2020.09.25旅行新しい観光型高速クルーザー「SEA SPICA」完成! 気になる船内はこうなっている
ついに完成した「SEA SPICA」その魅力に迫る!
「ミタイケンのひろしまへ」をキーワードに、10月1日よりスタートする「せとうち広島デスティネーションキャンペーン」!
多島美の瀬戸内海の絶景や、魅力的な食事、サイクリングなどのアクティビティも満載の新しいせとうちの旅が始まります!
そんな中、以前よりご紹介してきた観光型高速クルーザー「SEA SPICA」がついに完成! これまで公開された資料には記載されていなかった、とっておきの「場所」などを含めて今回は「SEA SPICA」の船内を、鉄道カメラマン・村上悠太が、じっくりとご紹介していきます。
揺れに強い、観光特化型の高速船
「SEA SPICA」の大きな特徴は2つ! 1つ目は全国的に見てもとてもめずらしい観光に特化した「高速船」というポイントです。通常、観光色の強い船を作る場合、高速船ではなく通常の航行速度の船を造船するのが一般的ですが、「SEA SPICA」は最高航行時速26ノットで航行可能な高速船となっています。高速船というと「もしかして揺れる?」と思う方もいるかもしれませんが、「SEA SPICA」は双胴船という構造で造船されており、とても揺れに強い船になっています。今回、実際に試乗することができたのですが、揺れについては全く気になりませんでした。また、「SEA SPICA」は観光特化型の船ですから、その船内を自由に歩き回りたくなるような設備があります。こうした点からも揺れについては特に気を配って対策がされています。でも、なぜ「SEA SPICA」は高速船として造船されたのでしょうか。それがこの船のもう1つの特徴である船の航行コースに理由があるのです。
「SEA SPICA」は、単純に出発地と目的地を結ぶ船ではなく、瀬戸内の島々を周遊して目的地を目指すクルージングコースを通って運航されます。具体的には広島港を午前8時30分に出る東向きの便は、途中呉港付近の艦船クルーズや安芸灘大橋を見て下鎌苅島で約70分の下船観光を行います。その後、契島クルーズ、「うさぎ島」で有名な大久野島で約30分の下船観光をしたのち、瀬戸田港経由で三原港に13時15分に到着します。三原港に着くとすぐに13時25分に今度は広島港に向けて出港し、東向きの便とは一部異なる島々をめぐりながら広島港に18時に戻ってきます。このようにコースの内容が盛りだくさんなため、高速船の持つスピード性が最適だというわけです。
いよいよ気になる船内へ!
充実した1Fの設備
お待たせしました、では実際の「SEA SPICA」の船内を見ていきましょう!「SEA SPICA」は2階建て構造の船で、1Fが客室スペースとなっています。その船内は、いわゆるフェリーのような座敷や高速船によくみられる特急列車のようなシートとは全く異なる、この船のためだけに設計、特注されたソファー型のシートが並びます。窓側のシートは風景をより楽しめるように若干窓側に傾けて設置。背もたれの高さを低くすることであらゆる位置からも景色が楽しめるように配慮されています。客室の前方には4面の大型マルチディスプレイが設置され、観光案内や2Fの操舵室からの光景が映し出されます。「前面展望ならいっそのこと窓にしては?」と思うかもしれませんが、高速船の前面窓は波しぶきなどがよくかかるためマルチディスプレイが採用されました。
1F後方にはグループ旅行に最適にアレンジされたスペースやバリアフリー対応の座席が並びます。また、お手洗いはおむつ交換用ベッドのあるバリアフリー対応タイプのほか、女性専用トイレも備えてあります。
最後方には「スピカウンター」があり、瀬戸内海を知り尽くしたコンシェルジュが同乗します。島々の魅力や歴史を案内してくれるだけでなく、「SEA SPICA」オリジナルグッズ、沿線のおみやげ、飲食物を販売しています。
2F「スピカテラス」のおすすめは…
2Fに上がるとそこは潮風が心地よい「スピカテラス」。せとうちの島々をイメージした形のソファーが設置されています。ここだけでも十分に楽しい空間なのですが、僕のおすすめは2F後方にあるスペース! 実は今まで発表されてきた資料にはこのスペースが描かれておらず、僕も初めて知る空間でした。「SEA SPICA」が海に描いた航跡と広がる青空を存分に楽しむことのできるこの後部スペースはぜひ体験してみてください! スピカテラスに上がる階段にはスロープもあり、バリアフリーにも対応しています。
「SEA SPICA」に乗るには?
いよいよ運航が開始される「SEA SPICA」ですが、乗船は事前に予約が必要です。「SEA SPICA」の乗船券は通常の船のような形式ではなく、瀬戸内海汽船の旅行商品として発売されます。一般向けの商品は10月2日乗船分から用意されており、主に金・土・日・祝を中心に運航が設定されています。最もシンプルな「お手軽乗船プラン」なら、6000円から「SEA SPICA」の船旅が楽しめます。(大人・こども・全発着港 一律料金)ほかにも、様々な観光コースを組み合わせたプランも用意されているので、ぜひ瀬戸内海汽船のwebページ(http://setonaikaikisen.co.jp/simatabi/)をチェックしてみてください。
また、9月28日には瀬戸内エリアの観光に特化したせとうち観光ナビ「setowa」がリリースされます。こちらはWEBサイト版、モバイルアプリ版がリリース予定で、約50施設の観光チケットやアクティビティの予約・決済はもちろん、旅先でのナビゲーション、旅のスケジューリングなどを管理してくれる便利なツールです。さらにこの「setowa」限定の「setowa広島ウエストパス」も発売!指定区間のJRや指定の私鉄、バス、船舶の乗り放題に加えて、観光施設の入館料もセットになって、おとな3800円、こども1900円と大変おトクなフリーパスになっています。
この秋は「ミタイケンのひろしま」に注目!
「SEA SPICA」による新しい船旅をはじめとして、まだ知らない「ミタイケンな広島」へ、この秋はでかけてみませんか?
著者紹介
- ※取材日:2020年8月20日
- ※写真/村上悠太