2026.09.04旅行絶景の鉄道旅|JR四国徳島線「藍よしのがわトロッコ」。沿線の笑顔と心地いい風、エメラルドグリーンの吉野川に見とれる

風とともに楽しむ吉野川劇場へ!
残暑厳しい近ごろの初秋。「シルバーウィークもあるし、どこか行きたいけどまだまだ暑いし……」というみなさんにぜひ推したい観光列車が徳島県にあるんです! とっておきの“心地いい風”と“絶景”、そして忘れられない“出会い”が詰まった、五感で満喫するトロッコ列車を案内します。
沿線に伝わる藍染の文化に由来して名づけられた「藍よしのがわトロッコ」。吉野川の色彩を連想させる、藍を基調にしたカラーリングが素敵な観光列車です。
列車は窓のないトロッコ構造になっていて、気分はまるで“オープンカー”! じかに聞こえるレールのリズム、吉野川からのやさしい風、豊かな緑の香りが車内いっぱいに広がります。随所で見られる吉野川はもちろん、列車からでも川底が見えるほど清らかな穴吹川など、徳島の自然が乗客たちを魅了します。
車窓の主役は吉野川。阿波加茂駅を過ぎ、名勝「美濃田の淵」を望む(写真提供=JR四国)
徳島線唯一の鼓山(つづみやま)トンネル。中は手掘り構造でひんやり
JR四国が大好きな妖精「とくしまれっちゃくん」も乗っているかも!?
車内では、沿線を熟知したガイドさんによる案内放送を実施。決まった定型文ではなく、ガイドさんの個性が光る言葉づかいと、目の前に広がる今の光景にふれて深く話してくれるのが最高です!
タッチが温かいオリジナルの沿線マップがもらえる
“ミスタートロッコ”と親しまれる、車掌さんの笑顔がとっても素敵
旬の沿線の見どころを教えてくれるガイドさん。「阿波おどりを少しお見せすることも!」
手書きイラストがかわいい「トロッコカード」は乗車の記念にも
地元産にこだわった充実の車内販売とお弁当
フィッシュカツ、鳴門鯛の鯛めしと、県産食材たっぷりの「徳島うまいんじょ弁当」1500円(下りのみ)
さて列車の旅で楽しみなものといえば、やっぱり“味覚”! この列車では車内限定のメニューがたくさんラインナップ。事前予約制で購入できるお弁当は下り・上り便でそれぞれ異なり、阿波池田・大歩危(おおぼけ)行きの下り便では「徳島うまいんじょ弁当」1500円が楽しめます。
沿線特産の「半田そうめん」をはじめ、徳島を代表する「鳴門鯛の鯛めし」「鳴門金時芋の素揚げ」「小松島のフィッシュカツ」などが、ぎゅぎゅっと大集合! 徳島行きの上り便では、酢飯にユズを使用した四国らしい「さわ特製『田舎巻き寿司』」900円が味わえます。
このほかにも「藍よしのがわトロッコ」の旅をモチーフにしたカラフルなオリジナルドリンクや、鳴門金時を使ったスイーツ、地ビールなどが購入できます。予約なしでも楽しめるメニューが豊富なのは、JR四国の観光列車の大きな特徴です。
車内販売で購入できるメニュー。鳴門金時のスイーツは、どれも素材由来の自然な味わいにこだわった本格派でお土産にも最適
そんななかでも僕がおすすめしたいのは、さっぱりとした炭酸が心地よい「よしのがわ清流ブルーソーダ」と「剣山地グリーンメロンソーダ」各750円。「藍よしのがわトロッコ」をイメージした色合いで、車内でも大人気!
また、徳島県産鳴門金時の上質な部分を徳島名産の和三盆を用いた蜜糖に漬け込み、お芋本来の甘さと和三盆のソフトな甘みのハーモニーが最高の「プレミアム蜜芋」500円は、お土産にもぴったり。実際、わが家へのお土産にしたところ、子どもたちにも大好評でした。
みんなで「かんぱーい!」
夏トロッコ×地ビールは最高のコンビ
そして僕が特に推したいのが、その食感にきっと誰もが驚きを隠せない「くりーみぃすいーとぽてとをジェラートにしました。」500円。焼き芋加工した徳島県産鳴門金時を100%使用したナチュラルなジェラートで、ひと口食べれば信じられないほどの“お芋感”に思わずびっくりするはず! スイーツのあとには、さっぱりとした味わいの阿波晩茶350円もおすすめです。
飲食物のほかJR四国のオリジナルグッズも販売。風に吹かれながらいただくオリジナルドリンクは最高!
すまいるえきちゃんれっちゃくんぬいぐるみセット2600円、えきちゃんフェイスタオル2000円、藍よしのがわトロッコエコバッグ1000円、クリアファイル350円など、JR四国オリジナルグッズも大人気
JR四国名物のおもてなし! 熱烈歓迎があちこちで
そしてJR四国の観光列車といえば、なんといってもすごいのが沿線の方々からの熱烈な大歓迎! この列車でも多くの人が思いいっぱいに列車に向かって手を振ってくれます。
特に小島~貞光間では、地元の太田女性会の方々が一堂に集まり、歓迎の声援を笑顔とともに届けてくれるのです。太田女性会による歓迎は「藍よしのがわトロッコ」の運行開始以来続けられており、当時から毎回欠かさず参加されている方も少なくありません。
当初は通常の速度で通過していた「藍よしのがわトロッコ」でしたが、その思いにこたえるようにみなさんが集まる区間ではゆっくりと通過するようになり、すっかりこの列車の名物になりました。
「ようこそ、またきてね~!」。その声がいつまでも胸に響くのも、窓のないトロッコ列車だからこそ。みなさんもぜひ全力でその声にこたえましょう! きっと忘れられない出会いになるはずです。
沿線のおもてなしは旅が最高の思い出になる、とっておきの瞬間
運行開始当時から手を振り続ける太田女性会の方々。この日は2歳から98歳までが大集結! 列車の通過後はみなさん憩いのティータイムとなる
窓がないトロッコ列車。その思いや声、情熱はすべて真っすぐに届き、心が通う。だからその地域が好きになるし、また訪れたくなる。JR四国とみんなが大切に築いてきた、地域と鉄道のつながり
阿波池田駅に着いたら……「池田の歴史と大地のつながりを知るツアー」へ
下り便の終着地、阿波池田は中央構造線が東西に通る町で知られています。その地形的な特徴が生み出した盆地の中で、発展をとげてきた町の歴史と産業をジオガイドさんの案内でめぐるガイドツアーはいかがでしょう? 誰もが気軽に参加できる内容で、そのどれもが発見の連続! トロッコ復路便までに、阿波池田駅へ戻って来られます。
池田の歴史と大地のつながりを知るツアー
| 問い合わせ先 | 0883-76-0877(三好市観光協会) |
|---|---|
| 時間 | ツアー時間は応相談。※トロッコ列車の運行日に実施、要予約(当日の参加もOK)。 |
| 値段 | 1000円(1名) |
藍よしのがわトロッコ
列車情報
| 運転日 | 2026年9~11月、2027年3月の土・日・祝 |
|---|---|
| 運転区間 | JR徳島線徳島駅~阿波池田駅・大歩危駅間、全車指定席 ※下り(徳島発)の徳島駅~石井駅間はトロッコ車両には乗車できない |
| 料金 | 2360円(徳島駅~阿波池田駅間。指定席券を含む) |
| 発売箇所 | みどりの窓口、主な旅行会社、JR西日本ネット予約「e5489」 *「徳島うまいんじょ弁当」「さわ特製『田舎巻き寿司』」は乗車3日前までに要予約。予約・問い合わせは「さわ」☎088-636-0088 |
| 問い合わせ | JR四国電話案内センター ☎0570-00-4592 8~19時(年中無休) ※通話料がかかります |
- ※取材・文・撮影/村上悠太
- ※協力/JR四国
- ※『旅の手帖』2026年9月号より一部加筆して再構成
- ※※掲載されているデータは2026年8月現在のものです。変更となる場合がありますので、お出かけの際には事前にご確認ください。

