むすび鉄 ~鉄道で巡る縁結び&縁切り神社
“良縁”というと恋愛のイメージが強いですが、仕事や人との縁、時間の縁なども立派なご縁。
鉄道に乗って、人と人、人と物との良いご縁を結ぶ「むすび鉄」の旅に出てみませんか?
元非常勤巫女で、神社アドバイザーとしても活躍するライター 井口エリさんがちょっとディープな“縁結び&縁切り”にまつわる神社をご紹介します。
北海道のほぼ中央に位置し、なだらかな波状丘陵や、豊かで雄大な自然が魅力的な美瑛。そんな美瑛には、「縁結びのパワースポット」として参拝客から人気を集める美瑛神社が鎮座しています。記事では美瑛神社のさまざまな魅力的な授与品もご紹介!
東京から約3時間! 絵本の中のような街、美瑛へ
美瑛は札幌からも電車で移動できますが、今回は美瑛や富良野へのアクセスも良く、旭山動物園や神居古潭(カムイコタン)といった観光スポットにもアクセスしやすい旭川経由で向かうことに。
旭川空港へは、東京・羽田からは約1時間40分のフライトです。この日の東京は最高気温34度と厳しい残暑でしたが、旭川に降り立つと23度と、爽やかな気候が迎えてくれました。まずは旭川空港から旭川駅まで移動します。こちらからバスに乗車し、駅までは約1時間。
旭川空港
旭川空港と旭川駅をつなぐバス
なお、こちらで注意してほしいのが、旭川周辺ではSuicaやICOCAといった交通系電子マネーは使えないので現金での清算になります。旭川での移動は電車よりもバスを使う機会が多かったので、必要に応じて非接触型ICバス乗車カード「Asaca CARD」 (アサカカード)があると便利です。
旭川は札幌に次いで2番目に人口が多く、観光の拠点としても便利な街です。旭川駅から美瑛駅までは富良野線で約30分。電車の本数は多くないので、事前に時刻表を確認しておくとスムーズに移動できます。
ちなみに富良野線には、例年6月から9月までの期間限定で、のんびり走る列車から雄大な景色を満喫できる「富良野・美瑛ノロッコ号」が運行しています。
旭川駅
富良野線
「富良野・美瑛ノロッコ号」についてもっとくわしく
北海道ののどかな景色の中を走っていく富良野線。遠くまで見通せるなだらかな丘陵地帯の畑や辺別川(べべつがわ)、稲穂が実った田んぼ。それから白樺の林も見えました。北海道らしい豊かな自然のなかを列車は進みます。
車窓からの景色
美瑛駅
メルヘンな景色が楽しめる美瑛駅周辺
美瑛駅に到着しました。レトロな駅舎がとってもかわいく、駅周辺はまるで絵本の中に入ってしまったかのような街並みが広がります。
豊かな自然に農地、統一感のあるきれいな街並みが広がる美瑛は「日本で最も美しい村」連合に加盟しています。この連合は失われつつある日本の農山漁村の景観や環境、文化を守ることを目指しているもので、美瑛では、住民参加のまちづくりを進め、地域の魅力や美しい景観を後世に伝え、未来に引き継いでいく努力をしています。
美瑛の美しい街並みは北海道の豊かな自然と、住民の努力によって作られているんですね…!
参拝者の声を通じて広まった縁結びの聖地、美瑛神社
青空に鳥居の朱が映える
そんな美瑛に鎮座する美瑛神社は天照皇大神を主神としてお祀りし、相殿で国造りと日本一の縁結びの神様である大国主神、家都御子神、それに夫婦の神様である伊邪那美神と伊邪那岐神を祀ります。
美瑛神社は美瑛駅からバスで10分ほど。丸山町バス停からすぐのところにありますが、美瑛駅から徒歩も可能です(徒歩約30分)。
1896(明治29)年より入植者たちによって開墾され、多くの先駆者の努力により今日の豊かな美しい丘の町としてある美瑛。農地が多い美瑛では、国民の総氏神であり太陽神でもある天照皇大神を祀る美瑛神社は古くから心の拠り所として、現在はそれに加えて「縁結びのパワースポット」としても親しまれています。
美瑛神社
屋根のハートのような“猪の目”。ご利益がありそう
実際に参拝した人たちの声によって「縁結び」の御利益が広まっている美瑛神社。美瑛神社で参拝後に御縁があったと、わざわざ道外からここで結婚式を挙げる方もいるほどです。
縁結びの御利益がありそうな社殿の屋根のハート…ではなくこちらは「猪の目」。「魔除け」や「火防」の意味を込めてあしらわれる紋様ではありますが、参拝客からは「ハートに見える」と人気です。
ちなみに猪の目自体は神社や仏閣建築でよく見られる紋様なので、神社や寺院に参拝される際には探してみてくださいね。
かわいい花手水も境内のあちこちに
とうもろこしのおみくじなど、北海道・美瑛ならではの授与品も人気!
美瑛神社では、御朱印帳や御守りを授与していただきました。「丘のまち」で知られる美しい丘陵の風景が御朱印帳や御守りになっています。かわいすぎる…!
左:丘まもり(大/初穂料1000円) 右:美瑛神社御朱印帳(1500円/御朱印初穂料別)
そして「えぞみくじ」。
えぞみくじとは、現在北海道の15社で授与している(2024年9月現在)、北海道の特産品や名物をかたどったおみくじです。美瑛神社で授与しているのは、とうもろこしをかたどった「富諸来(とみもろこ)しみくじ」。
丘まもりは、小サイズのものもあり
美瑛神社のえぞみくじ
陳列もかわいい
「富諸来しみくじ」は七輪に置いてあり、中に赤いライトや炭が入っている焼きもろこし仕様!
上の写真、右下にトングがあるのが見えるでしょうか。そうです。おみくじを引く際、とうもろこしを焼くようにトングですくいあげるのです。おみくじを引くのがより楽しくなりますね。
後ろにおみくじが刺さっている
張り子のとうもろこしにはおみくじがはさまれていて、おみくじの内容は北海道弁で書かれていました。見た目もかわいいので、北海道みやげにも喜ばれそうです。
実際に美瑛で食べたとうもろこしのおいしさに感動したので、「富諸来しみくじ」を見るたびに味を思い出せそうです。
美瑛神社から約30分 神秘的なブルーの池に癒やされる
バスをフル活用!
美瑛神社を参拝した後は、さらに足を延ばして白金青い池へ向かいました。
白金青い池へは、美瑛駅または美瑛神社最寄りの丸山町バス停から、国立大雪青少年交流の家行きのバスに乗って約30分。バスを降りて少し歩くと、神秘的な青い池が眼前に広がります。
白金青い池
訪問時はくもり空だったので池の青さが心配でしたが、なんとも美しいブルーを見ることができました。この池は、十勝岳の火山泥流を防ぐための工事で作られた堰堤に川の水が溜まったもの。水に含まれる成分によって独特の美しいブルーに輝きます。その幻想的な光景は世界的に知られる観光スポットとなっていて、実際に海外からの観光客も多く訪れていました。
この白金青い池、美瑛神社、そして白ひげの滝を加えた3つのスポットは、「美瑛三大パワースポット」とも呼ばれます。
美瑛神社を参拝し、さらに白金青い池を訪れて、心が浄化されたような気持ちになりました。
美瑛の自然に癒やされ、美瑛神社でつないだご縁が、さらにどんなご縁をもたらしてくれるのか楽しみです。
美瑛神社で心ときめく“ハート”を見つけて!
参拝者の声によって、「縁結び」の御利益が広まっている美瑛神社。社殿のいたるところにある「猪の目」は、「ハートに見える」とも言われています。この紋様は「魔除け」や「火防」の願いが込められており、見つけると幸せな気分になれそうです。
また、美しい丘陵が描かれた御朱印帳や御守り、とうもろこしのおみくじなど、北海道・美瑛ならではの授与品も大人気。見た目もかわいいので、北海道みやげに喜ばれそう。旅の思い出の品にもぴったりです。
美瑛神社でご縁をいただいたあとは、白金青い池や白ひげの滝といった自然のパワーあふれるスポットもぜひめぐってみて。
基本情報
名称 | 美瑛神社 |
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所在地 | 美瑛町東町4丁目1-1 |
問い合わせ先 | 0166-92-1891 |
URL | https://www.biei-hokkaido.jp/ja/facility/biei-jinja |
著者紹介
- ※取材・撮影・文=井口エリ
- ※掲載されているデータは2024年10月現在のものです。変更となる場合がありますので、お出かけの際には事前にご確認ください。