むすび鉄 ~鉄道で巡る縁結び&縁切り神社
“良縁”というと恋愛のイメージが強いですが、仕事や人との縁、時間の縁なども立派なご縁。
鉄道に乗って、人と人、人と物との良いご縁を結ぶ「むすび鉄」の旅に出てみませんか?
元非常勤巫女で、神社アドバイザーとしても活躍するライター 井口エリさんがちょっとディープな“縁結び&縁切り”にまつわる神社をご紹介します。
福岡・博多から約1時間20分。羽犬塚(はいぬづか)駅近くにある水田天満宮は、全国で唯一、恋命(こいのみこと)をお祀りする恋木神社(こいのきじんじゃ)を境内に有する神社です。
恋木神社は縁結びの御利益で知られ、境内にはかわいらしいハート(猪の目)が随所に施されています。ピンクがかった淡い朱色が美しく、水田焼で彩られた社殿は写真映えも◎。良縁を願う旅に、出かけてみてはいかがでしょうか。
博多駅から経路はさまざま! 新幹線でも在来線でもラクラクアクセス
博多駅
水田天満宮に最寄りの羽犬塚駅へは、博多駅から久留米駅を経由し、鹿児島本線に乗り換えてアクセスできます。
東京~博多駅間は新幹線で約5時間ですが、飛行機なら約2時間。博多駅から久留米駅までは、新幹線ならわずか17分、在来線である鹿児島本線の快速を使って40分ほどで到着します。久留米駅から羽犬塚駅へは鹿児島本線で約15分です。
とにかく早く到着したい、少し時間がかかっても在来線も使って交通費を抑えたいなど、予算やスケジュールに応じて自分に合った旅のプランが立てられますね。
博多駅から鹿児島中央駅を結ぶ九州新幹線
九州新幹線についてもっとくわしく
鹿児島本線の羽犬塚駅
駅の看板にも羽犬の「ちっごくん」が
羽犬塚……なかなか不思議な名前の駅ですが、この地にはかつて羽の生えた獰猛な犬がいて、人々に恐れられていたという説や、豊臣秀吉の飼っていた羽が生えているかのように飛び回る犬がこの地で死んでしまい、弔うために塚を作ったという説があるそうです。
そんな「羽犬」はこの地のシンボルとなっており、街中には羽犬像があり、駅名看板やゴミ収集車、街中ののぼりや看板などいたるところで見かけることができました。
羽犬像。周辺ではこうした羽犬のモニュメントを見ることができる
西口に抜けて向かうのがおすすめ
羽犬塚駅から恋木神社のある水田天満宮までは徒歩約20分(車で約5分)。
駅前にはタクシーも止まっているほか、水田天満宮恋木神社前まで行くバスもあります。今回はバスのタイミングが合わず、徒歩で向かいました。徒歩で行く際は、階段を使って西口へ抜けると、目的地までわかりやすいのでおすすめです。
九州二大天満宮・水田天満宮へ
恋木神社のある水田天満宮に到着しました。楼門が立派です。まずは本殿である水田天満宮へお参り。
水田天満宮
御本殿
水田天満宮の御祭神は学問の神様として広く親しまれている天神様・菅原道真公。
九州二大天満宮にも数えられ、天満宮の総本宮である太宰府天満宮とも縁深い水田天満宮。御本殿向かって右側には「飛梅」がありました。
飛梅
飛梅といえば、太宰府天満宮の特別な御神木の梅の木として知られています。
都にあった道真公の屋敷から、道真公を追って梅が一夜のうちに太宰府まで飛んできたという飛梅伝説は、能楽の演目にもなっています。
恋愛成就の御利益で知られる「恋木神社」
水田天満宮の境内社である恋木神社。創建は鎌倉時代中期で、全国唯一の御祭神である恋命を祀ります。
淡い朱色に輝く恋愛成就スポット・恋木神社
鳥居の猪の目の文様(ハート)を探してみよう
こんなところにも!
恋木神社の御神紋は猪の目の文様。ハート形の文様で、魔除けや福を招くといわれています。そして、恋木神社の鳥居にはそんなハートが10個も隠れているのだそうです。
鳥居に隠された10個のハート、すべて見つけられたら恋愛運がアップしそう……!
恋木神社の恋参道や社殿の床などには、水田天満宮窯元の陶板が随所に施されています。
左:むすびの水引守(初穂料800円) 右:ハート陶板守(初穂料800円)
社務所では陶器を使ったおしゃれなお守りも授与されています。むすびの水引守もハート陶板守も、ピンクだけでなく多彩なカラーバリエーションがあり、どれを選ぶか迷ってしまうほど。ぜひお気に入りの色を見つけて、自分にぴったりのお守りを選んでみてください。
ちなみに、水田天満宮と恋木神社の御朱印はそれぞれ初穂料500円で授与していただくことができます。
たくさんのハートと梅の花、恋木神社で願うご縁
水田天満宮では、天神様ゆかりの梅の花を楽しめます。梅の開花時期は例年1月下旬から3月下旬頃まで。参拝時は3月上旬でしたが、見頃の梅を楽しむことができました。
水田天満宮では一年を通じて多くの祭りや催しが開かれ、境内の心字池ステージでもさまざまなイベントが行われます。
水田天満宮 境内の梅
そして、訪れると温かな気持ちに包まれる恋木神社。
たくさんのハートが散りばめられた恋木神社は、良縁を願う方にぜひ足を運んでほしい、縁結びの御利益あふれる神社です。
心字池
御神紋の猪の目をいたるところで目にすることができる
水田焼のハートがかわいい正面横の扉
実際、良縁が成就した方々から神社へ感謝のお手紙が寄せられることも多く、良縁がきっかけとなり結婚式を挙げる方も多いのだとか。水田天満宮では約40名までの結婚式が可能なほか、恋木神社では二人だけの挙式など、それぞれのニーズに合わせた式を挙げることができます。
ハートが散りばめられた境内で、縁結びの御利益を感じながら特別なひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。
恋愛成就のパワースポットで、進め! 恋の道
恋木神社は水田天満宮の末社として鎌倉時代中期から鎮座し、全国でもめずらしい「恋命」を祀っています。「良縁幸福の神様」「恋の神様」として親しまれており、お守り、おみくじ、絵馬など、数え切れないハート(猪の目)で満たされています。
また、恋参道や社殿の床にはハート型の陶板が敷き詰められ、良縁成就祈願や二人だけの結婚式の名所となっています。恋参道は恋木神社へと続く道。恋愛も一歩一歩、歩んで行くように、たくさんのご参拝者が願いを込めて歩んだ、いわば「恋の道」です。
「あふれる程の愛に恵まれますように」 「素敵な出逢いで幸せになりますように 」、そんな良縁を求めるすべての人にぜひ訪れてほしいパワースポットです。
恋参道
基本情報
名称 | 水田天満宮・恋木神社 |
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所在地 | 福岡県筑後市水田62-1 |
問い合わせ先 | 0942-53-8625 |
URL | https://www.mizuta-koinoki.jp/ |
著者紹介
- ※取材・撮影・文=井口エリ
- ※掲載されているデータは2025年3月現在のものです。変更となる場合がありますので、お出かけの際には事前にご確認ください。