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2024.08.27旅行お伊勢参りで行きたい、みちひらきと良縁を結ぶ神様「猿田彦神社・佐瑠女神社」【むすび鉄】

むすび鉄 ~鉄道で巡る縁結び&縁切り神社

“良縁”というと恋愛のイメージが強いですが、仕事や人との縁、時間の縁なども立派なご縁。
鉄道に乗って、人と人、人と物との良いご縁を結ぶ「むすび鉄」の旅に出てみませんか?

元非常勤巫女で、神社アドバイザーとしても活躍するライター 井口エリさんがちょっとディープな〝縁結び&縁切り”にまつわる神社をご紹介します。

「お伊勢さん」伊勢神宮が鎮座する三重県伊勢市。一度は訪れたい「心のふるさと」です。
そんな伊勢市で、ぜひ参拝してもらいたいのがみちひらきの神様・猿田彦大神を祀る「猿田彦神社」です。猿田彦神社の境内には、縁結びのご利益が評判の「佐瑠女神社」もあり、恋愛運を高めたい方や良縁を求める方にぴったりのスポットです。

名古屋から1時間半! 神宮ご鎮座のまち伊勢市へ

伊勢神宮(正式名称は「神宮」)や猿田彦神社のある伊勢市への行き方は、鉄道利用ならJRと近鉄があります。今回は名古屋駅からJR線の快速「みえ」に乗車、伊勢市駅には約1時間30分で到着します。


名古屋駅から出発

駅構内での乗り換えになるので、快速「みえ」は新幹線からの導線がスムーズなのもうれしいポイント。
あと注意点もあるのですが、参宮線はICカードが使えません(2024年7月現在)。なので、事前に紙のきっぷを購入しておきましょう。ちなみに買いそびれても、車内を巡回に来る乗務員さんに清算する形でもきっぷの購入が可能ですのでご安心ください。


快速「みえ」

名古屋~伊勢市・鳥羽駅間をつなぐ快速「みえ」。工場地帯で有名な四日市や、サーキットのある鈴鹿などを経由し、車窓からの景色も楽しめます。


車窓から工場地帯を眺める


途中、並走する近鉄名古屋線とすれ違う


快速「みえ」についてもっとくわしく

快速「みえ」―指定席は何号車? トイレはどこに? 沿線の注目スポットまで徹底解説(THE列車)

≫≫続きを読む

JR参宮線 伊勢市駅に到着しました。伊勢市駅の駅前からは参道が伸びており、その周辺にはたくさんのお店が点在しています。散策しながら、地域の魅力を楽しむことができます。
駅から猿田彦神社までは、バスを利用します。三重はバスが発達しており、本数も多いため、駅からの移動にほとんど困ることはありませんでした。


JR参宮線 伊勢市駅

伊勢市駅前のバスターミナル

移動にあたっては三重交通のサイトの検索システムが便利でした! 近くのバス停から目的地まで、現在地と現在時刻ですぐに調べられます。
駅からの経路にもよるのですが、猿田彦神社前バス停までは10~20分程度で到着します。

神様の道案内をした猿田彦大神が祀られる猿田彦神社


猿田彦神社

猿田彦神社に鎮座するのは猿田彦大神(さるたひこおおかみ)。猿田彦大神は、物事の最初に現れ、万事物事を良い方に“おみちびき”になる「みちひらき」の神様です。

そして境内で御本殿と向かい合うように鎮座するのが境内社の「佐瑠女(さるめ)神社」。


境内社である佐瑠女神社

佐瑠女神社にお祀りされている天宇受売命(あめのうずめのみこと)は俳優・神楽・技芸・鎮魂の祖神とされる神様。芸能・スポーツ関係の方が奉納した数多くののぼりからも、信仰の篤さがうかがえます。
天宇受売命は「縁結びの神様」としても有名な神様。天上の神様と地上の神様との縁を取り持ったことから、さまざまな縁を結ぶ良縁の神様として信仰されています。
そして、御本殿の猿田彦大神と天宇受売命は夫婦といわれています。


猿田彦大神を祀る猿田彦神社御本殿

大体は南か東を向いて建っていることの多い神社ですが、夫婦であるという由縁から佐瑠女神社は御本殿と向かい合わせになるように北向きに建っています。

歴史を感じ、良縁を授かる

現在も残る神聖な場所・古殿地


古殿地(神殿跡)

御本殿の正面には、人が立ち入らないよう柵で仕切られた石があります。これは何かというと、古殿地(こでんち)という神殿跡です。1936年までこの場所に神様がいたことを示しています。

干支が刻まれた古殿地は、区切られていますが石に触れるのはOKとのこと。ぜひ触れてみて、この場所が特別に神聖であったことを感じてみてください。

良縁の神様にちなんだ御守りをいただく


佐瑠女神社御守(縁結び御守) 初穂料:1000円。赤と白の2種類あり

コロンとしたフォルムが愛らしい御守りは人と人、人と物との良い縁を結ぶ御守り。「良縁」というと恋愛のイメージが強いですが、仕事や人との縁、時間の縁なども立派な縁結び。

個人的に“時間の縁”というのを新鮮に感じましたが、“タイミングに恵まれる”ということもひとつの良縁なのだそうです。

猿田彦神社からのお伊勢参りを楽しむ


猿田彦神社前の道路

実は、猿田彦神社の前の道はもともと伊勢参宮街道といって、神宮へお参りする時の道でした。時には500万人(!)という多くの人々が伊勢を目指した伊勢参宮街道は、東海道に次いで交通量が多く賑やかだったそうです。

多くの人が憧れたお伊勢参りは、伊勢音頭でも「伊勢に行きたい伊勢路がみたい。たとえ一生に一度でも」と歌われました。
そんな街道のルート上にある猿田彦神社。昔の人は伊勢参宮街道を通って猿田彦神社、内宮、外宮と参拝していたそうで、現在も猿田彦神社から参拝される方も多くいるそうです。

実際に猿田彦神社から内宮まで歩いてみることに。猿田彦神社から近い内宮へ向かう道の途中にはおはらい町・おかげ横丁が広がっており、およそ800mの通りには美しい石畳や、特有の切妻・妻入り様式の味のある街並みが広がります。


猿田彦神社から内宮までの道すがらに広がるおはらい町通り

味のある素敵な街並みを楽しむ

おはらい町・おかげ横丁で散策を楽しんだ後は伊勢神宮内宮・外宮にも行きました。
内宮までは徒歩でも行けますが、内宮から外宮までは距離があるため、バスやタクシーを利用することをおすすめします。

江戸時代には「伊勢講」という組織を組んでお金を積み立てて、代表の者が参拝して参加者の分のお祓いを受けるのが流行し、一大行事だったお伊勢参り。今は交通も発達して名古屋から約1時間半と気軽に行けるようになりました。
伊勢へおいでの際は、猿田彦神社で素敵なご縁を引き寄せる祈願をしてみてはいかがでしょうか。


万事、よりよい方向へと導かれますように!

猿田彦神社の主祭神 猿田彦大神は、物事の最初に現れ、万事物事を良い方に“おみちびき”になる「みちひらき」の神様です。何かをはじめるとき、進む道に迷いがあるときに、参拝するのもおすすめです。

また、佐瑠女神社にお祀りされている天宇受売命は「縁結びの神様」として有名。天上の神様と地上の神様との縁を取り持ったことから、さまざまな縁を結ぶ良縁の神様として信仰されています。そして、御本殿の猿田彦大神と天宇受売命は夫婦とされる神様です。
恋愛運を高めたい方や良縁を求める方に、ぴったりのスポットです。


基本情報

名称 猿田彦神社
所在地 三重県伊勢市宇治浦田2-1-10
問い合わせ先 0596-22-2554(代表)
URL https://www.sarutahikojinja.or.jp/

著者紹介

井口エリ

神社や街歩きが好きなフリーライター。
旅先ではひたすら車窓の景色を見るタイプで、電車から見えるなかなか行けなそうな場所の神社に思いを馳せるのが好き。御朱印をきっかけに神社に興味を持ち、非常勤巫女も経験。中立的な立場からの「プロ参拝者」目線を活かして「神社アドバイザー」として御朱印や授与品の開発に従事している。

X:https://twitter.com/chip_potekko

  • 取材・撮影・文=井口エリ
  • 掲載されているデータは2024年7月現在のものです。変更となる場合がありますので、お出かけの際には事前にご確認ください。
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