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2023.06.16鉄道快速「マリンライナー」 -岡山駅と高松駅を結ぶ瀬戸大橋線の快速列車。瀬戸内の海と島の連なる美しい車窓の風景-(THE列車)

瀬戸大橋からの美しい眺望を楽しめる快速列車

1988(昭和63)年4月10日に開業した瀬戸大橋線(愛称)を通り、岡山駅と高松駅を結ぶのが快速「マリンライナー」です。

早朝・夜間に運転される一部の列車を除き、高松寄りに2階建て車両(グリーン車・普通車指定席)が連結されていますので、瀬戸大橋を渡る時に風光明媚な瀬戸内海のパノラマ風景を存分に楽しむことができます。

また、2023年には「瀬戸大橋線開業35周年記念キャンペーン」も開催されています。

快速「マリンライナー」の基本情報

山陽新幹線などが接続する岡山駅を発車した列車は、宇野線を走行します。途中の茶屋町駅で宇野駅方面の宇野線と別れ、いくつかのトンネルを抜けて児島駅に停車します。

児島駅を発車して鷲羽(わしゅう)山トンネルを抜けると、岡山県と香川県の県境に架かる下津井瀬戸大橋に入り、瀬戸内海の青く輝く海が車窓に広がります。


続いて櫃石(ひついし)島、岩黒島、与島の島伝いに橋と高架橋を進み、左右の車窓に瀬戸内の絶景が映し出されます。与島を過ぎると長大な吊り橋の北備讃(びさん)瀬戸大橋、南備讃瀬戸大橋を渡り、四国の地に入ります。

高架橋を走る線路は左右に分岐しますが、列車は左手の線路(右手方向は宇多津駅)に進んで坂出駅に到着します。また、坂出駅に到着する前には、右手車窓に讃岐富士と呼ばれる飯野山がよく見えます。四国の地に来たことを実感するうちに、列車は終着の高松駅に到着します。

鉄道コンシェルジュ ミスターKのとっておき情報

5000系+223系5000番代


快速「マリンライナー」は一部の列車を除き、高松寄りの1号車に2階建て車両を連結した5両編成で運転されます。

2階建て車両には運転台の後ろ部分にパノラマシート(グリーン席)、2階にグリーン席、1階に普通車指定席が設置されています。

このほかの車両は普通車自由席で、1~3号車はJR四国の5000系、4~5号車にはJR西日本の223系5000番代が使用されています。

なお、「1・3・71・73・2号」は223系2両編成、「69号」は5000系3両編成、「8・10号」は5000系3両+223系5000番代4両の7両編成となります。

パノラマシート(グリーン席)


高松駅行きの先頭1号車は2階建て車両で、運転台の後ろにパノラマシート(グリーン席)が設置されています。

平屋部分に4席だけ設けられた特別な席で、側面の大窓からの眺望と合わせ、ワイドな前面展望も楽しめるというものです。

進行方向左側が1A・1B席、右側は1C・1D席で、前に運転士が着席する左側の1A・1B席は視界を良くするため、右側より一段高い位置に座席が設置されています。

1号車のグリーン席


2階建て車両の2階部分はグリーン席で、2+2席のリクライニングシートが8列配置されています。

回転式フリーストップタイプのリクライニングシートで、リクライニング時に座り心地が良くなる座面スライド機構を備えています。

前後のシートピッチは1,000mmで、座席モケットは瀬戸内海の海をイメージした紺色がデザインされています。ゆったりとした2階席から瀬戸内海の眺望を楽しむことができます。

1号車の普通車指定席


2階建て車両の1階部分は普通車指定席で、2+2席のリクライニングシートが9列配置されています。

前後のシートピッチは970mmで、座席モケットは瀬戸内海の海をイメージした紺系と夕日をイメージした赤系がデザインされ、2色が交互に配置されています。

階下席ですので瀬戸内海の水面を覗き込む視点となり、2階席と異なった風景が楽しめます。なお、2号車との連結面となる平屋部分には、車イス対応座席が左右の窓側に1席ずつ配置されています。

普通車自由席


5両編成の列車の2~5号車は普通車自由席で、転換式クロスシートが設置されています。

2人掛けシートの向きを変えて利用できますが、壁際とドア寄りの座席は固定されていますので、手前の座席を進行方向に転換させると4人掛けのボックスシートとなります。

なお、4号車に車イス対応トイレが設置されています。また、冷房使用時は3号車が弱冷房車となります。

瀬戸大橋


瀬戸内海を跨いで本州と四国を結ぶ瀬戸大橋とは、下津井瀬戸大橋、櫃石島橋、岩黒島橋、与島橋、北備讃瀬戸大橋、南備讃瀬戸大橋の6つの長大橋と、これらをつなぐ高架橋を合わせた総称です。

道路鉄道併用橋で併用部分の総延長は13.1km。上部が自動車道路(瀬戸中央自動車道)、下部は鉄道(JR本四備讃線)の2層構造となっています。

1988(昭和63)年4月10日に使用が開始され、本州と四国が鉄道で結ばれるようになり、岡山駅と高松駅・徳島駅・松山駅・高知駅などを結ぶ直通列車が運転されています。

「瀬戸大橋線開業35周年記念キャンペーン」


1988(昭和63)年4月10日に瀬戸大橋線が開業して35周年を迎えたのを記念して、JR四国では「瀬戸大橋線開業35周年記念キャンペーン」を開催しています。

2023年12月31日までの開催期間中は、35周年を記念したイベントの実施や特別ツアーの企画などが行われます。「瀬戸大橋線開業35周年記念デジタルスタンプラリー」や「アンパンマン列車スタンプラリーの瀬戸大橋線開業35周年賞の設定」、快速「マリンライナー」の5000系5101号へのヘッドマーク掲出など、盛りだくさんの楽しみが用意されています。詳しくはキャンペーン特設サイトをご覧ください。


「瀬戸大橋線開業35周年記念キャンペーン」特設サイトはこちら


列車情報

運転日 毎日運転(下り38本、上り35本)
運転区間 瀬戸大橋線(宇野線・本四備讃線・予讃線) 岡山駅~高松駅間
運転時刻 【5号】岡山駅6:37発→高松駅7:33着
【75号】岡山駅23:43発→高松駅0:51着
【4号】高松駅5:35発→岡山駅6:28着
【70号】高松駅22:27発→岡山駅23:30着

※グリーン車連結の始発・終発列車の時刻のみ掲載

著者紹介

ミスターK(結解喜幸)

1953年、東京都出身。出版社勤務を経て旅行写真作家に。鉄道や時刻表のたのしさを知り尽くした鉄道の達人。現在は地酒とつまみを追い求める「飲み鉄」にはまっている。

  • 文/ミスターK(結解喜幸)
  • 写真/JR四国、交通新聞クリエイト、(公社)香川県観光協会(瀬戸大橋)
  • 掲載されているデータは2023年6月1日現在のものです。

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