気持ちひとつで世界は変わっていく
鉄道と旅行の情報サイト「トレたび」とアニメツーリズム協会による、JRで行く日本のアニメ聖地をめぐる旅。北海道から九州まで、全国を6つのエリアに分けてご紹介!
第6回目は、九州の長崎へ。『色づく世界の明日から』の作品で、丁寧に繊細に描写された舞台である。光の印象が強く残った美しい街、長崎。異国情緒漂うノスタルジックな街は、非日常的な存在や不思議な出来事を静かに受け入れ癒してくれる。色を失った主人公・瞳美がたくさんの色がある世界を取り戻したように、作品を振り返りながら「キミノイクベキトコロ」、“色づく”長崎の聖地を訪ねてみよう。
- ※新型コロナウイルス感染症の影響により、列車の運休や変更、施設の営業変更等が発生することがあります。JRニュースや運行会社、および各施設のHP等をご確認ください。
『色づく世界の明日から』作品紹介
魔法使い一族の末裔、月白瞳美は幼いころに色覚を失い、感情がうまく表せなくなる。17歳になったある日、瞳美は大魔法使いの祖母・琥珀の魔法で、60年前の過去である2018年へと送られてしまう。気づくとそこは南ヶ丘高校に通う高校生・葵唯翔の部屋だった。瞳美は彼が描いた絵を見て、色があふれる世界を一瞬だけ取り戻す。やがて、60年前の祖母・琥珀とも出会い、唯翔や琥珀たちと高校生活を送る中で、瞳美は大切な思いを見つける。
(アニメツーリズム協会より引用 『色づく世界の明日から』)
『色づく世界の明日から』作品データ
『色づく世界の明日から』と長崎。時を超えて開かれる扉
テレビアニメ『色づく世界の明日から』のロケ地・舞台の長崎は、キリスト教などの異文化を受け入れてきた土地で、修学旅行や観光に人気のスポットだ。訪れたことのある人もいるだろう。
作品では、少し特別感のある街・長崎を夏の花火や春の桜、木々の緑が彩る。60年の時を超えた未来の世界と「似ているけどちょっと違う」この街は、少女や少年の心の扉を開いていく。どこか懐かしい面影を感じるのは、この街に暮らす彼らの笑顔や涙、日常に揺れる繊細な心の動きが風景とともに丁寧に描写されているからかもしれない。
江戸時代、出島を拠点に外国との貿易で栄えた街として知られる長崎。小高い丘や坂が多い街でもあり、作品にもよく登場した。
丘の上、眼前に広がる爽快な景色。さまざまな表情を見せる海。登場人物の感情に呼応するかのように坂を緩やかに登ったり、全力で駆け抜けたり。彼らと一緒に坂を走ってドキドキした人も多いのではないだろうか。描かれるシーンによって違った雰囲気を見せる長崎は、作品世界を表現するのにぴったりだ。アニメを思い出しながら魂を震わせた風景を堪能しよう。
※じゅんれいちゃん:アニメツーリズム協会公式キャラクター
「アニメの舞台と日本を旅しよう!」を掲げ、毎年「アニメ聖地88」を選定しているアニメツーリズム協会の公式キャラクターで、日本全国のアニメ舞台と人をつないでいる。
2022年版「訪れてみたい日本のアニメ聖地88」
アニメ聖地WEB投票受付中!
詳しくは下記をご覧下さい
https://animetourism88.com/ja/enquete
※投票期間:2021年6月21日~11月(予定)
『色づく世界の明日から』の聖地、長崎はこうめぐろう!
突然、過去に送り出された少女、月白瞳美。最初は自信なさげで上手く喋れなくて、いつも戸惑ってばかり。そんな瞳美から目が離せなくて、心配したり、応援したり、一緒に走ったり…。みんなの優しさや想いに心を震わせて、表情が変わっていく瞳美に、「未来でも笑ってて」、「幸せになっていいんだよ」と声を掛けたくなる。『色づく世界の明日から』は、そんな作品ではないだろうか。作品に描かれた光と影、輝きを探しに長崎を訪ね、その世界に没入したい。
さて、アニメで描かれた長崎の各ロケ地・舞台は、坂が特徴的だ。作品に幾度となく登場した絶景スポットを中心にめぐって、そのすべてを心に焼き付けたい。聖地をくまなく紹介することはできないが、おすすめスポットを厳選したので、ぜひ、JR長崎駅からスタートして、アニメを思い出しながら聖地めぐりの気分を楽しんでほしい。
長崎駅周辺に聖地が集まっているので、路面電車やバスを使って、作品の雰囲気を味わいながらめぐりたい。途中、長崎名物のスイーツで休みながら色づく世界を堪能するのもいいだろう。
じゅんれいちゃんと一緒に長崎を回る旅のプラン
2021年9月某日 博多から長崎へ向かう
- モデルルート
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8:01着
長崎駅
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8:15頃
路面電車かバスで鍋冠山公園へ向かう
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8:45頃
聖地めぐり1「鍋冠山公園」
- 爽やかな風を受けて大切なものを思い出そう。
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9:30頃
聖地めぐり2「グラバー園」
- レンタル衣装に身を包んで魔法写真美術部員になりきる。
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14:00頃
聖地めぐり3「大浦展望公園」
- 瞳を凝らして長崎の街を心に刻もう。
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14:30頃
森の魔女カフェへ車かバスで移動
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16:00頃
聖地めぐり4「森の魔女カフェ」
- まほう屋のモデルになったカフェで感動もひとしお。
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17:30頃
女神大橋へ車かバスで移動
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19:00頃
聖地めぐり5「女神大橋」
- あの時駆け出した千草のように夜景を横目に走ってみる!?
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おまけ
オススメ観光スポット
- 聖地めぐりの移動は「路面電車」が便利。カステラや中華菓子などの「ご当地スイーツ」も楽しもう。
長崎に行くならこの列車! 西九州新幹線「かもめ」
【西九州新幹線「かもめ」】
運転区間:西九州新幹線 武雄温泉駅~長崎駅間
博多駅~武雄温泉駅は特急「リレーつばめ」を利用することで、博多駅~長崎駅間を最速1時間20分(武雄温泉駅での乗換時間を含む)で結ぶ新幹線。
N700Sを九州仕様にデザインした車両に注目だ。
西九州新幹線「かもめ」についてもっとくわしく
聖地めぐり1:<鍋冠山公園>長崎の美しい景色の前で、大切な想いにそっと寄り添う
瞳美がまだモノクロの世界しか見えなかった5話、彼女が青い星砂に込めた想いをたどる。鍋冠山公園は、グラバー園の第2ゲートから徒歩約10分のところにある。少し急な階段を登ると視界が開け、展望台が広がる。2016年にリニューアルされ、綺麗に整備された展望台からは長崎港のほか、瞳美たちが通った南ヶ丘高校のモデルになった学校や通学路など、物語の舞台を一望できる。長崎で1、2を競う美しさといわれる絶景と、瞳美の心を重ね合わせて感慨に浸ろう。
鍋冠山公園
住所 | 長崎県長崎市出雲2丁目144-1 他 |
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問い合わせ先 | 095-822-8888(長崎市あじさいコール) |
交通アクセス | JR長崎駅から長崎電気軌道に乗り換え、長崎駅前電停から16分 石橋電停で下車、徒歩約2分のグラバースカイロードを利用し、グラバー園第2ゲートから徒歩約10分 |
URL | https://www.nagasaki-tabinet.com/guide/60842 |
聖地めぐり2:<グラバー園>石畳のレトロな雰囲気に部活のみんなと非日常を満喫
6話で、魔法写真美術部のみんなが撮影会に訪れたグラバー園。長崎の観光名所のひとつである。園内には、旧グラバー住宅をはじめ、江戸時代~明治中期ごろに建てられた洋風建築が集められており、作品世界と相まってファンタジックな世界を楽しめる。琥珀や瞳美たちのようにレトロ衣装を着て写真撮影や園内散策を体験したい。また、喫茶室の「旧自由亭」は、千草と唯翔がアルバイトをしていたカフェのモデルになっている。ぜひ立ち寄って、オランダ人が考案したダッチコーヒーを飲みながら作品世界に浸ろう。
- ※グラバー住宅は改修工事中。2021年12月に全面開放予定
- ※レトロ衣装を着用した園内散策は晴天時のみ
グラバー園
住所 | 長崎県長崎市南山手町8-1 |
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問い合わせ先 | 095-822-8223 |
時間 | 【通常】8:00~18:00 ※入園受付終了:閉園の20分前(時期によっては閉園時間が18:00以降になる夜間開園あり) |
定休日 | なし |
交通アクセス | JR長崎駅前から路面電車に乗り換え、長崎駅前電停から20分。大浦天主堂電停下車、徒歩約7分。 |
値段 | 入園料:大人/620円、高校生/310円、小・中学生/180円。レトロ写真館:散策時間30分 2000円(税込)、天候不良の場合は室内利用15分 1000円(税込) |
URL | http://www.glover-garden.jp/ |
聖地めぐり3:<大浦展望公園>昼も夜も美しい景色を眺めて、あのシーンを追体験する
昼間の大浦展望公園は、テレビアニメ放送前に公開されたPV第1弾で瞳美が歩いているシーンに登場。光と影の対比が表現されていた。そして物語の後半、11話と12話には夜の公園が登場する。瞳美が魔法をかけた紙飛行機を追ってたどり着いた場所だ。再会した2人がベンチに座り、言葉少なに気持ちを打ち明けた後ろ姿と、かすかににじむ街の夜景。最終話で唯翔が佇んでいたのもこの公園だ。この公園を訪れたらきっと胸に迫る切なさが蘇るだろう。
大浦展望公園
住所 | 長崎県長崎市相生町16 |
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問い合わせ先 | 長崎市コールセンター 095-822-8888(あじさいコール) |
交通アクセス | JR長崎駅から路面電車に乗り換え、長崎駅前電停から20分。大浦天主堂電停で下車、約15分。または、石橋電停(バス停)からグラバースカイロードを利用して徒歩5分。 |
URL | https://www.nagasaki-tabinet.com/guide/61035 |
聖地めぐり4:<森の魔女カフェ>魔法使いの家のモデルになったカフェを訪ね、カラフルな星砂に想いを馳せる
今回の聖地めぐりのクライマックスは、琥珀の自宅兼、星砂でほんの少し人々を幸せにする「まほう屋」のモデル「森の魔女カフェ」。JR長崎駅から離れたところにあるが、時間に余裕をもって移動したら訪ねることができる聖地だ。アニメで描かれた通りのフクロウの置物を実際に見たら、興奮して息が止まるかもしれない。そして、琥珀や瞳美が本当にいるのではないかと、2人の姿を探してしまうだろう。店内はカフェになっているので、「まほう屋」の風景や瞳美が使っていた屋根裏部屋などを思い出しながらゆっくり過ごしたい。
森の魔女カフェ
住所 | 長崎県長崎市西海町138-2 |
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問い合わせ先 | 095-884-0014 |
時間 | 11:30~16:00 ※要予約 (閉店時間は予約状況により異なります) |
定休日 | 不定休 |
交通アクセス | JR長崎駅から長崎バスで約45分 バス停「西海」下車、徒歩約45分 |
URL | https://majyocafe.shopinfo.jp/ |
聖地めぐり5:<女神大橋>みんながいい顔をしていた、あの景色を焼き付けよう
聖地めぐりの最後は、美しい夜景に心が洗われる絶景スポット「女神大橋」で終わろう。7話の魔法写真美術部の夏休みキャンプのクライマックスで、フェリーを撮影するためにみんなが走った橋だ。走りながら、千草が胡桃を慰めた言葉にキュンとした人も多いだろう。荷物を置いて走り出した青春のワンシーンを再現してみよう。走って満足したら、もうひとつ。瞳美が色が見えないことをみんなに打ち明けたシーンも思い出しておきたい。
女神大橋
住所 | 長崎県長崎市新戸町~大浜町 |
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問い合わせ先 | 095-823-2600(長崎県道路公社) |
交通アクセス | JR長崎駅から長崎バスで約20分 バス停「女神」下車、徒歩30分 |
URL | https://www.nagasaki-tabinet.com/guide/60756 |
長崎に行ったらコレもチェック!
スポット1<長崎電気軌道>『色づく世界の明日から』の聖地めぐりに便利!彩りに満ちた長崎のスポットを結ぶローカル鉄道
大正時代に開業し、100年以上の歴史ある路面電車は、長崎らしい風景のひとつ。日常の移動手段として街に溶け込んでいる風景は、どこか懐かしい雰囲気が漂っている。作品のオープニングや、「金色のサカナ」が瞳美を色のある世界に誘った6話などに登場し、記憶に残っている人もいるだろう。今回紹介した『色づく世界の明日から』の舞台、おすすめの聖地「グラバー園」周辺に長崎駅から向かったり、長崎市内の移動に欠かせない乗り物なので、長崎に訪れたらぜひ利用したい。お得な「電車一日乗車券」「24時間乗車券」もチェック。
スポット2:<ご当地スイーツ>長崎らしい異国の味に、心を開かれる
長崎を代表するスイーツ「カステラ」は、約450年前に一番最初に長崎に伝わったといわれる洋菓子。長崎のカステラは、底面に星のように散りばめられたザラメが特徴的。独特の食感と甘さは、忘れられない旅の思い出となるだろう。また、中華菓子も見逃せない。江戸時代から発展してきた中華街を擁する長崎ならではの本場の味が楽しめる。幸せな気分が広がるスイーツは、ほんのささやかな魔法かもしれない。
アニメツーリズム協会とは
- ※文/トレたび編集室
- ※協力/(一社)アニメツーリズム協会
- ※写真/photolibrary、(一社)長崎県観光連盟
- ※掲載されているデータは2021年9月現在のものです。変更となる場合がありますので、お出かけの際には事前にご確認ください。