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2020.10.16旅行鹿児島・鹿児島本線 途中下車の旅

美しい自然と幕末の歴史を満喫する旅

鹿児島本線は福岡県北九州市門司区の門司港駅から熊本県八代市の八代駅と、鹿児島県薩摩川内市の川内(せんだい)駅から鹿児島市の鹿児島駅までを結ぶ。しかし、鹿児島駅まで乗り入れる列車は少なく、手前の鹿児島中央駅が終点として機能している。
今回は鹿児島県の川内駅から鹿児島中央駅までの13駅、46.1キロメートルを旅する。パワースポットや自然の芸術が楽しめる下甑島、西郷隆盛像や島津家ゆかりの仙巌園などを巡ろう。自然や歴史を感じるスポットが点在するので、できれば1泊2日のプランで観光しよう。

  • 新型コロナウイルス感染症の影響により、列車の運休や変更、施設の営業変更等が発生することがあります。JRニュースや運行会社、および各施設のHP等をご確認ください。

川内駅から鹿児島の旅はスタート

鹿児島観光の拠点となる川内駅


川内駅

始発駅の川内駅は鹿児島本線や九州新幹線、肥薩(ひさつ)おれんじ鉄道が乗り入れするターミナル駅。駅構内にはロッカーやみどりの窓口、トイレのほか、西口には薩摩川内市の土産物を販売する「駅市 薩摩川内」もある。駅周辺にはスーパーマーケットやデパート、商店街があるので、旅の拠点にピッタリ。

下甑島(しもこしきしま)へはフェリーで

川内駅から川内港シャトルバスで川内港へ行き、高速船甑島で約1時間20分の下甑島長浜港へ。下甑島ではレンタカーで観光地を巡ろう。

鳥ノ巣山展望所

紺碧の海に架かる県内で一番長い橋を望む


鳥ノ巣山展望所

下甑島の北端の高台に位置する展望所。眼下には紺碧色の東シナ海が広がり、向こう岸には中甑島を眺望できる。2020年8月29日には下甑島と中甑島を結ぶ甑大橋が開通。鹿児島県内で一番長い1533メートルの海に架かる橋も見渡せるビュースポットだ。展望所の上には白い灯台がある。


鳥ノ巣山展望所

展望所周辺はカノコユリやニシノハマカンゾウの自生地としても知られている。7~9月上旬には周囲を甘い香りが包む美しい群生が見られる。遊歩道が整備されているので、花々と海を堪能しながら歩こう。


鳥ノ巣山展望所

住所 鹿児島県薩摩川内市鹿島町藺牟田
問い合わせ先 09969-5-1800(下甑島観光案内所)
時間 見学自由
交通アクセス 長浜港ターミナルから車約40分
URL https://satsumasendai.gr.jp/spotlist/2106/

夜萩円山(よはぎまるやま)公園

太古のロマンを感じられる美しい地層が見られる


夜萩円山公園

下甑島最北西端・円崎岬にある標高165メートルの円山にある公園。100~200メートル級の断崖が約16キロメートル続く鹿島断崖を望む絶好のビュースポットだ。約1億4500万年前~6600万年前の白亜紀に形成された地層がクッキリと見え、日本地質百選にも選ばれている。東シナ海の荒潮が打ち付ける様は圧巻。


夜萩円山公園

鹿島断崖にはウミネコの営巣地があり、4~6月には颯爽と飛び交うウミネコと出会うことができる。周辺はニシノハマカンゾウやカノコユリの自生地でもあり、7~9月上旬に花が咲き誇る。


夜萩円山(よはぎまるやま)公園

住所 鹿児島県薩摩川内市鹿島町
問い合わせ先 09969-5-1800(下甑島観光案内所)
時間 見学自由
交通アクセス 長浜港ターミナルから車約30分
URL https://satsumasendai.gr.jp/spotlist/2133/

瀬尾(せび)観音三滝

観音様が祀られた落差55メートルの滝


瀬尾観音三滝

下甑島の南側、瀬尾川の上流にある滝。高さ55メートルの滝は三段になって落ちていて、一番下の滝壺に観音像が祀られているので名が付いたという。滝の水は「諸人万人の薬水」といわれ、遠方からこの水を求める人が絶えなかったといわれている。マイナスイオンが多く発生し、最近ではパワースポットとしても知られている。滝の近くには瀬尾観音三滝公園が整備され、休憩所や展望所のほか、キャンプ場もある。


瀬尾(せび)観音三滝

住所 鹿児島県薩摩川内市下甑町青瀬
問い合わせ先 09969-5-1800(下甑島観光案内所)
時間 見学自由
交通アクセス 長浜港ターミナルから車約8分
URL https://satsumasendai.gr.jp/spotlist/39691/

川内駅から串木野駅へ

下甑島長浜港から川内駅に戻り、串木野駅へと向かう。川内駅を出て、田重岳を左に見ながら国道3号を沿うようにして内陸を南下。木場茶屋駅を越えるとトンネルが続く。さらに南九州自動車道をくぐって五反田川を渡れば海が見えてきて、串木野駅に到着する。

途中下車駅 串木野駅へ到着

いちき串木野市の中心部にある小さな駅。宿泊もここで

いちき串木野市の中心部にある串木野駅だが、構内にみどりの窓口とトイレがあるだけの小さな駅。ホームが駅の建物よりも高い位置にあり、地下道で結ばれている。駅周辺にはショッピングセンターや商店街があり、リーズナブルなホテルや民宿が点在する。翌日は中国風庭園の冠嶽園(かんがくえん)やいちき串木野市街地を一望できる冠岳(かんむりだけ)展望公園を巡ろう。

冠嶽園(かんがくえん)

古代中国に迷い込んだような美しい庭園


冠嶽園

いちき串木野市にはある伝説が残っている。秦の時代に徐福(じょふく)が秦の始皇帝の願いを叶えるため不老不死の妙薬を求めて冠岳に訪れたという。その伝承を顕現するため、頂峯院(ちょうぼいん)跡地に作られた中国風庭園。庭園は自然式山水庭園様式で、明代や清代に多く作られていた蘇州近隣の庭園の形をモデルにしているという。また、徐福の故郷・中国との友好交流の願いも込められている。


冠嶽園

八角形の建物に紅殻(べんがら)色の壁などは、古代中国のようなたたずまい。館内には、中国の歴史を感じられる漢詩や書、絵画などが展示されているので、古代中国に思いを馳せよう。


冠嶽園

冠嶽園ではボランティアによるガイドを行っている(1週間前~要予約。いちき串木野市総合観光案内所0996-32-5256)。冠嶽園や徐福について、詳しく説明を受けることができる。また、予約をしていない人でも常駐しているスタッフによる簡単なガイドも楽しめる。


冠嶽園(かんがくえん)

住所 鹿児島県いちき串木野市冠岳13511-7
問い合わせ先 0996-32-0760(冠岳交流センター)、0996-33-2552(坂口造園)
時間 9:00~17:00
定休日 月曜(祝日の場合は翌日)、12月29~31日
交通アクセス JR串木野駅から車約15分
値段 無料
URL http://ichiki-kushikino.com/amusement/post_179.html

冠岳展望公園

日本一の徐福像が建つ展望公園。市街地の奥に青い空と海の絶景が広がる


冠岳展望公園

3つの峰からなる冠岳の西岳中腹にある公園。展望台からはいちき串木野市街地のほか、透き通った東シナ海や緑輝く周囲の山々を一望できる。さらには薩摩半島最西端も見渡す絶景が広がる。夜ならば、満天の星々が輝き、幻想的な雰囲気になる。


冠岳展望公園

串木野市(現在のいちき串木野市)の市制施工50周年を記念して2000年に「日本一の徐福像」が設置された。中国で加工・製造された6メートルの石像は冠岳のシンボルともいえる。中国の秦皇島市には徐福の帰りを待ち望んでいる秦の始皇帝像があり、その像に対応するために作られた。毎年4月の祭りでは稲作や五穀を日本に伝えたという徐福像に花の冠を捧げる。


冠岳展望公園

四季折々の景色を見せる冠岳は紅葉の名所としても知られ、11月下旬~12月上旬が見頃。モミジやイチョウをはじめ、多くの種類の木々が色づき、周囲が華やかになる。


冠岳展望公園

住所 鹿児島県いちき串木野市冠獄
問い合わせ先 0996-32-5256(いちき串木野市総合観光案内所)
時間 入園自由
URL https://ichiki-kushikino.com/

味の本陣 やまきち屋

さつま揚げ発祥の地で受け継がれた伝統の味を楽しむ


味の本陣 やまきち屋

鹿児島の伝統のさつま揚げを製造する髙浜蒲鉾の工場に併設した直売店。串木野近海で獲れる新鮮な海の幸を伝統の技を駆使して製造している。


味の本陣 やまきち屋

さつま揚げ上棒天10本248円は、厳選した鱈やイトヨリ、エソを主原料に、地元で水揚げされたアジやサバなどのほか、地酒を練り込んでいる。上品な甘さがたまらない。ほかにも、たっぷりのニンジンやゴボウを混ぜ込んだ、さつま揚げ野菜天10枚864円、新鮮な鰯を小骨ごとすり身にしたさつま揚げイワシ棒天10本291円なども人気だ。


味の本陣 やまきち屋

さつま揚げの詰合せギフト3300円~も人気。上棒天や野菜天などのほか、サクッとした食感がたまらないれんこん天が入ったセットはお土産にも最適だ。


味の本陣 やまきち屋

直売所ならではの揚げたてのさつま揚げの試食やオリジナル商品に出会うことができるかも。大型の駐車場や車いす専用トイレも完備。


味の本陣 やまきち屋

住所 鹿児島県いちき串木野市薩摩山13301-1
問い合わせ先 0996-32-8339
時間 9:00~18:00
定休日 無休
交通アクセス JR串木野駅から車約5分
URL http://www.satuma-takahama.co.jp/shop/

串木野駅から鹿児島中央駅へ

串木野駅からは国道3号や南九州自動車道と並ぶように南東に進む。のどかな町並みや田園風景が続き、東市来駅からはいくつかのトンネルを抜けていく。さらに進み、広木駅を越えれば大きく左にカーブを描き指宿枕崎線と合流し、終点の鹿児島中央駅に到着する。

鹿児島本線の終点といえる、鹿児島中央駅へ到着

屋上に大観覧車があるグルメ・土産スポット


鹿児島中央駅

鹿児島県の都市間移動の拠点駅で、通称は「中央駅」。九州新幹線と指宿枕崎線の終点で、鹿児島本線の実質的な終点、また日豊線の列車のすべてが乗り入れているため、こちらも実質的な終着駅になる。観光案内所のほか、コンビニやドラッグストア、ホテル、土産店や食事店が立ち並ぶエリアなどのほか、駅ビル屋上には大観覧車がある。駅の周囲は繁華街になっている。

かごしま黒豚 六白亭(ろっぱくてい)

鹿児島県産の極上黒豚のしゃぶしゃぶやトンカツ。豊富な焼酎と楽しみたい


かごしま黒豚 六白亭

ホテルユニオン内にある和食店。鹿児島県が誇る名物ブランド豚・六白黒豚のさまざまな料理が堪能できる。特にしゃぶしゃぶが名物で、黒豚ならではの赤身と脂の味わいを堪能できる。出汁にもこだわり、旨みを引き立ててくれる。黒豚しゃぶしゃぶ薩摩懐石コース3000円では、黒豚角煮かつや黒豚軟骨煮込み、さつま揚げなど、郷土料理を含めた全8品が楽しめる。熟成ラーメンも付くので、豚のおいしさを最後まで味わえる。1人前から頼めるのもうれしい。


かごしま黒豚 六白亭

豚肉料理といえばトンカツも忘れられない。オープンキッチンで職人が揚げる様子も見られる。熟成させた鹿児島県産豚の厚切りを低温でじっくりと揚げることで、柔らかくジューシーな仕上がりになる。こだわりの油を使用しているので、サクサクの衣もたまらない。熟成ロースかつ定食(250グラム)1580円。なかには超極厚の500グラムもある極厚ロースかつ定食2580円もある。


かごしま黒豚 六白亭

定食にはこの店の名物ともいえる半熟卵かつも付いている。こんがりと揚がった玉子を割るとトロリと黄身が溢れ出す。特製醤油をかけて楽しもう。ご飯も好評で、鹿児島県産の特Aを連続で受賞している「あきほなみ」の玄米を店内で毎日精米して炊いている。ご飯本来の旨みや甘味をトンカツと一緒に楽しもう。


かごしま黒豚 六白亭

焼酎の品ぞろえは400種以上。焼酎唎酒師の資格を持つオーナーが鹿児島県内の酒蔵を巡って料理合うものをそろえている。料理との組み合わせも提案してくれるので、気軽に相談してみよう。


かごしま黒豚 六白亭(ろっぱくてい)

住所 鹿児島県鹿児島市西田2-12-34 ホテルユニオン1F
問い合わせ先 099-251-9008
時間 11:30~14:00LO・17:30~22:00LO
定休日 無休
交通アクセス JR鹿児島中央駅から徒歩3分
URL https://www.roppakutei.com/

城山(西郷隆盛像)

陸軍大将の制服姿の西郷隆盛。フォトスポットには愛犬の姿も


城山

江戸城の無血開城や明治新政府樹立など、明治維新に功績を残した西郷隆盛。1877(明治10)年には西南戦争で新政府軍に敗れ、城山で自害した。没後50年祭記念として、鹿児島市出身の彫刻家で渋谷の忠犬ハチ公の制作者でもある安藤照が制作。銅像は、約8年の歳月をかけて1937(昭和12)年5月23日に完成した。城山を背に陸軍大将の制服姿で仁王立ちする高さ8メートルの銅像の堂々とした姿は鹿児島のシンボルだ。


城山

西郷隆盛像は夜間にライトアップされる。真っ暗な中で浮かび上がるような西郷どんは、昼に見るのとは違った表情が見られる。


城山

道路を挟んだ鹿児島市中央公民館前には、カメラがおけるフォトスポットがある。西郷隆盛の愛犬・ツンを模した犬の像もあるので、銅像と一緒に撮影をしよう。


城山(西郷隆盛像)

住所 鹿児島県鹿児島市城山町4-36
問い合わせ先 099-298-5111(観光交流センター)
時間 見学自由
交通アクセス JR鹿児島中央駅からカゴシマシティビュー約14分、西郷銅像前下車すぐ
URL https://www.kagoshima-yokanavi.jp/spot/10005

仙巌園(せんがんえん)

島津家の殿様に愛された雄大な桜島と錦江湾を望む世界文化遺産の庭園


仙巌園

島津家19代光久によって、1658(万治元)年に築かれた島津家の別邸。幕末の藩主・斉彬もこよなく愛したという。桜島を築山に、錦江湾を池に見立てた雄大な景色を眺望できる。梅や桜をはじめ、アジサイ、ノウゼンカズラなど、四季折々の花が咲き誇る。全国でも珍しい猫を祀った猫神やガス灯の実験に使用された鶴灯籠など、見どころも多い。2015年には「明治日本の産業革命遺産」として世界文化遺産に登録されている。


仙巌園

錫(すず)門と呼ばれる江戸時代の正門。屋根には瓦ではなく、鹿児島特産のスズが葺かれている。高い身分の象徴といえる朱塗りの門を通れるのは、藩主と世継ぎだけだったという。


仙巌園

御殿は、国内外の要人を招いていた迎賓館の役割も果たしていたこともあり、邸内は美しい装飾が施されている。勝海舟やロシア皇帝のニコライ2世なども訪れていたという。謁見の間のほか、29代忠義が一時本邸にしていたこともあり、当時の御湯殿や御寝所なども残っている。


仙巌園

園内には黒豚や黒酢などをふんだんに使った郷土料理が味わえるレストラン、お茶や甘味でひと息つける和カフェなどがある。ほかにも、鹿児島を代表する工芸品の薩摩切子や薩摩焼をはじめ、焼酎や黒酢、サツマイモを使用したお菓子など、鹿児島の土産のショップもあり、この施設限定の商品もある。隣接して島津家の歴史や文化を伝える尚古集成館(しょうこしゅうせいかん)があるので、一緒に立ち寄ろう。


仙巌園(せんがんえん)

住所 鹿児島県鹿児島市吉野町9700-1
問い合わせ先 099-247-1551
時間 9:00~17:00
定休日 無休
交通アクセス JR鹿児島中央駅からカゴシマシティビュー約50分、仙巌園下車すぐ
値段 大人1000円、小中学生500円(尚古集成館共通)※御殿は別途料金が必要
URL https://www.senganen.jp/

旅のまとめ

鹿児島本線には、自然と歴史を楽しめるような観光スポットが点在しているので、1泊2日でのプランで巡ろう。1日目は川内駅から移動して東シナ海に浮かぶ下甑島でパワースポットや美しい自然も満喫し、串木野駅周辺で宿泊。2日目は伝承に関連した庭園や石像を楽しみ、最終駅の鹿児島中央駅で、幕末の英雄や藩主ゆかりの地を巡ろう。鹿児島のブランド豚の料理もぜひ食べよう。

宿泊情報


鹿児島県内の宿泊情報はこちら

地図

  • 写真協力:薩摩川内市観光物産協会、いちき串木野市教育委員会、いちき串木野市総合観光案内所、高浜蒲鉾、ホテルユニオン、鹿児島観光コンベンション協会、株式会社島津興業
  • 文:速志 淳(株式会社アド・グリーン)
  • 掲載されているデータは2020年10月現在のものです。変更となる場合がありますので、お出かけの際には事前にご確認ください。
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