジェットコースター! 利根川でラフティング体験

東京発日帰り旅、一つ目のお楽しみは「ラフティング」です。

ラフティングとは、大型ボートに乗り込み、激流を下っていくアクティビティで、みなかみ町を流れる利根川は国内でも屈指のラフティングスポットとして知られています。

雄大な山々と透き通った利根川の景色を堪能しながら、ガイドさんと一緒に皆でボートを漕いでいきましょう! ライフジャケットやヘルメットを着用するので、泳ぎに自信のない方も参加できます。

もしもここでハマってしまったら、雪解け水の激流が楽しめる春シーズンのラフティング、渓流を体一つで下っていくキャニオニングなど、次なるアクティビティも用意されていますよ。



みなかみラフティングツアー

住所 群馬県利根郡みなかみ町湯檜曽45(キャニオンズみなかみベース)
問い合わせ先 050-4560-3800
時間 9:00~、13:00~(みなかみ夏ラフティング半日コースのスタート時間、所要3~4時間)
定休日 不定休
交通アクセス 湯檜曽駅から徒歩約9分(※水上駅から送迎あり)
値段 13歳以上8,500円、6歳から12歳5,500円 ※川の水量が増した場合には12歳以下の子どもは参加できないことがあります
URL https://canyons.jp/tour-product/minakami/rafting/summer-rafting

温泉街のこぢんまりした日帰り温泉「ふれあい交流館」

また、水上駅近くの利根川沿いには「水上温泉」が位置し、飲食店などの並ぶ昔ながらの温泉街が広がっています。

街の中心部には日帰り温泉施設「ふれあい交流館」があります。お風呂はこぢんまりした内湯で、気の置けない仲間との旅にはうってつけといえます。湯上りは併設の休憩室で、まったり過ごしましょう。



ふれあい交流館

住所 群馬県利根郡みなかみ町湯原801
問い合わせ先 0278-72-8885
時間 冬期:11:00~20:30、夏期:11:00~21:00
定休日 火曜日(休日の場合は翌日)
交通アクセス 水上駅から徒歩約12分
値段 中学生以上600円、3歳以上小学生12歳未満280円、3歳未満(保護者同伴の場合)無料、障害者(手帳保持者)380円
URL https://www.enjoy-minakami.jp/spa.php?itemid=585

日帰り旅も終わりが近付き、朝に乗車した上越線、高崎線を戻っていくことになります。水上駅を発車したら進行方向右側の利根川にご注目ください。ラフティングを楽しみ、温泉街を満喫した後だと、来る前よりも親しみを持って見ることができるかもしれません。

高崎駅から東京駅方面行きの列車に乗車するころには、夕食の時間帯に差し掛かります。高崎駅から東京駅方面に向かう列車は本数が比較的多いので、駅ビル内のレストランで食事を楽しんでから、あるいはお弁当類を入手してから帰路につくのもおススメです。往路同様、グリーン車自由席の利用も検討しましょう!


運賃料金参考

合計6,350円

東京駅→湯檜曽駅3,080円、湯檜曽駅→水上駅190円、水上駅→東京駅3,080円

青春18きっぷ1回分(2,410円)を使うと、3,940円もお得!

<名古屋発>青春18きっぷで行く1泊2日旅 飯田線秘境駅と天竜川下りツアー


モデルルート1日目
06:58発

名古屋駅 東海道本線 新快速 豊橋駅行き

07:56着

豊橋駅 乗り換え

08:11発

豊橋駅 飯田線 天竜峡(てんりゅうきょう)駅行き

11:51着

田本駅

  • 断崖絶壁の秘境駅、田本駅を訪ねる
13:10発

田本駅 飯田線 豊橋駅行き

13:42着

小和田(こわだ)駅

  • 秘境駅のトップクラス、小和田駅で下車
16:11発

小和田駅 飯田線 天竜峡駅行き

17:16着

天竜峡駅


モデルルート2日目
9:00頃

天竜峡駅

  • 天竜川の季節を感じる「ライン下り」
12:59発

唐笠駅 飯田線 豊橋駅行き

16:16着

豊橋駅 乗り換え

16:31発

豊橋駅 東海道本線 新快速 米原駅行き

17:28着

名古屋駅

田本駅、小和田駅、秘境駅も仲間と行けば怖くない?

名古屋発のコースは、豊橋駅から飯田線を攻めていきます!  飯田線は天竜川に沿って走る風光明媚な路線である一方で、鉄道ファンの間では、秘境駅路線としても知られています。

秘境駅とは「人里離れたところにあり、乗降客が極めて少なく、列車以外でのアクセスが極めて困難な駅」を指します。鉄道旅を楽しんでいる方なら「一度は訪れたい!」と思ったことがあるのではないでしょうか?

一人で下車するのは少し不安ですが、みんなで降りれば怖くないはず! そこで上り列車と下り列車をうまく組み合わせて効果的なプランを組み、代表的な2駅を訪れてみましょう。同じ区間を行ったり来たりできるのは、フリータイプの18きっぷだからこそできるワザともいえます。

断崖絶壁の秘境駅、田本駅を訪ねる

最初に訪れるのは、断崖絶壁に張り付くように位置する田本駅です。ホーム両端にはトンネルが設けられており、逃げ場がなさそうに見えますが、トンネルの壁面の階段を進んでいくと、天竜川の吊り橋に至ります。

ちなみに、最寄りの集落までは徒歩約20分! 道が細いため車ではアクセスできません。



田本駅

住所 長野県下伊那郡泰阜村田本

秘境駅のトップクラス、小和田駅で下車

続いて下車するのは、小和田駅です。正式な読み方は「こわだ」ですが、1993年に当時の皇太子殿下と雅子さまがご成婚された際、雅子さまの旧姓「小和田(おわだ)」と同じ漢字であったことから、恋愛成就を求めるカップルが殺到、臨時列車も運行されるほどだったそうです。

実際、駅舎にはそのときの臨時列車で使われたであろうヘッドマーク「慶祝 花嫁号 小和田発ラブストーリー」も展示されています。なお、駅の周囲には、製茶工場と民家の廃屋以外、家屋はありません。

こうした秘境駅にはお手洗いがないため、訪れる際は事前に車内のトイレを利用しておきましょう!



小和田駅

住所 静岡県浜松市天竜区水窪町奥領家

天竜川の季節を感じる「ライン下り」

さて、2日目は初日に車窓や秘境駅から眺めた天竜川を木造舟で下っていきます。もともと天竜川の舟下りは江戸時代から続く物資輸送がその起こりです。

およそ10キロの距離を最大50分かけてゆったり下っていき、夏であれば緑のなかにヤマユリやイワタバコが咲き乱れる天竜峡の渓谷美が楽しめます。船頭さんの投網のショーも見どころの一つです。


ライン下りの終着地、唐笠港から唐笠駅までは歩いてすぐなので、帰りは飯田線にそのまま乗車、まっすぐ豊橋駅に向かえます。ただし、駅舎は無人駅で売店などはないため、飲み物などはあらかじめ天竜峡駅で購入しておきましょう。


天竜ライン下り

住所 長野県飯田市龍江7115-1
問い合わせ先 0265-27-2247(天龍ライン遊舟有限会社)
時間 通常運行(4月~11月)9:20~、11:45~、14:10~、15:20~ 冬期運行(12月~3月)10:30~、14:10~(乗船時間は最大50分)
定休日 不定休
交通アクセス 天竜峡駅から徒歩約2分
値段 中学生以上3,600円、小学生2,600円、未就学児1,600円、0歳~2歳は大人1名につき1名無料
URL https://tenryuline.com/

運賃料金参考

合計7,920円

・1日目 小計4,510円
名古屋駅→田本駅3,410円、田本駅→小和田駅420円、小和田駅→天竜峡駅680円
・2日目 小計3,410円
唐笠駅→名古屋駅3,410円

青春18きっぷ2回分(4,820円)を使うと、3,100円もお得!

<大阪発>青春18きっぷで行く日帰り旅 山陰・豊岡までぐるっと一周の旅へ


モデルルート
05:55発

大阪駅 福知山線 福知山駅行き

08:19着

福知山駅 乗り換え

08:54発

福知山駅 山陰本線 豊岡駅行き

10:10着

豊岡駅 乗り換え

10:13発

豊岡駅 山陰本線 浜坂駅行き

10:19着

玄武洞(げんぶどう)駅

  • アクセス手段は渡し船!「玄武洞ミュージアム」を楽しんだ後は自然の美が眼前に迫る「玄武洞」へ
14:51発

玄武洞駅 山陰本線 福知山駅行き

15:37着

和田山駅 乗り換え

15:50発

和田山駅 播但線 寺前駅行き

16:42着

寺前駅 乗り換え

16:46発

寺前駅 播但線 姫路駅行き

17:34着

姫路駅 乗り換え

17:41発

姫路駅 神戸線 新快速 草津駅行き

18:43着

大阪駅

対岸の玄武洞、アクセス手段は「渡し船」

大阪駅発のコースは、福知山線と山陰本線を利用し、一気に日本海側まで抜けていきます。福知山線の宝塚駅までは住宅が並びますが、それ以降は武庫(むこ)川や円山(まるやま)川など、水の景色が続きます。

下車駅の玄武洞駅は、円山川の対岸に位置する国の天然記念物「玄武洞」に由来します。対岸へのアクセス手段といえば一般的に「橋」を思い浮かべますが、ここで利用するのは、玄武洞ミュージアムが運営する「渡し船」です。渡船にかかる所要時間はおよそ7分。乗船にあたっては、事前に玄武洞ミュージアムに駅到着時刻を連絡しておきましょう。


「石」の不思議な世界や豊岡の伝統工芸が学べる!「玄武洞ミュージアム」

さて、渡し船を下車したら、まずは「玄武洞ミュージアム」に向かいましょう。

玄武岩の六角形と5つの洞の並びをイメージした施設には、世界中のさまざまな「石」と、豊岡の伝統産業「豊岡杞柳(きりゅう)細工」が展示されています。また、杞柳細工に用いられる豊岡産「コリヤナギ」と「籐(とう)」を使ったかご編み、石のアクセサリー作りなどの体験メニューも豊富に用意されており、旅の思い出作りを楽しめます。



玄武洞ミュージアム

住所 兵庫県豊岡市赤石1362
問い合わせ先 0796-23-3821
時間 9:00~17:00
定休日 12月31日、1月1日 ※臨時休業あり
交通アクセス JR玄武洞駅から渡し船約7分(当日営業時間内、または前日までに要連絡)
値段 中学生以上800円、小学生500円、幼児(4歳以上未就学)400円 ※幼児のみの入館不可(渡し船往復 中学生以上700円、小学生400円、幼児200円)
URL https://genbudo-museum.jp/

自然の美が眼前に迫る「玄武洞」

玄武洞ミュージアムで知見を深めたら、そのまま徒歩約5分の玄武洞公園へ。

玄武洞では、今からおよそ160万年前の噴火により形成された玄武岩溶岩による柱状節理(柱状の割れ目)に圧倒されます。ちなみに洞窟の形状になったのは、江戸時代から明治時代にかけて人が石を採取したことによるのだとか。

公園内では、このほかに青龍洞、白虎洞、南朱雀洞、北朱雀洞と、四方を司る四神の名が付けられた特徴的な洞が見学できます。自然のダイナミックな造形美には思わず圧倒されます。



玄武洞公園

住所 兵庫県豊岡市赤石1347
問い合わせ先 0796-22-4774
時間 9:00~17:00(最終入園は16:30)
定休日 12月29日~1月3日 ※臨時休園あり
交通アクセス JR豊岡駅からタクシーで約15分、JR城崎温泉駅からタクシーで約10分(玄武洞ミュージアムからは徒歩約5分)
値段 大人500円、学生300円、中学生以下無料
URL https://genbudo-park.jp/

往路は山陰本線を利用してきましたが、まったく同じ行程で帰るのは退屈です。そこで、復路は播但線を利用していきます。和田山駅から寺前駅までは非電化区間であり、山と田園の車窓でローカル線気分が堪能できます。

最後は姫路駅から大阪駅まで神戸線の新快速列車で一気に戻っていきます。もし平日の旅であれば、「Aシート」の利用がおススメです。Aシートとは、2019年に始まった、新快速列車の有料座席指定サービスです。ちょうど、今回の旅で姫路駅から乗る列車には、専用車両が連結されており、青春18きっぷであっても、駅の券売機などで別途指定席券(840円)を購入すれば利用可能。

座席はリクライニングにテーブル、それにコンセントも用意されているので、写真を撮りすぎてバッテリー残量が不安なスマホの充電もできちゃいます!


運賃料金参考

合計6,490円

大阪駅→玄武洞駅3,080円、玄武洞駅→大阪駅3,410円

青春18きっぷ1回分(2,410円)を使うと、4,080円もお得!

JRのおトクなきっぷ「青春18きっぷ」

全国のJR線普通・快速列車の普通車自由席が一日乗り放題のきっぷ。「青春18」と名付けられていますが、年齢制限はなし! 1券5回(日)分セットで、ねだんは12,050円。同一行程であれば、最大5人まで同時に利用できます。


2023年~2024年「青春18きっぷ」発売期間・利用期間


◎夏

発売期間 2023年7月1日(土)~2023年8月31日(木)
利用期間 2023年7月20日(木)~2023年9月10日(日)

◎冬

発売期間 2023年12月1日(金)~2023年12月31日(日)
利用期間 2023年12月10日(日)~2024年1月10日(水)


著者紹介

蜂谷あす美

旅の文筆家。福井県福井市出身。慶應義塾大学卒業後、出版社勤務を経て、現在に至る。「旅は再訪のための下見」をモットーに、2015年1月にJR全線完乗。鉄道と旅を中心としたエッセイや紀行文などを数多く執筆しているほか、ご当地牛乳にほれ込み牛乳の連載も経験あり。最近はラジオをはじめ、トークでも活躍。著書『女性のための鉄道旅行入門』『もっとお得にきっぷを買うアドバイス50』(ともに天夢人)

オフィシャルHP
X(旧Twitter)

  • 文:蜂谷あす美
  • 写真:一般社団法人みなかみ町観光協会、株式会社キャニオンズ、天龍ライン遊舟有限会社、公益財団法人玄武洞ミュージアム、玄武洞公園、蜂谷あす美
  • 掲載されているデータは2023年6月現在のものです。変更となる場合がありますので、お出かけの際には事前にご確認ください。
トレたび公式SNS
  • X
  • Facebook
  • Instagram