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2019.08.02旅行この路線で行こう! 愛知編 武豊線の旅

愛知県初の鉄道路線として開通した武豊線。知多半島を南下し、醸造業の歴史と鉄道遺構を訪ねる

武豊線は1886(明治19)年に開通した愛知県初の鉄道で、JR東海道本線と接続する大府(おおぶ)駅と武豊駅を結ぶ総延長19.3キロメートル、全10駅の単線路線。
知多半島北部の東側を走り、車窓展望の大半は田園風景。
沿線最大の半田市は江戸時代より醸造業が盛んで、車窓からは沿岸部の工場群も遠望できる。
日本最古といわれる現役駅舎がある亀崎駅など趣のある駅舎も魅力。
終日または一部の時間帯に駅係員がいない駅では、遠隔操作で一括管理する「集中旅客サービスシステム」によって運営されている。
※写真は亀崎駅

武豊線路線図


武豊線列車

313系


313系電車は、1999年に登場。同年グッドデザイン賞を受賞。 JR東海の電化区間のほぼ全域で運用されるJR東海在来線の標準車両となっている。 武豊線は、開業以来非電化路線であり、キハ75形・キハ25形の気動車で運行されていたが、2015年3月1日の全線電化に伴い313系電車が導入された。 通常はワンマン運転の2両編成だが、4両編成の区間快速も走る。

武豊線おすすめスポット情報

大倉公園

四季の花咲く日本庭園と大正期の建物


実業家で日本陶器合名会社(現株式会社ノリタケカンパニーリミテド)の初代社長・大倉和親氏が建てた別邸。入口に立つ茅葺門は、高さ5メートル、幅13メートル、奥行き4メートルという大きなもの。園内の休憩棟は母屋として利用されていた木造平屋建て。いずれも1921(大正10)年の建築で、大府市初の国の登録有形文化財。


大倉公園

●交通アクセス
大府駅から徒歩約10分
●URL
https://www.city.obu.aichi.jp/shisetsu/bunka_sports/park_obu/1005218/index.html

JAあぐりタウン げんきの郷

地産地消の食と天然温泉で癒やされる


地元産農産物をはじめ、畜産品や地酒などを販売する「はなまる市」、地元食材を使った料理が評判の「だんらん亭」、パンや総菜などを販売する「できたて館」、カフェやフードコート、物産館、バーベキューコーナーなどがある「すくすくヶ丘」、日帰り入浴施設「めぐみの湯」、県内最大級の天然温泉の足湯「ちゃぷーん」などがそろう複合施設。


JAあぐりタウン げんきの郷

●交通アクセス
大府駅から知多バス「大府循環線」約15分、げんきの郷下車すぐ
●URL
http://www.agritown.co.jp/

八ツ屋神明社

必勝祈願も叶いそうな金メダル神社


小さな神社だが、近くに女子レスリングの吉田沙保里選手や伊調馨・千春選手などの母校であり練習拠点だった至学館大学があり、選手たちが必勝祈願に訪れることから「金メダル神社」とも呼ばれる。境内にはオリンピック選手の名前の入った奉納幟(ほうのうのぼり)や絵馬がいくつも掲げられるほか、受験、就活、試合前に参拝する人が多い。


八ツ屋神明社

●交通アクセス
大府駅から車約12分
●URL
https://www.aichi-now.jp/spots/detail/1656/

東浦森岡 ぶどう直売所

33軒、21種類のぶどうを食べ比べ


尾張森岡駅の西側に広がる丘陵地では、1960(昭和35)年頃からぶどう栽培に力を入れている。デラウェアをはじめ、巨峰、クィーンニーナ、シャインマスカットなど21種類のぶどうの食べ比べを楽しみに訪れる客も多い。一帯に点在する33軒のぶどう園には直売所があり、このうち7つのぶどう園では8月中旬~9月中旬に巨峰のぶどう狩りができる。


東浦森岡 ぶどう直売所

●交通アクセス
尾張森岡駅から徒歩約10分~20分
●URL
http://www.hm-grape.com/

亀崎駅

郷愁を誘う日本最古といわれる現役駅舎


1886(明治19)年3月1日、愛知県初の鉄道として開通した武豊線とともに開業した駅の一つ。 開業当時の建物である木造駅舎は、日本最古といわれる現役駅舎。赤茶色の外観や木製の看板はレトロな雰囲気を醸し出し、駅舎の壁には「明治19年1月」と記された当時の建物財産標がある。また武豊線半田駅には、日本最古といわれる現役跨線橋がある。


亀崎駅

●交通アクセス
亀崎駅下車
●URL
https://www.city.handa.lg.jp/kanko/kanko/miru/kamezakiekisha/kamezakiekisha.html

旧中埜半六邸

富豪の邸宅跡で食事と休憩を


中埜半六家は、江戸後期から明治初期にかけて海運業や醸造業などで財を成した名家。明治時代建築の数寄屋造りの母屋が残り、蔵のある庭園も公開されている。邸内1階は、喫茶・軽食の「半六サロンしゅまん」、地産地消の食材と豆腐・湯葉を組み合わせた料理を味わえる「おとうふ湯葉いしかわ」が出店しており、庭を眺めながら食事ができる。


旧中埜半六邸

●交通アクセス
半田駅から徒歩約6分
●URL
https://hanroku-collabo.org/

國盛 酒の文化館

歴史ある酒蔵で日本酒文化を学ぶ


日本酒「國盛」の蔵元、中埜酒造が1985(昭和60)年に新工場が稼働したのを機に、かつての酒蔵を酒の博物館として公開。酒蔵は重厚な黒塗りの壁、格子のある白い漆喰窓をもち、約200年にわたって酒造りが行われた。館内には、和紙人形による酒造りの紹介、伝統の酒造り道具の紹介をするコーナーなどがあり、日本酒の知識を深めることができる。


國盛 酒の文化館

●交通アクセス
半田駅から徒歩約7分
●URL
https://www.nakanoshuzou.jp/museum/

ごんぎつねの湯

多彩な浴槽を備えた露天風呂が好評


地下1500メートルから湧出する天然温泉は、源泉温度59.2℃という県内有数の高温。木の香りが漂う純和風の内湯と、日本庭園に囲まれた露天風呂がある。露天エリアには、洞窟湯、歩行湯、打たせ湯のほか、源泉を落差3.5メートルの高さから落とすことで、44~45℃の湯温を保つ滝つぼ湯がある。湯上がりには軽食やソフトクリームを味わえる休憩所へ。


ごんぎつねの湯

●交通アクセス
半田駅から車約12分
●URL
https://maruhagongitsunenoyu.com/

新美南吉記念館

童話『ごんぎつね』の世界にふれる


新美南吉は1913(大正2)年、現在の半田市で生まれ、29歳で短い生涯を閉じた児童文学者。代表作の『ごんぎつね』をはじめ、童話、小説、童謡、詩、俳句、短歌など1500を超す作品を残す。館内では、自筆原稿や日記、手紙などを展示するほか、作品をテーマにしたジオラマやビデオシアターなどで新美南吉の作品世界にふれることができる。


新美南吉記念館

●交通アクセス
半田駅から車約15分
●URL
http://www.nankichi.gr.jp/

半田赤レンガ建物

復刻した生カブトビールを味わう


1898(明治31)年にカブトビールの製造工場として誕生。明治時代のレンガ建造物を代表するものとして国の登録有形文化財に登録。現在は、復刻した生カブトビールが味わえるカフェや、瓶入りカブトビールやカブトビールグッズ、知多半島の名産品を販売するショップがある。半田赤レンガ建物やカブトビールの歴史を紹介する常設展示室もある。


半田赤レンガ建物

●交通アクセス
半田駅から徒歩約15分
●URL
https://handa-akarenga-tatemono.jp/

半田運河

運河沿いに醸造業の蔵が立ち並ぶ


江戸時代、海運で栄えた半田から江戸や大阪へ、特産の酒や酢、木綿などが運ばれた。半田運河沿いには今も黒板囲いの醸造蔵が立ち並び、江戸の面影を伝えている。周辺にはMIZKAN MUSEUM、國盛 酒の文化館、旧中埜半六邸など醸造の歴史を学べるスポットが点在し、蔵の街として、半田を代表する人気観光エリアになっている。


半田運河

●交通アクセス
半田駅から徒歩約5分
●URL
https://www.handa-kankou.com/spot/kura/

半田市鉄道資料館

小さいながら歴史ある鉄道資料館


旧国鉄から貸与されたC11265蒸気機関車の保存と、武豊線を中心とした鉄道資料を公開するミニ産業博物館として1972(昭和47)年に設置。1977(昭和52)年に半田市鉄道資料館として開館された歴史ある鉄道資料館。屋外にC11265を展示するほか、館内には東海地方最古のローカル線・武豊線の貴重な資料を数多く収蔵・展示する。


半田市鉄道資料館

●交通アクセス
半田駅から徒歩約1分
●URL
https://www.city.handa.lg.jp/shogai/bunka/gejutsu/shisetsu/tetsudoshiryokan.html

半田空の科学館

地球や宇宙の不思議を学ぶ科学館


1階には直径18メートルのドームに240席の観客席を設けたプラネタリウムホールがあり、季節に合わせたプログラムを投影。星空解説員による生解説がわかりやすいと評判。1~2階は地球や宇宙に関する資料の展示室。屋上の天体観測所では、口径40センチの反射望遠鏡をはじめ、5台の小型望遠鏡があり、毎月テーマを設けた星見会を開催する。


半田空の科学館

●交通アクセス
半田駅から徒歩約25分
●URL
https://sky-handa.com/

MIZKAN MUSEUM

ミツカンの酢づくりの歴史を体感


1804(文化元)年、半田で創業したミツカンの企業ミュージアム。酢づくりの歴史や食文化にふれ、マイ味ぽんづくりなどの体験もできる。長さ約20メートルの弁才船を再現し、甲板の上から大型映像で半田から江戸へ酢を運ぶ航海を体感できる「時の蔵」ゾーンは見ごたえあり。ショップでは、ここでしか買えない限定醸造酢を販売。見学は要予約。


MIZKAN MUSEUM

●交通アクセス
半田駅から徒歩約3分
●URL
http://www.mizkan.co.jp/mim/

えびせんべいの里 美浜本店

試食OK、コーヒー無料の太っ腹店舗


1948(昭和23)年にえびせんべいの販売を開始。現在愛知県内を中心に7店舗あるが、ここが本店。多種にわたるえびせんべいはほとんどを試食しながら購入できる。自分で焼いた直径30センチほどの大きなえびせんべいに、ソースや醤油で絵付けができる体験コーナーは子供たちに人気。製造工程の見学もでき、休憩コーナーのコーヒーやお茶は無料。


えびせんべいの里 美浜本店

●交通アクセス
武豊駅から車約15分
●URL
http://www.ebisato.co.jp/shop/mihama.html

旧国鉄武豊港駅転車台

武豊線の歴史を刻む転車台


1927(昭和2)年に当時の武豊線の始発駅だった旧武豊港駅構内に設置された貨車用の転車台。旧武豊港駅に入線してきた貨車を、旧ライジングサン石油(現在の出光昭和シェル)の油槽所へ出入させるために利用されていた。2本のレールが直角に交わる直角二線式転車台で、国内にはここにしかないといわれる希少なもので、国の登録有形文化財。


旧国鉄武豊港駅転車台

●交通アクセス
武豊駅から徒歩約13分
●URL
https://www.pref.aichi.jp/kyoiku/bunka/bunkazainavi/yukei/kenzoubutu/kunitouroku/1333.html

地図

  • 文:塙広明(アド・グリーン)
  • 写真協力:東海旅客鉄道株式会社、大府市商工労政課、JAあぐりタウン げんきの郷、東浦町商工振興課、旧中埜半六邸、半田市観光課、國盛 酒の文化館、ごんぎつねの湯、新美南吉記念館、株式会社Mizkan Partners、半田赤レンガ建物、半田市観光協会、半田空の科学館、半田市生涯学習課、合名会社中定商店、武豊町観光協会、えびせんべいの里、武豊町歴史民俗資料館、知多市商工振興課
  • 掲載されているデータは2019年7月現在のものです。変更となる場合がありますので、お出かけの際には事前にご確認ください。
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