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2020.11.25旅行おうちで旅気分!【釧路・新潟・滋賀・橿原・徳島・南さつま】雄大な自然をオンラインで楽しみ、心癒される

自然が魅力の観光映像で密にならない旅をチェック! ドローンなどを駆使した非日常的な光景を堪能するバーチャルツアー

行楽の秋、「Go To Travel」を利用して旅を楽しまれただろうか? もうしばらく様子を見ようと見合わせて、旅心がうずいているなら、観光動画などでバーチャル旅行を楽しむのがいい。なかでも、雄大な自然を映し出した映像はいかがだろう。行くことが難しい山奥の秘境の地の映像を楽しめたり、ドローンを利用した空からの光景など実際に訪れても目にはできない映像を味わったりもできる。また、実際に旅立つ場合も、雄大な自然の地は密にならず、比較的安心して旅を楽しめる。さあ、オンラインの癒し旅へご案内!

<北海道・釧路>釧路湿原や阿寒湖の自然に酔いしれる「釧路・阿寒湖観光公式サイト」動画集


釧路と聞けば、緑の大地に青い川がくねくねと蛇行する湿原の映像を思い浮かべる人が多いだろう。釧路・阿寒湖観光公式サイトでは動画ページを設け、エリア内の美しい自然景観などを多数紹介しているが、なかでもその映像美にうっとりと酔いしれ癒されるのが「KUSHIRO Hokkaido Japan in 8K HDR - 釧路」 [summer ver.]と、[winter ver.]の2本。

[summer ver.]は、まさに緑の湿原に蛇行する川の空撮映像から始まり、釧路川でのカヌー体験、「くしろ湿原ノロッコ号」へと続き、「体験してみたい、乗ってみたい」と、旅願望がムクムクと湧き上がる。湿原に姿を見せたタンチョウにも合いたい! 炉端焼きなどの食映像を挟み、後半は阿寒湖や雄阿寒岳、オンネトー、尺別の丘などの自然景観がめくるめく展開される。再び映し出された釧路湿原は夕刻を迎え、赤い夕日が湿原に沈む。

[winter ver.] も対比するような構成になっており、やはり釧路川の映像から始まるが、その世界は緑から白へと様相を一変する。川に浮かぶ薄氷(蓮の葉氷)、雪に覆われた湿原、葉を落とした枝が雪の衣装をまとう。そんななかタンチョウは夏よりも生き生きと群れ遊ぶ。川と違い流れのない阿寒湖は一面真っ白。繰り返し何度か登場する、白い大地に蛇行する釧路川の映像もやはり美しい。そして、白い湿原に夕日が沈む。

温かい部屋で冬の美しい釧路湿原の映像を楽しむのは実際に旅するよりも楽で快適ではあるが、「SL冬の湿原号」が走る映像などを見ると、やはり「乗りたい!」と思ってしまう。SL冬の湿原号の運転日にあわせて旅立とうか……。あるいは、 [summer ver.]と[winter ver.]の両動画でしばらくはバーチャルツアーを満喫し、グリーンシーズンに訪れようか……。


<東日本・新潟県>感動的な「SORADORI」映像が目白押しの「にいがた観光ナビ 動画ライブラリー」


近年はドローンにより、名所の空からの映像を気軽に楽しめるようになった。たとえ現地を訪れたとしても実際には見ることができない雄大な光景を味わうことができ、事前に見ていた空撮映像を思い浮かべながら現地の光景を噛みしめたり、旅のあとで映像を見ることで感動が倍以上に高まるだろう。

新潟県観光協会の「にいがた観光ナビ 動画ライブラリー」には、そんな感動的なドローン映像【NIIGATA-SORADORI】シリーズが多数公開されている。今秋、旅に出られず紅葉を満喫できなかった方には、「日本の原風景 秘境秋山郷の紅葉 津南町」がおすすめだ。

『北越雪譜』を著した鈴木牧之(ぼくし)が「桃源郷」と呼んだ秋山郷は山深く、その深い山々一面が朱や黄に染まり、ところどころの緑とあわせて絶妙なパッチワークを紡ぎだす。その後、ドローンはいったん高度を下げ、猿飛橋を間近から映す。圧倒的な紅葉の峡谷に架かり、ごつごつとした両岸の岩肌の間を流れるエメラルドグリーンの川を見下ろす。紅葉のピークにこの橋の上に立ってみたい! つくづく、そう思う。ドローンは川面の上を進み、斜め上から川の流れを捉えたり、真上から澄んだ川のたゆたうさまを伝える。再び高度高く飛び、峡谷の片側から対岸を望む。高い崖山の峰はてっぺんに紅葉をいだき、その下は草木の生えぬ岩肌がのぞき、その下には緑の山裾が広がる。さらにドローンのすぐ前の木々は黄色に染まっており、その4色の帯のコントラストがなんとも素晴らしい。

紅葉の映像としては、同シリーズの「黄金の渓谷 色鮮やかな紅葉 奥胎内 胎内市」も心癒される美しさ。ほかに、「龍ヶ窪 清水出でる神秘の地 津南町」なども、深山のなかの池が霧に包まれる神秘的な光景が絶妙だ。


<西日本・滋賀県>日本一の湖・びわ湖を有する滋賀県の自然や見どころを紹介する「滋賀チャンネル」


雄大な自然の映像を楽しむなら、日本一の山、川、湖といった観点から動画を探してみるのもいいかもしれない。今回は日本一大きな湖・びわ湖の自然動画に注目してみよう。びわ湖ビジターズビューローの「滋賀チャンネル」では県内名所の動画を多数配信。なかでも印象的なのがびわ湖の多彩な美しさを伝える「虹色beautiful,SHIGA」。映像内には地名の語などは一切出てこないのだが、その分、映像の美しさにとことんのめりこめる。

夕暮れの浮御堂や湖に浮かぶ白鬚神社の大鳥居、湖を覆うスイレン、奥琵琶を流れる地蔵川や醒ヶ井で咲く水中花・梅花藻の可憐なさまに心洗われる。近江富士の異名をもつ三上山の麓に青々とした水田が広がり、風に稲穂が揺れる。雪がうっすらと積もる冬のびわ湖の光景も絶妙だ。そして夕景、夜景のびわ湖が続く。紅葉の寺の情景を挟み、再び夕暮れのびわ湖、そして青々としたびわ湖の映像で幕を閉じる。まさに「虹色」に七変化するびわ湖の景観を目の当たりにできる。

虹色シリーズはほかにも多々あり、自然がメインなのは「虹色動画「食」/旅せよ乙女。虹色エモーション。」。湖東三山の紅葉やつづら尾崎展望台からのびわ湖の眺望、高島市の棚田などの光景が素晴らしい。ほかに4Kシリーズがあり、名所を美しい映像で紹介。音楽もなく、現地の撮影時の音がそのまま生かされており、非常にリアル。例えば「満月寺 浮御堂​」は、日本地図における満月寺の位置紹介から始まり、遠くから山門が映し出され次第に山門に近づき、山門をくぐって境内へと入る。びわ湖に浮かぶ浮御堂も最初は遠くから眺め、次第に近づいてゆき、橋を渡ってお堂へと向かい、お堂の脇を通って奥へ進み湖を望む。途中、ザクザクと境内の地面を踏みしめて歩く音に加え、お堂に近づくと湖の水がチャプチャプと波打つ音も聞こえる。まさに旅した気分で眺められて新鮮だ。


<西日本・奈良県橿原市>「日本はじまりの地」橿原の自然と歴史を体感できる橿原市公式チャンネル


バーチャルツアーの良さは他エリアで見てきたように、空撮映像など現地を訪れても実際には見られない映像を見られること。ほかに、復元されていない歴史的建造物を実際の土地に重ねた映像で目の当たりにできること、などもある。

その楽しみを満喫できるのが橿原市公式チャンネルの「橿原市プロモーションビデオ」。日本の第一代天皇である神武天皇は橿原宮で即位したと伝わり、日本最初の都城である「藤原京」も橿原の地に造営された。いわば橿原は「日本国はじまりの地」。プロモーションビデオ内では、南北約4.8km、東西約5.2kmにわたった藤原京の姿をバーチャル映像で再現。大和盆地に広がる京域内に、香具山・畝傍山・耳成山という大和三山がそびえ、藤原宮が都の中心に位置する。回廊で囲まれた藤原宮の再現映像も印象的だ。

実際の藤原宮跡は広々とした盆地のなか、柱跡に復元された赤い柱が建つ程度で、のどかな自然景観が存分に感じられる。さらに、宮跡には、春には桜や菜の花、夏にはハスの花が咲き、コスモスなど季節の花々が咲くなど、四季折々の自然景観を楽しめる。

映像では本薬師寺跡や植山古墳など歴史的名所のあとに、大和三山が紹介される。万葉人に愛された山容はやはり美しい。古い町並みが残る今井町の紹介のあと、神武天皇と皇后を祀る橿原神宮が紹介され、厳かな拝殿に加え、森林遊苑や深田池の自然の素晴らしさにも見惚れる。ほかにも名所や祭りなど橿原の魅力がいろいろ紹介されている。

橿原市公式チャンネルは不思議なストーリー仕立ての「時間旅行~今井~」など非常に多数の動画を配信。ズバリ、「日本国はじまりの地、橿原」という動画もある。また、「橿原市プロモーションビデオ」よりもさらに藤原京にしぼった「藤原京プロモーションビデオ」なども紹介されている。


<四国・徳島県>名所の圧倒的景観や何気ない田舎景観の魅力が詰まった「徳島県ロケーション・サービス」


各県の観光協会は観光PR動画を一般向けに配信するだけでなく、テレビや映画など映像制作者向けにロケ地の候補として県内各地の動画集を公開しているケースも多い。「徳島県ロケーション・サービス」もそのひとつ。素晴らしい自然を味わえる動画が多いが、なかでも出色なのが「Beautiful Tokushima」。

大鳴門橋から始まり、しだれ桜が山を覆う花見山、ウチノ海には多数の筏が浮かび独特の景観を呈す。シラクチカズラで作られた祖谷のかずら橋は、峡谷の自然を楽しみつつ実際におっかなびっくり渡ってみたいと強く思う。龍宮崖公園の深い山々の紅葉景色は圧倒的だ。大歩危の舟下りにも乗船したいし、祖谷渓の小便小僧にもぜひ合いたい。

昇る太陽がだるまのような形に見える「だるま朝日」の映像もある。だるま朝日は冷えこみの激しい冬場、海水温と気温の差が大きく、水平線の先まで海面付近が晴れている時に現れやすい現象。小松海岸など、徳島県はだるま朝日を見るのに適した地。とはいえ、実際に見られるのは1シーズンに5日もないそうなので、この動画で見られるだけでも貴重だ。

その後の祖谷の雲海、落合峠の一面の紅葉なども息をのむ美しさ。本当に徳島、Beautiful! いや、いわば日本を代表する美しい光景の数々ともいえ、「Beautiful Japan」と思ってしまう。日本人に生まれてよかった……。

ロケーションサービスは観光地として有名なところだけでなく、自然や田舎の風景として“ちょっといいところ”の映像も多々あるのが面白い。「【海陽町】母川2」は田園風景の中を流れる清流の何気ない映像だが、つくづく「のどかで素敵だな~」と思わせてくれる。いろいろと視聴し、自分好みの映像を見つけてみるのもいいだろう。もちろん、一大名所「鳴門の渦潮」の映像などもある。


<九州・南さつま>サイクルシティとして売り出し中の南さつま市の魅力が詰まった「南さつまよかとこ動画」


九州は「九州オルレ」と題して、韓国・済州島で始まったトレッキングの九州版を展開するとともに、「サイクルin九州」も推し進めている。特に鹿児島県南さつま市は、1995年から「サイクルシティ」を誓言しており、ファミリーや友達とのレジャーアクティビティから、マイ自転車で訪れるサイクリストの好奇心を満たすコースまで幅広いサイクリングコースを取り揃えている。「南さつまよかとこ動画」にある「南さつま市サイクルツーリズム」の動画がなかなかの見ごたえ。

「吹上浜海浜公園サイクリングコース」はアップダウンが少なく、初心者も安全に楽しむことができる。それでいて見どころ満載。白砂青松の雄大な自然が広がる公園を爽快に進み、全長405mの歩行者・自転車専用橋「サンセットブリッジ」を渡る。東シナ海に臨む万之瀬川河口にかかり、海の上をサイクリングしているような気分がたまらない。初心者でも、「金峰山麓の田園サイクリングコース」をあわせてめぐるのも可能。金峰コシヒカリの水田が広がる田園風景のなか、金峰山に向かって真っ直ぐにのびる道の魅力は絶大だ。

動画後半は亀ヶ丘、丸木崎展望所、高崎山など、リアス式海岸ならではの、崖の上に続く道や展望所からの素晴らしい景観が目白押しだ。そのサイクリング映像の爽快なこと! しかし、アップダウンが多いコースではあるので、初心者ならレンタカー利用もいいだろう。「南さつま市を訪れたら、1日はサイクリングで、もう1日はドライブだな」、そんな計画を立てたくなる。

吹上浜では毎年「砂の祭典」が行われており、「2019吹上浜砂の祭典をドローンで♪おうちで砂の祭典を楽しもう!」は、雄大な公園の中にたたずむ砂像の空撮などがなんともカッコイイ。砂像の制作過程とライトアップ、花火の模様を収録した「南さつまよかとこ動画」もドラマチックだ。


バーチャルだけどダイナミック。風や色、水の音を感じられる自然映像の世界へ

動画を眺めているだけで気持ちいい。8KやHDなど、高画質・ハイクオリティな映像を全画面表示で観ていると「あちら側」へダイブしたような気分になる。自分がいまどこにいるのかも忘れて、時間も忘れて、ただただ映像に飲まれていくバーチャルツアーの醍醐味。今だからこその新しい旅のスタイル。次はどこへ行こうか。

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冬の北海道・釧路湿原に旅行に行くなら「SL冬の湿原号」がおすすめ

【SL冬の湿原号】

運転区間:根室本線・釧網本線 釧路駅~標茶駅間

蒸気機関車C11形171号機が、14系+43系客車の5両編成を牽引(けんいん)する。車内には飲食に最適な大型テーブル付きのボックス席があり、カフェカーで販売するスルメを、ダルマストーブで炙って味わうことができるのも魅力のひとつ。

※2021年は、1月23日・24日・30日・31日、2月5日~14日、19日~23日、27日、28日の運転予定。


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写真のときはE7系で、「大人の琴線に触れる『洗練さ』×心と体の『ゆとり・解放感』」が車両のトータルコンセプト。“和”をテーマにしたインテリアデザインで、居心地のよい、ゆとりある空間となっています。


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海と山と里を縫いながら、新潟の地酒と食と文化を味わい尽くす旅

列車で女子旅~新潟編~男子も歓迎!

車内で、地酒王国新潟の「酒」が味わえる列車「越乃Shu*Kura」に乗って、新潟へ。お酒に合うご当地グルメを楽しんだり、自然とともに息づく里カルチャーを体感したり、美しい日本の原風景に癒される旅。


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【東海道・山陽・九州新幹線N700S】
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運転区間:土讃線 高知駅~窪川駅間

「四国まんなか千年ものがたり」多度津は、(たどつ)駅と大歩危(おおぼけ)駅を結ぶ、土讃線の観光列車。列車名は、沿線に千年を超える歴史的な文化や景観が残されていることや、地理的に四国のまんなかあたりを走行することから名付けられた。


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【徳島・大歩危/祖谷温泉郷編】旅行作家・野添ちかこが列車で行く! のんびりご褒美温泉旅

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【指宿のたまて箱】
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  • 文/赤木はるな
  • 掲載されているデータは2020年11月現在のものです。変更となる場合がありますので、お出かけの際には事前にご確認ください。
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