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2020.12.24旅行【兵庫・城崎温泉編】旅行作家・野添ちかこが列車で行く!のんびりご褒美温泉旅

列車でのんびり温泉旅はいかがですか?

仕事に家事に人間関係に……現代人はみんなちょっとお疲れ。そんな毎日を送る人に“何もしなくていい”週末に列車で行ける温泉旅を提案します。好きなときにお風呂に入って、待っていればおいしいご飯が出てきて、移動に列車を選べば乗っているだけで目的地まで運んでくれます。たまには日常を忘れてのんびり、自分にご褒美をあげよう。きっと明日からも頑張ろう!と思えるはず。

  • 新型コロナウイルス感染症の影響により、列車の運休や変更、施設の営業変更等が発生することがあります。JRニュースや運行会社、および各施設のHP等をご確認ください。

浴衣と下駄で温泉街に飛び出そう

そぞろ歩きが楽しい温泉場、城崎温泉は今年開湯1300年。あちこちに「開湯1300年」の黄色いのれんがかかり、歓迎ムードが漂います。日本海へと注ぐ円山川の支流、大谿川沿いに7つの外湯と旅館が点在し、石造りの太鼓橋、大谿川沿いの柳並木は春夏秋冬、趣ある風情で観光客を迎え入れてくれます。大阪からは特急「こうのとり」に乗って2時間30分ちょっと。「こうのとり」の前身は1986(昭和61)年11月に新大阪駅と城崎温泉駅を福知山線経由で結ぶエル特急として誕生した特急「北近畿」。2011(平成23)年3月のダイヤ改正時に、但馬エリアのシンボルとして親しまれているコウノトリにちなんで、列車名を「こうのとり」に改称しました。


こうのとり 特急「こうのとり」

列車を降りて駅の改札口を出ると土産物屋が並ぶ通りが見えて、すぐに温泉街へとアクセスできるのも、城崎温泉の魅力のひとつ。駅は玄関、道路は廊下、それぞれの旅館が客室で、土産物屋は売店。そして、7つの外湯は浴場――。「町全体を一つの宿」と捉えて、温泉地づくりを行なってきた温泉街ならではの駅からの近さです。11〜3月はかにシーズン。おいしいかにを食べに出かけてみませんか。

開湯1300年を迎えた城崎温泉

717年、道智上人(どうちしょうにん)が難病の人々を救うため、千日間の修行を行なったところ、720年に現在の「まんだら湯」がある場所に霊湯が湧き出したといいます。そこから城崎温泉は1300年の長きに渡って栄えてきました。

一方、動物による発見伝説も伝わっています。
城崎温泉を発見したのはウノトリ。舒明天皇の御代(在位629~641)、コウノトリが足の傷を癒していたことから発見されたと伝わるのが、外湯の一つ「鴻の湯」です。


城崎温泉コウノトリ像 城崎温泉駅前にある、開湯伝説にちなんだコウノトリの像

都にも近かったことから、多くの貴族たちが訪れた場所でもありました。
城崎温泉が文書にはじめて登場したのは、平安時代の代表的な歌人・藤原兼輔(ふじわら の かねすけ)が古今和歌集で詠んだ歌の中でした。

時代が下っても城崎の人気は衰え知らず。
全国的に有名になったのは、江戸時代中頃の医師・香川修庵(修徳)が、城崎温泉の「新湯(現在の一の湯)」を「天下一の湯」と称賛したことがきっかけでした。その効能と環境の素晴らしさが世に知れ渡り、多くの人が押し寄せ、江戸時代後期の1799(寛政11)年には59軒の宿があったそうです。

天保年間(1833~1836)には飢饉の影響によって28軒にまで減少したものの、幕末~明治期には再び60軒前後に増加します。その後、日清・日露戦争後に28軒に減少、1925(大正14)年の北但大震災で温泉街は壊滅状態になったものの、すぐに復活を果たします。現在の城崎の美しい町並みはこの大震災後に整備されたものです。

1927(昭和2)年に太鼓橋が完成、それから5年後には、川沿いに柳の木が植樹されます。最盛期には100軒近くの宿があったそうですが、現在は77軒。ほとんどが20室程度の小さな宿で、落ち着いた滞在ができます。

  • 参考文献:『城崎物語』(神戸新聞総合出版センター編)

木造建築の美が宿る西村屋本館へ

江戸時代末期の安政年間、「御所の湯」の隣にあった久美浜代官所(くみはまだいかんしょ)の屋敷跡を譲り受けて「城崎温泉 旅館 西村屋本館」が誕生しました。


西村屋外観 西村屋本館の門構え

木造の純日本家屋「西村屋本館」の威風ある門構えや日本庭園は、優雅な日本建築の伝統美を今に伝えています。

登録有形文化財に登録されているのは、別棟「平田館」など。平田館は、料亭「吉兆」などを手掛けた数寄屋建築の大家といわれる平田雅哉氏による設計で、1960(昭和35)年の建築です。木造2階建て、中庭をぐるりと囲む回廊式の建物で、客室と日本庭園の一体感がしっとりした和の趣を感じさせてくれます。伝統的な意匠と現代技巧を組み合わせて、快適な客室に進化させているため、9室ある客室のうち2室が露天風呂付で、美しい中庭を眺めながらの湯浴みが楽しめます。


平田館の客室 中庭の情景が心に染みる西村屋本館「平田館」の客室

11〜3月はかにのシーズンですので、これからのシーズンはかにのプランを頼むのがいいでしょう。写真は、かに刺し、活かに炭火焼き、かにすき鍋、かににぎり寿司など、かに尽くしのコースでずっしり重い松葉かにをフルコースで味わえる、西村屋本館の「本生かにづくし」です。


食前酒もかに酒。浜ゆで松葉かに一杯付きの豪華な「本生かにづくし」

ホテルスタイルの「西村屋ホテル招月庭」に宿泊

この日は、新館に位置づけられる、5万坪の庭園の中に佇む「西村屋ホテル招月庭」に宿泊しました。
「西村屋本館」は客室が34室、「西村屋ホテル招月庭」の客室は98室。
「西村屋ホテル招月庭」は少し規模が大きいホテルスタイルの宿で、京都の染色家などとコラボレーションした斬新なデザインを洋室の浴衣に取り入れていたり、貸し切りで利用できる「森のプライベートスパ」があったり、さまざまに楽しめます。


森のプライベートスパ 貸し切り風呂「森のプライベートスパ」は3棟。


西村屋本館/西村屋ホテル招月庭

住所 兵庫県豊岡市城崎町湯島469/兵庫県豊岡市城崎町湯島1016−2
問い合わせ先 0796‐32‐4895(共通予約ダイヤル)
時間 チェックイン 15:00/チェックアウト 11:00(招月庭10:00)
定休日 なし
交通アクセス 城崎温泉駅より徒歩約15分(旅館組合の無料送迎バスで約5分)
値段 1泊2食西村屋本館34,000円 (11月7日からのかにシーズンは44,000円)〜、 ホテル招月庭(さんぽう西村屋本店で夕食)26,600円(11月7日からのかにシーズンは45,800円)〜(諸税別)
URL 西村屋本館:http://www.nishimuraya.ne.jp/honkan/ 西村屋ホテル招月庭:http://www.nishimuraya.ne.jp/shogetsu/

地元食材を和のダイニングで

夕食は、西村屋が物販・飲食サロンとして2019年4月にオープンした「さんぽう西村屋本店」へ。取材日はかに解禁前の10月でしたので残念ながらかに尽くしではありませんでしたが、かにシーズン中は「かに有り」か「かに無し」どちらのコースも選べます。

宿からは一度外に出る形にはなりますが、「温泉街は一つの宿」と捉える城崎温泉だからこそ、素泊まりや朝食付きプランなどにして、夕食だけ外の飲食店を利用する人も増えてきているそうです。

1階は「さんぽうダイニング」、2階には赤・白ワインや日本酒、ビール、ソフトドリンクなどをフリードリンクで用意し、再入場可能、1日2000円(1回利用の場合は1000円)で何度でも利用できる「さんぽうサロン」があります。城崎温泉は志賀直哉や島崎藤村といった文豪ゆかりの温泉地でもあることから、文豪気分で筆をとってもらえるようレターラウンジも設けたそうです。


さんぽうサロン ダクトも兼ねた行灯が2階「さんぽうサロン」へ光の柱のように貫く

建物横には、三宝荒神を祀る「三柱神社」があります。城崎で最も古い神社だそうです。また、近江商人の「三方よし」が西村屋の社訓でもあることから「さんぽう」と名付けられました。

三宝荒神は火やかまどの神様であることから、ダイニングの中央に囲炉裏を置き、ロの字型のカウンター席から調理している様子が見えるライブキッチン型です。

地魚のお造りに添えるのは、神鍋高原の固定種わさびと、酵母の生きた「今しぼり醤油」。溶岩の石ころに根を張り、湧き水で育つわさびは生命力満点。鮮魚の旨味を引き立てます。
自然発酵熟成させたもろみを火入れせず、ただしぼっただけの醤油には、体に有用な微生物がたっぷりと生きているそう。


黒マグロと鰆、白いか。わさびと醤油も主役級

もろみが生きた手しぼり醤油

焼き魚は、神鍋の湧き水で育て、かにの甲羅で色付けした鱒を朴葉味噌焼きで。添えられたカボチャやトマト、ニンジンは無農薬栽培、無肥料で育てたもの。味噌はスタッフの手づくりと聞いて、どこまでも食材にこだわる姿勢に感激してしまいました。

朴葉焼きというと、濃い味を想像しますが、食材の味は一切邪魔せず、辛すぎず、甘すぎず、朴の葉の香ばしさがほんのり魚に移って、香りとともにいただく、ぜいたくな一品です。


神鍋湧水鱒 朴葉味噌焼き 地物野菜添え

メインの肉料理は但馬牛炭火焼き
牛肉のなかでも希少な「イチボ」という、牛のお尻の部分のお肉が使われています。
大きな塩の結晶は、鳴き浜といわれる琴引浜の塩。ナスは豊岡の在来種、進美なす。もろみはさきほど醤油をしぼった残りかすです。


但馬牛炭火焼き

ナスの生産者は、お造りに添えていたケールと同じ、青木さんです。私は青木さんの野菜が大好きで、食べればすぐに違いが分かるくらい、特徴があると思っています」と熱弁をふるうのは、マネージャーの鈴木慈望さん。

マネージャーの語る生産者さんの話が面白くて、食べるのも忘れてついつい聞き入ってしまいました。
この店の食材へのこだわりはかなりのものです。

食事の途中に出てくる十割そばは但馬の在来種、赤花そば
焼きおにぎりのお米は、料理長の実家で作っているみかた棚田米。湧き水で作っているからおいしいんだとか。

デザートのわらび餅はスタッフみんなで採りにいったわらびを使った自家製。
小豆は料理長のおばあちゃんが丹精込めて作ったもの。もはや脱帽です。


和洋のコラボ。わらび餅は自家製です

オープンから間もないので、休日返上で生産者を訪ねてはよい食材を探してきているそうです。

普通の料理屋ではまずここまではできないはず。西村屋のアンテナショップ、情報発信基地を担っている料理屋だからこその心意気を感じました。

30代の若手料理長とマネージャーさんが仕切るダイニングには爽やかな空気が流れていました。


さんぽう西村屋本店

住所 兵庫県豊岡市城崎町湯島463‐2
問い合わせ先 0796‐32‐4680
時間 10:00〜22:15
定休日 水曜
交通アクセス 城崎温泉駅より徒歩で約11分(西村屋の無料送迎バスあり)
値段 コース料理7,000円、9,000円、13,000円(11月7日からのかにシーズンは13,000円、22,000円、25,000円)(税別)
URL http://www.sanpou-nishimuraya.com

QRコードで7つの外湯めぐり

7つの外湯は、日帰り入浴客の場合、利用料金がかかりますが、宿泊者は翌日15時30分まで使えるQRコードのついた外湯めぐりチケットで自由に湯めぐりが楽しめます。7つの外湯のうちいくつかをご紹介しましょう。


外湯めぐりチケット 宿泊者はフロントでチケットと地図を受け取り、バッグを貸し出してもらえます

最初に向かったのは、露天風呂に陶器の五右衛門風呂がある「まんだら湯」。

道智上人の千日祈願によって湧出したといわれる「まんだら湯」は、御影石とタイルでできた深めの浴槽に気泡風呂の泡がプラスされています。


寺院風の屋根が特徴的な「まんだら湯」

露天風呂には2つの陶器の五右衛門風呂があって、一人でゆっくり入れます。城崎温泉の外湯は現在はすべて集中管理されていて、泉質は同じナトリウム・カルシウム‐塩化物泉
ただし、引湯方法によってお湯の温度などは若干違うようです。
こちらのお湯はまあまあ熱め。よく温まりました。

商売繁盛・五穀豊穣、一生一願の湯」だそうです。


まんだら湯

住所 兵庫県豊岡市城崎町湯島565
問い合わせ先 0796‐32‐2194
時間 15:00〜23:00
定休日 水曜
交通アクセス 城崎温泉駅より徒歩で約10分
値段 700円
URL https://kinosaki-spa.gr.jp/about/spa/7onsen/

洞窟半露天風呂がある「一の湯」


一の湯 一の湯


一の湯 洞窟風呂のような半露天風呂 洞窟風呂のような半露天風呂

江戸時代の医師・香川修庵(修徳)が「天下一の湯」と記した「一の湯」は、温泉街の中心部、王橋(おうはし)のたもとにあります。

ごつごつした岩肌の洞窟半露天風呂は裏山の自然岩をそのまま利用した、野趣あふれる名物風呂。外観は桃山様式の歌舞伎座がモデル。いつも賑わっている人気の外湯です。


一の湯

住所 兵庫県豊岡市城崎町湯島415-1
問い合わせ先 0796‐32‐2229
時間 7:00〜23:00
定休日 水曜
交通アクセス 城崎温泉駅より徒歩で約10分
値段 700円
URL https://kinosaki-spa.gr.jp/about/spa/7onsen/

立派な庭園風呂をもつ鴻の湯

さんぽうのマネージャーさんが「個人的におすすめです」と話していたのは、中心部からは離れているけれど、ゆったりと入れる庭園タイプの露天風呂がある「鴻の湯」です。


鴻の湯・男湯の露天風呂 鴻の湯・男湯の露天風呂

城崎温泉の開湯伝説にもあるコウノトリが発見したのが、こちらの源泉。玄関にあるコウノトリのオブジェが開湯の由来を伝えてくれます。メインストリートからは外れた場所にあり、駐車場も完備されています。

夫婦円満・不老長寿、幸せを招く湯」だそうです。


鴻の湯

住所 兵庫県豊岡市城崎町湯島610
問い合わせ先 0796‐32‐2195
時間 7:00〜23:00
定休日 火曜(祝日の場合は営業)
交通アクセス 城崎温泉駅より徒歩で約20分
値段 700円
URL https://kinosaki-spa.gr.jp/about/spa/7onsen/

コウノトリが見られる戸島湿地

コウノトリが見つけた城崎温泉は、今もコウノトリが生息する自然豊かな場所です。
野生のコウノトリは49年前に一旦絶滅しましたが、日本最後の1羽が生息していた豊岡の地で人工繁殖によって、復活。再び日本の空にコウノトリを戻す環境作りが進められています。

「ハチゴロウの戸島湿地」は駅から歩いていける距離にあります。
2002(平成14)年8月5日にこの地にやってきた野生のコウノトリ「ハチゴロウ」にちなんで名前が付けられました。

円山川・日本海とつながる汽水湿地と湧水などを利用した淡水湿地に、さまざまな生き物が生息しています。


湿地で採餌行動をとったり

巣塔にとまるコウノトリの姿が見られます

コウノトリの餌はオタマジャクシ、ドジョウ、カエルやネズミ、ヘビなど。
肉眼ではちょっと遠いですが、望遠鏡を覗くと、人工巣塔の上で羽を休めるコウノトリの姿がはっきりと確認できました。

同じコウノトリのペアが13年連続で来ていて、現在は50〜60羽が豊岡に暮らしているそうです。


ハチゴロウの戸島湿地

住所 兵庫県豊岡市城崎町今津1362
問い合わせ先 0796‐20‐8560
時間 9:00〜17:00
定休日 火曜(祝日の場合は翌日)
交通アクセス 城崎温泉駅より徒歩で約15分
値段 無料
URL http://www.hachigorou.com/

かばん屋さんでランチタイム?!

温泉街には個性的なお店がいくつもありますが、なかでも面白いのがカフェを併設したかばん屋さん

豊岡盆地は奈良時代から続くかばんの産地。
ルーツは柳で編んだ箱型の衣装入れ「柳行李(やなぎごうり)」で、江戸時代に豊岡藩の保護・奨励によって、全国にその名を知らしめました。

豊岡市を蛇行して流れる円山川一帯の荒原(あわら)といわれる湿地帯には、豊岡杞柳細工の原料となるコリヤナギが自生していて、雪深いこの地では越冬時の仕事として豊岡杞柳細工が根付きました。

この杞柳細工を起源にかばん作りがスタートし、有名ブランドのOEMなどを請け負う町工場から自社ブランドをもつファクトリーへと進化。2006(平成18)年には特許庁の登録商標も取得しています。

ファクトリーブランド「CREEZAN(クリーザン)」が城崎温泉にお店を出したのは2017(平成29)年です。ブランドテーマは「旅」。ショルダーバッグやリュックサック、財布などの革小物、旅行鞄などが置かれています。

フラッグシップシリーズ「JETTER」のターゲット層は「世界中を飛び回るビジネスマン」だそうです。


日常使いにもよさそうなかばんが並ぶ店内。トートバッグ4万9000円(税別)など。

もっとも目を引くのは真っ白で統一されたライン。その名も「Deep White!
女性用かと思いましたが、男女兼用のシリーズで、おしゃれな男性が持つとなかなかに格好よいのだとか。肉厚でキズも目立ちにくいシュリンクレザー。職人の丁寧な手仕事によって仕上げられています。

2階は着席型のカフェで、大谿川と柳の木を眺めながら飲食することができます。但馬牛を使ったバーガーは、デミグラスソース、クリームチーズに山椒をきかせたテリヤキバーガー、ピリ辛のアラビアータの3種類。ランチにぴったりです。


但馬牛のハンバーガーセット1650円。アルコールセットは1750円

こちらのお店は東京・銀座「和光」や丸の内の「KITTE」にも出店しています。


CREEZAN城崎温泉本店

住所 兵庫県豊岡市城崎町湯島675‐1
問い合わせ先 0796‐32‐0345
時間 10:00〜18:00(冬期は要問い合わせ)
定休日 火曜(祝日の場合は翌日)
交通アクセス 城崎温泉駅より徒歩で約15分
URL http://www.creezan.com/kinosaki/

この旅の行程

 

(行き)JR特急こうのとり5号 大阪駅10:12発→城崎温泉駅12:51着(所要時間:2時間39分)
(帰り)JR特急こうのとり20号 城崎温泉駅14:35発→大阪駅17:22着(所要時間:2時間47分)
 

知っているとちょっと楽しい「鉄道豆マメ知識」【貫通式と非貫通式】

新大阪駅から城崎温泉駅を結ぶ特急「こうのとり」。現在、287系と289系の2つの車両で運行されています。
今回は287系に注目して、知っているとちょっと楽しい列車の特徴をご紹介します。
287系の先頭車は貫通式と呼ばれていますが、これは何を指しているのでしょうか。


こうのとり

287系の先頭車です。よく見ると長方形の切れ目があるのが分かります。
実はここが扉になっていて、ほかの車両と連結する際は“貫通”して通り抜けができるようになるんです。


こうのとり

こんな風に向かいあった状態で連結。あとは転落防止のためのホロ(アコーディオンの蛇腹のような布)が取り付けられて完了です。

こうのとりが連結して走ることはあまりないですが、同じ287系の車両が使われている特急列車「まいづる」や「はしだて」「きのさき」は、このように連結して運転されています。
ちなみに289系は、先頭車の形状が貫通式と非貫通式のものがあります。


289系の非貫通式の先頭車。後尾車は287系のような貫通式になっています。

あなたがいつも乗っている、または今度乗る列車はどんな車両ですか?
少し余裕を持って駅に行ってみると、新しい発見があるかも。

移動も楽しい時間になりますように。


著者紹介

野添ちかこ

温泉と宿のライター/旅行作家

観光の専門紙記者を経て、2006年フリーに。新聞、雑誌、WEB、テレビ、ラジオなど各種媒体で温泉と宿の情報を紹介。現在、NIKKEIプラス1(日本経済新聞土曜日版)第3週に「湯の心旅」連載中。著書に『千葉の湯めぐり』(幹書房)。3つ星温泉ソムリエ、温泉入浴指導員、温泉利用指導者(厚生労働省認定)、国立公園満喫プロジェクト有識者会議委員(環境省)、岐阜県中部山岳国立公園活性化プロジェクト顧問、宿のミカタプロジェクトチーフ・アドバイザー。

  • 写真/野添ちかこ、西村屋本館、豊岡市フォトライブラリー、コウノトリ市民科学館(日本コウノトリの会・東京大学・中央大学協同プロジェクト)、(車両写真)交通新聞クリエイト
  • 掲載されているデータは2020年12月現在のものです。変更となる場合がありますので、お出かけの際には事前にご確認ください。
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