トレたび JRグループ協力

2023.03.20旅行2023年3月4日、関西本線にデビュー!「お茶の京都トレイン」に乗って春を感じる旅へ

京都府南部の魅力を詰め込んだラッピング列車が登場!

京都府には、京都市以外にも多様な魅力を持つ地域があります。府の南部はお茶をキーワードに魅力を発信する“お茶の京都”エリア。今春、このエリアを走る関西本線と奈良線に新たなラッピング列車「お茶の京都トレイン」が登場しました。日本茶発祥から800年続くお茶文化やいにしえの歴史が薫る“もうひとつの京都”を、「お茶の京都トレイン」で旅してみませんか。

関西本線「お茶の京都トレイン」とは?


デビュー当日の関西本線「お茶の京都トレイン」

“お茶の京都”とは、京都府南部(山城地域)の宇治市、城陽市、八幡市、京田辺市、木津川市、久御山町、井手町、宇治田原町、笠置町、和束町、精華町、南山城村の12市町村からなるエリア。
鎌倉時代にこの地の里人にお茶の栽培方法が伝授されて以来、日本茶を代表する「抹茶」「煎茶」「玉露」を生み出し、約800年にもわたり日本のお茶文化を支えてきました。

そんな“お茶の京都”の魅力を込めたラッピング列車が「お茶の京都トレイン」です。

エリアを南北に走る奈良線と府の南を走る関西本線、2つの路線でそれぞれ異なるデザインの車両が登場。まずは2023年3月4日、加茂駅~亀山駅間に関西本線バージョンの列車がデビューしました。コンセプトは、乗ること自体が目的になるような、乗って楽しい、見て楽しい鉄道です。

描かれたお茶モチーフがポップでキュート

車両は、キハ120系を使用。外観のデザインは淡いクリーム色にさわやかなグリーンを配した明るいカラーリングで、車両全体に「急須」「茶釜」などお茶に関するモチーフが散りばめられています。

それぞれのモチーフのカタチをポップに彩る柄(パターン)にも注目。こちらは「茶畑」「茶摘み衣装」「茶道具」を図案化した3種の柄で、関西本線のオリジナル。内装にもこの3種の柄が使用されており、乗るだけでも気分が高揚すること間違いなし。
ぜひ実際に乗車して、明るくポップな雰囲気を体感してみてください。

ココに注目! ①車体に描かれたモチーフは何?

ラッピング列車外装には、お茶に関するさまざまな道具や風景のカタチが散りばめられています。
全12種類あり、内訳は「急須」×3、「柄杓(ひしゃく)」、「茶杓(ちゃしゃく)」、「茶釜」、「棗(なつめ)」、「お茶の葉」、「茶畑」、「茶碗」×3。乗車時や降車時に立ち止まって観察してみてください。



ココに注目! ②中吊りのれん

車内でひと際目をひくビビッドな中吊りのれん。ラッピング列車のキーデザインとなる3種の柄模様が大胆に配置されています。

【緑×青の柄】は、どこまでも続く広い「茶畑」の風景の図案化。【青×赤の柄】は唱歌『茶摘み』の、夏も近づく八十八夜♪で有名な「茶摘み衣装」の茜だすき・着物・手甲からのイメージ。【イエロー基調の柄】は「茶道具」の茶せんと茶杓を幾何学的に配したものです。


ココに注目! ③カーテン&吊り革

車窓のカーテン一面にも、「茶道具」「茶畑」「茶摘み衣装」のデザインパターンを使用。通常のカーテンとは印象が一変するほどの鮮やかさで、ラッピングトレインならではの特別感が味わえます。

また、吊り革さや部分にもさりげなく3種の柄が。窓上ポスターも“お茶の京都”関西本線バージョン限定です。


関西本線 加茂駅での出発式に密着!


2023年3月4日、加茂駅にて「お茶の京都トレイン」の出発式が行われました。

京都府の鈴木貴典副知事や沿線市町村の関係者が列席する中、10時9分、4番ホームに存在感抜群のラッピング列車が入線。停車した車両の脇で主催者挨拶や来賓の祝辞が述べられました。「お茶の京都トレインが毎日運行されて多くの方の目に止まり、お茶の京都って何だろう?と興味を持っていただければ」と鈴木副知事。南山城村の平沼和彦村長からは「沿線ならではの歴史や文化の発信につとめさせていただきたい」との祝辞がありました。

テープカットと記念撮影ののち、式典参加者一同を乗せての内覧・試乗会へ。
10時51分、ホームに招かれた地元木津川市の子どもたちからの賑やかなお見送りを受ける中、臨時列車は加茂駅を出発。この日は大河原駅との間を1往復し、「お茶の京都トレイン」のデビューとなりました。


列車情報

運転日 令和5年3月4日(土)から3年程度
運転区間 関西本線 加茂駅~亀山駅 間
運転時刻 普通列車のため、運行ダイヤは未定

歴史と茶畑が広がる里の、春ならではの楽しみ

関西本線から近い“お茶の京都”エリアは、木津川市、笠置町、和束町、南山城村の4市町村。いにしえの都・奈良と隣接し、古代から木津川の水運を通じて人・モノ・文化が京や大阪と行き来した交通の要衝でもありました。

8世紀に恭仁宮(くにのみや)という都が置かれたこともある木津川市。南都仏教の影響を色濃く受け、石仏の里「当尾(とうの)」など、文化財が数多く眠る歴史ロマンあふれるまちです。

和束町は、京都府一の茶葉生産量を誇るお茶のまち。傾斜地を開墾して営まれる「山なり茶園」の風景は“お茶の京都”を代表する景観です。

そして、笠置山を中心に渓谷や奇岩など大自然に抱かれる笠置町。弥勒磨崖仏(みろくまがいぶつ)が鎮座する笠置寺のほか、自然を活かしたアウトドアレジャーがさかんです。

滋賀、奈良、三重の3県に隣接する南山城村は、京都府で唯一の村。素朴な風土の中で生産されるお茶が数々の受賞歴を誇るなど、こだわりあるものづくりに取り組んでいます。

茶畑や里山、のんびりとした自然景観の中に古代から続く史跡や名所が点在する関西本線沿線の“お茶の京都”。この地への旅は、きっと心と身体を癒し、好奇心を満たしてくれることでしょう。

おすすめスポット① 浄土の世界広がる花の寺「浄瑠璃寺」


加茂駅からバスで山間へ入った当尾の地は、かつて奈良の大寺院の高僧らが喧噪を避けて庵を結んだという隠れ里。浄瑠璃寺には、平安時代に広まった浄土信仰の世界観が残されています。
境内には浄土式庭園が広がり、中央の宝池の西方にたたずむ本堂(国宝)は極楽浄土の世界。堂内には、日本で唯一9体揃って現存する九体阿弥陀如来坐像(国宝)が並びます。
春は参道にほころぶ桜が可憐で、馬酔木(あせび)の花も有名。庭園の木々が芽吹く新緑の風景も見事です。


浄瑠璃寺

住所 京都府木津川市加茂町西小札場40
問い合わせ先 0774-76-2390
時間 3月~11月 9:00~17:00(拝観受付~16:30)、12月~2月 10:00~16:00(拝観受付~15:30)
定休日 なし
交通アクセス 関西本線加茂駅より木津川市コミュニティバスで「浄瑠璃寺前」下車
値段 400円
URL https://www.0774.or.jp/148/

おすすめスポット② 新芽の季節にこそ愛でたい「石寺の茶畑」


加茂駅からバスに乗り和束町へ。冷涼な気候、霧の発生しやすい地形など、茶栽培に恵まれた条件が揃うこの地には、先人が開墾した茶畑や茶農家が脈々と続いています。
なかでも有名なのが、茶園が麓から空へ向かって連なる石寺の茶畑。人々の生業と茶畑が共存する山なり茶園の景観は、桃源郷ならぬ“茶源郷”です。町内の西に位置する石寺地区は、いち早く暖かくなるため「早場」と呼ばれ、4月下旬には早くも茶摘みシーズンに。新緑を愛でるハイキングもおすすめです。


石寺の茶畑

住所 京都府相楽郡和束町石寺
問い合わせ先 0774-78-0300(和束町観光案内所)
交通アクセス 関西本線加茂駅より奈良交通バス「和束高橋」下車、徒歩約10分
URL https://ochanokyoto.jp/spot/detail.php?sid=297

おすすめスポット③ お花見と一緒に楽しめる「笠置キャンプ場」


木津川に架かる笠置大橋下流の河川敷に、約6万平方メートルもの敷地が広がるアウトドアスペース。キャンプやバーベキューなどを楽しむグループや家族連れで賑わいます。笠置駅から線路をくぐってすぐの駅近キャンプ場なので、鉄道派にも魅力の立地。
3月下旬~4月初旬には、木津川畔の桜並木が満開のお花見スポットとなり、夜間ライトアップも行われます。
笠置町内にはカヌーやボルダリングを体験できるコースもあり、アウトドアレジャーの宝庫です。


笠置キャンプ場

住所 京都府相楽郡笠置町笠置佃
問い合わせ先 0743-95-2011(笠置町観光協会)
時間 受付は8:00~17:00
定休日 なし
交通アクセス 関西本線笠置駅下車、徒歩約5分
駐車場 あり
値段 大人(中学生以上)500円/日、 小学生300円/日
URL https://kankou-kasagi.com/kasagi-camp/

おすすめスポット④ 自慢の新茶も買える「南山城村農林産物直売所」


南山城村は、良質な茶の生産地であるとともに、原木栽培しいたけなど農林産物も豊富。そんな地産品を生産者から直接買えるのが、大河原駅から徒歩5分の南山城村農林産物直売所です。
村民が愛情を込めて育てたお茶や旬の野菜をはじめ、味噌やこんにゃくなど手作りの加工品が並び、店内でおすすめの食べ方などを聞けるのも魅力。
また、しいたけ農家さんが独自に考案した、たこ焼きのしいたけ版「しい玉焼き」も新食感で人気。季節ごとにイベントも開催されています。


南山城村農林産物直売所

住所 京都府相楽郡南山城村北大河原久保1-3
問い合わせ先 0743-93-1000
時間 9:00~15:00(平日は13:00まで)
定休日 年末年始
交通アクセス 関西本線「大河原」駅下車、徒歩約5分
駐車場 あり
URL https://ochanokyoto.jp/spot/detail.php?sid=155

奈良線「お茶の京都トレイン」はこちら


  • 提供:一般社団法人 京都山城地域振興社(通称:お茶の京都DMO)
  • 文:湯浅雅晴
  • 撮影:松本洋一
  • 写真:木津川市、笠置町、和束町、南山城村
  • 花の見頃は、その年の気象状況などにより異なります。
  • 掲載されているデータは2023年3月現在のものです。変更となる場合がありますので、お出かけの際には事前にご確認ください。
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