名古屋から特急しなの号で約2時間
長野県のほぼ中央に位置する塩尻市。「是より南 木曽路」と記された石碑が示すように、木曽街道11宿の北の入口にあたります。今回は塩尻駅を起点に木祖村の藪原宿まで木曽路を南下します。塩尻駅周辺の絶景高原スポットやワイナリー、江戸と京都を結ぶ中山道69次の中間に位置する奈良井~藪原宿界隈を紹介していきます。
- ※上の写真は、奈良井宿(提供:(一社)塩尻市観光協会)
塩尻と木祖村を巡るモデルコースをご紹介!
ワインとぶどうのまち・塩尻
ワインとぶどうのまち・塩尻市。中でも塩尻駅3・4番ホームにある「ホームのぶどう棚」は塩尻市にしかないイチ推しスポット。ここで作られたワインは、11月頃から新酒として販売されており、ふるさと納税(塩尻特産品)の返礼品としても人気です。
ワイナリー巡り
塩尻市は、昼夜の寒暖差が大きく砂利や火山灰土が含まれた段丘がぶどう作りに適しており、市内には100年以上続く老舗から個人醸造家まで多彩なワイナリーが点在します。
林農園(五一わいん)
今回は「五一わいん」で知られる林農園を訪ねました。収穫を終えたばかりの農園には甘~い香りが…。農場見学、試飲(有料)も楽しめます。※塩尻駅から徒歩約25分
長野県民のソウルフード 牛乳パン
塩尻駅周辺は、美味しいパン屋さんの激戦区。塩尻名産のワインを使用したワインブレッドをはじめ、長野県のソウルフードとも言われる「牛乳パン」が人気です。駅から徒歩5分ほどにある「ブーランジェリーナカムラ」は地元に愛される人気ベーカリー。ふわふわのパン生地に牛乳クリームがたっぷり入った、「牛乳パン」をはじめ、いろどり鮮やかなパン達がまるで宝石箱のように並んでいました。
山賊焼
お腹が空いたら山賊焼はいかがでしょう。揚げ物なのに山賊焼とはこれ如何に?由来は、鶏を揚げる(とりあげる)からとも、先代店主の風貌からとも言われています。今では信州グルメに数えられる山賊焼ですが、元祖は塩尻と言われています。外はカリッ、中は肉厚ジューシーでパンチの効いたスパイスに思わず「美味い!」。
高ボッチ高原
高ボッチ高原は塩尻市東部に位置し、なだらかな傾斜が広がる高原。360°の眺望が開けた山頂からは、北アルプスの山々はもちろん、眼下の諏訪湖越しに南アルプス、晴天なら富士山を望むことができます。10~11月には高い確率で雲海を見ることができ、全国各地から写真愛好家が訪れます。※冬季閉鎖中(4月中旬まで)。塩尻駅から車で約40分
中山道 奈良井宿
塩尻駅から普通列車に乗ること約20分で奈良井駅に到着。趣のある駅舎を抜けた左手に、江戸時代にタイムスリップしたかのような光景が広がります。奈良井宿は駅から鳥居峠入口にある鎮(しずめ)神社まで奈良井川沿いに約1キロにわたって町並みを形成する日本最長の宿場町。文部科学省選定の重要伝統的建造物群保存地区の指定を受けて以来、地元の方々の努力により建物・町並み・景観が当時のままに保存され、現代の旅人たちを温かく迎えてくれます。中山道(京都⇆江戸・日本橋)を往来した旅人に想いを巡らせながら、散策を楽しみましょう。
蒸気機関車
鉄道好きなら訪れたい権兵衛駐車場のC12-199号機(1938年製造)。木曽路に渡った1955(昭和30)年から18年余にわたり短絡線の貨物輸送や構内入れ替え用機関車として活躍しました。地元保存会の方々の尽力により、現役時代の姿で静態保存されています。
ひのき箸作り
地元の伝統工芸に触れる体験学習施設が充実しています。奈良井宿観光案内所でも、ひのき箸作り(木工体験)ができます。
※混雑状況により体験できない日もあるので、ご興味のある方は事前に下記へお問合せください。
周辺の施設(漆塗り体験ができるお店)
鳥居峠
約1㎞ほど続く奈良井宿の町並みの南端にあるのが鳥居峠入口。ここから標高1,197mの鳥居峠(峠山)を越えて薮原宿へと続く約6.4kmは、かつて旅人たちを苦しめた難所。現代では人気トレッキングコース(約3時間)です。峠越えの雰囲気を満喫したい方は、桧傘と熊鈴(熊除けに効果アリ)の貸出(デポジット)がおすすめ。
※トイレは冬季閉鎖になりますが、峠自体は冬季閉鎖期間はありません。
藪原宿
鳥居峠を越えると薮原宿。薮原観光案内所に隣接する木祖村郷土館を訪ねました。長野県伝統工芸品に指定されている「お六櫛」をはじめ、山と共に暮らしてきた木祖村の貴重な資料を展示しています。当時盛んだった櫛職人の仕事場を再現しているほか、製造工程や貴重な道具をつぶさに見ることができます。
縁結神社(木祖村)
日本で唯一縁結(えんむすび)の名を冠する木祖村のパワースポット。縁結びといえば、恋愛成就を連想しがちですが、ここは家庭円満や人間関係、大学受験や採用試験等、様々な良縁を祈願する神社として親しまれています。旅は「どこに」よりも「誰と」行くかが大事だったりしますよね。こうした旅を楽しめるのも何かのご縁。「この先も良縁に恵まれますように」と祈願しました!
まとめ
今回は塩尻を起点に中山道の奈良井・藪原宿を巡りました。往時の姿を守り続ける地元の方々の情熱が、現代を生きる私たちの琴線に触れ「初めてなのに懐かしい」気持ちで満たされます。奈良井宿ではワイナリーで見かけたご高齢の素敵な3人組と偶然にも再会。「もうこれが最後だから」と冗談めかしつつ、毎年この地を3人で訪れることに特別な意味があるようで、印象に残りました。貴方も素敵なパートナーと旅に出てみませんか。
- ※協力:(一社)塩尻市観光協会 https://tokimeguri.jp/
- ※トレたび編集室/編
- ※掲載されているデータは2024年12月20日現在のものです。変更となる場合がありますので、お出かけの際には事前にご確認ください。