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2023.04.21旅行【JR北海道エリア】トクトクきっぷの購入方法とは? 「お得な旅行」を知り尽くした蜂谷あす美が解説

「トクトクきっぷ」の買い方を追究

これまで各地の「トクトクきっぷ」を紹介してきました。トクトクきっぷは、使い方や有効日数がさまざまで、上手に活用するためにはルールをおさえることが重要です。加えて、きっぷによって、発売箇所や購入方法も異なります。

そこで今回からはエリア別、方法別に「トクトクきっぷ」の買い方を紹介していきます。第1弾はJR北海道エリア編です!

トクトクきっぷとは?

トクトクきっぷは、正式名称を「特別企画乗車券」といい、ざっくり説明すると「列車がお得に利用できるJRのきっぷ」です。JR北海道では「おトクなきっぷ」と呼ばれるなど、会社によって呼び方は少しずつ異なるものの、ルールはおおむね共通しています。

また、トクトクきっぷの種類は、大きく以下の5つに分けられます。

  • 回数券タイプ:新幹線や特急列車等のきっぷが複数枚綴りになったもの。券面に書かれた駅間のどちらから利用してもよいため、グループのほか、往復利用などにおすすめです。
  • 片道タイプ:早めの購入で割引になるタイプ。旅行の計画が定まっている人向け。最近はチケットレスを含めて、ネット限定タイプも増えています。
  • 往復タイプ:「ゆき」と「かえり」がセットになったもの。「ゆき」と「かえり」で経路が違うタイプも含みます。
  • フリータイプ:指定されたエリアが乗り放題になるきっぷ。「乗りつぶし」の強い味方。JR以外の鉄道会社やバスなどが対象エリアに含まれているものも多いです。
  • 往復+フリータイプ:「往復タイプ」と「フリータイプ」が合わさったもの。往復部分は新幹線や特急列車に乗車できるタイプが多く、目的エリアまでは効率よく移動し、現地で濃密に乗って遊びたい人向けです。

上記のほかに、観光施設への入場券がセットになった往復タイプなどもあります。

まず利用したいトクトクきっぷを探そう

まずは旅行で利用したい、利用できそうなトクトクきっぷを探しましょう。探し方は、

  • JR時刻表内の「JRのトクトクきっぷコーナー」
  • 「JR北海道のウェブサイト」

の2通りがあります。

JR時刻表の「JRのトクトクきっぷコーナー」


JR時刻表の「ピンクのページ」には、トクトクきっぷが「通年で発売されているもの」「期間限定で発売されているもの」に分かれて収録されており、きっぷの概要や主な区間の料金、売り場などがまとめられています。

フリータイプの場合は、使えるエリアが図で示されているため、見やすさも抜群です。

最大の利点は「時刻表に載っている」ことに尽きます。旅程づくりと、利用きっぷの検討が並行して進められてしまうのです!

「JR北海道のウェブサイト」

JR北海道エリアのトクトクきっぷの一覧ページがあります。きっぷのタイプのほか、利用できる列車の設備(自由席or指定席など)、種類(普通列車or特急列車など)、発売箇所や利用条件、有効期間も一目でわかります。


JR北海道のトクトクきっぷ一覧はこちら

JR6社共通のトクトクきっぷの購入方法

利用したいトクトクきっぷが決まれば、いよいよ購入です。以下では、購入方法別に発券までの流れを解説します。

みどりの窓口

最も初心者向けの購入方法は、係員と対面でやり取りできる「みどりの窓口」です。

ここではJR線(函館本線 函館駅~森駅)と函館市電、道南いさりび鉄道、それに函館バスが乗り放題になる「はこだて旅するパスポート」を例に、手順を説明します。

みどりの窓口に行く前に~2つの「期間」とエリアを確認~

「あえて書くことか?」と突っ込まれそうですが、みどりの窓口を訪ねる前に、きっぷの利用可能日を確認しましょう。

というのも、発売・利用期間が「通年」であっても、多くの人が旅行に出かける期間を利用日から外しているきっぷが少なくないからです。これらのシーズンが「利用除外日」である場合、JR時刻表のピンクのページでは「多客期×」の記号が付いています。

合わせて確認したいのが「発売期間」です。週末パスは利用開始日の前日までの発売であるため「今日、いまから使う!」とはいきません。その代わり、多くのトクトクきっぷは通常のきっぷ同様利用開始日の1か月前から発売しているため、お出かけする日程が決まっている方は早めに買っておきましょう。

そして何より重要なのが「発売箇所」です。はこだて旅するパスポートは、発売箇所が「フリーエリア内」に限られるため、最寄りのみどりの窓口が「エリア外」の場合は購入できません。なお、トクトクきっぷでも、とりわけフリータイプの発売箇所は「フリーエリア内」が非常に多いので注意しましょう。

いざ窓口へ~支払い方法は2種類~

期間や発売箇所を確認したら、窓口に赴きましょう。あとは係員に「はこだて旅するパスポート」を購入したい旨、また利用開始日を伝え、発券に進むだけです。

最近は、PayPayをはじめとしたスマホ決済など、支払い方法の多様化が進んできましたが、「みどりの窓口」では、現金またはクレジットカードのみの扱いになるので、スマホ決済を日常的に使っている方は、お財布の中を確認しておきましょう。

なお、「みどりの窓口」は駅や季節によって混雑し、発券までの時間が読めないこともあります。加えて、設置されている駅自体も少なくなってきました。「窓口でしか買えない」トクトクきっぷは非常に少ないので、指定席券売機やインターネット予約システムの利用もご検討ください!

この方法で購入できる主なきっぷ(券売機非対応のきっぷ)

  • 大人の休日倶楽部パス(北海道)※えきねっとも対応
  • レール&レンタカーきっぷ

みどりの窓口のように使える券売機

最近では「みどりの窓口」の代わりに、「話せる券売機」のように、オペレーターとやり取りしながら、きっぷを発券できる券売機が全国で増えています。

「みどりの窓口」に準じた方法できっぷが買えますので、機械操作に慣れていない方にはおすすめです。

旅行会社

みどりの窓口が近くにないけど対面で買いたい人向け

みどりの窓口と同じく初心者向けの購入方法は「旅行会社」です。

旅行会社というと、宿ときっぷがセットになったパック商品、はたまた添乗員が同行するツアー商品を買い求める場所と思いがちですが、以下のサイトに掲載されている旅行会社ではJRのきっぷも扱っており、発売箇所に「主な旅行会社」と書かれているトクトクきっぷも購入可能です。


駅から離れた地域に住んでいる方、また近くの駅に「みどりの窓口」がない方は、ショッピングモールなどに入っている旅行会社のカウンターを訪ねるのもおすすめです。「みどりの窓口」同様に、対面で発券手続きが行えます。

なお、発売エリアについては、みどりの窓口の発売エリアとおおむね一致します。また、旅行会社のカウンターの場合は、旅行商品の相談に来られる方が多く、カウンターがふさがっていると相当の間待つ点だけは気を付けましょう。

旅行会社だけで扱っているトクトクきっぷがある

ここまでは「旅行会社で買えるトクトクきっぷ“も”ある」と説明してきましたが、世の中には「旅行会社でしか買えないトクトクきっぷ」も存在します。

「北海道フリーパス」がその一つです。JR時刻表の「ピンクのページ」、またはJR北海道のサイト「おトクなきっぷ一覧」をご覧になった方は、「ふつうに載っているし、駅でも買えるけど?」と思ったことでしょう。事実、JR北海道エリアが7日間乗り放題になる「北海道フリーパス」は誰にでも門戸が開かれているのですが、同じ名前で3日間タイプ、4日間タイプ、5日間タイプのきっぷも存在し、これらは旅行会社で旅行商品を購入した人だけが買えるきっぷなのです。

詳細は旅行会社のサイトやパンフレットなどに載っています。

この方法で購入できる主なきっぷ(旅行商品専用きっぷ)

  • 北海道フリーパス(3~5日間)
  • 札幌フリーパス(1~5日間)
  • 道央フリーパス、道南フリーパス、道東フリーパス(2または3~5日間)

JR北海道のトクトクきっぷの購入方法

トクトクきっぷの購入方法としては、「駅の窓口」「旅行会社」といった対面での販売に加えて、駅の「指定席券売機」、インターネット予約システム「えきねっと」など、非対面の販売方法が用意されています。

まずは、JR北海道のトクトクきっぷをこれらで購入する方法を見ていきます。

指定席券売機

ここでは、富良野・美瑛エリアが1日乗り放題になる「ラベンダーフリーパス」を指定席券売機で購入するとします。

指定席券売機でのトクトクきっぷ購入の流れ

  • 1.券売機の最初の画面で「おトクなきっぷ」を選択
  • 2.「ラベンダーフリーパス」を選択
  • 3.利用開始日、利用人数を選択
  • 4.支払い

支払方法は「現金」「クレジットカード」から選べるうえに、「領収書」も発行できるので、ビジネス利用でも問題ありません。

なかには、指定席券売機の画面上で目的のきっぷにたどり着けるか不安な方もいるかもしれません。そうしたときに役立つのが、JR北海道サイト内「ラベンダーフリーパス」の紹介ページ(https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Otoku/006846/)に載っているQRコードです。

指定席券売機の画面上の「QRコードの読取」を選択し、スマホの画面などに表示、またはプリントしてきたQRコードを券売機右側の読み取り部にかざせば、「ラベンダーフリーきっぷ」が一発で表示されます。
あとは、先ほどと同様に利用日、人数を選んでいきます。

なお、「指定席券売機」であっても、「発売エリア」が定まっており、「ラベンダーフリーきっぷ」は、「JR北海道内」でのみ購入できます。それ以外のエリアの指定席券売機では発券できません。

  • QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です。

この方法で購入できる主なきっぷ

  • 北海道フリーパス(7日間)
  • 北海道&東日本パス
  • 一日散歩きっぷ

えきねっと

続いてインターネット予約システム「えきねっと」での「トクトクきっぷ」の買い方を解説します。えきねっとのすごいところは「ここでしか買えない片道タイプのトクトクきっぷ」がさまざま用意されている点です。

せっかくなので「えきねっと」限定のトクトクきっぷ「えきねっとトクだ値」で札幌~帯広のきっぷ(指定席特急券+乗車券)を買う方法を説明します。
なお、下準備として先に「えきねっと」への会員登録を済ませておきましょう。

「えきねっと」でのトクトクきっぷ予約の流れ

  • 1.えきねっとのトップページ(https://www.eki-net.com/Personal/Top/Index)で、乗車区間や日時などを入力し「列車を検索する」をクリック
  • 2.乗りたい列車を選び「きっぷ・座席の種類選択へ進む」をクリック
  • 3.「トクだ値」と書かれている座席の種類をチェック
  • 4.「次へ」を選択し、座席を指定、「申込内容を確認する」をクリック
  • 5.「支払方法を選択」
  • 6.「この内容で確定」をクリック

片道タイプのトクトクきっぷは、席数などが限定されており、「えきねっとで買えば、絶対安くなる」わけではありません。座席の種類を選択する際に「トクだ値」の欄がチェックできないときは、すでに売り切れていることを意味します。

支払方法は以下より選択できます。

  • クレジットカード
  • コンビニ払い(現金のみ)
  • 金融機関(ATM、ネットバンキング)
  • 駅での支払い(みどりの窓口、指定席券売機)

上記のうち、クレジットカードは「申込」と同時に決済が行われ、「購入」も完了します、また、コンビニ、ATM、駅はインターネットで申し込んだ段階では「予約」の扱いになり、支払い期限が設定されています。期限を過ぎると自動的にキャンセルとなるため、クレジットカード払いを強く推奨します!

支払いが完了した「えきねっとトクだ値」は、以下の指定席券売機、またはみどりの窓口で受け取ります。なお、支払い方法で「駅」を選択した場合は、きっぷの購入と発券が同時に行われます。


指定席券売機で受け取る方法

えきねっとで予約したきっぷを指定席券売機で発券する流れ

  • 1.券売機の最初の画面で「インターネット予約の受け取り」を選択
  • 2.「えきねっと予約の受け取り」を選択
  • 3.クレジット払い決済をした場合:申込時に利用したクレジットカードを挿入
    コンビニ、金融機関、駅支払いの場合:「QRコードまたは受取コード」を選択し、案内に沿って進む
  • 4.きっぷ内容を確認し、「この予約を選択する」を選択し、案内に沿って進む
  • 5.発券

クレジットカード払いの場合、きっぷの受け取りに際しては、実際に使用した「クレジットカード」が必要になります。旅行中はお財布のなかをすっきりさせる人も多いと思いますが、「カード、家に置いてきちゃった!」とならないよう、「いつも使っているカード」で決済しましょう。

この方法で購入できる主なきっぷ(えきねっと限定のきっぷ)

  • えきねっとトクだ値
  • えきねっとトクだ値(チケットレス特急券)
  • えきねっとチケットレス座席指定券

JR北海道エリアのトクトクきっぷを買って、お得な旅を

今回は、JR北海道エリアのトクトクきっぷの購入方法を解説しました。

きっぷによって選べる購入方法は異なりますので、利用するトクトクきっぷの「発売箇所」を確認するのだけは、お忘れなく!


著者紹介

蜂谷あす美

旅の文筆家。福井県福井市出身。慶應義塾大学卒業後、出版社勤務を経て、現在に至る。「旅は再訪のための下見」をモットーに、2015年1月にJR全線完乗。鉄道と旅を中心としたエッセイや紀行文などを数多く執筆しているほか、ご当地牛乳にほれ込み牛乳の連載も経験あり。最近はラジオをはじめ、トークでも活躍。著書『女性のための鉄道旅行入門』『もっとお得にきっぷを買うアドバイス50』(ともに天夢人)

オフィシャルHP
Twitter

  • 文:蜂谷あす美
  • 掲載されているデータは2023年4月現在のものです。


トクトクきっぷの購入方法 JR西日本編はこちら

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